最終更新日:2026/10/20
ユニコーン企業とは?定義・条件をわかりやすく解説

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
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- ユニコーン企業の意味と定義
- 企業評価額について
- ユニコーン企業と似た言葉との違い
- 代表的なユニコーン企業
ユニコーン企業とは、企業評価額が10億米ドル以上の未上場の企業を指す言葉です。日本円に換算すると1米ドル=150円の場合であれば約1,500億円に相当します。
ただし、ユニコーン企業という言葉は法律上の分類ではないため定められた統一の基準があるわけではありません。
一般には「評価額10億米ドル以上」「未上場」「スタートアップ」の3点が一般的なユニコーン企業の条件ですが、創業年数などを条件に加えるケースもあります。
この記事では、ユニコーン企業の定義や評価額の見方、日本と世界の代表例、似た言葉との違いをわかりやすく解説します。


ユニコーン企業とは?
ユニコーン企業という言葉を聞いたことがあるでしょうか?あまり一般的に使用される言葉ではないため、耳なじみがないという方も少なくないと思います。
ここでは、ユニコーン企業の意味や言葉の由来を確認し、どのような企業が該当するのかを整理します。
企業評価額10億ドル以上の未上場スタートアップ企業
ユニコーン企業とは、評価額が10億米ドル以上で、株式市場に上場していないスタートアップ企業を指しています。
急成長を目指して設立された企業が、非上場のまま10億米ドル以上の企業評価に到達したというものです。
多くの場合、スタートアップ企業が急成長して成功した事例として捉えられています。
ただし「ユニコーン企業」は法律上の会社形態や分類の制度ではありません。
調査機関や報道機関などが企業のポジティブなラベリングとして使うことが多い呼び方であり、使用する人によって細かな基準が異なる場合もあります。
ユニコーン企業という言葉の由来は?
「ユニコーン企業」という言葉は、米国のベンチャーキャピタリストであるアイリーン・リー氏が、2013年にTechCrunchで発表した記事をきっかけに広まった言葉です。
評価額が10億米ドルを超える未上場のスタートアップ企業は非常に珍しいため、伝説上の生き物であるユニコーンになぞらえられました。
伝説の生き物のユニコーンは架空のものであり実際には存在していない幻の生き物ですが、ユニコーン企業は実在する企業です。
ユニコーン企業が注目される理由
ユニコーン企業は、創業から比較的短期間で大きな企業評価額を得ているため、成長性の高い企業として注目される存在です。
新しい市場をつくる事業や、新しい独自の技術を持つ企業も多く、投資家や取引先から関心を集めることも多くあります。また、新しいビジネスを展開するため一般消費者から認知されやすいというケースもあります。
国や地域にとっては、ユニコーン企業の数が景気や経済成長を測る目安の一つになることもあります。
ユニコーン企業の定義・条件
ユニコーン企業という言葉に法律上の統一基準はありません。一般的には次の3つが目安であるとされています。
- 企業評価額が10億米ドル以上である
- 株式市場に上場していない
- スタートアップ企業である
上記の基準に加えて、調査機関によっては「創業10年以内」などの条件を設ける場合もあります。
企業評価額が10億米ドル以上である
企業評価額が10億米ドル以上であることは、ユニコーン企業と呼ばれるための主な条件です。企業評価額とは、会社全体の価値を投資家や市場関係者がどのように評価しているかを示す金額のことです。
評価額が10億米ドルに達したかどうかは、資金調達ラウンドなどの評価を基準に判定されます。
株式市場に上場していない
株式市場に上場していないのが、ユニコーン企業の条件のひとつです。
もし、ユニコーン企業と呼ばれていた企業が上場した場合は「未上場」という条件を満たさなくなるため、一般にはユニコーン企業と呼ばれなくなります。
また、企業買収などによって独立した未上場企業でなくなった場合であっても、ユニコーン企業から外れることがあります。
スタートアップ企業である
ユニコーン企業は、革新的な技術や事業モデルをもとに、短期間で大きな成長を目指すスタートアップ企業です。
ただし「スタートアップ」の範囲にも明確な法律上の定義はありません。
つまり、スタートアップ企業が成功して短期間で急成長した結果、企業評価額が10億米ドル以上で未上場という条件を満たした場合に「ユニコーン企業」と呼ばれます。
ユニコーン企業の企業評価額
ユニコーン企業と呼ばれるためには、企業評価額がひとつのポイントになります。
ここでは、評価額の円換算や算定方法、時価総額との違いを押さえ、評価額が変動した際の見方について整理します。
10億ドルは日本円でいくら?
10億米ドルを日本円に換算した金額については為替レートによって変わります。たとえば、1米ドル=150円で計算すると10億米ドルは約1,500億円となります。
為替レートが1米ドル=140円なら約1,400億円、160円なら約1,600億円になります。
したがって「ユニコーン企業の条件を満たす評価額は日本円でいくらか」を計算するときは、米ドル円のレートと評価された時期をあわせて確認しましょう。
企業評価額と時価総額の違い
企業評価額とは、資金調達や株式の売買などをもとに、投資家が未上場企業の価値を評価した金額です。
資金調達時の株価に株式数を掛けて算定する方法などがありますが、株式の種類や投資条件によって評価額が変わります。
一方、上場企業の時価総額は、基本的に株価に発行済株式数を掛けて算出されるものです。株価が市場で日々変動するため、当然ですが時価総額も日々変わります。
ここで注意したいのが未上場企業の企業評価額は、上場企業の時価総額のように常時取引される価格ではないという点です。
参考価格的な意味合いであるというイメージを持つといいかもしれません。
評価額が下がる「ダウンラウンド」とは
ダウンラウンドとは、前回の資金調達ラウンドよりも低い企業評価額で、新たに資金調達を行うことです。業績の伸び悩みや市場環境の悪化、社会情勢、投資家の評価基準の変化などが背景にあります。
ダウンラウンドで、評価額が10億米ドルを下回れば一般的な基準ではユニコーン企業に該当しなくなる可能性もあります。
ユニコーン企業と似た言葉との違い
ユニコーン企業と似た言葉に、スタートアップやベンチャー、デカコーン、ヘクトコーンなどがあります。法律用語ではない言葉がほとんどであり差別化が難しいものもありますが、ここで各用語の違いを一般的な基準に沿って整理します。
スタートアップ企業との違い
スタートアップ企業は、革新的な技術やビジネスモデルをもとに、新しい市場の開拓や急成長を目指す企業を指している企業で、比較的新しい企業を指しています。
そして、ユニコーン企業は、スタートアップ企業のうち、企業評価額や未上場といった条件を満たした企業といえます。
ただし、スタートアップ企業のすべてがユニコーン企業になるわけではありません。いずれも法律用語ではありませんが、スタートアップの方がより広義的です。
ベンチャー企業との違い
ベンチャー企業は、新しい技術やビジネスモデルを展開する企業を指すことが多い言葉です。日本ではスタートアップ企業とほぼ同じ意味で使われる場合もありますが、用語の使い分けに統一された基準はありません。
ユニコーン企業は前述のとおり、評価額が10億米ドル以上で未上場などの条件を満たす企業を指しているため、ベンチャー企業がユニコーン企業の条件を満たすケースもあります。
ベンチャー企業はビジネスモデルやサービスの内容、ユニコーン企業は評価額によって分類される点が異なります。
上場企業との違い
上場企業とは、証券取引所で株式を売買している企業のことです。
ニュースなどで「東証一部上場」などという言葉を耳にしたことがあるかもしれませんが、これは「東京証券取引所の第一部で株の取引をしている」という意味です。
なお、東証一部は2022年4月4日の市場再編で廃止されて、現在ではプライム市場・スタンダード市場・グロース市場に移行しています。
一方で、ユニコーン企業は未上場です。つまり上場企業がユニコーン企業であるというケースはありません。
また、ユニコーン企業が上場した場合は、未上場の条件から外れるため、ユニコーン企業とは呼ばれなくなります。
経済産業省は上場後に時価総額10億ドルを超えた企業を『上場ユニコーン』として別に集計しています。
参考:第4回スタートアップ政策推進分科会 経済産業省資料|経済産業省(PDF)
メガベンチャーとの違い
メガベンチャーとは、ベンチャー企業が成長して、事業規模や従業員数が大きくなった企業を指すときに使われる言葉です。
法律用語ではないため、明確な定義はありませんが上場後も成長を続ける大企業を指すケースもあります。
ユニコーン企業は、主に未上場であることと企業評価額を基準に分類されます。
メガベンチャーは企業の規模や成長段階を表す呼び方であるため、分類の基準が明確に異なります。
デカコーン企業との違い
デカコーン企業は、企業評価額が100億米ドル以上の未上場の企業を指す言葉です。
デカコーン企業も法律上の認定区分ではないため、調査機関によって細かな条件が異なる場合があります。評価額の基準であれば、デカコーンはユニコーンの10倍にあたります。
ヘクトコーン企業
ヘクトコーン企業は、企業評価額が1,000億米ドル以上の未上場企業を指します。ユニコーン企業の100倍にあたる評価額で、非常に大規模な企業に使われる呼び方です。
ゼブラ企業
ゼブラ企業とは、企業評価額や上場の有無ではなくビジネスモデルや提供しているサービスなどを基準にした呼び方です。
一般的に、社会課題の解決と経済成長の両立を目指す企業を指しています。
ゼブラとはシマウマのことですが、縞模様が経済と社会性がひとつの企業の中で共存している状態を意味しているとされています。
代表的なユニコーン企業
ユニコーン企業は非常に珍しい企業ですが、日本にもユニコーン企業の条件を満たした企業があります。
日本のユニコーン企業
経済産業省が2024年9月に公表した資料によると、日本のユニコーン企業としては次の8社が挙げられています。
- Preferred Networks
- スマートニュース
- Playco
- SmartHR
- Spiber
- Opn
- GO
- Sakana AI
有名なユニコーン企業として知られるメルカリは、2018年6月に上場したため現在はユニコーン企業ではありません。
参考:スタートアップの力で社会課題解決と経済成長を加速する|経済産業省(PDF)

代表税理士
森 健太郎
上記の8社は、あくまで2024年8月時点の集計です。ユニコーン企業の顔ぶれは、上場や資金調達、経営状況の変化によって短期間で入れ替わります。
GOは2026年6月に東証グロース市場へ上場したため、現在は「未上場」の条件を満たしていません。Spiberは2026年3月に私的整理を経て事業を新会社へ譲渡しています。
一方で、製造業向けAIを手がけるキャディが2026年9月に企業価値1,820億円となり、新たにユニコーン企業の仲間入りをしました。
日本で最初にユニコーン企業となった企業
日本で最初のユニコーン企業とされているのは、株式会社Preferred Networksもしくはメルカリです。
株式会社Preferred Networksは、2018年当時の評価額が20億ドルでありユニコーン企業の条件を満たしていました。
また、メルカリは2016年の大型資金調達の頃から日本を代表するユニコーン企業として知られ、2018年6月に東証マザーズへ上場しました。
日本初のユニコーン企業については、ユニコーン企業の定義やどの時点での評価額なのかで異なります。
日本最速でユニコーン企業となった企業
日本最速でユニコーン企業になった企業はSakana AIです。2023年に創業し、創業から約1年で企業評価額が10億米ドルを超えました。
参考:「スタートアップエコシステム調査2026」|経済産業省
世界のユニコーン企業
世界には、米国や中国を中心に多くのユニコーン企業があります。
代表例としては、ChatGPTを開発してサービスを提供しているOpenAIや、TikTokの運営会社であるByteDanceなどが挙げられます。
ユニコーン企業によくある質問
ユニコーン企業は企業評価額や未上場などの条件がある
ユニコーン企業とは、一般に企業評価額が10億米ドル以上で、未上場のスタートアップ企業を指しています。法律用語ではないため判断する機関によって基準がことなるケースもあり、創業10年以内などの条件を加える場合もあります。
未上場企業の評価額については、資金調達時の株価や投資家との取引条件などをもとに算定されます。
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