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最終更新日:2026/8/10

法人登記とは?会社設立登記の必要書類・申請方法・期限を司法書士が解説

田中 千尋 (司法書士)
この記事の執筆者 司法書士 田中千尋

ベンチャーサポート司法書士法人代表司法書士。
東京司法書士会所属(登録番号:第7627号)
1987年生まれ、香川県出身。
青山学院大学卒業後、都内の司法書士法人に補助者として勤務しながら、2014年司法書士試験に合格。合格後から今日に至るまで、多岐にわたる知識、経験を培う。
2018年ベンチャーサポート司法書士法人の代表社員に就任。

PROFILE:https://vs-group.jp/startup/profile_writing/#p-tana

法人登記とは?会社設立登記の必要書類・申請方法・期限を司法書士が解説

法人登記とは、会社の商号や本店所在地、役員といった情報を法務局の登記簿に記録する手続きです。
この設立登記が完了することで、会社は法人として正式に成立します。

ただし、登記申請には複数の書類を正確に揃える必要があり、書類の不備があれば補正(ミスの訂正)を求められ、それだけ登記の完了が遅れます。
登記の完了が遅れると、法人口座の開設や取引先との契約など、登記事項証明書が必要な手続きのスケジュールにも影響します。

この記事では、設立登記の必要書類・費用・申請方法に加えて、登記完了までにかかる期間や設立日の決まり方まで、手続きの全体像を司法書士が詳しく解説します。

個人事業と法人の違い、会社設立の流れ、必要書類、費用など会社設立の全体像をわかりやすく解説!

目次

法人登記とは会社の情報を法務局に登録すること

法人登記とは会社の情報を法務局に登録すること

法人登記とは、法人(会社)の情報を法務局に登録し、第三者が確認できる状態にする手続きのことです。
法人登記を行うことで、その法人には法人格が与えられ、会社名義での銀行口座開設や、オフィス賃貸借契約の締結などが可能になります。

法人登記が完了すると、その法人の情報は法務局の登記簿に登録され、登記事項証明書(登記簿謄本)を通じて誰でも確認できるようになります。
取引先や金融機関が会社の実在性や代表者を確認できるのは、この登記制度が機能しているためです。

法人登記には、会社を新たに設立する際に行う設立登記と、登記した内容(商号・本店・役員など)に変更が生じた際に行う変更登記があります。
本記事では会社を設立する際の「設立登記」を中心に、必要書類・費用・申請方法を整理しています。

株式会社を設立する場合は、定款の認証、資本金の払込み、登記申請書類の作成などが終わったあと、速やかに設立登記を申請します。

登記簿に記録される情報と登記事項証明書(登記簿謄本)の役割

設立登記を行うと、会社の情報が法務局の登記簿に記録されます。
株式会社の場合、登記簿に記録される主な項目は以下のとおりです。

登記申請で記録される内容(株式会社の一例)

  • 商号:会社の正式名称
  • 目的:会社が行う事業の内容
  • 本店の所在場所:本店の住所
  • 資本金の額:設立時に払い込まれた資本金の額
  • 発行可能株式総数:将来にわたって発行できる株式の上限数
  • 発行済株式の総数:設立時に実際に発行した株式数
  • 取締役の氏名:全取締役のフルネーム
  • 代表取締役の氏名及び住所:代表取締役のフルネームと住所
  • 公告方法:決算公告等を行う方法

※上記は主な登記事項です。
株式の譲渡制限の定めや取締役会・監査役の設置など、会社の機関設計に応じて追加の登記が必要になる事項もあります。

これらの登記事項は、登記事項証明書(一般に「登記簿謄本」と呼ばれる書類)を取得することで確認できます。
登記事項証明書は、法人口座の開設や融資の申込み、取引先との契約時や税務届出など、さまざまな場面で提出を求められます。

登記事項証明書の種類や取得方法を確認したい方は、以下の記事をご覧ください。

また、登記事項証明書を取得せずに、内容だけをオンラインで確認できる「登記情報提供サ-ビス」といったサービスも利用できます。

参考:登記情報提供サービス|一般財団法人 民事法務協会

このサービスの利用方法や料金などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

司法書士 田中千尋

司法書士
田中千尋

法人登記は「事業者自身の情報」が一般に公開されるため、プライバシーの面で抵抗を感じる方も少なくありません。

2024年10月からは、一定の要件を満たして申出をした場合、代表取締役等の住所の一部を登記事項証明書上で非表示にできる制度が始まっています。

ある程度のプライバシー保護が可能になりますが、住所が一切表示されなくなるわけではなく、市区町村などの最小行政区画までは記載されます。

また、株式会社でないと利用できない点や、本店所在地を自宅にした場合はその住所を隠すことはできない点などにご注意ください。

参考:代表取締役等住所非表示措置について|法務省

登記した内容に変更が生じた場合

会社設立後、登記簿に記録した事項に変更が生じた場合は、変更登記を申請する必要があります。
変更の事実が発生してから2週間以内に、管轄の法務局へ申請しなければなりません。
正当な理由なくこの期限を過ぎた場合、代表者に100万円以下の過料が科されることがあります。

参考:会社法第九百十五条第1項|e-Gov法令検索

変更登記が必要になる場面として多いのは、本店所在地の移転、役員の任期満了にともなう重任(再任)や退任、商号の変更、事業目的の追加・変更などです。

とくに多くの人に関わりが深いのが、役員の任期にともなう変更登記です。
株式会社の場合、社長(代表取締役)を含む取締役の任期は原則として2年です。
この任期を満了した場合、たとえ同じ人物がそのまま取締役を続ける場合でも、「重任」の変更登記が必要です。

任期の管理を怠ると、届出期限を過ぎていることに気づかず過料を科されるケースがあるため、設立時に定めた任期は確実に把握しておく必要があります。
変更登記の手続きや必要書類について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

司法書士 田中千尋

司法書士
田中千尋

なお非公開会社であれば、役員の任期は定款で定めることで最大10年まで延長することも可能です。

また、合同会社の場合は役員の任期という制度自体が存在しません。

役員の任期の数え方や注意点、変更登記の方法などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

株式会社設立時の法人登記の必要書類・必要なもの

会社設立の際の法人登記には、設立登記申請書に加え、さまざまな添付書類が必要です。
設立する会社の形態や規模によって必要となる書類は変わりますが、およそ10種類前後の書類を用意しなくてはいけません。

株式会社設立の法人登記の際に、多くの場合で必要となる書類には以下のようなものがあります。

これらの書類について、重要なポイントを解説します。

なお、会社設立に必要な書類については以下の記事をご確認ください。

設立登記申請書

設立登記申請書

設立登記申請書とは、設立する会社の商号(社名)や本店所在地などの概要をまとめた書類です。

法務局のサイトから、テンプレートをダウンロードできます。
ただし株式会社と合同会社でそれぞれ形式が変わるほか、取締役会を設置するかしないかによっても、使用するテンプレートが異なります。
自身の設立する法人に合わせて、テンプレートを選択してください。

参考:商業・法人登記申請手続|法務局

取締役会とは何か、設置すべきかどうかについては、以下の記事で詳しく解説しています。

登録免許税納付用台紙

登録免許税納付用台紙

登録免許税納付用台紙とは、法人登記の際に必要になる登録免許税を、収入印紙で支払う場合の台紙です。
専用の台紙を購入する必要はなく、A4サイズでさえあれば、コピー用紙などでも大丈夫です。

登録免許税の額は、原則として株式会社が15万円、合同会社が6万円ですが、資本金の額や「特定創業支援等事業」の活用の有無などによっても変化します。

詳しい登録免許税の確認方法や、登録免許税納付用台紙のサンプルについては、以下の記事をご確認ください。

定款

定款

定款とは、会社のルールや基本情報をまとめた書類です。株式会社を設立する場合、定款は公証役場で認証を受ける必要があります。
設立登記の申請では、株式会社の場合は公証人の認証を受けた定款、合同会社の場合は社員が作成した定款を添付します。
定款のテンプレートは、日本公証人連合会が株式会社などのテンプレートを実際の記載例とともに公開しています。

参考:定款等記載例(Examples of Articles of Incorporation etc)|日本公証人連合会

ただし、日本公証人連合会のWebページでは合同会社のテンプレートは公開されていません。
ネット上のほかの雛形を使用することもできますが、会社それぞれの事情に合わせることなく作成してしまうと、議決権・経営権や利益配分の割合、社員死亡時の承継規定などでトラブルになる可能性があります。

定款作成に不安や疑問がある場合は、よろず支援拠点などの公的支援窓口や、司法書士などの専門家への相談を検討してみましょう。

定款について詳しく知りたい方は、以下の記事をご確認ください。

発起人決定書

発起人決定書

発起人決定書とは、定款で定められていない内容に関して、原則として発起人全員の賛同を得たうえで決定したことを証明するための書類です。
主に、定款で省略されがちな「本店所在地の番地以降の部分」を補足するために作成されます。

合同会社の場合は発起人という概念がないため、発起人決定書は作りません。そのかわり、社員が決めた事項を社員の決定書としてまとめます。

発起人決定書の書き方や注意点などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

設立時代表取締役の就任承諾書

設立時代表取締役の就任承諾書

設立時代表取締役の就任承諾書とは、会社設立時に代表取締役に選ばれた人が、その就任を承諾したことを証明する書類です。

合同会社には代表取締役がいないため、この書類は使いません。合同会社で代表者を定める場合は、代表社員の就任承諾書を作成します。

設立時取締役の就任承諾書

設立時取締役の就任承諾書

設立時取締役の就任承諾書は、取締役に選ばれた人が、その役職に就くことを承諾したと示す書類です。
設立時取締役は会社の業務執行や意思決定を担う立場なので、本人の承諾が書面で確認できることが重要です。

内容は代表取締役の承諾書と似ていますが、取締役は印鑑証明書の添付が求められない設計になることがあります。
このため押印は認印で足りる運用もありますが、書類の整合を優先するなら、設立時は実印で統一しておくほうが補正(書類の訂正)のリスクを下げやすいです。

合同会社には取締役という機関がないため、設立時取締役の就任承諾書は作成しません。

就任承諾書については以下の記事で詳しく解説しています。

資本金の払込証明書

資本金の払込証明書

資本金の払込証明書とは、定款に記載されている資本金が、確かに所定の銀行口座に振り込まれたことを証明する書類です。

払込証明書には、設立時発行株式数や資本金の額などを記載します。
さらに通帳の表紙と1ページ目(表紙の裏)、誰がいくら振り込んだかがわかる振込明細のページのコピーを取り、あわせて冊子にして提出します。

ネット銀行の場合は通帳がないため、払込先金融機関名、入金日、入金額、口座名義が表示された取引明細を印刷して添付します。
より具体的な払込証明書の作成方法などは、以下の記事で詳しく解説しています。

取締役の個人実印の印鑑証明書

取締役の個人実印の印鑑証明書

取締役の個人実印の印鑑証明書は、取締役が押した印影が本人の実印であることを市区町村が証明する書類です。
法務局は、就任承諾書などの添付書類に押された印鑑が本人のものかどうかを確認するために、印鑑証明書の提出を求めます。

設立時の法人登記において、必要になる印鑑証明書の枚数は、取締役会を置くかどうかによって異なります。
取締役会を設置しない会社の場合、原則として取締役全員の印鑑証明書が必要です。

一方、取締役会を設置する会社の場合は、原則として代表取締役のみの印鑑証明書が必要となります。

個人の実印の印鑑証明書を発行するためには、まずは市区町村の窓口で印鑑を登録しなければいけません。
具体的な個人実印の登録方法や、印鑑証明書の発行方法については以下の記事で詳しく解説しています。

法人印の印鑑(改印)届書

法人印の印鑑(改印)届書

印鑑(改印)届書は、会社の代表者印を法務局に届け出て、会社の実印として登録するための書類です。
改印という言葉が書類名に含まれていますが、設立時は新規の届出として提出します。

法務省のWebページから、テンプレートを入手できます。

参考:印鑑(改印)届書|法務省(PDF)

法人印の印鑑(改印)届書を提出することで、会社の印鑑証明書を取得できるようになります。
この書類は、法人名義での金融機関の口座開設、借り入れ、不動産の賃貸借契約の締結などで提出を求められることがあります。

具体的な印鑑(改印)届書の提出から法人の印鑑証明書の取得方法などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

ただし、2021年2月15日以降、設立登記をオンラインで申請する場合は、代表者印の提出は任意になりました。
これに伴い、法人印の印鑑(改印)届書は必ずしも提出が必要な書類ではなくなりました。

しかし実務上、印鑑証明書を取得できないと、取引先や銀行から追加対応を求められる可能性があります。
スムーズに口座開設や契約を行うためにも、最初から代表者印を用意し、登録しておくことをおすすめします。

「登記すべき事項」の別紙かCD・DVDなど

「登記すべき事項」の別紙かCD・DVDなど

登記すべき事項とは、登記簿に載せる内容を整理したデータです。
設立登記では、申請書の中にも同じ情報を書きますが、情報量が多いため、別紙やCD・DVDなどの電子記録媒体にまとめることが可能です。

株式会社であれば商号や本店所在地、目的、資本金、役員の氏名や住所、公告方法などを記載しますが、この内容は定款の内容と矛盾しないようにしなければいけません。

登記すべき事項の具体的な作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

法人登記にかかる費用

法人登記を行うには、国に納める税金や書類作成の実費が必要になります。

会社設立の登記で必要になる主な費用は、以下の表のとおりです。

費用 株式会社 合同会社 備考
登録免許税 資本金×0.7%(最低15万円) 資本金×0.7%(最低6万円) 特定創業支援等事業を活用すれば半額まで軽減できる
定款認証手数料 1万5,000~5万円(資本金や条件によって変動) 0円 合同会社は定款認証自体が不要
定款の収入印紙代 紙定款:4万円
電子定款:0円
紙定款:4万円
電子定款:0円
電子定款は収入印紙自体が不要
定款の謄本交付手数料 紙定款:250円×ページ数(約2,000円)
電子定款:700円
不要 合同会社は定款認証が不要なため、公証役場での謄本交付手数料は原則発生しない

法人登記でかかる費用は、その多くが「登録免許税」と「定款」に関する費用で占められています。
それぞれについて詳しく解説します。

登録免許税の金額

登録免許税とは、法務局で登記を行う際に国へ納める税金です。
金額は、設立する会社の種類(株式会社か合同会社か)と、資本金の額によって変わります。
株式会社の場合は15万円、合同会社の場合は6万円ですが、資本金に0.7%(0.007)をかけた額がそれぞれ15万円・6万円を上回る場合は、その額が登録免許税の納付額になります。

また、登録免許税は「特定創業支援等事業」という制度を利用することで、最低納付額を半額まで軽減することができます。

会社設立における登録免許税についてや、特定創業支援等事業については以下の記事で詳しく解説しています。

定款にかかる金額

株式会社の場合、公証人による定款の認証手数料が発生するため、合同会社よりも設立にかかるコストが高くなります。
定款の認証手数料は資本金の額やそのほかの条件によって異なりますが、1万5,000円から5万円の間の額になります。

また、定款を紙で作成する場合は収入印紙代として4万円が必要になります。
電子定款を作成した場合、収入印紙が不要になるため、4万円分のコストをカットできます。

株式会社を電子定款で設立する場合、登録免許税(15万円)+定款認証(最低1万5,000円)をあわせた総額16万5,000円ほどが、最低限必要な資金の目安となります(特定創業支援等事業を利用する場合は約9万円)。

法人登記の申請方法と登記完了までの期間・設立日の関係

設立登記の申請方法は、法務局の窓口郵送オンラインの3種類です。
どの方法を選ぶかによって、登記完了までにかかる日数が異なります。
また、会社の設立日は登記の「申請日」で決まるため、申請方法ごとの受付ルールも事前に把握しておく必要があります。

会社設立日は登記を申請した日になる

会社の設立日は、登記が完了した日ではなく、法務局に登記申請を行った日です。
登記簿には「会社成立の年月日」として記録され、以後変更はできません。
事業年度の起算日にもなるため、希望する設立日がある場合は逆算して準備を進める必要があります。

申請方法ごとの設立日の決まり方は以下のとおりです。

申請方法ごとの設立日の決まり方

  • 窓口:法務局の窓口で申請が受付された日
  • 郵送:申請書が法務局に届いて受付された日
  • オンライン:17時15分までに受付された日(それ以降は翌開庁日)

なお、2026年2月2日から、休日を設立日に指定できる特例制度が始まりました。
指定したい休日の直前の開庁日に、開庁時間内(8時30分〜17時15分)に登記申請を行い、申請書にその旨と希望する設立日を記載することで利用できます。

窓口・郵送・オンラインのいずれの方法でも利用できますが、いずれも直前の開庁日の開庁時間内に受付されることが条件です。

参考:休日を会社等の設立の日とすることが可能になりました|法務省

法務局の窓口で申請する場合

本店所在地を管轄する法務局に、登記申請書と添付書類を直接持参して提出する方法です。

法務局の窓口対応時間は平日の9時から17時です。
土日祝日と年末年始(12月29日〜1月3日)は閉庁しています。

登記完了までの日数は、法務局の混雑状況や時期によって変わります。
一般的には1〜2週間程度ですが、年度末や四半期末などの繁忙期はさらに長くなることもあります。
管轄法務局のWebサイトでは登記完了予定日が公表されているため、申請前に確認しておくとスケジュールが立てやすくなります。

司法書士 田中千尋

司法書士
田中千尋

なお、管轄の法務局が最寄りの法務局とは限りません。

支局や出張所によっては商業登記の申請を受け付けていないことがあるため、法務局のウェブサイトで管轄を事前に確認してください。

参考:管轄のご案内|法務局

郵送で申請する場合

管轄の法務局宛てに、登記申請書と添付書類一式を郵送する方法です。

郵送の場合、申請書が法務局に届いた日が申請日として扱われます。
投函日ではなく到着日が基準になるため、設立日を特定の日にしたい場合は、配達日を指定できる書留やレターパックを利用するのが安全です。
登記完了までの日数は窓口申請と同程度です。

参考:商業・法人登記の郵送申請について|法務局

郵送による登記申請の具体的な方法や注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

オンラインで申請する場合

法務局の「登記・供託オンライン申請システム」を利用し、インターネット経由で申請する方法です。

会社・法人の設立登記をオンラインで申請する場合は、原則として「申請用総合ソフト」を利用して申請書情報や添付書面情報を送信します。
初めて利用する場合は、申請者情報の登録や申請用総合ソフトのインストールなどの事前準備が必要です。

オンライン申請は自宅や事務所から手続きできる点が便利ですが、電子署名の準備やソフトの設定が必要になるため、初めて手続きを行う場合は事前に利用環境や操作方法を確認しておきましょう。
具体的なオンライン申請の進め方については、以下の記事をご確認ください。

完全オンライン申請による24時間以内処理とは

オンライン申請には、申請データだけをオンラインで送り添付書類は紙で法務局に提出する方法と、添付書類もすべて電子データで送信する方法があります。
後者を「完全オンライン申請」といい、これに加えて以下の条件を満たした場合、原則として24時間以内に登記が完了します。

完全オンライン申請による24時間以内処理の条件

  • 株式会社または合同会社の設立登記であること
  • 役員等が5人以内であること
  • 添付書面(定款、発起人の同意書、就任承諾書など)がすべてPDFで作成され、電子署名が付与されていること
  • 登録免許税を電子納付すること
  • 申請内容に不備(補正)がないこと

参考:完全オンライン申請による法人設立登記の「24時間以内処理」について|法務省

法人登記のよくある質問

会社設立の法人登記を行うときに、疑問になりやすい点やよくある質問をまとめました。

曖昧な点を解消し、自信を持って手続きを進めるための参考にしてください。

その1:法人登記・商業登記・会社設立登記の違いとは

法人登記、商業登記、会社設立登記はしばしば混同されますが、厳密にはそれぞれの指す意味と範囲は異なります。

「法人登記」とは、本来は会社以外の法人を対象にした登記のことを指します。
具体的には一般社団法人や医療法人などの登記手続きが法人登記に当てはまります。

一方で「商業登記」とは、株式会社や合同会社などの商業に関する法人の登記を指します。
そのため、この記事で取り扱っている内容は、正確には商業登記と呼ぶべきものです。

しかし実際には、法務局の案内や窓口での扱いでも商業登記と法人登記はまとめて扱われ、多くのケースで同じものとして認識されています。
この記事でも混乱を避けるため、「株式会社などの設立に必要な登記」を設立登記として扱っています。

また、法人登記と商業登記のなかでも、会社設立に限定した登記のことを「会社設立登記」と呼びます。
商業登記の一種であり、この記事で扱っている手続きがこれにあたります。

その2:法人登記でよくあるミスはどのようなものか

法人登記のよくあるミスは、以下のようなものです。

法人登記でよくあるミス

  • 必要書類の不足
  • 必要事項の記入漏れ、記入ミス
  • 登録免許税納付のための収入印紙の貼り忘れ
  • 登録免許税納付のための収入印紙に消印を押してしまっている
  • 実印の押し忘れ
  • 印鑑証明書の有効期限が切れている(発行から3カ月以上経過している)

法人登記には多くの書類が必要になるため、初めて会社設立を行う場合、ミスも非常に起きやすいです。

法務局から補正を求められた際は、慌てずに対応しましょう。

その3:登記事項証明書(登記簿謄本)はいつから取得できるのか

登記事項証明書は、登記が完了したあとに取得できます。
申請中はまだ登記簿に情報が記録されていないため、証明書の発行も印鑑証明書の取得もできません。

登記が完了したかどうかは、オンライン申請の場合は申請システム上で処理状況を確認できます。
窓口や郵送で申請した場合は、申請時に登記完了予定日が案内されるほか、管轄法務局のウェブサイトでも予定日が公表されています。

具体的な登記完了までの期間の目安などについては、以下の記事をご確認下さい。

法人口座の開設、税務署への届出、取引先との契約など、登記事項証明書の提出を求められる場面は設立直後に集中します。
複数の手続きで同時に必要になることも多いため、5枚ほどまとめて取得しておくと手続きがスムーズに進みます。

その4:補正には追加料金などはかかるのか

補正には追加料金などは発生しません。

ただし「登録免許税を納付するための収入印紙に消印が押されている」などの理由で受理されなかった場合の補正には、新たに収入印紙を用意するための費用などが必要になります。

その5:設立登記は自分だけでできるのか

法人登記の手続きは、必ずしも専門家に依頼しなければならないわけではありません。
自身ですべての書類を作成し、申請を行うことも法律上可能です。

しかし、1から用語を調べ、約10種類の書類をミスなく作成するには、膨大な時間と労力がかかります。
もし書類に不備があれば、補正(訂正)を行う必要があり、本来事業の準備に使うべき貴重な時間を奪われてしまうリスクもあります。

確実かつスムーズに手続きを終えたい場合は、司法書士などの専門家に任せるのが最も安全な選択です。
司法書士であれば、複雑な書類作成や電子定款(4万円の印紙代節約)への対応、法務局への申請までを正確に代行してくれます。

また、会社設立支援サービス(クラウドツール)を活用する方法もあります。
「マネーフォワードクラウド会社設立」のようなサービスを利用すれば、Web上のフォームに沿って入力を進めるだけで、登記に必要な書類を自動作成することが可能です。
これらを利用すれば、登記申請の難易度を大幅に下げることができます。

参考:電子定款対応でお得に会社設立 - マネーフォワード クラウド会社設立|株式会社マネーフォワード

自分自身で法人登記も含めた会社設立を行う場合は、以下の記事をご確認ください。

その6:法人登記のあとにもやるべきことはあるのか

法人登記が完了したあとは、税務署や年金事務所、都道府県税事務所など、複数の役所に対して速やかに届出を行わなければいけません。
これらの届出にはそれぞれ提出期限が定められているため、注意が必要です。

一例として、税務署へ提出する「青色申告承認申請書」があります。
この書類には「設立から3カ月以内(または第1期の終了日のうち早い日)」という厳格な提出期限があり、1日でも遅れると初年度の青色申告による節税メリット(赤字の繰越など)を一切受けられなくなってしまいます。

参考:C1-19 青色申告書の承認の申請|国税庁

また、社長1人の会社であっても、法人は社会保険への加入が法律で義務付けられています。
社会保険の手続きは年金事務所で行いますが、会社設立日から5日以内という短い期間内での書類提出が求められます。

法人登記を行ったあとの具体的な提出書類と提出先、それぞれの期限などについては、以下の記事で詳しく解説しています。

その7:個人事業主から法人成りする場合、登記以外に必要な手続きはあるか

個人事業主が法人を設立して事業を引き継ぐ「法人成り」の場合、設立登記に加えていくつか固有の手続きが発生します。

法人成りにともない個人事業を廃止する場合は、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します。
提出期限は、事業の廃止などの事実があった日の属する年分の確定申告期限までです。
個人事業で青色申告をしていた場合は「所得税の青色申告の取りやめ届出書」もあわせて必要になります。

個人事業で使っていた設備や在庫、車両などを法人に引き継ぐ場合、引き継ぎの方法によって税務上の扱いが変わります。
売買、現物出資、賃貸などの方法があり、それぞれ課税関係が異なるため、引き継ぐ資産がある場合は事前に税理士に相談しておくことが重要です。

より具体的な、法人化の前後で発生する手続きに関連する費用については、以下の記事をご確認ください。

さらに個人事業主は通常、国民健康保険と国民年金に加入していますが、法人を設立した場合はたとえ代表者1人の会社であっても、健康保険と厚生年金への加入義務が生じます。

加入の手続きは、会社の所在地を管轄する年金事務所に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」を提出して行います。
届出の期限は法人設立から5日以内と短いため、登記完了後すぐに対応が必要です。

司法書士 田中千尋

司法書士
田中千尋

厚生年金に加入すると、国民年金は自動的に第2号被保険者に切り替わるため、別途届出をする必要はありません。

一方、国民健康保険は自動的には脱退されないため、お住まいの市区町村に14日以内に脱退届を提出してください。

法人登記について困ったら税理士や司法書士に相談しよう

設立登記の手続き自体は、書類を正確に揃えれば自分で行うことも可能です。
ただし、ここまで見てきたとおり、登記にかかわる判断は登記手続きの中だけで完結しません。
登記事項の内容は定款の作成段階で決まりますし、登記完了後には税務届出や役員報酬の設定など、期限の短い手続きが続きます。

登記申請書類の作成や法務局への申請手続きは司法書士の専門領域です。
一方、設立前後の税務判断は税理士の専門領域になります。
どちらに相談すべきか迷う場合は、設立後の税務顧問まで見据えて税理士に相談すると、登記手続きも含めて必要な専門家への橋渡しを受けられることが多いです。

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会社設立の手続き

会社設立の手続きは、設立内容の決定から始まり、事業目的のチェック、定款認証、出資金の払い込み、法務局への登記申請を行います。株式会社の設立、合同会社の設立手続きの基本的な流れを知り、スムーズに手続を行えるようにしましょう。

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会社設立内容の決定

会社設立で決めるべき項目について見ていきます。ここで決める内容は定款を作成する際に必要な事柄です。それぞれの項目についての留意点を確認して、会社設立後に問題の起きない内容にしておきましょう。

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会社設立の費用

会社設立にかかる費用は株式会社か合同会社かといった会社の種類によって変わってきます。会社設立にかかる実費と専門家に依頼した場合の費用(報酬)について見ていきます。

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起業

起業する人たちの多くは、自分の起業に関して試行錯誤した上で、会社設立のスタート地点まで辿り着いています。起業するに際しての心構え、注意すべき点を確認していきます。

» 起業の世界Vol.1【2019起業の現状】失敗する人の共通点と成功のステップ » 起業は1人で行うもの?2人でおこなうもの? » 会社設立する前にチェックしておくべき起業家の5つの心得

会社設立全知識

会社設立時には設立後の資金調達や税金・会計のこと、許可申請や今後の事業展開を想定した対応も求められてきます。会社設立時には色々なことを検討していかなければなりませんが、事業展望を明確にしていくよい機会となります。確認すべき事項をみていきましょう。

» 会社設立のメリット・デメリット » 「資本金」の意味、金額の決め方、足りなくなった時は?いつから使えるか? » 会社設立登記申請時の法務局活用のすすめ » 会社設立・スタートアップに税理士は必要か?税理士の探し方とタイミング » 会社設立前に確認したい48項目徹底検討

節税、確定申告、税務調査

本当に使える節税対策から自分でできる確定申告、税務調査までベンチャーサポートでは会社設立後も起業家のサポートを行っていきます。

» 法人の節税対策パーフェクトガイド » 節税対策Vol.1 税金の世界は「知らない人は損をして、知ってる人が得をする」 » 自分でできる個人事業主のための所得税確定申告パーフェクトガイド » 税務調査の不安を解消する税務調査の真実 パーフェクトガイド

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