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最終更新日:2025/10/20

起業相談はどこでする?相談先ごとのサポート内容や無料かどうかなどを解説

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

起業相談はどこでする?相談先ごとのサポート内容や無料かどうかなどを解説

起業を決意したものの、自分の事業アイデアを誰に相談すればよいのか、最初の一歩で迷ってはいませんか。
もしくはアイデアを固めたものの、実際の会社設立の手続きに戸惑い、どのように進めればいいのかという悩みを抱えてはいないでしょうか。

起業に関する相談相手の選択は、その後の資金調達や設立手続きの円滑さを大きく左右します。
事業のフェーズに合わない相手に相談すると、本来受けられるはずの公的支援を見逃したり、青色申告の承認申請のように期限が定められた重要な手続きを逸してしまったりする可能性もあります。

本記事では、公的機関から税理士などの専門家まで、各相談先が持つ独自の強みと役割を比較・解説します。

個人事業と法人の違い、会社設立の流れ、必要書類、費用など会社設立の全体像をわかりやすく解説!

目次

【最短で把握】どこに相談するべきか診断

起業準備の段階で抱える悩みは、人それぞれ異なります。
現在の状況を以下に当てはめて、最適な相談先を見つけてください。

相談先

  • 事業アイデアが固まっていない
  • 事業計画書が作れず、融資も不安
  • すぐにでも会社を設立したい

悩み1:「起業したいが、具体的な事業アイデアが固まっていない」

診断結果:TOKYO創業ステーションや地域の商工会議所といった公的機関へ相談しましょう。

この段階では、融資や設立手続きといった具体的な話の前に、まずご自身のアイデアを客観的に評価し、ビジネスの形に磨き上げていくことが最優先です。
TOKYO創業ステーションのコンシェルジュ相談などを活用し、起業経験者との壁打ちを通じて、事業の核となるコンセプトを明確にしていきましょう。

さまざまな業種のセミナーに参加し、成功事例に触れることも、新たな視点を得るために極めて有効です。

参考:起業相談|TOKYO創業ステーション

悩み2:「事業アイデアは固まったが、計画書に落とし込めず、融資も不安だ」

診断結果:創業支援に特化した税理士への相談を強く推奨します。

この段階では、税理士の初回の無料相談を活用し、自分の計画の甘い点や改善すべき点を具体的に指摘してもらうのがいいでしょう。

事業計画書の質は、事業そのものだけでなく、融資の成功確率にも直結します。
特に高額な融資を希望する場合などは、客観的なデータに基づいた収支計画が不可欠です。

税理士は、起業家の事業アイデアを「売上予測」「原価計算」「人員計画」といった具体的な数値に落とし込み、返済能力を論理的に証明する資料とすることができます。
これにより「なぜこの事業が利益を生み、借入金を完済できるのか」という問いに、客観的な根拠をもって回答することが可能になります。

悩み3:「計画も自己資金もあるので、すぐにでも会社を設立したい」

診断結果:司法書士と税理士に相談しましょう。

会社の「設立登記」という法的な手続きは、司法書士の独占業務です。
定款の作成から法務局への申請まで、手続きをスピーディーかつ正確に進めるためには司法書士の力が必要となります。

一方で、資本金の額や役員報酬の設定といった、設立後の納税額に影響する重要な決定は、税理士の専門領域です。
法的な器を作る司法書士と、その器に最適なお金の流れを設計する税理士、両者の視点を組み合わせることで、個人では難しい、しっかりとした土台のある会社設立を行えます。

会社設立に携わる多くの税理士は、あらかじめ司法書士と連携し、設立を一貫してサポートできる体制を整えています。
まずは税理士の無料相談を利用してみましょう。

はじめての起業相談チェックシート

はじめて起業について相談する際に準備不足だと、限られた相談時間が漠然とした話だけで終わってしまう可能性があります。
相談の効果を最大限に引き出し、具体的な次の一歩につなげるために、以下のチェックシートを参考に、事業計画を事前に整理しておきましょう 。

参考:起業相談チェックリスト VSG.pdf

このチェックシートは、相談する段階で完璧な答えを用意しておく必要はありません。
むしろ、現時点で不明な点や悩んでいる点を明確にすることが、相談を成功させるための第一歩となります。
自分が書ける範囲を埋め、空欄となった箇所についても相談相手に見せ、アドバイスを受けましょう。

相談には何を持っていけばいい?

税理士などの専門家や公的機関で相談を受けるときは、チェックシートに加え、自分自身の職務経歴書なども持っていくと、よりスムーズかつ質の高い相談が受けられます。

事業の実現可能性は、事業主の能力や専門性に大きく左右されます。
自分の経歴を客観的に示す資料があれば、相談相手も起業家の強みを正確に把握でき、「その経験があれば、この分野でさらに優位性を築ける可能性がある」といった、より踏み込んだアドバイスが可能になります。

起業の相談ができる専門家と得意分野

起業の相談ができる専門家は、主に以下のような士業の資格保持者です。

起業の相談ができる専門家

  • 税理士
  • 司法書士
  • 行政書士

それぞれ専門とするジャンルが違うので、相談できる内容も異なります。
起業について相談する際は、複数の士業が集まり、さまざまな面からサポートを受けられる士業グループに相談するといいでしょう。

多くの事務所やグループでは、初回の相談が無料になるサービスを行っています。
事務所によっては2回目以降の相談も無料なので、あまり費用を気にせず気軽に相談できます。

それぞれの士業と、相談できる具体的な内容について解説します。

税理士【税務・書類作成・融資・経営アドバイスなど】

料金 初回無料(事務所による)・顧問契約などは有料
形式 対面・電話・オンライン
できること 税務代理・各種届出・節税対策・税務設計(インボイス・法人税など)・会計体制の構築・融資書類の作成など
想定に合う人 素早く設立したい人・税や資金について不安を抱える人・融資を受けたい人

「そもそもこの事業は成り立つのか」「融資は受けられるだろうか」といった資金面の不安は、起業家にとってとても大きな課題です。
税理士は、単に税金の計算を行う専門家ではなく、財務戦略に関わる最も身近な相談相手になります。

多くの税理士事務所が提供している無料相談では、主に事業の実現可能性についてのアドバイスを受けることができます。
特に創業支援を専門とする税理士は、起業家の事業アイデアを、売上予測や経費計算といった具体的な数字に落とし込み、その計画が客観的に見て成り立つかを評価してくれます。

具体的な支援を依頼する顧問契約後は、会社運営に欠かせない経理業務や決算処理、税務署への申告書作成といった専門的な業務について、継続的なアドバイスや実務代行を依頼できます。

また、会社設立を専門とする税理士は、司法書士や行政書士と連携しているため、定款作成や登記申請書類の準備といった、設立に必要な手続きを全面的に支援することも可能です。

近年では、設立後の顧問契約を条件に、会社設立時の手数料を0円にするサービスを提供する税理士も増えています。
ビジネスプラン、補助金、助成金、融資など、起業に関わるあらゆる相談を一手に受けられる税理士は、起業家にとって最も相談するべき相手といえるでしょう。

会社設立を税理士に相談しサポートを受けるメリットなどについては、以下の記事でより詳しくまとめています。

個人事業主としての起業・法人成りするべきかなども相談できる

起業の第一歩として、「個人事業主」で始めるか、あるいは「法人(株式会社や合同会社)」を設立するかは、将来の事業展開と納税額に大きな影響を与える重要な選択です。

税理士は、起業家の事業規模や利益予測から、どちらの形態が最適かを具体的にシミュレーションします。
また、すでに個人事業主として活動している人が法人成り(株式会社や合同会社を設立して、その法人に事業を引き継ぐこと)をするべきかについて、税務面などからアドバイスしてもらえるのも、税理士に相談するメリットの1つです。

司法書士【登記申請など】

料金 初回無料(事務所による)
形式 対面・電話・オンライン
できること 会社設立登記・役員変更や本店移転などの登記変更・定款作成と認証の代行
想定に合う人 登記を確実に進めたい・定款の作成や認証を任せたい人

法務局への「会社設立登記」の代理申請は、司法書士が独占的に行える専門業務です。
この登記手続きによって会社は法的に成立したことになり、法人口座の開設や契約の締結といった事業活動が可能になります。

起業家が自ら登記手続きを行うことも不可能ではありませんが、そのプロセスは専門的な知識を要します。
書類にわずかな不備があるだけで、補正(書類の修正)が必要になり、事業開始が数週間遅れてしまうという事態も起こり得ます。

このような登記申請に関する疑問や不安については、司法書士に相談することができます。
また、定款の作成や認証についても、司法書士であれば代行が可能です。

会社設立を司法書士に相談しサポートを受けるメリットなどについては、以下の記事でより詳しくまとめています。

行政書士【許認可申請など】

料金 初回無料(事務所による)
形式 対面・電話・オンライン
できること 各種許認可申請(飲食・建設・古物商など)・定款作成と認証の代行
想定に合う人 開業に許認可が必要な人

特定の許認可を必要とする事業を始めるのであれば、行政書士は不可欠な存在となります。

許認可とは、特定の事業を営むために行政機関から得なければならない「許可」や「免許」のことです。
本来取得するべき認可を得ずに営業を行った場合、営業停止命令や数百万円の罰金といった重い罰則の対象となります。

法人に特定の事業活動を認める許認可の総数は、2018年6月の総務省の発表によると1,306個もあるとされ、事業内容によって必要となる手続きは多岐にわたります。

参考:許認可等の統一的把握の結果について|総務省(PDF)

これらの申請手続きは、単に書類を提出すればよいというものではありません。
たとえば「建設業許可」の申請では、経営経験を証明する書類や財産的基礎を示す資料など、20種類以上の証明書類をそろえる必要があり、その要件は極めて厳格です。

行政書士は、こうした複雑な要件を正確に読み解き、行政機関との折衝を含め、許可取得までの一連のプロセスを代行します。
専門的な知識を要し、要件が厳格に定められた許認可申請を円滑に進めるための専門家が、行政書士です 。

会社設立を行政書士に相談しサポートを受けるメリットなどについては、以下の記事でより詳しくまとめています。

無料で活用できる公的機関と相談できること(東京23区中心)

「いきなり士業の人に相談するのは気が引ける」という人は、国や自治体などが運営する機関に相談してみるのもいいでしょう。

多くの地域でさまざまな起業家支援が行われており、起業の手続きだけでなく、融資制度などについて相談できる公的機関もあります。
セミナーなどを無料で受けられることもあるので、初めて会社設立を行う人は地元の起業家支援窓口を一度調べてみましょう。

起業の相談に無料で対応している公的機関の特徴を、以下の表にまとめました。
なお今回は、東京で起業するケースを想定しています。
しかしここで紹介する公的機関の多くは、全国各地に拠点があるので、東京以外で起業を考えている人もぜひご覧ください。

公的機関 形式 できること 在籍している専門家 想定に合う人
商工会・商工会議所 対面・オンライン 起業全般の相談 弁護士・税理士・社会保険労務士など 地域に根ざした起業を考えている人
しんきん創業の扉 対面・オンライン(地域による) 資金調達の相談・補助金や助成金の案内など 信用金庫の職員・中小企業診断士・税理士など 地元の金融機関とつながりたい人
日本政策金融公庫 対面・オンライン 創業融資を踏まえた創業計画の作成相談など 融資担当者・創業支援相談員 資金調達について具体的に検討している人
よろず支援拠点 対面・電話・オンライン 起業全般の相談 コーディネーター(中小企業診断士・税理士など) 起業の方向付けを深めたい人
TOKYO創業ステーション 対面・電話・オンライン アイデア整理・起業手続きの相談・事業計画書作成など 起業家コンシェルジュ(起業経験者)・司法書士・弁理士(知財)・社会保険労務士・弁護士・税理士など 最初に全体像をつかみたい人・アイデア段階なので方向性を掴みたい人
東京開業ワンストップセンター 対面・電話・オンライン 定款・登記・税務・社保などの案内 相談員・中小企業診断士など 手続きを並行で効率よく進めたい人・英語で相談したい人

これらの公的機関の相談は、原則として予約が必須ですが、無料で利用することができます。

ただしこれらの窓口は、会社設立の特定の分野についてしか相談できなかったり、相談できる時間が限られていることもあります。
また、書類の書き方についてのアドバイスなどは受けられても、書類の作成や提出の代行に関しては司法書士や行政書士の独占業務となっているため、基本的に自分で行わないといけません。

これらの窓口に相談したうえで、起業に関してまだ不安や疑問がある場合は、税理士や司法書士などに、より詳しい内容について相談することをおすすめします。

それぞれの公的機関の特徴と、相談できる内容について解説します。

商工会・商工会議所【会社設立全般】

料金 無料
形式 対面・オンライン
できること 起業全般の相談
在籍している専門家 専門相談員(日程により税理士・社労士・弁護士など)※地域で異なる
想定に合う人 地域に根ざした起業を考えている人
参考 経営相談|日本商工会議所
https://www.jcci.or.jp/support/soudan/

地域に根差した事業を展開するうえで、地域の経営者や金融機関とのネットワークを構築することは、重要な経営課題の1つです。
こうした課題の解決を支援するのが、商工会議所や商工会です。

ほかの支援機関と比較した際の商工会議所の本質的な強みは、その地域に深く根差したネットワークと、特定の融資制度への推薦機能にあります。

具体的には、商工会・商工会議所は税理士や弁護士といった専門家の紹介だけでなく、地域の金融機関や協力企業との橋渡し役も担います。
これは、事業をその地域に根付かせ、継続的に成長させていくうえで非常に大きなアドバンテージとなります。

また、資金調達の面でも強力なサポートを提供しています。
たとえば、商工会議所の経営指導を受け、推薦を得ることで利用できる「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」は、最大2,000万円まで無担保・無保証人で融資を受けられる制度です。
金融機関からの直接融資が難しい創業初期において、この制度が事業存続の生命線となるケースは少なくありません。

さらに「事業再構築補助金」や「ものづくり補助金」など、さまざまな補助金の申請支援もあわせて行っています。

税理士 森健太郎
税理士 森健太郎からひと言
商工会や商工会議所は「会員向け」の支援やサービスを主に行う場所ですが、起業相談に関しては非会員でも無料で受けることができます。ただし管轄内で起業する人のみなどの条件もあるので、あらかじめ確認しておきましょう。

どちらに相談する?商工会と商工会議所の違い

商工会と商工会議所で、創業段階で相談できる内容や受けられるサポートには、ほとんど違いがありません。

また、商工会と商工会議所は、管轄が重複していることもほぼありません。

なので基本的には、開業を予定している場所を管轄している商工会か商工会議所に赴き、そこで相談を受けましょう。

しんきん創業の扉【事業計画・資金調達など】

料金 無料
形式 対面・オンライン(地域による)
できること 創業計画の壁打ち・事業計画作成・資金調達の相談・補助金や助成金の案内など
在籍している専門家 各信用金庫の創業担当者・連携士業(税理士・診断士など)※地域で異なる
想定に合う人 地元の金融機関とつながりたい人
参考 しんきん創業の扉|信金中央金庫
https://www.shinkin-sogyo.net/

信用金庫は、その成り立ちから地域社会の発展を第一の目的としており、創業支援においてもその地域に根差した視点でのサポートを期待できます 。
全国の信用金庫と創業者を繋ぐポータルサイトが「しんきん創業の扉」です 。

信用金庫への相談を検討するうえで、ほかの相談機関にはない独自性は、地域経済を知り尽くした金融機関であるという点に集約されます。

第一に、地域の特性を反映した事業計画の相談が可能です。
画一的なサポートではなく、地域の人口動態や競合店の状況を熟知した職員から、「この地域でその事業を成功させるには」という観点で、より現実的なアドバイスを得られます。

第二に、自治体と連携した創業融資制度の活用と、その後の継続的な経営サポートに強みがあります。
たとえば、都内の信用金庫と東京都、信用保証協会が連携して提供する「創業融資制度」では、最大3,500万円まで融資を受けることが可能です 。
さらに、信用金庫の支援は融資実行後も一貫して行われます。
単に資金を供給するだけでなく、事業が軌道に乗るまで継続的に関与し、経営課題の解決を手助けしてくれます 。

このように、信用金庫は、お金を貸し出す「金融機関としての審査機能」と、事業の成長を長期的に支える「地域支援機関としての育成機能」を併せ持っています 。
事業を行う地域に寄り添った、息の長いパートナーシップを求める創業者にとって、心強い相談相手となるでしょう。

日本政策金融公庫【融資など】

料金 無料
形式 対面・オンライン
できること 創業融資の相談など
在籍している専門家 融資担当者・創業支援相談員
想定に合う人 資金調達について具体的に検討している人
参考 創業サポートデスク|日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/sougyou/supportdesk/

日本政策金融公庫は、全国152箇所にある「創業サポートデスク」という支店で、起業についての相談を依頼することができます。
東京・名古屋・大阪の「ビジネスサポートプラザ」では、より腰を据えた個別相談やセミナーなども実施されています(運用は時期により変更されるため、最新の受付状況は公式でご確認ください)。

この相談の最大の価値は、日々何件もの事業計画書に目を通している担当者からアドバイスを受けられる点です。
「その計画では3年後のキャッシュフローが厳しくなる可能性がある」「この市場データでは売上予測の根拠として弱い」といった、具体的かつ客観的なフィードバックを得ることができます。

彼らは将来の融資先を探すという目的も持っているため、そのアドバイスは極めて実践的です。
たとえば、起業家が飲食店の開業を目指している場合、担当者は過去の融資事例に基づき、「この立地であれば、想定客単価を2,500円ではなく2,200円に設定した方が現実的です」といった、具体的な数値に基づいた助言をしてくれます。

起業相談ができる公的機関の中でも、日本政策金融公庫の役割は「事業計画の実現可能性を金融機関の視点で評価する」ことに特化しているといえるでしょう。

信用金庫や日本政策金融公庫など、起業時に利用できる融資については以下の記事でより詳しく解説しています。

よろず支援拠点【継続的なサポート】

料金 無料
形式 対面・電話・オンライン
できること 経営全般の壁打ち・機関連携の調整など
在籍している専門家 コーディネーター(中小企業診断士・税理士など)
想定に合う人 起業の方向付けを深めたい人
参考 よろず支援拠点|よろず支援拠点全国本部(独立行政法人中小企業基盤整備機構)
https://yorozu.smrj.go.jp/

よろず支援拠点は、国が全国47都道府県に設置した無料の経営相談所です。

その名のとおり、売上拡大、新商品開発、IT活用、人材育成といった、企業のあらゆる「よろず」の相談に対応します。
特定の分野に特化するのではなく、まず総合的な診断を行い、課題に応じて最適な専門家チームを編成して解決にあたる「経営の総合病院」のような存在です。

たとえば、「自社サイトからの問い合わせを増やしたい」という相談があった場合、まずコーディネーターが経営全体についてヒアリングし、課題に応じて分野別の専門スタッフが助言します。
必要に応じて商工会・商工会議所や専門の支援機関へ連携・紹介し、提案後もフォローアップを行います。

相談回数に制限はなく、成果が出るまで何度でも無料で相談できる点もよろず支援拠点の大きなメリットです。
起業家が一人で抱え込みがちな多様な経営課題に対し、ワンストップで最適な解決策を提示してくれる、心強いパートナーと言えるでしょう。

TOKYO創業ステーション【アイデア整理・手続きの流れ・イベント情報など】

料金 無料
形式 対面・電話・オンライン
できること アイデア整理・起業手続きの相談・事業計画書作成など
在籍している専門家 起業家コンシェルジュ(起業経験者)・司法書士・弁理士(知財)・社会保険労務士・弁護士・税理士など
想定に合う人 最初に全体像をつかみたい人・アイデア段階で方向性を掴みたい人
参考 初めての方へ|TOKYO創業ステーション
https://startup-station.jp/beginner/

「起業したい」という漠然とした思いはあっても、具体的な事業アイデアが固まらず、最初の一歩を踏み出せずにいる方は少なくありません。
TOKYO創業ステーションは、そうした初期の段階から、事業を開始した後の成長支援まで、創業のあらゆるステージを伴走してくれる東京都の支援拠点です。

この施設の最大の特徴は、相談者のステージに応じて3つのフロアで専門的なサービスが提供されている点です。

まだアイデアが曖昧な段階の人は「Startup Hub Tokyo」で起業経験を持つコンシェルジュによる45分間の個別相談が利用できます。
ここではアイデアの整理や手続きの流れの確認をしつつ、事業の核となるコンセプトを練り上げることができます。

事業計画が具体化してきた段階では、「Planning Port」で中小企業診断士や税理士といった専門家による、より実践的なアドバイスを受けることが可能です。
ここでは、実際の事業計画書のサンプルなどを参考にした、具体的な計画書作成支援を受けることができます。
また、税務・労務・法務・融資といった専門的な相談も受け付けています。

創業後の実行・成長局面では「Advance Port」が、プログラムや交流スペースなどで事業の前進を支援します。
いずれのフロアも最新の受付状況・対象範囲は公式ページで確認してから予約してください。

東京開業ワンストップセンター

料金 無料
形式 対面・電話・オンライン
できること 定款・登記・税務・社保などの案内(申請の窓口案内・一部受付)
在籍している専門家 起業家コンシェルジュ(起業経験者)・司法書士・弁理士(知財)・社会保険労務士・弁護士・税理士など
想定に合う人 手続きを並行で効率よく進めたい人・英語で相談したい人
参考 東京開業ワンストップセンター|アデコ株式会社
https://www.startup-support.metro.tokyo.lg.jp/onestop/jp/

東京開業ワンストップセンターは、会社設立や事業開始に必要な定款認証、登記、税務、年金・社会保険、入国管理などの手続きを、相談から申請書類の受付まで一元的に案内する東京都の窓口です。

窓口では、行政手続に精通した相談員が無料で対応し、必要に応じて中小企業診断士の経営相談に繋いでくれたり関連機関のサービスを紹介してくれたりします。
また、多言語の通訳・翻訳サービスにも対応しています。

会社設立や開業に必要な定款認証・登記・税務・保険・入管といった手続きを、各省庁と連携して、相談から申請書類の受付までを同一拠点で行えるのが大きなメリットです。

東京都以外の方へ:全国の公的窓口の探し方

これまでは東京都内を中心に相談窓口を紹介してきましたが、全国各地に起業家を支援する公的機関は存在します。

地域ごとに異なるそれらの機関の探し方について、詳しく解説します。

J-Net21で相談先を探そう

自身の事業所に最適な公的支援機関を、自力で探し出すのは容易ではありません。
そうした場合に効率的なのが、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が運営するポータルサイト「J-Net21」です。

参考:J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]|独立行政法人中小企業基盤整備機構

J-Net21は、公的支援情報を横断して探せる中小企業向けの情報ポータルです。
「支援情報ヘッドライン」では、国・都道府県などが提供する補助金・助成金、セミナー・イベントなどを地域・分野・キーワードでまとめて検索できます。

支援情報に加えて、課題別の解説、ビジネスQ&A、起業・創業の基礎情報(業種別開業ガイドや市場データなど)も提供されており、「どの制度が自分に当てはまるか」を素早く把握する入口として活用できます。

起業ライダーマモルはサービス終了している

以前は中小機構のサイトから、AIを活用した「起業ライダーマモル」というサービスを無料で利用することができました。
「起業ライダーマモル」は、起業までの流れや準備に対する質問に24時間いつでも回答してくれる、起業相談専門の自動応答チャットBOTでした。

しかし2025年4月にサービスが終了してしまい、残念ながら現在は利用できません。

参考:【重要】起業ライダーマモル サービス終了のお知らせ|独立行政法人中小企業基盤整備機構 

現在、後継となる相談ナビゲーション機能は前述の「J-Net21」に統合されており、公的な相談窓口を探す際はJ-Net21を利用するのが唯一かつ最適な方法となります。

個人事業主の開業について相談できる相手とは

個人事業主としての開業は、会社設立に比べて手続きが比較的簡単なため、「まずは個人事業主で始めてみよう」と考える人も少なくありません。
しかし、手続きがシンプルであるからこそ、税制上の特典を最大限に活用できるかどうかは、最初の知識と準備で大きな差が生まれます。

個人事業主がメリットを享受するために相談すべき主な相手は、税務署、商工会・商工会議所、そして税理士です。

税務署:開業に関する手続きの正確な情報を得る

事業を開始するにあたり、まず提出が必要となるのが「個人事業の開業・廃業等届出書」です。
開業届とも呼ばれるこの書類の書き方や提出方法について、最も正確な情報を得られるのが、納税地を管轄する税務署です。
税務署では、窓口での対面相談(事前予約推奨)や電話相談センターを通じて、職員から無料で案内を受けられます。

商工会・商工会議所:記帳や経営の基礎を学ぶ

日々の記帳方法の指導や経営全般の相談相手となるのが、地域の商工会・商工会議所です。

これらの機関では、複式簿記の知識がない方でも青色申告が可能になるよう、会計ソフトの導入支援や日々の記帳指導を無料または低額で行っています。
正しい記帳は、青色申告の特別控除を受けるための必須条件であると同時に、自身の事業の財務状況を正確に把握し、経営判断の質を高めるための基礎となります。

税理士:専門的な節税や資金調達を相談する

節税や資金調達まで含めた、より専門的かつ継続的なサポートを求める場合に最適な相談相手が税理士です。

税理士からは節税に関する知識を得られるだけでなく、それぞれの事情に合わせた手続きのやり方なども相談できます。

たとえば、自宅の一部を事務所として使用する場合、家賃や水道光熱費の何割を経費として計上できるかという「家事按分」の比率設定は、税務調査でも指摘を受けやすいポイントです。
税理士に相談すれば、状況に即した説明可能な比率を設計し、証拠を整えることが可能です。

これら3者の役割には、それぞれに特徴と専門領域があります。
開業届の確認は税務署、記帳や経営に関する悩みは商工会・商工会議所、税務に関する個別の判断や届出・申告は税理士という形で使い分けると、無駄な手戻りを避けやすくなります。

起業の相談についてよくある質問

ここでは、多くの起業家が起業に関して相談するときに疑問に思う点について、解説します。

起業の具体的なやり方が知りたい

会社を設立する方法は、大きく3つのフェーズに分けられます。

3つのフェーズ

  1. アイデアを具体化する「計画フェーズ」
  2. 資金や営業する場所などを整える「準備フェーズ」
  3. 定款の作成や登記登録などを行う「設立手続きフェーズ」

計画フェーズは、起業家自身がある程度の枠組みを決定するべきですが、準備フェーズや設立手続きフェーズでは、専門家の知識が必要になる場面も少なくありません。

特に資本金の額をいくらにするのか、本店所在地をどこにするのかなどについては、設立段階での選択がその後の経営に大きく影響します 。
会社設立で不安な点があるときは、一人で悩まずに公的機関の窓口や税理士などに相談しましょう。

会社設立の大きな流れについては、以下の記事で確認してください。

商工会などの公的機関と税理士などの専門家のどちらに相談すればいいのか

事業の全体像を掴みたい段階であれば公的機関、具体的な事業計画があり、税務や融資の手続きを進めたい段階であれば専門家への相談が適しています。

まずは商工会議所が主催するセミナーなどに参加して事業の全体像を掴み、ご自身の計画の解像度を上げていくのがいいでしょう 。
そのうえで、具体的な事業計画が固まり、融資や節税について専門的な検討が必要になった際には、税理士などの専門家へ相談することをおすすめします 。

ただし、実務的には会社を経営するうえで税理士との契約はほぼ必須と言えます。
なぜならすべての企業が行わなければならない「決算」において、税理士のサポートなしに行うことは非常に困難だからです。

現在は、顧問契約を条件に会社設立のサポートや書類作成の代行を無料で行う税理士も数多くいます。
将来的に税理士との顧問契約を結ぶのであれば、設立時点から税理士に相談することも視野に入れましょう。
会社設立を専門とする税理士であれば、公的機関の窓口で相談できることに対しても、一通りの回答が可能です。

まだ起業の内容があいまいだけど相談していいのか

具体的な事業計画が決まっていない段階でも、相談を受けることはできます。

むしろ、事業内容が固まりきる前のあいまいな段階でこそ、専門家の客観的な視点を入れることに大きな価値があります。
一人で考え続けていると思考が堂々巡りになりがちですが、相談を通じてアイデアが整理され、進むべき方向性が明確になるケースは非常に多いです。

ただし、「起業したいが、どんな事業にすればいいか分からない」という状態であれば、まずはTOKYO創業ステーションのような、多様な起業事例に触れられる公的機関のイベントやセミナーに参加するのがいいでしょう。
さまざまなビジネスモデルを知ることで、ご自身の興味や経験と結びつく事業のヒントが見つかるはずです。

一方で、「飲食店を開きたいが、カフェにすべきかレストランにすべきか決めかねている」「Webサービスを作りたいが、マネタイズの方法が分からない」といった、事業の核はありつつも具体化に悩んでいる状態であれば、ぜひ創業支援に強い税理士などの専門家に相談しましょう。

思考が整理されていない状態をためらう必要は一切ありません。
その漠然とした思いを、具体的な事業計画へと昇華させるのが、税理士の役割です。

無料相談は何回まで、どの範囲まで相談できるのか

無料相談の回数と範囲は、相談相手が公的機関か、あるいは税理士などの民間の専門家かによって大きく異なります。
両者の目的と立ち位置の違いを理解することで、無料相談を最大限に活用できます。

公的機関の場合、その多くが国民や地域住民へのサービスとして運営されているため、相談回数に制限を設けていないことも多いです。
たとえば「よろず支援拠点」では、経営課題が解決するまで何度でも無料で相談に応じてもらえます。

ただし、その範囲は事業計画の壁打ちや公的支援制度の情報提供といった、事業の方向性を示すアドバイスが中心となります。
個別の税務申告書の作成や、法人登記の申請代行といった実務作業までは行いません。

一方で、税理士などの民間の専門家が行う相談は、一般的に無料なのは1回限りです。
これは、専門家が自身の知識と経験を商品としており、無料相談を「お試し体験」や「自社サービスとの相性確認」の機会と位置づけているためです。

もっとも、2回目以降の相談も無料で請け負う税理士も存在します。
ベンチャーサポート税理士法人では、会社設立に関する相談を「何回でも」無料で受け付けています。
お気軽にご連絡ください。

オンラインで相談できるのか

ほとんどの公的機関および民間の専門家が、オンラインでの相談に対応しています。
特に2020年以降、その対応は急速に標準化され、今や主要な相談方法の一つとなっています。

使用されるツールは、ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsといった汎用的なビデオ会議システムが主流です。
これにより、起業家が日本のどこに住んでいても、東京の創業支援に特化した税理士に相談するといった、地域にとらわれない相談相手選びが可能になりました。

オンライン相談を予約する際は、使用するツールや事前の資料送付の要否を必ず確認しましょう。

予約なしで当日に相談できるのか

原則としてほぼすべての相談窓口で、前日までに予約が必須です。

ただし、一部の機関では当日の予約枠に空きがある場合に限り、電話で問い合わせることで相談を受け付けてくれるケースも存在します。
たとえば、TOKYO創業ステーションでは、当日の空き枠があれば電話での予約を受け付けています。

また税理士などの専門家も、スケジュール次第では当日の相談に対応していることもあります。
どうしても急を要する場合は、一度電話で確認してみましょう。

一人会社などの小さな規模での起業でも相談できるのか

本記事で紹介している相談窓口の多くは、一人会社や個人事業主といった小規模事業者(スモールビジネスの事業者)を主要な支援対象としています。

日本の全企業のうち、中小企業は2021年の時点で99.7%を占めており、国や地方自治体が設置する公的機関の多くは、中・小規模の事業者の成長を後押しするために設計されています。

参考:中小企業・小規模事業者の数(2021年6月時点)の集計結果を公表します|中小企業庁

税理士などの専門家にとっては、成長の初期段階にある小規模事業者こそ、専門的な知識で大きく貢献できるクライアントです。

ただし、税理士や公的機関の方針によっては、ある程度以上の規模の事業者のみを対象とした相談やサービスを行っているケースもあります。事前にWebサイトや電話などで相談できる内容や評判などを確かめておくといいでしょう。

同じ担当者に何回も相談できるのか

相談相手が公的機関か、あるいは民間の専門家かによって、担当者の継続性は大きく異なります。

公的機関の場合、毎回同じ担当者が対応するとは限りません。
多くの公的機関では、相談内容に応じてその日のシフトに入っている専門家が対応する「チーム制」や「当番制」をとっています。
これは、多様な専門性を持つ相談員が在籍しており、相談者の課題に応じて最適な知見を提供するためのしくみです。

ただし、「よろず支援拠点」のように、初回相談を担当したコーディネーターが継続してフォローアップする「担当制」に近い運用を行っている機関もあります。
もし継続的な相談を希望する場合は、初回の相談時にその旨を担当者に伝えておくのがいいでしょう。

一方で、税理士などの民間の専門家と有料の顧問契約を結んだ場合は、原則として同じ担当者が継続してあなたの事業をサポートします。
事業の成長段階や過去の経営判断をすべて把握しているパートナーが一貫して支援を行うため、より深く、長期的な視点に立ったアドバイスが可能になります。

これが、有料で専門家と契約する最大のメリットの一つです。

最初の相談相手に税理士を選ぶべき理由

どの機関や専門家に、どのタイミングで起業について相談するかは、とても重要な判断です。
最初の相談相手として税理士を検討する理由は、法的な責任を伴う税務を、期限内に確実に実行するためでしょう。

公的機関への無料相談は、一般的な知識を得るうえで非常に有益ですが、その役割はあくまでアドバイスの提供にとどまります。
個別の税務書類の作成や提出の代行といった、法律で定められた税理士の独占業務は行いません。
アドバイスを実行する最終的な責任は、創業者自身が負うことになります。

一方で、個別に契約を交わした税理士は、具体的な税務書類の作成・提出まで代行し、その業務に専門家としての責任を負います。

特に、会社設立直後には青色申告の承認申請のように、期限を過ぎると適用が困難になる重要な手続きが集中します。
これらの手続きの実行責任までを担えるのが、個別に契約した税理士です。

設立という一度きりの重要な局面で、確実性を求めるのであれば、税理士との直接契約が合理的な選択と言えます。

税理士や司法書士への相談に興味があれば、ぜひベンチャーサポート税理士法人にご連絡ください。

ベンチャーサポート税理士法人では、会社設立・運営に関する無料相談を実施しています。
税理士だけでなく行政書士や司法書士、社労士も在籍しているためワンストップで相談が可能です。

レスポンスの速さにも定評があるため、初めての方もお気軽にご相談ください。

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