最終更新日:2026/10/16
会社設立に税理士は必要?費用・依頼するタイミング・選び方を解説

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
【公式】ベンチャーサポートグループチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/startup/profilemori
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書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

会社を作ると決めたとき、「税理士はつけたほうがいいのか」「費用をかけてまで頼む必要があるのか」と迷う方は少なくありません。
個人事業主や副業で確定申告を自分で行ってきた方は特に、「法人になっても自分でできるのでは」と考えがちです。
会社設立には、必ずしも税理士をつけなければならないわけではありません。
しかし、設立時から税務上のメリットを最大限活かしたい場合や、判断に迷う場合は、設立前から相談することをおすすめします。
この記事では、会社設立の前後で税理士が必要になる理由、関わり方別の費用、後悔しない税理士の選び方を、年間約2,800件の会社設立を支援しているベンチャーサポートグループの税理士がわかりやすく解説します。
この記事の要点
会社設立に税理士は法律上必須ではありませんが、会社のメリットを活かすには、設立時からのサポートが大きな意味を持ちます。
役員報酬や決算期など、設立時の決め方しだいで税負担が変わる要素があるためです。
会社設立に関連して税理士に任せられるのは、大きく分けると「設立時の設計」「設立後の届出や経理などの実務」「決算・申告」の3つです。
特に決算は、経営者だけで行うのは困難なため、9割近くの申請に税理士が関与しています。
税理士にかかる費用は、設立直後の会社で年間30万〜80万円程度が一般的な目安です(決算・年末調整の費用を含む)。
従業員がおらず取引も少ない会社であれば、決算だけを依頼する方法も検討するといいでしょう。
ただし、税理士を選ぶときは、料金の安さだけで判断せず、対応範囲や節税提案の有無、連絡の速さを契約前に確かめましょう。
会社設立前に税理士へ相談するメリット
税理士とは決算や税金の申告のときに依頼する相手、というイメージを持っていると、設立前に相談する必要は感じにくいかもしれません。
しかし、会社の税金は、決算を迎える前から、設立前に決めた内容によって大きく左右されます。
そのため、設立時点で税理士を交えておくことで、税金面で損をしないための対策を打つことが出来るのです。
具体的な内容について見ていきましょう。
役員報酬・決算期・資本金を設立前に相談できる
会社を設立するときには、会社名や事業目的、本店の所在地など、さまざまなことを決めます。
その中でも税金に直接関係するのが「役員報酬」「決算期(事業年度)」「資本金」の3つです。
当社が会社設立の経験者に行った調査では、「得られた情報だけでは判断しきれなかったこと」として用意した選択肢のうち、「資本金の額・出資比率の設定」(33.0%)、「役員報酬の決め方」(30.2%)、「決算期(事業年度)の決め方」(26.4%)が比較的多く選ばれました。
この3つはいずれも、設立時に検討しておきたい重要なポイントです。

役員報酬:設立から3カ月以内に決め、税金や社会保険料まで考える
法人税上、役員報酬を会社の経費として認めてもらうためには、原則として設立から3カ月以内に金額を決め、その後は毎月同じ金額を支給する必要があります。
期の途中で理由なく増額すると、増額した部分を会社の経費にできない場合があります。
また、役員報酬の金額は、会社の法人税だけでなく、社長個人の所得税や住民税、社会保険料にも影響します。
金額によって毎月の手取りも変わるほか、住宅ローンなど個人で借入れをする際の収入の見られ方にも関わります。
さらに家族を役員などにして報酬を支給する場合は、その金額によって社会保険の扶養から外れたり、年金や社会保険料の負担が変わったりすることもあります。
単純に「会社の税金が最も安くなる金額」を選ぶのではなく、会社と個人の税金、社会保険料、生活に必要な手取りなどをまとめて考えたうえで決めることが大切です。
売上や利益の見込みも踏まえて、設立前から税理士などの専門家と試算しておくとよいでしょう。
決算期:1期目の長さと消費税の免税期間を考える
資本金1,000万円未満で設立した会社は、原則として1期目と2期目の消費税が免除されます。
免除は「期」単位なので、1期目が短いほど免税期間も短くなります。
設立月の前月を決算月にすれば、1期目をほぼ12カ月確保でき、免税期間を最大限に活かせます。
ただし、1期目の売上が一定額を超えるなどの条件に該当すると、2期目から消費税の課税事業者になる場合があります。
また、インボイスの登録をすると、免税期間中でも消費税の納税が必要です。
資本金:消費税と資金調達への影響を考える
資本金が1,000万円以上だと、設立1期目から消費税の課税事業者になり、前述の免税が受けられません。
一方で、資本金が少なすぎると、法人口座の開設や融資の審査で不利になることがあります。
税金と資金調達の両面から、金額を決めることが大切です。
司法書士と連携して設立手続きもまとめて相談できる
会社を設立するには、法務局への登記申請が必要です。
本人が自分で申請することもできますが、登記申請の代理を業として行えるのは司法書士や弁護士などの資格者に限られます。
そのため、税理士が登記の申請を代わりに行うことはできません。
ただし、会社設立を支援している税理士の多くは司法書士と連携しており、設立の手続きをまとめて依頼できます。
具体的には定款の作成や登記といった設立の手続きから、設立後の税務署への届出まで、一貫して任せることが可能です。
当社の調査でも、会社設立の手続きで窓口となった専門家は「税理士」が58.5%で最多となり、「司法書士」(38.7%)を上回りました。

また、設立の手続きで苦労した作業としては「必要書類の作成や役所への提出」が39.6%で最も多くなっています。

参考:会社設立で利用した専門家は、「税理士」が6割弱。代表者106名に聞く会社設立の進め方・専門家活用の実態|PR TIMES ベンチャーサポートコンサルティング株式会社のプレスリリース

代表税理士
森 健太郎
実際の会社設立では、「自宅やバーチャルオフィスを本店にしてもよいのか」「事業目的はどこまで設定すればよいのか」「株式会社と合同会社のどちらが自分の事業に合っているのか」など、さまざまな疑問が出てきます。
こうした内容には、登記や会社法など税理士以外の専門分野に関わるものもあります。
ベンチャーサポートグループでは、税理士への相談をきっかけに、必要に応じてグループ内の司法書士や行政書士などと連携しながら、会社設立に関する疑問をまとめて相談できます。
「これは税理士に聞くことなのか」と迷う内容でも、まずは気軽にご相談ください。
会社設立後に税理士へ依頼できること
会社を設立したあとも、税務署や自治体への届出、口座や帳簿の準備などさまざまな手続きや業務が一度に押し寄せます。
届出の中には期限が決まっていて、遅れると特典を受けられなくなるものもあります。
設立後の実務をどこまで税理士に任せるかで、本業にかけられる時間も、手続きの漏れによるリスクも変わります。
届出・経理・節税・税務調査など
設立後に税理士へ任せられる主な業務と、自分で対応した場合に起きやすいことは、次のとおりです。
| 税理士に任せられること | 主な内容 | 自分で対応すると起きやすいこと |
|---|---|---|
| 設立後の届出 | 法人設立届出書、青色申告の承認申請書、給与支払事務所等の開設届出書など | 届出の種類や期限を把握しきれず、提出が漏れる。特に青色申告の申請が遅れると、影響が大きい。 |
| 記帳・月次の確認・決算 | 日々の仕訳、試算表の作成、業績の報告、決算書と申告書の作成 | 多くの手間と時間がかかるうえ、法人特有の税務調整などを誤り、申告漏れや追徴課税につながるリスクが高い。 |
| 節税の提案 | 役員報酬の設定・見直し、経費の計上、使える特例の確認 | 役員報酬の決め方を誤り、経費が漏れたり税負担が重くなったりする。使える特例も見落としやすい。 |
| 資金調達の支援 | 創業融資の計画書の作成、面談の準備など | 計画の数字に根拠を示せず、審査で事業の内容や返済の見通しを十分に説明できない |
| 税務調査への対応 | 事前の準備、調査当日の立会い、指摘への対応 | 処理の根拠などをうまく説明できず、本来認められる処理まで否認される |
法人の決算・申告は税理士に依頼するのが一般的
個人の確定申告は、会計ソフトなどを使って自分で行う人も少なくありません。
一方、法人の決算・申告は、経営者が自分だけで対応するにはハードルが高い手続きです。
法人では、決算書だけでなく法人税の申告書や多数の別表、勘定科目内訳明細書、地方税の申告書などを作成する必要があります。
また、会計上の利益をそのまま使うのではなく、税法に沿って所得を計算する「税務調整」も必要です。
実際、国税庁の調査によると、令和6年度の法人税申告の89.8%に税理士が関与しています。
所得税申告の税理士関与割合が20.4%であることと比べても、法人の申告では税理士に依頼するケースが非常に多いことがわかります。
税理士関与割合(所得税・相続税・法人税)
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会社を設立したあとも経理を自分で行うことはできますが、決算・申告まで自力で行うかどうかは、慎重に判断した方がよいでしょう。
小さい会社はどうする?関わり方別の費用

売上がまだ少ない創業期に、毎月数万円の顧問料をかけるべきかどうかは、多くの起業家にとって悩ましい選択です。
会計や税務の知識があり、従業員がおらず、取引も少ない会社であれば、設立直後から顧問税理士をつけず、自分で経理を行うことも可能です。
ただし、前述のとおり法人の決算・申告は複雑なため、決算だけ税理士へ依頼するという経営者も数多くいます。
こうした関わり方による、費用の違いについて解説します。
依頼方法別・1期目の税理士費用
税理士の報酬は自由化されており、料金の決め方は事務所によってさまざまです。
一般的には、毎月の「顧問料」に年1回の「決算料」が加わる形が多く、記帳まで任せる場合は「記帳代行料」が別にかかります。
設立直後の小さな会社の場合、それぞれの費用の一般的な相場は次のとおりです。
| 費用の種類 | 一般的な相場 |
|---|---|
| 月額顧問料 | 月2~5万円程度 |
| 記帳代行料 | 月数千~2万円程度 |
| 決算料 | 10万~30万円程度(月額顧問料の4~6カ月分が目安) |
| 決算のみのスポット依頼 | 10万円程度から(帳簿の確認に手間がかかるため、顧問契約がある場合の決算料より高くなりがち) |
年間の総額でみると、設立直後の会社でおおむね30万〜80万円程度が1つの目安になります。
ベンチャーサポート税理士法人でも、月額の顧問料と決算申告料を基本に、記帳代行など必要な業務を組み合わせる料金体系でサポートしています。
記帳を自社で行うか、税理士に任せるか、相談・面談の頻度などによって費用は変わります。
| 関わり方 | 主なサポート内容 | 向いている会社 |
|---|---|---|
| 顧問契約 + 記帳代行 | 記帳から税務相談、定期的な確認、決算・申告まで | 経理も含めて任せ、本業に集中したい |
| 顧問契約 + 自社で記帳 | 税務相談、定期的な確認、決算・申告 | 会計ソフトへの入力は自分でできる |
| 決算・申告のみスポットで依頼 | 決算期に帳簿を確認し、決算・申告を対応 | 日常の税務相談が不要で、取引も少ない |
設立手数料が0円になるしくみと確認点

税理士事務所の中には、会社設立の手数料を「0円」としているところがあります。これは、設立後に顧問契約を結ぶことを前提に、定款の作成や登記にかかる専門家の手数料を、税理士事務所側が負担するしくみです。
ただし、0円になるのは専門家の手数料だけです。登録免許税や定款認証の手数料といった法定費用は、別途必要になります。
設立手数料0円のプランを利用する前には、次の点を確認しておきましょう。
- 0円になる範囲(たいてい専門家の手数料のみのため、ほかに費用がかかるか)
- 顧問契約の最低契約期間と、途中で解約した場合の扱い
- 顧問料の内訳(記帳代行料や決算申告料が別料金かどうか)

代表税理士
森 健太郎
当グループの場合、たとえば株式会社の設立を顧問契約とセットで依頼いただくと、行政書士手数料4万4,000円と司法書士手数料1万1,000円の合計5万5,000円を当社が負担し、お客様の手数料は0円になります。
ただし0円設立は、設立後も税理士にサポートを任せたい方のためのしくみです。年に1回の決算だけを最低限頼みたい方や、税理士をつける予定がない方は、手数料を支払って設立の手続きだけを依頼するほうが、結果的に合っている場合もあります。
どちらが合うかは、設立後にどこまで任せたいかによって変わるので、無料相談で遠慮なく聞いてください。
後悔しない税理士の選び方
会社設立を支援している税理士事務所の多くは司法書士と連携しており、定款の作成や登記などの手続きをまとめて依頼できます。
そのため、税理士選びでは、設立手続きそのものよりも、設立後まで見据えてどこまで提案してもらえるかを確認しましょう。
会社設立の実績と提案力を確認する
会社を設立するときには、役員報酬や決算期、資本金など、その後の税負担や経営に影響することを決める必要があります。
実際に会社設立を経験した人でも、これらの項目は判断に迷いやすいポイントです。
税理士を選ぶときは、単に必要書類を作ってもらえるかではなく、売上や利益の見込み、今後の事業計画などを踏まえたうえで、前述した役員報酬・決算期・資本金、消費税や創業融資まで含めて、設立後を見据えた提案をしてもらえるか確認しましょう。
また、会社設立の支援実績も、判断材料の1つです。
多くの設立を支援している事務所であれば、さまざまな業種や事業規模の会社を見てきた経験があり、それぞれの事業に合わせた提案をしてくれる可能性が高いでしょう。
よくある『税理士チェンジ』の理由
会社設立時に税理士へ依頼すると、そのまま設立後の税務や経理について顧問契約を結ぶケースがよくあります。
そうした場合は、設立時の対応だけでなく、設立後にどのようなサポートを受けられるかまで確認しておきましょう。
当グループには、個人事業主のころに契約していた税理士に不満を感じ、乗り換えの相談に来られる方もいます。
そうした相談でよく聞くのが、次のような不満です。
| 困っていたこと | 契約前に確かめておきたいこと |
|---|---|
| 質問への返事が遅い | 連絡手段(電話・メール・チャットなど)と、返信までのおおよその目安 |
| 節税の提案がない | 定期的な面談や節税提案の機会があるか |
| 会社の状況が変わっても特にアドバイスがない | 売上や利益に応じて役員報酬などを見直してもらえるか |
| 届出の漏れや、税額の計算ミスがあった | 担当者以外の確認体制や税務調査への対応経験 |
| 思っていたより費用がかさんだ | 基本料金に含まれる範囲と、追加費用が発生するケース |
税理士を変更した、または変更を検討している経営者・役員325名を対象とした2026年の調査でも、「レスポンスの遅さ・相談しにくさ」29.8%「顧問料と内容の不整合」26.5%「提案やアドバイスの欠如」26.5%が、税理士への主な不満として挙げられています。
税理士選びでは、日常的な相談のしやすさや提案力だけでなく、決算・申告を安心して任せられる体制があるかも確認しておくことが大切です。
まとめ:まずは税理士の無料相談を活用しよう
税理士への依頼方法に、すべての会社に共通する正解はありません。
設立から経理・決算まで任せたい会社もあれば、必要な部分だけ税理士を利用するほうが合っている会社もあります。
自社の場合にどこまで税理士へ任せるべきか迷ったら、設立する前に一度、無料相談を利用してみることをオススメします。
ベンチャーサポート税理士法人では、会社設立や税理士選びに関する無料相談を実施しています。
グループ内に税理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士が在籍しているため、設立の手続きから設立後の税務、創業融資まで、1つの窓口で相談できます。創業融資のサポートに、追加の手数料はかかりません。
契約するかどうかは、ご相談のあとで決めていただいて構いません。実際に、ご相談いただいた方の4割ほどは、無料相談だけのご利用です。
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