最終更新日:2026/10/20
スタートアップとは?ベンチャー企業との違いや特徴も解説します

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
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- スタートアップとは
- スタートアップの特徴
- スタートアップとよく似た言葉との違い
新しい会社や事業について調べるなかで「スタートアップ」という言葉を目にする人は多いでしょう。スタートアップはよく耳にする言葉でもありますが、法律用語ではないため、どんな企業のことなのかわかりづらいところもあります。
また、ベンチャー企業との違いや、起業するために必要な条件がわからず、疑問に感じる人もいるかもしれません。
スタートアップは、会社の規模や創業年数だけで決まる言葉ではありません。革新的な技術やビジネスモデルで課題を解決し、急成長を目指す企業を指すのが一般的です。
この記事では、スタートアップの意味や似た言葉との違い、代表例、働く場合と起業する場合の特徴を解説します。
資金調達方法も紹介するため、スタートアップへの就職や起業を検討している人は参考にしてください。


目次
スタートアップとは?
スタートアップは、新しい技術や仕組みで課題を解決し、急成長を目指す企業です。
創業年数や会社の形だけで決まるものではなく、明確な定義などもないためわかりにくい部分もあるでしょう。ここでは、スタートアップの基本的な意味を確認しましょう。

代表税理士
森 健太郎
法律上の明確な定義はありませんが、経済産業省はスタートアップのことを「新しい企業であり、新しい技術やビジネスモデルを持ち、急成長を目指す企業」と整理しています。
ただしこれも明確な基準というわけではなく、スタートアップを対象とした税制や補助金などの個別制度では、設立年数や上場の有無などの要件が別途定められることが多いです。
参考:スタートアップの力で社会課題解決と経済成長を加速する|経済産業省(PDF)
新しい技術や仕組みで顧客・社会の課題を解決するビジネスモデル
スタートアップは、新しい技術やサービス、仕組みを活用して、顧客や社会が抱える課題の解決を目指している企業がよく見られます。技術そのものが新しいというケースもありますし、既存の技術やサービスを組み合わせて、これまでにない商品やサービスを提供するケースもあります。
例えば、個人が持つ品物を売買できるフリマアプリは、不用品を手放したい人と、手頃な価格で商品を購入したい人を簡単につなぐ仕組みです。それまでは、対面のフリーマーケットやネットオークションなどが主流でしたが、アプリで手軽に不用品の売買ができるようにしたという点が利用者にとっての新しい価値となりました。
このように、利用する人の課題を解決し、継続的に価値を提供できるかが重要です。
創業してから間もない企業が多い
スタートアップには、創業してから間もない企業が多く見られます。新しい事業を立ち上げ、顧客の反応を確かめながら商品やサービス、販売方法を改善していく段階にあるためです。
ただし、創業から何年以内ならスタートアップと呼ぶといった一律の基準はありません。
スタートアップと似た言葉との違い
スタートアップ、ベンチャー企業、スモールビジネスなどは、同じような意味で使われることがあります。ただし、言葉によって注目する点が異なるため、区別した方がいいでしょう。
| 言葉 | 主なポイント | スタートアップとの違い |
|---|---|---|
| スタートアップ | 革新性と急成長を目指す事業 | 新しい市場や大きな成長を目指す点が重視されます |
| ベンチャー企業 | 新しい事業への挑戦 | スタートアップより広い意味で使われることがあります |
| スモールビジネス | 事業規模や経営方針 | 必ずしも急成長を目指すわけではありません |
| 中小企業 | 資本金や従業員数などの基準 | 法令上の規模による分類で、成長性とは別の視点です |
ベンチャー企業との違い
ベンチャー企業とは、独自の技術やアイデアを生かし、新しい事業に取り組む企業を指す言葉です。ベンチャー企業という言葉についても、法律で定められた明確な定義はありません。IT分野の新しい企業に対して使われる傾向がありますが、それ以外の分野でもベンチャー企業と呼ばれるケースはあります。
スタートアップは、革新的な事業を通じて短期間で大きな成長を目指す企業を指すことが多い言葉です。一方、ベンチャー企業は、急成長を目指す企業だけでなく、着実な成長を目指す企業を含めて使われる場合があります。
ただし、いずれの言葉も法律用語ではないため、両者に厳密な線引きがあるわけではありません。企業やメディア、人によって使い方が異なるため、言葉だけで判断せず、事業内容や成長方針を確認しましょう。
スモールビジネスとの違い
スモールビジネスは、小さな規模で運営する事業を指す言葉です。地域の飲食店や専門店、個人事業などがスモールビジネスの代表的な例です。安定した利益や顧客との継続的で親密な関係を重視する傾向があり、無理に事業を拡大しない経営方針であることもあります。
一方、スタートアップは、事業を大きく拡大することを目指す点が特徴です。
ユニコーン企業との違い
ユニコーン企業とは、一般に、企業評価額が10億米ドル以上で、未上場の企業を指します。スタートアップのなかでも急成長して高い評価を受けている企業を指す言葉であり、スタートアップと同じ意味ではありません。
つまり、ユニコーン企業はスタートアップの一部であり、すべてのスタートアップがユニコーン企業に当たるわけではありません。
中小企業との違い
中小企業は、中小企業基本法などで定められた資本金や従業員数の基準に基づく分類です。中小企業かどうかの判断と、スタートアップかどうかは別のものです。
例えば、設立したばかりのスタートアップは、中小企業に該当するケースが多いでしょう。一方で、事業が成長して規模が大きくなれば、中小企業の基準から外れることもあります。
代表的なスタートアップ企業
スタートアップの代表例として、OpenAI、SpaceX、メルカリなどが挙げられます。多くの人が聞いたことがあるスタートアップ企業をご紹介します。
OpenAI
OpenAIは、人工知能の研究・開発を目的として2015年に設立され、その後急成長した企業です。
AIの研究成果を社会に役立てることを目指し、一般的には、ChatGPTのサービスを提供していることで知られています。
2026年10月時点では未上場ですが、企業評価額は数千億ドル規模に達しており、スタートアップとして創業した企業の代表例と言えます。
SpaceX
SpaceXは、2002年にスタートアップとして設立された企業です。ロケットや宇宙船の設計・製造・打ち上げに取り組んでいることでも知られています。
宇宙開発は、大規模な設備や技術が必要で、成果が出るまでに時間もかかる分野ですが、SpaceXはそこに果敢に挑戦して成功した事例と言えます。
長年未上場のまま成長を続けましたが、2026年6月に米ナスダック市場へ上場しました。
メルカリ
メルカリは、スマートフォンで手軽に商品を売買できるフリマアプリを提供している企業であり、2013年に創業しました。個人が持つ不用品を別の人が購入できる仕組みを広げ、個人間取引を身近なものにするというビジネスを展開しました。
メルカリは、上場前にユニコーン企業へと成長したスタートアップであり、スマートフォンを通じて売り手と買い手をつなぎ、物の再利用を促すビジネスモデルの成功例のひとつと言えるでしょう。
スタートアップのメリットと注意点
スタートアップと呼ばれる企業のメリットや注意点は、働く人と起業する人で異なります。スタートアップ企業で働く場合は、裁量や成長機会が期待できる一方、組織や事業の変化が大きい傾向があります。
また、起業する場合は、事業を大きく伸ばせる可能性がありますが、顧客ニーズや資金繰りを継続して確かめなければなりません。
働く場合:裁量や成長機会がある一方で事業や組織の変化が大きい
スタートアップで働くメリットは、事業の立ち上げや成長の過程に関われることです。組織が小さい段階であれば、担当範囲が幅広い、さまざまな分野で活躍する機会があるかもしれません。顧客の反応や経営者の判断を近くで見ながら、商品やサービスの改善に携われる可能性もあります。
一方で、事業の方針や担当業務、組織体制が短期間で変わるケースが多く、臨機応変な対応が求められる傾向があります。
創業して間もない企業では、社内の制度や業務の進め方がまだ手探りであることもあります。スタートアップで働く場合は、会社の成長性だけでなく、仕事内容、経営方針、待遇、資金状況、組織づくりの考え方を確認しましょう。
起業する場合:大きな成長を目指せる一方で事業・資金面のリスクがある
スタートアップを起業するメリットは、新しい事業を通じて大きな市場を開拓できる可能性があることです。
一方で、商品開発や人材採用に資金を先行して投じる必要があるのに対し、売上が安定するまでには時間がかかる場合があります。また、新しいビジネスやサービスであるほど、市場に受け入れられるまでに時間がかかることもあるでしょう。
顧客の反応を確かめ、資金が不足する時期や返済の負担も見込みながら計画を立てる必要があります。
スタートアップの主な資金調達方法
スタートアップが利用する主な資金調達方法として、出資、融資、補助金・助成金が挙げられます。それぞれ資金の受け取り方や返済義務、審査条件が異なるため、ここで整理しましょう。
投資家やベンチャーキャピタルから出資を受ける
出資とは、投資家やベンチャーキャピタルなどから資金を出してもらい、その対価として株式などを渡す方法です。借入金ではないため、原則として返済義務はありません。出資者から事業の成長を支える助言や人脈を得られるケースもあります。
ただし、新たに株式を発行すると、創業者などの持株比率が下がります。株式会社の場合、出資者は株主として会社の所有者の一員となり、議決権を通じて経営上の意思決定に関与します。なお、合同会社の場合は出資者が社員となり、原則として直接経営に関与することになります。
金融機関から融資を受ける
融資は、銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などから資金を借り入れる方法です。出資と異なり、持株比率を変えずに資金を調達できます。ただし、返済が必要であり、利息も発生します。
創業間もないスタートアップ企業は、事業計画や資金繰りの見通し、代表者の経験などをもとに審査されます。売上が安定する前から返済が始まる場合もあるため、借入額や返済期間を慎重に検討しなければなりません。制度融資や信用保証制度の利用条件なども含めて確認し、返済計画の現実的なシミュレーションをしましょう。
補助金・助成金を活用する
補助金・助成金とは、国や自治体などが、一定の条件を満たした事業者に資金を交付して支援する制度です。原則として返済は不要です。
対象となる経費や事業、申請時期、審査方法は制度によって異なります。また、条件を満たして申し込んでも採択されないケースもあります。
なお、補助金や助成金のほとんどは後払いです。原則として事業者が対象経費を先に支払い、実績報告の後に交付されます。
補助金や助成金を利用する場合は、制度の公募要領を読み、対象経費、申請条件、支払い時期、実績報告の方法を確認して、スケジュールを把握しましょう。
補助金・助成金は、採択や入金の時期が確実ではないため、融資や出資とは別のものとして捉える方がいいでしょう。
スタートアップに関するよくある質問
スタートアップの特徴を理解して自分に合った選択をしましょう
スタートアップとは、新しい技術やビジネスモデルで顧客や社会の課題を解決し、急成長を目指す比較的新しい企業です。創業して間もない企業が多いものの、創業年数だけでスタートアップであると決まるものではありません。よく似た言葉のベンチャー企業やスモールビジネス、中小企業とも、言葉の意味や分類の基準が異なります。
スタートアップで働く場合は、裁量や成長機会だけでなく、事業や組織が変化する可能性も確認しましょう。また、スタートアップを起業する場合は、顧客のニーズを確かめながら事業を育て、出資・融資・補助金などの資金調達方法を比較することが大切です。いずれの場合も事業の特徴や自分の目標に合った働き方、目指している成長の方法をしっかりと考えた上で選択をしてください。
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