最終更新日:2026/9/24
会社の種類は4つ!株式会社・合同会社・合資会社・合名会社の違いを徹底比較

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
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- 会社の4つの種類と特徴
- 株式会社と合同会社の違い
- 有限会社を新しく設立できない理由
- 会社設立時の会社形態の選び方
会社を設立する際は、会社法で定められている4つの会社形態からどの種類の会社にするかを選ばなければなりません。会社形態によって設立に必要な人数や費用、出資者が負う責任、会社の経営方法などが異なるため、慎重に検討すべき重要事項です。
一般的に広く知られているのは株式会社ですが、小規模な事業の場合は合同会社を選ぶケースもあります。合資会社や合名会社も新しく設立できるものの、出資者が負う責任が重いため、新規の設立数は多くありません。
会社形態を選ぶ際は、設立費用だけでなく、将来の資金調達や事業拡大まで考えることが大切です。それぞれの特徴を比較し、自分の事業に適した会社形態を選びましょう。
この記事では、会社の種類について解説します。


目次
会社の種類は株式会社・合同会社・合資会社・合名会社の4つ
現行の会社法において新しく設立できる会社は、株式会社・合同会社・合資会社・合名会社の4種類です。会社形態によって、出資者が負う責任の範囲や意思決定の方法、資金調達の方法などが異なります。
ここでは、新しく設立できる4種類の会社と有限会社について解説します。
会社法で定められている4種類の会社
会社法で定められている4種類の会社には、次のような特徴があります。
- 株式会社:株式を発行して資金を調達できる会社。株主は、原則として出資額を超える責任を負わない
- 合同会社:出資する社員全員が有限責任を負う持分会社。社員は、原則として出資額を超える責任を負わない
- 合資会社:無限責任社員と有限責任社員の両方で構成される持分会社
- 合名会社:社員全員が無限責任を負う持分会社
会社における有限責任とは出資額の範囲で責任を負うことです。つまり出資した金額に関しては失うリスクはあるものの、それ以上の責任を個人が負うことはありません。
一方、無限責任社員は、会社の財産だけでは債務を弁済できない場合、個人の財産で返済する責任を負う可能性があります。
株式を発行できるのは株式会社のみ
4種類の会社のうち、株式を発行して資金調達ができるのは株式会社のみです。
株式会社では、出資者が株式を取得して株主となります。株主は会社の所有者となり、保有する株式の割合に応じて株主総会で議決権を行使したり、剰余金の配当を受けたりできます。経営者である取締役は株主から経営を委任されているという立場です。
株式会社は、株式を発行して多くの出資者から資金を集められるため、外部からの資金調達や将来の事業拡大に適した会社形態であり、株主と経営者(取締役)を分けられる点も特徴です。また、社会的な認知度が高いのも魅力です。
合同会社・合資会社・合名会社は「持分会社」
合同会社・合資会社・合名会社は「持分会社」という種類で、株式や株主というしくみがありません。出資者がそのまま「社員」となり、出資によって取得する権利は「持分」と呼ばれます。
持分会社では、出資者が原則として会社の経営に関わります。会社の所有と経営が分かれることの多い株式会社に対し、持分会社は出資者と経営者が一致している会社形態です。
合同会社・合資会社・合名会社の3種類の持分会社は、社員が負う責任の範囲によって区分できます。合同会社は有限責任のみですが、合名会社では社員全員が無限責任を負い、合資会社では無限責任社員と有限責任社員の両方が必要です。
「社員」という言葉について
ここまで言及してきた「社員」とは、従業員を意味する言葉ではありません。合同会社・合資会社・合名会社に出資して経営を行なっている人のことです。
持分会社の社員は、株式会社でいうところの株主兼取締役のような立ち位置となり、会社の意思決定や業務執行に関わります。会社と雇用契約を結んで働く従業員とは、法律上の立場が異なります。
有限会社は新しく設立できない
現在、有限会社を新しく設立することはできません。
2006年の会社法改正に伴って有限会社という会社類型が廃止され、新規設立ができなくなりました。
そして、会社法改正前から存在していた有限会社は「特例有限会社」として存続しています。そのため、現在も商号に「有限会社」を含む会社は存在しますが、新しく有限会社を設立できるわけではありません。
なお、特例有限会社は、必要な手続きを行うことで株式会社へ移行できます。ただし、一度株式会社へ移行すると、特例有限会社に戻すことはできません。
会社設立をするならどの会社が向いている?
新しく会社を設立する場合、株式会社か合同会社を選ぶのが一般的です。
株式会社は社会的な認知度が高く、株式による資金調達や事業拡大に向いています。合同会社は設立費用を抑えやすく、経営方法を柔軟に決められる点が特徴です。
ここでは、新しく設立する会社の種類を選ぶときのポイントを解説します。
会社の種類を選ぶ5つの基準
会社の種類を選ぶ際は、次の5つの基準を確認しましょう。
会社の種類を選ぶ5つの基準
- 設立費用をどこまで抑えたいか:株式会社を設立する場合は、定款認証や設立登記などに費用がかかる。合同会社は定款認証が不要で、登録免許税の最低額も株式会社より低いため、設立費用を抑えられる。初期費用を抑えて法人化したい人には、合同会社が向いている。設立費用よりも社会的な認知度や将来の事業拡大を重視する人は、株式会社を検討するとよい
- 外部から出資を受けるか:外部の投資家から出資を受ける予定がある場合は、株式会社が適している。株式会社は株式を発行できるため、株式と引き換えに資金を調達できる。合同会社でも新しい社員から出資を受けることは可能だが、出資者は原則として会社の構成員となるため、株式会社と比べて外部の投資家から幅広く資金を集めるには不向き
- 将来、株式上場を目指すか:将来の株式上場を目指す場合は、株式会社を選ぶ必要がある。合同会社・合資会社・合名会社は、株式会社への組織変更をしなければ株式上場ができない
- 取引先が会社形態を重視するか:株式会社と合同会社は、どちらも会社法に基づいて設立される法人ですが、株式会社のほうが広く知られていて認知度が高いため、取引先や顧客から理解を得やすい傾向がある
- 1人経営か共同経営か:株式会社と合同会社は、どちらも1人で設立して運営できる。経営者1人で小規模な事業を行い、会社のしくみをシンプルにしたい場合は合同会社が向いている
株式会社が向いている人
株式会社が向いているのは、事業拡大を検討している人や会社の株主と経営者を分離したい人、社会的な認知度が気になる人などです。
株式会社は、会社の所有者である株主と、経営を委任される取締役を分けることができます。そのため、株式会社であれば複数の投資家から出資を受けながら、経営者が事業運営に集中する体制を作ることも可能です。
株式会社が向いているのは、主に次のような人です。
株式会社が向いている人
- 将来的に事業を拡大したい
- 外部の投資家から出資を受けたい
- 将来の株式上場を目指している
- 所有と経営を分けたい
- 取引先からの認知度を重視している
もちろん、株式会社であれば必ず高い信用を得られるというわけではありません。とはいえ、株式会社は合同会社より広く知られているため、会社形態を説明する負担を減らしやすく良い印象を持たれやすいのも事実です。

代表税理士
森 健太郎
合同会社は株式会社と比べて認知度が低く、小規模な会社や個人事業に近いものと思われることがあります。どちらも会社法で認められた法人ですが、社会的な認知度や会社の印象を重視する人には、株式会社のほうが適しているかもしれません。取引予定の相手先や事業内容も踏まえて判断しましょう。
合同会社が向いている人
合同会社は、設立の費用が株式会社より安く、設立時の手続きもシンプルなので個人事業主から法人化したい人やシンプルな会社組織を作りたい人、マイクロ法人としての運用を考えている人に向いています。
合同会社が向いているのは、主に次のような人です。
合同会社が向いている人
- 個人事業主から法人化したい
- 設立費用を抑えたい
- 1人または家族を中心に経営したい
- シンプルな会社組織を作りたい
- 株式による資金調達や株式上場を予定していない
- 利益配分や経営方法を柔軟に決めたい
株式会社より社会的な知名度は低くなりますが、個人事業主ではなく法人として事業を行うことで得られるメリットを享受したいなら合同会社でも十分かもしれません。
合名会社・合資会社が選択肢になるケース
合名会社と合資会社は新規の設立件数が極めて少なく、多くの場合、会社設立の選択肢にはなりません。
新しく会社を作ろうという場面で、無限責任社員を置く必要がある会社形態を選ぶケースは限定的です。
特別な事情により合名会社や合資会社を検討する場合は、無限責任の範囲や将来のリスクを理解するため、設立前に税理士や司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。
4種類の会社形態を一覧表で比較
株式会社・合同会社・合資会社・合名会社は、出資者が負う責任や経営方法、設立に必要な人数などが異なります。
会社形態を選ぶ際は、設立費用だけでなく、将来の資金調達や株式上場、意思決定の方法まで比較することが大切です。ここでは、現在設立できる4種類の会社を表で比較します。
ひと目でわかる比較表
株式会社・合同会社・合名会社・合資会社には、名称以外にもさまざまな違いがあります。比較表でチェックしましょう。
| 株式会社 | 合同会社 | 合名会社 | 合資会社 | |
|---|---|---|---|---|
| 会社法上の分類 | 株式会社 | 持分会社 | ||
| 出資者の呼び方 | 株主 | 社員 | ||
| 設立に必要な人数 | 1人以上 | 2人以上 | ||
| 出資者の責任 | 全員が有限責任 | 全員が無限責任 | 有限責任社員と無限責任社員 | |
| 株式の発行 | できる | できない | ||
| 株式上場 | できる | できない | ||
| 経営を行う人 | 取締役 | 原則として社員 | ||
| 定款の認証 | 必要 | 不要 | ||
| 設立登記の登録免許税 | 資本金の0.7%か15万円の高い方 | 資本金の0.7%か6万円の高い方 | 1件6万円 | |
| 利益配分 | 原則として保有株式数に応じる | 定款で柔軟に決められる | ||
| 出資者の加入や交代 | 株式譲渡や新株発行で対応 | 原則として定款変更などが必要 | ||
| 決算公告 | 必要 | 不要 | ||
株式会社と合同会社の違いは?
現在、会社を新しく設立する場合、株式会社か合同会社を選ぶケースがほとんどです。
株式会社と合同会社は、どちらも出資者が有限責任を負う会社形態であり、法人税などは会社形態だけで大きく変わることはありません。
両者の違いは、設立費用、資金調達の方法、意思決定のしくみ、利益配分、役員任期、決算公告などです。
設立費用
会社設立には費用がかかりますが、株式会社と合同会社で比較した場合、合同会社のほうが設立費用を抑えられます。
| 株式会社 | 合同会社 | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 約23万円 | 約10万円 |
| その他の費用 | 約1万円~ | |
| 運転資金 | 約3~6カ月分 | |
| 資本金 | 初期費用と当面の運転資金。ボリューム層は100万~300万円 | |
法定費用は定款認証手数料や登録免許税などに必要な費用です。そして、その他の費用として、印鑑の作成代などがかかります。
社会的な認知度
株式会社は合同会社より社会的な認知度が高く、「信用を得やすい」「イメージが良い」などとよく言われます。
どちらも会社法で認められている正式な法人ですが、社会的な認知度は株式会社のほうが高いのが現実です。
資金調達方法
株式会社は、株式を発行して外部の投資家から出資を受けられます。
銀行からの融資とは違い、株式発行によって返済義務のない資金を集められるため、大規模な資金調達や急速な事業拡大を目指す場合は株式会社が適しています。将来、株式上場を目指せるのも株式会社だけです。
一方、合同会社は、増資はできますが株式の発行はできません。
合同会社の資金調達手段は、増資や銀行融資、補助金・助成金、クラウドファンディングなどとなります。
経営の自由度と意思決定
株式会社の意思決定は、株主総会や取締役の決定で行われます。
取締役は株主から委任されて経営判断を行います。そして、株主総会には議決権というものがあり、原則として保有する株式数に応じて決まります。
合同会社では、出資した社員が経営判断を含めた意思決定を行います。このため、経営方法を柔軟に設計しやすいのは合同会社だといえます。
利益配分
株式会社では、剰余金の配当がある場合は原則として保有する株式数に応じて金額が決まるため、多くの株式を保有する株主ほど、受け取れる配当が多くなります。
合同会社では、出資額とは関係なく自由に利益配分の割合を決定できます。出資額が少なくても、技術や営業力によって事業へ大きく貢献した人の利益配分を多くすることが可能です。
役員任期と登記費用
株式会社の場合、取締役に任期があります。原則として選任後2年以内に終了する事業年度のうち、最後の定時株主総会が終わるまでとされていますが、非公開会社の場合は最長10年まで延長できます。
一方で、合同会社には、株式会社の「役員」のような制度がありません。経営判断を行なっているのは出資者である社員ですが、株式会社の取締役に相当するような立場であっても任期はありません。
決算公告
株式会社は、定時株主総会が終わった後に決算の内容を公告しなければなりません。これを決算公告といいます。上場企業の場合は、有価証券報告書を提出するため決算公告はありません。
一方、合同会社には決算公告の義務はありません。
会社形態は設立後に変更できる
会社設立後に事業規模や経営方針が変わった場合、会社形態を変更できます。
たとえば、設立費用を抑えるために合同会社を選び、事業拡大に合わせて株式会社へ変更することも可能です。
ここでは、会社形態を変更する「組織変更」について解説します。
株式会社・持分会社は組織変更で変えられる
株式会社から持分会社へ、または持分会社から株式会社へ形態を変える手続きを「組織変更」といいます(持分会社から他の持分会社に変更することは種類変更といいます)。
組織変更をしても法人としての同一性は維持されるため、会社の財産や契約関係などはそのまま引き継ぐことが可能です。
ただし、組織変更には株主や社員の同意、登記申請などが必要です。また、印鑑の作成や口座の名義変更、税務署への届出など手間と時間がかかるため、変更後のメリットとデメリットを比較して判断しましょう。

代表税理士
森 健太郎
会社の種類は、一度決めたらずっとそのままというわけではありません。仮に最初から株式会社を設立した場合と、合同会社から株式会社に変更する場合のトータルの費用はほとんど変わりません。しかし、組織変更の手続きは複雑で、手間と時間がかかります。加えて、会社の印鑑や名刺、ホームページなども変更し、年金、口座、税務署などの届出もしなければなりません。
会社の種類に関するよくある質問
Q:会社の種類はいくつありますか?
Q:株式会社と合同会社のどちらがおすすめですか?
Q:1人でも会社を設立できますか?
Q:有限会社は設立できますか?
Q:合同会社でも融資を受けられますか?
Q:合同会社は株式上場できますか?
Q:株式会社と合同会社で税金は変わりますか?
Q:会社の種類は後から変更できますか?
新しく設立できる会社の種類は4種類!違いを理解して選びましょう
新しく設立できる会社は、株式会社・合同会社・合資会社・合名会社の4種類です。それぞれ設立費用や資金調達方法、経営の自由度、出資者が負う責任などが異なります。
社会的な認知度や資金調達のしやすさを重視する場合は株式会社、設立費用を抑えて柔軟に経営したい人には合同会社が向いています。合名会社と合資会社は無限責任社員が必要になるため、新規設立の選択肢になるケースは極めて限定的です。
会社の種類は設立後に変更できますが、手続きが煩雑で時間と費用がかかります。「あとで変更できるから」と適当に決めずに、設立時の事情に最も適した会社の種類を選択しましょう。
どの会社形態が自分のビジネスに適しているのか迷う場合は、税理士や司法書士などの専門家に相談しましょう。
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