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最終更新日:2025/10/28

取締役の選任の方法は?登記手続きや解任のルールまで解説します

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

この記事でわかること

  • 取締役の選任方法
  • 取締役の選任から登記までの手続き
  • 取締役の任期や人数

株式会社には、会社経営の意思決定や経営判断を担う「取締役」という役職があります。取締役は、会社の重要な方針を決定する立場であり、会社の舵取りをする重要なポジションです。そのため、選任のルールや責任、任期などが会社法で厳密に定められています。

どのような方法で取締役を選任するのか、選任後は何をしなければならないのかは、会社が守らなければならないルールです。

この記事では、取締役の選任や解任の方法、取締役の選任から登記までの流れ、取締役の任期や人数制限といった実務面のポイントを、会社法を参照しつつわかりやすく解説します。

新たに取締役を迎える場面や、取締役の選任のルールについて理解したいという方にも役立つ情報です。

個人事業と法人の違い、会社設立の流れ、必要書類、費用など会社設立の全体像をわかりやすく解説!

取締役は株主総会の普通決議で選任される

取締役は、株主から委任を受けて会社経営をする人であるため、株主総会の決議で正式に選任されます。新たに取締役を選任する場合も、役員構成を変更する場合も、このルールは同様です。

取締役を選任するためには、出席要件と議決要件を満たしたうえで、株主総会の「普通決議」で可決される必要があります。

株式会社は必ず取締役を置く必要がある

株式会社では、会社法の規定により取締役を必ず1人以上置くことが義務付けられています。また、設立後も取締役に空席が生じないよう、取締役の任期満了や退任がある場合は必要に応じて取締役を選任する必要があります。

会社法 第三百二十六条

株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。

引用元 e-Gov 法令検索

株主総会の普通決議

取締役の選任は、株主総会の「普通決議」で行います。普通決議とは、議決権の過半数を持つ株主が出席し、その出席者の議決権の過半数で可決されるというものです。

取締役になるためには、一定の要件があり、次のような人は取締役になれません。

取締役になれない人の例

  • 法人(自然人以外)
  • 禁錮以上の刑に処されその執行を終えていない者

上記のような欠格事由に該当する者が選任された場合、取締役になることができないため選任は無効となります。

参考:会社法 第三百三十一条|e-Gov 法令検索

代表取締役の選任手続き

代表取締役の選任手続きは、会社によって異なります。取締役会を設置している場合は、取締役会の決議によって代表取締役が選任されます。取締役会非設置会社の場合は、株主総会の決議や取締役の互選によって選任することも可能です。

いずれの場合も、選任された代表取締役は、会社の代表者となります。対外的に会社の顔となり、意思決定に関して大きな権限を持つことになります。

取締役を選任するのはどんなときか

取締役の選任は、会社を設立するときだけではありません。役員構成の変化や経営体制の変化など、選任が必要になるタイミングがあります。ここでは、取締役の選任が行われる代表的な場面を紹介します。

重任・再任

取締役の任期が終了した際には、再び同一人物が取締役に選任されることがあります。その際、同じ人物が続けて取締役に選ばれることを「重任」または「再任」と呼びます。

  • 重任:任期満了日にまた引き続き継続して選任される
  • 再任:任期満了で一度退任し、日を空けてから選任される

重任や再任の場合は同じ人物が引き続き取締役の地位にとどまることがありますが、その場合でも、登記手続きが必要になります。

追加

既存の取締役に加えて、新たに取締役を追加する場合も、株主総会で選任決議を行います。たとえば経営体制の強化や事業拡大に対応するために人員を補充したいときなどが該当します。

任期満了

取締役には必ず任期があります。そして、その期間が終了すれば退任となります。このタイミングで継続して取締役の地位にとどまる場合には、株主総会で重任もしくは再任の決議を行います。

定款で任期を短く定めている会社の場合は、任期満了による選任の頻度が高くなります。その都度、登記が必要です。登記忘れは登記懈怠(けたい)となる可能性もあるため注意が必要です。

解任・退任

取締役を解任する場合は、株主総会の普通決議で可決されなければなりません。解任が承認された場合は、任期の途中であっても取締役の職を解かれることとなります。解任は、退任とは異なり、本人の意思に基づかないものです。

一方、取締役が自らの意思で職を辞する場合は「辞任」となり、辞任は取締役本人の一方的な意思表示で可能です。辞任があった場合は、必要に応じて新たな取締役の選任が行われます。

取締役の就任日は「就任の意思表示をしたとき」

ここまで、取締役の選任が必要なタイミングについて解説してきました。では、取締役の就任日はいつになるのでしょうか。

結論、取締役の就任日は、株主総会で決議が可決された後に本人が就任の意思を明確に示した日となります。

就任日は株主総会の選任決議があった日とは異なる場合もあるため、注意が必要です。

取締役を選任するときの流れ

取締役を選任するときは、株主総会の決議に始まり、委任契約の締結、登記手続きといった一連の流れを法令に従って正確に行う必要があります。ここでは、その流れを見ていきましょう。

株主総会で選任

まずは、株主総会で取締役の選任決議を行います。会社の持ち主は株主であり、取締役は株主から経営を委任されて業務にあたります。そのため、取締役は株主総会で選任されるのです。

取締役を選任した際の株主総会の決議内容は、議事録にまとめて登記の際に提出します。議事録を残すことで、株主総会で選任されたことを証明します。

株主総会の議事録には、以下のような事項を記載するのが一般的です。

株主総会議事録の記載事項の例

  • 開催日および場所
  • 出席した株主と議決権の数
  • 議題(取締役選任など)
  • 採決の結果(過半数で可決など)
  • 選任された者の氏名

取締役と委任契約

取締役と会社の関係は、雇用契約ではなく委任契約です。つまり株式会社の取締役は従業員ではないのです。そのため、取締役は給与ではなく報酬を会社から受け取ります。

取締役を選任した後、会社は取締役と委任契約を締結します。委任契約を結ぶことで、取締役としての義務と責任が発生します。

取締役を選任した場合は登記が必要

取締役を選任すると、登記事項に変更が生じることとなります。そのため2週間以内に法務局で登記手続きを行うことが必要です。これは会社法で定められた義務であり、必要な登記を怠った場合は過料の対象になることもあります。

登記申請の際には、以下のような書類を用意します。

取締役選任後の登記に必要な書類の例

  • 株主総会議事録
  • 就任承諾書
  • 印鑑届書(代表取締役選任時のみ)
  • 登記申請書

必要書類を法務局に提出することで、登記簿に役員としての情報が反映されます。この際に、登録免許税がかかります。

  • 資本金額が1億円以下:1万円
  • 資本金額が1億円以上:3万円

法務局の手続きに不安がある場合は専門家に問い合わせできます。

登記懈怠について

登記の必要があるにもかかわらず期間内に登記を行わなかった場合は「登記懈怠(けたい)」という違法な状態となり、代表取締役個人に過料が科される可能性があります。

過料の金額は数万円程度であることが多いですが、会社の信用に影響するおそれもあるため、登記が遅れないように十分注意する必要があります。

参考:会社法 第九百七十六条 第一号|e-Gov 法令検索
参考:一般法人法 第三百四十二条 第一号|e-Gov 法令検索

取締役を選任した場合の登記の流れ

前述したとおり、取締役の選任が完了した後は、速やかに登記の手続きを進める必要があります。ここでは、登記の流れを具体的に確認しておきましょう。

役員変更の登記申請書を作成する

まずは、役員変更登記のための「登記申請書」を作成します。この書類は法務局に提出するものであり、内容に不備があると補正を求められるため注意が必要です。

必要書類をそろえて法務局に提出

必要書類をそろえたら、法務局に出向いて書類を提出し、変更登記を行います。

変更登記の必要書類の一例

  • 変更申請書
  • 株主総会議事録
  • 就任承諾書
  • 印鑑証明書

書類に不備がないように事前に確認してから窓口に行きましょう。

取締役の任期と人数のルール

取締役には必ず任期があります。会社の形態によって取締役の任期のルールは異なりますが、株式会社の場合は必ず任期を設定します。

任期は最長で10年

取締役の任期は原則「2年以内」とされています。絶対に2年である必要はなく、2年より短い期間を設定することも問題ありません。

会社法 第三百三十二条

取締役の任期は、選任後二年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとする。ただし、定款又は株主総会の決議によって、その任期を短縮することを妨げない。

引用元 e-Gov 法令検索

ただし、非公開会社の場合は、定款で定めることで取締役の任期を最長10年まで延長することができます。これは非公開会社のみに認められている特例です。ただし、10年を超える任期の設定はできません。

税理士 森健太郎
税理士 森健太郎からひと言
取締役を新しく選任するときにはリスクがあります。たとえば、今までは家族のみで経営していた会社に他人を取締役として追加する場合、あとでトラブルになる可能性があります。
取締役の任期を長く設定すると、登録免許税の節約や変更登記の手間は少なくなりますが、トラブルが起こったときに対処しづらくなります。そのため、あえて取締役の任期を短くするという方法もあります。

任期を長くするリスク

取締役の任期を長くするリスクとしては、まず役員と機密情報の関係があります。もちろん秘密保持契約を締結することはできますが、長年のノウハウを外部に漏らされる可能性はあります。

また、取締役の個人情報の問題もあります。会社が融資を受ける際に、取締役の信用情報をチェックされるケースが多いため、取締役がブラックだと融資に影響が出る可能性もあります。

取締役の人数は会社の形態によって異なる

取締役を何人置く必要があるかは、会社の形態によって異なります。取締役の退任や解任が発生して、必要な要件を満たさなくなった場合には、新たに取締役を選任する必要があります。

非公開会社は取締役が1人でもよい

非公開会社の場合は、取締役が1人いればよいとされています。代表取締役のみで会社を運営できます。

参考:会社法 第三百二十六条|e-Gov 法令検索

公開会社と取締役会設置会社は取締役が3人以上必要

公開会社や取締役会設置会社の場合は、取締役が3人以上必要です。

取締役会は、会社の意思決定機関として置かれるため、少なくとも3名の取締役で構成されていなければならないとされています。

会社法 第三百三十一条 第5項

取締役会設置会社においては、取締役は、三人以上でなければならない。

引用元 e-Gov 法令検索

取締役の人数に上限はない

取締役の人数に上限はありません。会社の実情に応じて何人でも取締役を選任できます。つまり、取締役が1人だけの会社もあれば、取締役を5人、10人と置いている会社もあるということです。

ただし、取締役の人数が増えると意思決定の調整に時間がかかり、変更登記の手間やコストもかかるため、会社の経営体制に合わせて取締役を選定することが重要です。

取締役の選任には会社法で定められたルールがある

取締役は、株式会社において重要な意思決定や経営判断を担う役職です。取締役の選任は株主総会の普通決議で行われます。就任後は、登記などの手続きが必要です。

また、取締役の任期や人数のルールも会社の形態に応じて異なります。非公開会社は取締役が1人でも運営でき、任期を最長で10年まで設定できます。一方で、公開会社や取締役会設置会社では、取締役が3人以上必要です。

取締役の選任のルールや登記の流れを正しく理解し、必要に応じて専門家に相談することで、会社運営におけるトラブルやリスクを避けることができます。

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