最終更新日:2026/6/25
法人カードの作り方:申し込みの流れ・必要書類・審査ポイントを税理士が解説

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
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法人カードを作りたいけれど、何から手をつければいいのか分からない。
どの会社のどんなカードを選べばいいのか、ちゃんと審査に通るのか不安。
法人カードの作成を考えるとき、多くの方がこうした悩みを抱えがちです。
この記事では、法人カードの申し込みから発行までを5つのステップで整理したうえで、必要書類や審査で確認されるポイント、カードの種類や決済ブランドの選び方など、知っておきたい情報をまとめています。
なお、法人カード自体のメリットや注意点などについては、以下の記事で詳しく解説しています。


法人カードの作り方:申し込みから発行までの5ステップ
法人カードを作る際には、おおまかにカード選び・書類準備・申し込み・審査・受け取りの5つのステップが必要になります。
個人カードと比べると、提出する書類の種類や審査で確認される内容に違いがありますが、手続きの大枠は変わりません。
ここでは、各ステップで何をすればよいかを順番に整理していきます。
Step1:申し込むカードを選ぶ
最初のステップは、どのカードに申し込むかを決めることです。
法人向けのカードには、決済方式の異なるクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードがあり、さらにクレジットカードの中にも中小企業・個人事業主向けの「ビジネスカード」と大企業向けの「コーポレートカード」があります。
設立直後の法人や個人事業主の方が申し込むのは、一般的にビジネスカードです。
カードの種類や決済ブランドの違いについては、この記事の後半の「法人カードの種類」で詳しく解説します。
カードの種類が決まったら、その中から実際に申し込む1枚を選びます。
同じビジネスカードでも、カード会社によって年会費やポイント、付帯サービスは異なり、どのカードが自分に最適なのかを選別しなければいけません。
カード選びの際は、次の基準で比べると絞り込みやすくなります。
| 判断基準 | 確認するポイント |
|---|---|
| 年会費 | 無料から数万円まで幅がある。付帯サービスの充実度と見合うかで判断する |
| ポイント・マイル還元 | 還元率だけでなく、そのポイントなどで利用できるサービスや商品が自分のビジネスに適しているかもチェックする |
| 利用限度額 | 月の経費決済額をまかなえる枠があるか |
| 追加カードの発行 | 従業員用カードを何枚まで、追加年会費はいくらで発行できるか |
| 付帯サービス・保険 | 旅行傷害保険、ショッピング保険、空港ラウンジ、福利厚生サービスなど |
| 会計ソフトとの連携 | 利用明細を会計ソフトや経費精算システムに自動で取り込めるか |
なお、ポイント・マイル還元は特に多くの方が気にする部分ですが、原則として法人の経費支出によって発生したポイントは法人に帰属するとされるため、注意が必要です。
詳しくは「よくある質問」をご確認ください。
Step2:必要書類と引き落とし口座を準備する
申し込むカードが決まったら、必要書類と引き落とし口座を準備します。
法人カードの申し込みでは、法人の信用で審査するカード(法人与信)と、代表者個人の信用で審査するカード(個人与信)とで、求められる書類に差がある傾向があります。
多くのケースで、法人カード作成で提出が求められる書類は、以下の2つです。
- 代表者の本人確認書類
- 引き落とし口座の情報
さらに法人与信のカードでは、共通の書類に加えて登記事項証明書(発行から3~6カ月以内のもの)などの提出を求められることがあります。
申し込みの前に、各カード会社の公式サイトで最新の必要書類を確認してください。
法人カードの引き落とし先には、代表者個人の口座を指定できるものもありますが、法人名義の銀行口座を指定するケースが一般的です。
法人口座の開設がまだの場合は、申し込むカードの口座条件を確認したうえで、必要に応じて口座開設を並行して進めましょう。
法人口座の開設などについては、以下の記事で詳しく解説しています。
Step3:申し込む(インターネット・郵送)
書類がそろったら、カード会社への申し込みを行います。
申し込みの方法は、主にインターネットと郵送の2つです。
| インターネット申込み | 郵送 | |
|---|---|---|
| 手続きの流れ | 公式サイトで必要事項を入力し、本人確認書類などをアップロードする | 申込書を取り寄せまたはダウンロードし、記入・捺印のうえ必要書類を同封して送付 |
| 手続きの手間 | 比較的手軽 | 書類の取り寄せ・記入・郵送に手間がかかる |
| 発行スピード | 郵送に比べて早め | 書類の到着確認に時間がかかるぶん、やや遅くなりやすい |
現在はインターネット申込みが主流となっており、多くのカード会社がオンラインでの手続きを推奨しています。
カード会社によっては、ネットで基本情報を入力したあとに、入会申込書が郵送で届き、捺印・返送を求められるケースもあります。
完全にオンラインで完結するかどうかは、カード会社や申し込むカードの種類によって異なるため、あらかじめ公式サイトで確認しておきましょう。

代表税理士
森 健太郎
カードの申込みの際には、犯罪収益移転防止法にもとづき「実質的支配者」の申告が求められます。
実質的支配者とは、原則として議決権の50%超を直接または間接に保有する個人、該当者がいない場合は25%超を保有する個人などを指します。
代表者が100%の議決権を持つ場合は、代表者本人が実質的支配者に該当します。
申込フォーム上で代表者本人を実質的支配者として申告する必要があるケースもあるため、カード会社の案内に沿って入力しましょう。
参考:Q4. 実質的支配者とは、どのような者を指すのですか。|日本公証人連合会
Step4:審査を受ける
申し込みが完了すると、カード会社による審査に入ります。
審査にかかる期間はカード会社やカードの種類によって異なりますが、数日〜数週間ほどかかるのが一般的です。
審査基準は原則として公開されないため、具体的に何がどう評価されるかを断言することはできません。
しかし一般的には、ビジネスカード(中小企業・個人事業主向け)は代表者個人の信用情報が、コーポレートカード(大企業向け)は企業の資本金や財務状況などが、審査の重要なポイントになるとされています。
Step5:カードを受け取る
審査に通過すると、カードが発行され、登録した住所(法人の本店所在地または代表者の自宅)に届きます。
届いたらまず、カード表面の氏名・会社名に誤りがないかを確認してください。
その後、カード会社の会員サイトにログインし、暗証番号の設定や利用明細の通知設定など、初期設定を済ませておくとすぐに利用を始められます。
法人カードの必要書類
法人カードの申し込みに必要な書類は、カードの与信方式によって異なります。
法人の信用で審査するカード(法人与信)と、代表者個人の信用で審査するカード(個人与信)とで、提出を求められる書類に差があるため、申し込むカードがどちらに該当するかを事前に確認しておくことが大切です。
多くのケースで、法人カード作成で提出が求められる書類は、以下の2つです。
- 代表者の本人確認書類
- 引き落とし口座の情報
法人与信のカードでは、共通の書類に加えて登記事項証明書(発行から3~6カ月以内のもの)などの提出を求められることがあります。
一方、個人与信のカードでは代表者の本人確認書類と口座情報のみで申し込めるカードも少なくありません。
申し込みの前に、各カード会社の公式サイトで最新の必要書類を確認してください。
法人カードの種類
法人カードにはいくつかの種類があり、それぞれ決済のしくみや審査の有無、対象とする企業規模が異なります。
自社に合ったカードを選ぶうえで、まずはどのような選択肢があるかを把握しておくことが大切です。
クレジット・デビット・プリペイドの違い
法人向けのカードは、決済方式の違いによってクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードの3種類に分けられます。

法人カードとして最も一般的なのはクレジットカードです。
あと払いのため、支払いから引き落としまでに猶予があり、資金繰りに余裕を持たせやすいという特徴があります。
付帯サービスやポイント還元も充実している傾向があるため、経費の支払いに幅広く活用したい場合はクレジットカードが第一の選択肢になります。
一方、デビットカードは利用と同時に法人口座から引き落とされ、プリペイドカードは事前にチャージした金額の範囲内でのみ利用できるしくみのカードです。
これらのカードは、原則として与信審査がありません。
設立直後で審査に不安がある場合や、クレジットカードの審査結果を待たずにカード決済を使いたい場合には、デビットカードやプリペイドカードが選択肢になります。
ただし、デビットカードは法人口座からの即時引き落としが前提です。
カード自体の審査はなくても、法人口座の開設時に金融機関の審査があるため、「審査が一切ない」というわけではない点に留意してください。
ビジネスカードとコーポレートカードの違い
法人向けクレジットカードは、さらに「ビジネスカード」と「コーポレートカード」に分けられます。
どちらも事業経費の支払いに使うカードですが、対象企業の規模や審査のしくみが異なります。
| 項目 | ビジネスカード | コーポレートカード |
|---|---|---|
| 主な対象 | 個人事業主・中小企業 | 中堅企業・大企業など、従業員が多く経費管理を組織的に行う企業 |
| 審査の基準 | 代表者個人の信用情報が中心 | 法人の財務状況・事業継続性が中心 |
| 追加カードの発行枚数 | 数枚~20枚程度が上限のカードが多い | 大人数への発行に対応 |
| 引き落とし方法 | 法人口座または代表者個人の口座 | 法人口座(会社決済型)が基本 |
コーポレートカードは企業の財務状況が審査で重視される傾向があるため、設立間もない段階の企業には適していません。
設立直後の法人や個人事業主の方が申し込むのは、基本的にビジネスカードとなります。
法人カードの作成に関するよくある質問
法人カードを作る際は、費用や発行までの期間、法人口座の要否など、申し込み前に確認しておきたい点がいくつかあります。
ここでは、法人カードの作成で特に質問の多い項目を取り上げて解説します。
カード作成に費用はかかりますか?
カードの発行手数料は、多くの法人カードで無料です。
ただし、年会費はカードによって異なり、無料のものから数万円のものまで幅があります。年会費が発生するカードでも、初年度のみ無料としているケースがあるため、申し込み前にカード会社の公式サイトで確認してください。
このほか、申し込みにあたって登記事項証明書の取得が必要な場合は、取得手数料がかかります。
登記事項証明書の手数料は請求方法によって異なります。
| 請求方法 | 手数料 |
|---|---|
| 窓口で請求・窓口で受け取り | 600円 |
| オンラインで請求・郵送で受け取り | 520円 |
| オンラインで請求・窓口で受け取り | 490円 |
カードの作成にかかる期間はトータルでどれくらいですか?
申し込みから手元にカードが届くまでの期間は、カード会社・カードの種類・申し込み方法によって異なります。
全体の傾向としては、ネット申し込みで2〜3週間程度、郵送の場合は約4週間が目安です。
ただし、これはカード会社での手続きにかかる期間であり、申し込みの前に法人口座の開設や登記事項証明書の取得が必要な場合は、その準備期間も加わります。
法人口座の開設には金融機関の審査があり、数日〜数週間かかるケースがあるため、トータルでは1カ月以上を見込んでおくと安心です。

代表税理士
森 健太郎
ただし、法人カードを作る際の登記事項証明書に関しては、原本ではなく写しでもいいケースも多いです。
カード作成を計画している場合は、会社設立時や法人口座の開設時に取得した登記事項証明書をいくつかコピーしておくと、あとあと便利です。
法人カードで貯まったポイントやマイルは自由に使っていいのでしょうか?
法人カードの利用で貯まるポイントやマイルは、法人の経費支出に伴って発生したものです。
そのため、ポイントの帰属は法人にあると考えるのが実務上の一般的な解釈です。
そのため、事業に関連する支出(備品の購入、出張費用など)にポイントやマイルを充当する場合は、大きな問題にはなりません。
一方、ポイントを個人的な買い物や家族旅行のマイルに充てた場合は、会社から個人への利益供与とみなされ、給与や賞与として課税される可能性があります。
また、ポイントを使用して経費を支払った場合には、会計処理が必要です。
処理方法は主に2通りあります。
- 両建処理:ポイント使用前の金額で費用を計上し、ポイント使用分を雑収入として計上する
- 値引処理:ポイント使用後の金額(実際の支払額)のみを費用として計上する
いずれの方法で処理するかは、消費税の課税方式によって有利不利があるため、顧問税理士と相談のうえ決めておくのが安全です。
ポイントの使途や処理方法が曖昧なまま放置すると、税務調査で指摘を受ける原因になりかねません。
法人口座がなくても法人カードは作れますか?
カードによっては、引き落とし口座に代表者個人の口座を指定できるものがあり、その場合は法人口座がなくても申し込むことが可能です。
ただし、経費とプライベートの支出を明確に分けるためには、法人名義の口座を引き落とし先に設定するのが望ましいといえます。
法人口座の開設には数カ月ほどかかるケースもあるため、カードの申し込みと並行して早めに手続きを進めておくことをおすすめします。
できるだけ早く法人口座を開設したいと言った場合は、以下の記事をご確認ください。
法人カードは2枚以上持っておくべきでしょうか?
法人カードが1枚しかないと、不正利用の疑いによるカード停止や、磁気不良や破損、カード会社のシステム障害などが起きると、その間の経費の支払いにカードが使えなくなります。
仕入先への支払いやサブスクリプションの決済など、事業に直結する支出が止まると、業務に大きな支障が出る可能性もあります。
こうしたリスクに備えるため、メインカードとは別に、異なるカード会社・異なる決済ブランドのカードをもう1枚持っておくと安心です。
片方のブランドが使えない店舗でも対応できるという実用上のメリットもあります。
一方で、枚数を増やすと年会費の負担や管理の手間が増えます。
まずは1枚を使い始めて、事業の規模や支払い頻度に応じて追加を検討する、という進め方でも問題ありません。
この記事のまとめ:法人カードについて悩みがあれば税理士に相談しよう
法人カードの作り方は、「カードを選ぶ→書類と口座を準備する→申し込む→審査→受け取り」の5ステップです。
カードの種類や決済ブランドの選び方に迷ったときは、まず自社の事業規模や毎月の経費の支出額、国内外での利用頻度を整理してみてください。
判断の軸が明確になると、選択肢を絞り込みやすくなります。
法人カードの選び方や経費管理のしくみづくりは、会社設立時の届出や経理体制の整備とあわせて検討するのが効率的です。
どのカードが自社に合っているか判断がつかない場合や、経費の管理方法まで含めて相談したい場合は、税理士に相談するのもひとつの方法です。
ベンチャーサポート税理士法人では、会社設立から法人口座の開設、届出手続き、経理体制の構築まで一貫してサポートしています。
「どんなカードを選べばよいかわからない」「審査に通るか不安」「経費の処理がよくわからない」といったお悩みがあれば、ぜひお気軽に無料相談をご活用ください。













