大切なご家族を亡くされた後は、深い悲しみのなかにいながらも、次々とやってくる手続きに追われることになります。
「何から手をつければいいかわからない……」
「期限に遅れて大変なことになったらどうしよう……」
このような不安を抱え、途方に暮れている方もいらっしゃるかもしれませんが、どうぞ焦らないでください。
本記事では、必要な手続きを迷わず進められるよう、「ご家族が亡くなったときにやるべきこと」を時系列順にわかりやすく整理しました。
お手元で確認できる「やることリスト」もご用意しましたので、これを道しるべにして、一つずつ確実に進めていきましょう。

なお、私たちVSG相続税理士法人では、相続手続きに関するご相談を無料で受け付けております。
手続きを進めるなかで「難しいな」「大変だな」と感じることがあれば、お一人で抱え込まず、いつでもお気軽にご連絡ください。
目次
【全体像】ご家族が亡くなった後の手続き
ご家族が亡くなったときに必要な手続きは、次の5つのフェーズに分けて考えると、全体像を把握しやすくなります。
| フェーズ | 時期 | やること | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 1 | 当日~7日目 | お通夜・告別式 | ★☆☆ |
| 2 | ~14日以内 | 役所・公共関係の手続き | ★☆☆ |
| 3 | ~3カ月以内 | 相続人・財産調査 | ★★☆ |
| 4 | ~10カ月以内 | 遺産分割と税金の申告 | ★★★ |
| 5 | 11カ月~ | 遺産の名義変更 | ★★☆ |
以下では、この時系列に沿って、具体的な手続きの内容をお伝えしていきます。
【フェーズ1】死亡直後~葬儀まで|当日~7日目

ご家族が亡くなった直後から、葬儀を執り行うまでにやらなければならないことは、次の4つです。
それぞれの手続きについて、詳しく見ていきましょう。
やること1:死亡診断書の受け取り

ご家族が亡くなられると、医師から「死亡診断書※1」が発行されます。
この死亡診断書は「死亡届」とセットの様式になっており、後で死亡届の部分を記入して、役所に提出することになります。
- ※1
- 病院以外で亡くなられて、死因が不明な場合などは「死亡診断書」ではなく「死体検案書」が発行されることがある。書類の名称は異なるものの、死亡診断書と同じ書式で、今後の相続手続きではまったく同じように使える。
死亡診断書の見本
引用元 法務省Webサイト
死亡診断書を受け取ったら、念のため、記載されている「氏名」と「生年月日」に間違いがないか確認しましょう。
ワンポイント
しかし、死亡診断書は「死亡届」とセットの書式になっており、役所に提出すると「原本」が手元になくなってしまいます。
そのため、あらかじめコピーを取っておかなければなりません。
ただし、この段階で無理にコンビニなどへ行って、コピーをする必要はありませんので、どうぞご安心ください。
たいていは「葬儀社との打ち合わせ」の際に、担当の方が必要な分だけコピーを取ってくれます。
やること2:近親者への連絡

続いて、親族や特に親しかった人へ連絡を入れます。
ここでは、「すぐに来てほしい人」や「最期に立ち会ってほしかった人」に絞って、電話で連絡しましょう。
誰に連絡すべきか迷ったら、まずは亡くなった方の「親・兄弟姉妹・子ども」から連絡を入れるのが一般的です。
このときの電話連絡では、次の3点を伝えれば十分です。
- 誰が亡くなったか(父の〇〇が亡くなりました)
- 今、自分はどこにいるか(〇〇病院にいます)
- いつ来てほしいか(すぐに来てほしい・遺体搬送後に来てほしい)
なお、故人の「会社関係の方」や「ご友人」への連絡は、葬儀の日程が決まってからでも遅くありません。
ワンポイント
その際、「忌引休暇として何日休めそうか」を確認しておくと、この後の手続きのスケジュールを組みやすくなります。
やること3:ご遺体の安置場所の確保

病院で亡くなった場合、長くご遺体を病室に留めておくことはできません。通常は、数時間以内に退去を求められます。
そのため、葬儀社に連絡をして、ご遺体を安置場所まで搬送してもらう必要があります。
事前に決めていた葬儀社があれば、そこへ連絡しましょう。もし葬儀社が決まっていなくても、病院が紹介してくれるのでご安心ください。
搬送先は、「葬儀社の安置施設」か「自宅」になりますが、多くの方は葬儀社での安置を選びます。
ワンポイント
ただし、紹介された葬儀社で「葬儀」までお願いする必要はなく、いったん「搬送」だけを依頼することも可能です。
納得のいく葬儀を執り行うためには、ここで焦って葬儀の契約はせず、翌日以降に複数の葬儀社から見積もりをもらうことをおすすめします。
やること4:葬儀社との打ち合わせ・葬儀の実行

ご遺体を安置したら、葬儀社との打ち合わせを行います。
まず、下記の2つの行政手続きは、ほとんどのケースで葬儀社が代行してくれるので、どのように進めるのか確認しておきましょう。
- 死亡届の提出
- 火葬許可証の取得
たいていは、葬儀社のスタッフの案内のもとで、「死亡診断書」とセットになっている「死亡届」を記入して、それを預けることになります。
このとき、「死亡診断書(兼死亡届)」のコピーを葬儀社の方が渡してくれるので、今後の手続きで使うときまで大切に保管しておいてください。
その後、葬儀社のスタッフが役所へ行って手続きを済ませ、「火葬許可証」を持って帰ってきてくれます。
続いて、翌日以降に「葬儀の打ち合わせ」をします。ここで決める主な内容は、次の3点です。
- お通夜・告別式の日程
- 葬儀のプラン
- 遺影の写真
こうして「お通夜・告別式の日程」が決まったら、まだ連絡できていなかった方々に、その日付をお伝えしましょう。
- 連絡できていなかった親戚
- 故人の友人・知人
- 故人の職場の方
- ご近所の方
葬儀の当日は、葬儀社のスタッフがすべて案内してくれます。その指示に従っていれば、つつがなく進行しますので、どうぞご安心ください。
【補足】銀行への連絡は必要?
ご家族が亡くなったとき、「銀行へ連絡すべきかどうか」で迷われる方が多くいらっしゃいます。
これは、銀行に連絡した時点で口座が凍結され、その後は引き出しや引き落としが一切できなくなるからです。
もし、相続人の間で相続トラブルが発生する可能性がないのであれば、焦って銀行に連絡する必要はありません。
実際、当面の生活費や葬儀費用を確保するために、あえて銀行にはすぐ連絡せず、キャッシュカードで現金を引き出している方も多くいらっしゃいます。
生活費や葬儀費用に充てる目的で引き出し、用途がわかるように領収書やメモを確実に残しておけば、後で大きな問題になることは少ないです。
一方、相続トラブルになる可能性が少しでもある場合は、早めに銀行に連絡して、口座を凍結してしまうのも一手です。
これにより、親族から「故人の預金を勝手に使い込んだ」などと疑われるリスクを減らし、自分を守ることにつながります。
なお、口座が凍結された後でも「仮払い制度」を利用すれば、一定額までなら相続人お一人だけの手続きで引き出せます。
「凍結されたら、もう絶対に引き出せない」というわけではありませんので、状況に合わせて判断しましょう。
銀行口座の凍結については、下記の記事でもお伝えしています。ぜひ併せてご覧ください。
【フェーズ2】役所・公共関係の手続き|~14日目

葬儀が落ち着いたら、市区町村役場や年金事務所での手続きや、公共料金の名義変更・解約などを行います。
それぞれで具体的にやるべきことは、下記のとおりです。

このなかには、「故人が亡くなってから14日以内」という期限がある手続きもあるので、早めに動き出しましょう。
やること5:市区町村役場での手続き

まず、亡くなった方の住民票がある「市区町村役場」へ行き、下記の手続きをまとめて済ませてしまいましょう。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 世帯主変更届 |
【概要】 故人が世帯主だった場合、新しい世帯主を決めて届け出る 【期限】 【担当部署】 【持ち物】 |
| 葬祭費※1の請求 |
【概要】 葬儀を行った人が、役場で請求の手続きをすることで「3~7万円」程度の給付金が出る 【期限】 【担当部署】 【持ち物】 |
| 高額療養費の支給申請 |
【概要】 亡くなる直前の入院費などが高額だった場合、限度額を超えた分が戻ってくる 【期限】 【担当部署】 【持ち物】 【補足】 |
| 健康保険・介護保険の資格喪失※2 |
【概要】 「国民健康保険・後期高齢者医療制度・介護保険」の保険証を返却し、資格喪失の手続きをする 【期限】 【担当部署】 【持ち物】 【補足】 |
- ※1
- 故人が会社員などで「社会保険」に加入していた場合は、「埋葬料」と呼ばれ、協会けんぽや健康保険組合に請求する
- ※2
- 故人が「社会保険」に加入していた場合は、勤務先が手続きを行うため、役所での手続きは不要
以上をまとめると、ご家族が亡くなってから14日以内に、故人の住民票がある市区町村役場に、次の9つのものを持っていけば、スムーズに手続きが進みます。
- 届出人の本人確認書類
- 届出人の印鑑
- 届出人の戸籍謄本
- 振込先の口座が確認できるもの(通帳やキャッシュカード)
- 故人の保険証・資格確認書
- 火葬・葬儀の領収書
- 葬儀日の確認ができるもの(会葬礼状など)
- 病院や薬局などの領収書
- 死亡診断書のコピー(※念のため持参すると安心)
役場には「総合窓口」が設置されていることも多いので、案内係の方に「おくやみ手続きに来ました」と伝えれば、窓口の部署を案内してくれます。
やること6:年金事務所での手続き

続いて、年金事務所で必要な手続きを行います。
手続きをする年金事務所は、「亡くなった方の住所地」である必要はありません。ご自身が行きやすい最寄りの年金事務所で手続きが可能です。
年金事務所で必要になる可能性がある手続きは、以下の4つです。
| 手続き | 内容 |
|---|---|
| 年金受給停止の手続き |
【概要】 受け取っていた年金が、故人の口座に振り込まれるのを止める 【期限】 【持ち物】 【補足】 |
| 未支給年金の請求 |
【概要】 本来は故人に支払われるはずだったものの、まだ受け取れていなかった年金を請求する 【期限】 【持ち物】 【補足】 |
| 死亡一時金の請求 |
【概要】 故人が一度も年金を受け取らないまま亡くなった場合、一定の要件を満たすと、遺族に死亡一時金が支給される 【期限】 【持ち物】 【補足】 |
| 遺族年金の受給手続き※1 |
【概要】 故人によって生計を維持していた方が、「遺族年金」を受け取る手続きをする 【期限】 【持ち物】 【補足】 |
- ※1
- 故人が自営業などで「厚生年金」には加入せず、「国民年金」のみ加入していた場合には、市区町村役場で手続きする
なお、実際に年金事務所に行くときは、次のステップを踏むことをおすすめします。
- 故人の「年金証書」や「年金手帳」を探して、基礎年金番号を確認する
- ねんきんダイヤルに電話して基礎年金番号を伝え、必要な手続きを確認する
- 手続きをするため、年金事務所に持っていくべき書類を確認する
- ご自身の行きやすい年金事務所を指定し、来訪予約をする
- 予約当日に、必要書類を持って年金事務所へ行く
予約なしで年金事務所に行くと、長時間待つことになるケースもあるのでご注意ください。
やること7:公共料金・各種サービスの名義変更

故人が契約していた、「電気・ガス・水道」や「携帯電話・インターネット」などは、今後の利用予定に応じて「解約」または「名義変更」をします。
手続きを進めるうえで、まずは家の中にある「請求書」などの郵便物を集めましょう。
そこに記載されている「お客様番号」がわかると、電話での手続きがスムーズになります。
一般的に手続きが必要となるサービスは、下表のとおりです。
| 種類 | サービス・料金 | 窓口 |
|---|---|---|
| 公共料金 | 電気 | 電力会社 |
| ガス | ガス会社 | |
| 水道 | 水道局 | |
| 通信 | 固定電話 | 電話会社 |
| 携帯電話 | 携帯電話会社 | |
| インターネット回線 | 回線事業者 | |
| 住宅 | 火災保険 | 保険会社 |
| 家賃・管理費 | 管理会社 | |
| テレビ・動画 | NHK受信料 | NHKふれあいセンター |
| サブスクサービス | 各サービス会社 | |
| 新聞 | 新聞の定期購読 | 新聞販売店 |
| 自動車 | 自動車保険 | 保険会社 |
| 駐車場の契約 | 管理会社 |
故人が利用していたサービスは、「クレジットカードの利用明細」や「銀行口座の取引履歴」を確認すると、特定がしやすいです。
そして、これらの手続きがひと段落したら、最後に「クレジットカードの解約」をしましょう。
クレジットカードの解約を最後にすることで、「(故人の生前分の)サービス料の引き落としができなかった」などのトラブルが発生するリスクが低くなり、スムーズにすべての手続きが完了します。
以上、ご家族が亡くなってから14日目までにやることを紹介しました。ここまでで登場しただけでも、非常にたくさんの手続きがあります。
手続き漏れがないよう、下記のリストで確認しながら、1つずつ着実に済ませていきましょう。
ワンポイント
万が一、数日遅れてしまったからといって、手続きができなくなったり、ただちに罰則が科されたりするわけではありません。
まずは無理のない範囲で、できることから進めていただければ大丈夫です。
【フェーズ3】相続人・財産調査|~3カ月

ご家族が亡くなってから2週間ほど経ち、役所や年金事務所での手続きがひと段落したら、ここからは故人が遺した財産を相続するための準備に入ります。
具体的にやるべきことは、次の3つです。
これらの手続きは、ご家族が亡くなってから「3カ月以内」に完了させることを目指しましょう。
以下では、それぞれについて詳しく見ていきます。
やること8:遺言書の捜索

遺産相続の第一歩として、まずは故人が「遺言書」を残していないかを確認します。
遺言書があった場合、基本的にはそこに書かれた内容に従って、遺産を分割することになります※1。
まずは、ご自宅の下記のような場所に、遺言書がないか確認してみてください。
- タンスや机の引き出し
- 仏壇の引き出し
- 金庫の中
- 愛用していたカバンの中
- 本棚に立てかけてある本の隙間
ここでの最大の注意点は、「遺言書を見つけても、その場では絶対に開封しないこと」です。
「自筆証書遺言」と呼ばれる、故人が自分の手で書いた遺言書は、家庭裁判所へ行って「検認」の手続きをしなければなりません。
また、自宅で遺言書が見つからなくても、「銀行の貸金庫」や「法務局」に預けられていることもあります。
遺言書の詳しい探し方は、下記の記事でお伝えしていますので、ぜひ併せてご覧ください。
やること9:相続人の確定

遺言書がない場合には、民法で定められた「法定相続人」の全員が集まって、遺産の分割方法を話し合うことになります。
その話し合いのことを「遺産分割協議」といいます。
遺産分割協議をする前に、まずは「今回の相続では、誰が相続人になるのか」を正確に把握しなければなりません。
相続人になる人は、下記のように、親族のなかで優先順位が定められています。
- 配偶者 :常に法定相続人となる
- 第1順位:故人の子ども
- 第2順位:故人の直系尊属(父母や祖父母など)
- 第3順位:故人の兄弟姉妹

相続人を確定させるためには、「故人が生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本」を集めます。
通常、戸籍は「結婚」や「転籍」などのタイミングで新しいものが作られるため、1人の方に複数の戸籍が存在します。

これらをすべて集めて読み解くことで、故人の「配偶者・父母・兄弟姉妹・子ども」を、過去の離婚歴や隠し子なども含めて、漏れなく把握できます。
ここまでお読みいただき、「家族なのだから、わざわざ戸籍謄本まで取らなくても、親族関係はすべて把握している」と思われるかもしれません。
しかし、今後の手続きでは「本当にほかに相続人がいないこと」を証明するために、戸籍謄本の提出が求められますので、必ず取得しましょう。
なお、戸籍謄本は「最寄りの市区町村役場」で全国の戸籍をまとめて請求できます。
戸籍謄本の効率的な集め方は、下記の記事でお伝えしているので、ぜひご覧ください。
また、今後の手続きのことを考えると、集めた戸籍謄本を使って「法定相続情報一覧図」を作成しておくと便利です。
法定相続情報一覧図の作り方は、下記の記事で紹介しています。
ワンポイント
故人の戸籍謄本は、あまりに早く取りに行くと「情報が古い戸籍」が発行されてしまうかもしれないので、少し時間を空けてから取得するようにしましょう。
やること10:相続財産の調査

相続する「人」が確定したら、続いて相続する「モノ」を調査します。
ここでは、故人が持っている下記のような財産を、すべて把握しなければなりません。
| 分類 | 具体例 |
|---|---|
| プラスの財産 |
【金融資産】 現金、預貯金、株式、投資信託、国債、仮想通貨 【不動産】 【家庭用財産】 【権利】 【みなし相続財産※1】 【生前贈与財産】 |
| マイナスの財産 |
【借入金】 住宅ローン、カードローン、自動車ローン、個人からの借金 【未払金】 【保証債務】 【葬儀費用】 |
| 非課税財産 |
【祭祀財産】 墓地、墓石、仏壇、仏具、神棚 【寄付】 【公益事業】 |
- ※1
- 故人が亡くなったことをきっかけにご家族が受け取る財産。厳密には故人のものではないが、相続税の計算上は相続財産に含めなければならない
- ※2
- 2024年1月1日以降の贈与から、持ち戻しの期間が3年から7年に段階的に延長されている
- ※3
- 2023年以前は、相続時精算課税制度に基礎控除はなく、全額が相続財産に持ち戻されていた
「何から手を付ければよいかわからない……」という方は、故人の「郵便物」と「預金通帳」を集めることから始めてみてはいかがでしょうか。
まず、次のような郵便物は、財産を特定する重要な手がかりになります。
| 郵便物 | 手がかり |
|---|---|
| 固定資産税の納税通知書 | 故人が所有していた「不動産」が一覧で載っている |
| 取引残高報告書・配当金計算書 | 故人が「株式」や「投資信託」を保有していることがわかる |
| 保険控除証明書 | 故人が契約していた「生命保険」がわかる |
続いて、預金通帳が見つかれば「銀行預金」の存在はもちろん、取引履歴をチェックすることで、以下のような「ほかの財産の手がかり」もつかめます。
| 取引 | 手がかり |
|---|---|
| 定期的な引き落とし |
■ 生命保険料・カードローンの返済・固定資産税の納付などから、保険契約・借入金・不動産の存在が推測できる ■ 貸金庫を契約していれば、たいていは年に1回、利用料金の引き落としがある |
| 定期的な入金 | ■ 家賃収入・株式の配当金など、給与以外の振込があれば、賃貸不動産や有価証券の存在が推測できる |
相続財産の調べ方は、下記の記事で詳しくお伝えしているので、併せてご覧ください。
なお、この「財産調査」は、これまでに登場した手続きよりも少し難易度が高くなります。
そこで、調査を進めるなかでわからないことがあれば、一人で悩まずに相続の専門家を頼ることをおすすめします。
VSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で承っておりますので、下記からお気軽にご連絡ください。
【重要】相続放棄の期限は「3カ月以内」
故人の財産を調査した結果、「借金が多くて、遺産の総額がマイナスになってしまう」という場合には、「相続放棄」を検討することになります。
相続放棄をすることで、遺族の方々が故人の借金を肩代わりする必要がなくなります。
相続放棄の手続きには厳格な期限があり、「相続の開始を知った日から3カ月以内」に、家庭裁判所に申立てをしなければなりません。
期限を過ぎると、「借金も含めてすべて相続する」と認めたことになってしまいます。
そのため、「放棄する・しない」に関わらず、故人の財産調査は、亡くなってから3カ月以内に完了させることを目指して進めましょう。
相続放棄の手続きや判断基準については、下記の記事で詳しくお伝えしていますので、必要な方は併せてご覧ください。
【補足】準確定申告の期限は「4カ月以内」
亡くなった方が、次のようなケースに該当する場合、ご遺族が故人の代わりに確定申告をする「準確定申告」という手続きが必要になります。
- 自営業などで「事業収入」があった
- 「不動産収入(家賃など)」があった
- 「年金を400万円以上」受け取っていた など
準確定申告の期限は、「相続の開始を知った日から4カ月以内」です。
また、上記のケースに該当していなくても、亡くなる直前に「入院・手術」などで高額な医療費を支払っていた場合は、準確定申告をすることで税金が戻ってきます。
一方、年金収入のみで、医療費もそこまでかかっていない場合は、申告をしても戻ってくる金額が少ないため、無理に申告する必要はありません。
準確定申告については、下記の記事で詳しくお伝えしているので、必要な方は併せてご覧ください。
【フェーズ4】遺産分割と税金の申告|~10カ月

相続人と相続財産が確定したら、「誰が・どの財産を・どのくらい」取得するのかを「遺産分割協議」で決めます。
そのうえで、必要な方は「相続税の申告・納付」を、ご家族が亡くなられてから「10カ月以内」に行わなければなりません。
「相続税の申告」は、本記事に登場するなかでもっとも難しい手続きです。
このため基本的には、相続専門の税理士のサポートを受けながら、手続きを進めることをおすすめします。
それでは、「遺産分割協議」と「相続税の申告・納付」の詳細を見ていきましょう。
やること11:遺産分割協議

「遺産分割協議」とは、遺言書がない場合に、相続人全員で故人の遺産の分け方を話し合って決めることです。
実際に遺産分割協議をするときは、喪主を務めた方などが、下記のような「たたき台」を作成すると、話し合いがスムーズに進みやすくなります。

このたたき台をもとに、全員が納得できる遺産の分け方を話し合いましょう。
協議がまとまったら、次のような書式で「遺産分割協議書」を作成し、相続人全員が署名・押印します。

「遺産分割協議の進め方」と「遺産分割協議書の書き方」は、それぞれ下記の記事で詳しくお伝えしているので、ぜひ参考にしてみてください。
ワンポイント
これは、「誰が・どの財産を・どれほど相続するか」によって、後で負担することになる税額が大きく変わるからです。
たとえば、「とりあえず、故人の配偶者が全財産を相続する」と安易に決めてしまうと、その配偶者の方が亡くなったときにかかる相続税の負担が大きくなりやすいです。
このため、不安な方は相続専門の税理士に相談しながら、遺産の分割方法を決めることをおすすめします。
やること12:相続税の申告・納付

遺産分割協議が終わったら、いよいよ相続手続きの山場である「相続税の申告・納付」に取りかかります。
まずは、ご自身のケースで「相続税の申告が必要かどうか」を確認しましょう。
相続税の申告は、「正味の遺産額」が「基礎控除額」を上回るときに必要になります。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 正味の遺産額 | ■ 「相続財産の調査」で把握した、「プラスの財産」から「マイナスの財産」を差し引いた額 |
| 基礎控除額 |
■ 「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」で算出される額 ■ たとえば、相続人が故人の「配偶者と子ども2人」の場合は「4,800万円」 |
下記の記事では、「相続税の申告が必要かどうか」を簡単に判断する方法をお伝えしていますので、ぜひご参照ください。
注意
さて、相続税の申告が必要だとわかったら、下記の流れで手続きを進めます。
最後の「税金の納付」までを、「故人が亡くなった日の翌日から10カ月以内」に済ませなければなりません。
正直に申し上げると、相続税に馴染みのない方が期限までに正しく申告するのは、非常に難易度が高いです。
このため、相続税の申告が必要な方は、無理をせず税理士に依頼することをおすすめします。
VSG相続税理士法人では、初回のご相談を無料で承っており、その場で「相続税の見込み額」と「当事務所に依頼した場合の費用の見積もり」をお出ししております。
「まずは話だけ聞いてみたい」という方も大歓迎ですので、お気軽に下記からご連絡ください。
【フェーズ5】遺産の名義変更|11カ月~

最後に、相続した財産の名義を「故人」から「相続した人」に変更するための手続きを行います。
ここでは、次の3つに分けて、必要な手続きをお伝えします。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
やること13:不動産の名義変更(相続登記)

故人が持っていた土地や家屋などの「不動産」を相続した人は、3年以内に法務局で名義変更の手続きをしなければなりません。
この手続きのことを「相続登記」といいます。
相続登記は「不動産の所在地を管轄する法務局」に、下記の書類を持っていくことで手続きができます。
- 故人の戸籍謄本
- 故人の住民票の除票
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 不動産の新たな所有者の住民票
- 遺産分割協議書または遺言書
- 固定資産課税明細書
また、相続登記をする際には「登録免許税」という税金がかかります。
登録免許税は、手続きをする法務局で「収入印紙」を購入し、その場で納めるのが一般的なので、税額分の現金も持っていくとスムーズです。
登録免許税の税額は、下記の式で計算できます。
計算式
相続登記については、下記の記事でもお伝えしているので、併せてご参照ください。
なお、多くの方は、相続登記の手続きを「司法書士」に依頼します。
「自分で手続きをするのは大変……」という方は、相続税の申告を依頼した税理士に相談してみましょう。
相続専門の税理士であれば、司法書士と連携していることが多いので、相続登記が得意な司法書士を紹介してもらえます。
やること14:預貯金の解約・払い戻し

故人の銀行などの口座は、いちど解約して、代表者の口座に払い戻してから、ほかの相続人に分配するのが一般的です。
解約・払い戻しの手続きは、「相続財産の調査」の一環として、口座の「残高証明書」を発行した際に案内があるので、それに従って進めましょう。
金融機関によって多少異なりますが、手続きをする際は、次のような書類を求められることが多いです。
- 金融機関ごとの依頼書
- 故人の戸籍謄本
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の印鑑証明書
- 通帳・キャッシュカード
- 遺産分割協議書または遺言書
これらの書類を金融機関の窓口か郵送で提出すれば、通常は1~2週間ほどで、指定した口座に故人の預金が振り込まれます。
ワンポイント
最近は、相続の手続きを「完全予約制」にしている金融機関が増えており、予約なしで行くと、長時間待たされたり、その日は対応してもらえなかったりすることもあります。
やること15:その他の財産の名義変更

「不動産」や「預貯金」以外にも、次のような財産は名義変更の手続きが必要です。
| 財産 | 手続きの概要 |
|---|---|
| 有価証券(株式や投資信託) |
■ 「故人」の口座に入っている株式などを「相続人」の口座に移管する ■ 相続人が故人と同じ証券会社に口座を持っていなければ、新しく開設しなければならない |
| 自動車 |
■ 運輸支局や軽自動車検査協会で、所有者の名義変更の手続きをする ■ 車を売却する場合も、いちど相続人の名義に変えてからでないと手続きができない |
それぞれの財産の手続きは、リンク先で詳しくお伝えしているので、必要な方はチェックしてみてください。
以上、ご家族が亡くなった後にやるべきことを時系列順にお伝えしてきました。
これらの手続きをすべて行うには、莫大な時間と手間がかかります。
そこで、少しでも手続きをするのが「大変」と感じたら、VSG相続税理士法人までお気軽にご連絡ください。
相続専門の税理士・司法書士・行政書士が、あなたを手厚くサポートいたします。
ご家族が亡くなった後の手続きに関するよくある質問
ご家族が亡くなった後の手続きに関して、次のようなお問い合わせをいただくことがよくあります。
最後に、これらの質問にお答えします。
Q1:どのタイミングで、税理士に相談すればいい?
結論からお伝えすると、「相続税がかかるかもしれない」と不安になったら、できるだけ早い段階で相談することをおすすめします。
一般的には、本記事の「やること10:相続財産の調査」まで進んで、ある程度、財産の内容がわかってから、相談に行くことを考え始める方が多いです。
相談を受けた税理士としても、遺産の規模がわかれば、その場で概算の税額や見積もりを出しやすくなります。
しかし、「財産の調査が難しくて進まない」「遺産に何があるかよくわからない」という状態でご相談いただいても、まったく問題ありません。
むしろ、財産調査に時間をかけすぎて、申告期限(10カ月)が迫ってしまうことのほうがリスクです。
また、「不動産の登記が終わっていないと、相続税の申告ができない」と勘違いして、期限を過ぎてしまう方も稀にいらっしゃいます。このような勘違いを防ぐためにも、早めに税理士に相談することをおすすめします。
目安として、故人が持っていた「預貯金」や「不動産」などの総額が「3,000万円」を超えそうだとわかった時点で、いちど税理士に相談してみてはいかがでしょうか。
なお、税理士にも得意分野があるため、相談先は「相続税を専門にしている事務所」を選ぶようにしましょう。
Q2:葬儀費用は遺産から出してもいい?
葬儀費用を、故人の預貯金などから支払っても問題はありません。
その際は、「何にいくら使ったのか」を証明できるように、必ず領収書を残しておいてください。
「お布施」や「心付け」など、領収書がもらえない支払いについては、「日付・支払先・金額・内容」を書いたメモを残しておくのがおすすめです。
ただし、後になって親族の方から、「勝手に故人の預金を使った」などと疑われる可能性が少しでもある場合は、故人の口座には手を付けないのが無難です。
そのときは、喪主の方が葬儀費用を一時的に立て替えておき、遺産分割協議の際に精算するかたちにすると、無用なトラブルを避けられます。
Q3:家族が亡くなったとき、仕事は何日くらい休めるもの?
一般的な企業の忌引休暇の目安は、以下のとおりです。
| 従業員との関係 | 忌引休暇の日数 |
|---|---|
| 配偶者 | 7~10日 |
| 父母・子ども | 5~7日 |
| 兄弟姉妹・祖父母 | 1~3日 |
ただし、企業によって日数は異なりますので、必ずご自身の勤務先の「就業規則」を確認するようにしましょう。
Q4:香典返しはどうすればいい?
香典返しは、いただいた香典の「半額~3分の1程度」の品物を返すのが一般的です。
「即日返し」として葬儀の当日にお渡しする場合と、四十九日の忌明け後に配送する場合があります。
「どのようなものをお渡しすべきかわからない」という場合には、葬儀社に相談してみてはいかがでしょうか。
なお、「葬儀費用」は相続税の課税対象となる財産から差し引いて、税額を軽くすることが可能ですが、「香典返し」は対象外ですのでご注意ください。
複雑な手続きや税金の申告は専門家を頼りましょう
この記事では、ご家族が亡くなった後の手続きを、下記の5つのフェーズごとにお伝えしました。
| フェーズ | 時期 | やること | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 1 | 当日~7日目 | お通夜・告別式 | ★☆☆ |
| 2 | ~14日以内 | 役所・公共関係の手続き | ★☆☆ |
| 3 | ~3カ月以内 | 相続人・財産調査 | ★★☆ |
| 4 | ~10カ月以内 | 遺産分割と税金の申告 | ★★★ |
| 5 | 11カ月~ | 遺産の名義変更 | ★★☆ |
このうち、「フェーズ2」までの手続きは、ご自身で調べながら進めれば、それほど難しくはありません。
しかし、「フェーズ3」以降は手続きの難易度が上がりますので、基本的には専門家の手を借りながら進めることをおすすめします。
VSG相続税理士法人では、「相続税の申告」だけではなく、「相続登記」や「預貯金の解約」などもワンストップでサポートすることが可能です。
あなたが大切な方との思い出に向き合う時間を持てるよう、難しい手続きはすべて私たちが引き受けます。
「まずは話だけ聞いてみたい」という方も大歓迎です。 初回の相談は無料ですので、どうぞお気軽にご連絡ください。




