記事の要約
- 印鑑証明書は、遺産分割協議書に押した「実印」が本人のものであることを証明する書類
- 必要な手続きの数だけ発行しておくと、複数の手続きを同時に進めやすい
- 提出先によっては有効期限があるため、最も期限の短い手続きに合わせて、提出の直前にまとめて取得するとよい
相続手続きにおいて、印鑑証明書は「遺産分割協議書に押した実印」が本人のものであることを証明するために使われます。
具体的に、印鑑証明書が必要となる場面は、次のような手続きをするときです。
- 相続税の申告
- 不動産の名義変更(相続登記)
- 預貯金の解約・払い戻し
- 有価証券(株式・投資信託など)の名義変更
- 自動車の名義変更
印鑑証明書は「1通あたり300円程度」で取得できることから、「必要な手続きの数だけ」発行しておくのがおすすめです。
ただし、手続きをする銀行などによっては、「発行から3カ月以内のもの」というような有効期限が定められていることがあります。
このため、一番期限の短い手続きから逆算して、提出の直前にまとめて発行すると、全体の手続きがスムーズに進みやすいです。
私たちVSG相続税理士法人では、相続手続きに関するご相談を無料で受け付けています。何かお困りのことがあれば、下記からお気軽にご連絡ください。
目次
印鑑証明書とは?

印鑑証明書は、市区町村に登録した「実印」が、間違いなく本人のものであることを公的に証明する書類です。
正式には、「印鑑登録証明書」といいます。

そもそも「実印」とは、お住まいの役所で登録をしたハンコのことです。
荷物の受け取りなどで使う「認印」や、金融機関に届け出る「銀行印」とは違い、契約や相続などの重要な場面で使われます。
相続手続きで「印鑑証明書」は、主に「相続人が遺産分割協議書に押した実印」が、本人のもので間違いないことを証明するために提出します。

それでは、具体的にどのような場面で印鑑証明書が必要になるのか、続けて見ていきましょう。
相続手続きで「印鑑証明書」が必要となる場面

相続手続きで、印鑑証明書が必要になるのは、基本的に「遺産分割協議書」を提出するときです。
具体的には、下記のような手続きをするときに、印鑑証明書の提出を求められます。
| 手続き | 窓口 |
|---|---|
| 相続税の申告 | 税務署 |
| 不動産の名義変更(相続登記) | 法務局 |
| 預貯金の解約・払い戻し | 銀行などの金融機関 |
| 有価証券(株式・投資信託など)の名義変更 | 証券会社など |
| 自動車の名義変更 | 運輸支局 |
まずは、ご自身にどの手続きが必要になりそうかを確認しておくと、「何枚必要になるか?」の判断がしやすくなります。
なお、遺産分割協議書の提出先を、下記の記事でお伝えしているので、ぜひ参考にしてみてください。
補足
これは、生命保険金の請求書に受取人の「実印」を押すことが多く、その印影を証明するためです。
ただし、必要な書類は保険会社によって異なるため、事前に請求先に確認してみてください。
印鑑証明書は、何枚必要になる?
印鑑証明書は、「1通あたり300円程度」で取得できるため、何枚か取ってもそこまで高額にはなりません。
このことから、可能であれば「必要な手続きの数だけ発行しておく」のがおすすめです。
あらかじめ必要な手続きの分を揃えておけば、複数の手続きを同時並行で進めやすくなります。

たとえば、故人の遺産が「自宅の土地・家屋」と「銀行の預貯金 × 2」で、「相続税の申告」も必要になるケースを考えてみましょう。

この場合、必要になる相続手続きは、次の4つです。
| 必要な手続き | 窓口 |
|---|---|
| ① 土地・家屋の名義変更(相続登記) | 法務局 |
| ② A銀行の解約・払い戻し | A銀行 |
| ③ B銀行の解約・払い戻し | B銀行 |
| ④ 相続税の申告 | 税務署 |
これらに「予備の1通」を加えた、「5通」ほど印鑑証明書を発行しておけば、各手続きはスムーズに進みやすいです。
なお、印鑑証明書は、ほとんどの手続きで「原本」の提出を求められます。コピーでの代用はできないため、必要な枚数を発行しておく必要があります。
どうしても枚数を抑えたいときは「原本還付」
発行の手数料を少しでも抑えたい場合は、法務局や金融機関の手続きで「原本還付」という制度を利用する方法もあります。
原本還付とは、「書類の原本」と「そのコピー」を一緒に提出することで、手続き後に原本を返してもらえる制度です。
返ってきた原本は、別の手続きに使い回せるため、発行する枚数を抑えられます。

ただし、原本を返してもらってから次の手続きに移る必要があるため、すべて終えるまでに時間がかかります。
このため、「手数料」よりも「手続きのスムーズさ」を優先したい場合は、はじめから手続きの数だけ取得しておくことをおすすめします。
印鑑証明書は、いつ発行するべき?
印鑑証明書を取得するタイミングは、「一番期限の短い手続きから逆算して、提出の直前にまとめて発行する」のがおすすめです。
そもそも「印鑑証明書」という書類そのものには、有効期限がありません。
しかし、印鑑証明書の提出先によっては、「発行から〇カ月以内のもの」というように、独自の期限を定めていることがあります。
手続きごとに設定されている期限の目安は、次のとおりです。
| 手続き | 窓口 | 有効期限の目安 |
|---|---|---|
| 相続税の申告 | 税務署 | 定めなし |
| 不動産の名義変更(相続登記) | 法務局 | 定めなし |
| 預貯金の解約・払い戻し | 金融機関 | 3カ月または6カ月以内 |
| 自動車の名義変更 | 運輸支局 | 3カ月以内 |
| 有価証券の名義変更 | 証券会社など | 窓口となる会社によって異なる |
たとえば、有効期限を「3カ月以内」に設定している銀行の口座を持っている場合、その直前に印鑑証明書を発行すると、スムーズに手続きが進みやすいです。

もし、相続手続きで不安なことがあれば、私たちVSG相続税理士法人までお気軽にご相談ください。
あなたの状況をお伺いしたうえで、スムーズに手続きが進むようにお手伝いいたします。
印鑑証明書を取得する流れ

ここからは、実際に印鑑証明書を取得するまでの流れを見てみましょう。
印鑑証明書は、次の流れで発行できます。
それぞれのステップについて、詳しく見ていきましょう。
ステップ1:印鑑登録をしているか確認する

まずは、「ご自身が印鑑登録を済ませているかどうか」を確認します。
すでに印鑑登録をしていれば、下記のような「印鑑登録証」というカードが手元にあるはずです。

印鑑登録が済んでいる方は、あらためて登録をする必要はありません。「ステップ4」へ進み、印鑑証明書を発行しましょう。
ご自身が登録しているかわからない場合は、お住まいの市区町村の役所に問い合わせると確認できます。
ステップ2:登録する印鑑を用意する

印鑑登録をしていなかった場合は、登録するための印鑑を用意しましょう。
登録する印鑑は、ハンコ屋で作ったものはもちろん、文房具店などで購入できるものでも構いません。
ただし、実印は相続手続きのような大切な場面で使うものです。
同じ印影の既製品は他人も手に入れられるため、できれば自分専用に作ったオリジナルのものを選んでおくと、より安心して使えます。
また、下記のような印鑑は、登録できないことがあるのでご注意ください。
- ゴム印やスタンプ式など、材質や形が変わりやすいもの
- 欠けや摩耗があり、印影が不鮮明なもの
- 規定のサイズ(おおむね一辺 8〜25mm)から外れるもの
- 住民票に記載された氏名を表していないもの
- 氏名以外のもの(イラスト・屋号・肩書きなど)が彫られているもの
登録できる印鑑の細かい規格は、自治体によって異なります。心配な場合は、購入前にお住まいの役所へ確認しておくようにしましょう。
ステップ3:役所で登録手続きをする

印鑑が用意できたら、お住まいの市区町村の役所で登録の手続きをします。
ここでの手続きの流れは、次のとおりです。
- 登録する印鑑と、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど、顔写真付きのもの)を持参する
- 役所の総合案内で「印鑑登録をしたい」と伝え、市民課・住民課などの担当窓口へ向かう
- 窓口で渡される「印鑑登録申請書」に、住所・氏名などを記入し、印鑑と一緒に提出する
「顔写真付きの本人確認書類」があれば、基本的にその日のうちに登録が完了し、「印鑑登録証(カード)」が交付されます。
なお、「顔写真付きの本人確認書類」がない場合は、後日、役所から自宅へ郵送される照会書のやり取りが必要になります。
また、ご自身で窓口に行けないときは、代理人に手続きを頼むことも可能です。その場合は別途、委任状などが必要になるため、事前に役所へ確認しましょう。
ステップ4:役所やコンビニで発行する

印鑑登録が済んだら、いよいよ印鑑証明書を発行します。
「役所の窓口」か「コンビニ」で取得できるので、都合のよい方法を選びましょう。
役所の窓口で取得する方法
役所の窓口で取得する場合に必要なものは、次の2つです。
- 印鑑登録証(カード)
- 手数料(1通あたり300円程度)
印鑑証明書の発行に、登録した実印そのものは必要ありません。
「印鑑登録証」と「手数料」を持って窓口へ行き、交付申請書に記入すれば、基本的にその日のうちに発行してもらえます。
また、ほかの相続人の印鑑登録証を預かっていれば、手続きをする方の本人確認書類を見せることで、代理でまとめて取得することも可能です。
コンビニで取得する方法
マイナンバーカードをお持ちであれば、コンビニのマルチコピー機でも、印鑑証明書を取得できます。
コンビニで発行する際のポイントは、下記のとおりです。
- 発行できる時間帯は「6:30〜23:00」で、土日・祝日も利用可※1
- マイナンバーカードの暗証番号を入力する必要がある
- 発行に印鑑登録証は必要ない
- ※1
- 年末年始やシステム休止日を除く
なお、お住まいの市区町村によっては、コンビニ交付に対応していないことがあります。事前に自治体のWebサイトなどで確認しておきましょう。
また、コンビニで取得できるのは「本人のみ」です。代理人が発行する場合は、役所の窓口で手続きをすることになります。
印鑑証明書に関するよくある質問
Q1:ほかの相続人から、印鑑証明書を渡すよう言われたときは?
Q2:代理人が発行手続きをすることはできる?
Q3:遺言書があるときも、印鑑証明書は必要?
Q4:未成年者の印鑑証明書も必要?
Q5:相続人が海外に住んでいる場合は?
Q6:実印や印鑑証明書をなくしてしまったら?
まとめ|印鑑証明書は必要な手続きの数だけ、提出の直前に取得しよう
この記事では、相続手続きに必要な印鑑証明書についてお伝えしました。
- 印鑑証明書は、遺産分割協議書に押した「実印」が本人のものであることを証明する書類
- 必要な手続きの数だけ発行しておくと、複数の手続きを同時に進めやすい
- 提出先によっては有効期限があるため、最も期限の短い手続きに合わせて、提出の直前にまとめて取得するとよい
私たちVSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で受け付けております。
何かお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。

