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最終更新日:2026/9/1

非上場株式の評価方式は残余利益モデルへ?第5回有識者会議のたたき台を解説

高山弥生(税理士)
この記事の執筆者税理士 高山弥生

VSG相続税理士法人 税理士。

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書籍:税理士事務所スタッフは見た!ある資産家の相続
Twitter:@takayama1976

非上場株式、いわゆる取引相場のない株式の評価方法をめぐり、国税庁の有識者会議で大きな見直し案が示されました。

令和8年8月20日に開催された「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第5回)」では、国税庁から、インカムアプローチによる評価を主軸とする方向性が示されています。その中で、具体的なたたき台として提示されたのが「残余利益モデル」です。

これまでの非上場株式の評価では、会社規模に応じて、類似業種比準方式や純資産価額方式などを使い分けてきました。しかし、評価方式の違いによって評価額に大きな差が生じることや、会社規模、利益、配当、株主構成などを操作して評価額を下げるスキームが問題視されています。

今回の第5回有識者会議では、こうした問題を踏まえ、現行の原則的評価方式に代わる新たな評価方式として、残余利益モデルを採用する案が示されました。

この記事では、残余利益モデルとはどのような評価方法なのか、現行の非上場株式評価と何が違うのか、相続税や事業承継にどのような影響があるのかを解説します。

なお、非上場株式の評価方法見直しの背景や、第1回・第2回有識者会議で示された論点については、関連記事「非上場株式の評価方法はどう見直される?相続税への影響と今後の動向を解説」で詳しく解説しています。

また、第3回有識者会議で示された日本商工会議所・日本税理士会連合会の意見や、事業承継税制との一体的な見直しについては、関連記事「非上場株式の評価見直しはどう進む?第3回有識者会議の内容と相続税への影響を解説」をご覧ください。

非上場株式の評価方法は大きく見直される可能性がある

非上場株式の評価方法については、会計検査院の指摘をきっかけに、国税庁の有識者会議で見直しに向けた議論が進んでいます。

現行制度では、評価会社の規模や株主の区分に応じて、次のような方式で非上場株式を評価します。

  • 類似業種比準方式
  • 純資産価額方式
  • 類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式
  • 配当還元方式

たとえば、大会社では類似業種比準方式、中会社では類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式、小会社では純資産価額方式が原則とされています。また、同族株主以外の株主などが取得した株式については、特例的な評価方式である配当還元方式を使います。

しかし、類似業種比準方式と純資産価額方式では、評価額に大きな差が生じることがあります。特に、類似業種比準方式による評価額が、純資産価額方式による評価額よりも低くなりやすい点が問題視されてきました。

こうした評価方式間のかい離は、会社規模の調整や計算要素の操作によって、評価額を下げるスキームにつながるおそれがあります。

そのため、国税庁は、評価方式間のかい離を解消し、会社規模や利益・配当などの操作による評価額の圧縮を防ぐため、新たな評価方法の検討を進めています。

第5回有識者会議で示されたのは「残余利益モデル」のたたき台

第5回有識者会議で注目すべき点は、国税庁が「残余利益モデル」を採用した評価方法のたたき台を示したことです。

これまでの会議でも、類似業種比準方式の見直しや、インカムアプローチの活用可能性は議論されていました。しかし、第5回では、残余利益モデルを用いた評価方法の具体的なイメージが示されています。

つまり、これまでのように見直しの方向性を確認する段階から、実際にどのような評価方式を採用するのかを検討する段階へ進んだといえます。

ただし、現時点ではあくまで「たたき台」であり、最終的な改正内容が決まったわけではありません。今後の有識者会議の議事要旨や追加資料、通達改正の動向を引き続き確認する必要があります。

インカムアプローチとは

残余利益モデルを理解するには、まず「インカムアプローチ」という考え方を押さえておく必要があります。

企業価値評価の手法は、大きく次の3つに分けられます。

  • インカムアプローチ
  • マーケットアプローチ
  • コストアプローチ

インカムアプローチとは、対象企業の将来の利益やキャッシュ・フローをもとに企業価値を評価する方法です。簡単にいえば、その会社が将来どれだけ利益やキャッシュを生み出せるか、つまり「稼ぐ力」に着目する評価方法といえます。

マーケットアプローチは、類似する会社や取引事例と比較して価値を求める方法です。現行の類似業種比準方式は、このマーケットアプローチに近い考え方です。

コストアプローチは、会社が保有する資産と負債をもとに価値を求める方法です。現行の純資産価額方式は、このコストアプローチに分類されます。

つまり、現行の原則的評価方式は、類似業種比準方式というマーケットアプローチと、純資産価額方式というコストアプローチを中心に組み立てられています。

一方、今回のたたき台で示された残余利益モデルは、インカムアプローチに属する評価方法です。国税庁がインカムアプローチによる評価を主軸とする方向性を示したことは、非上場株式の評価方法の考え方そのものが大きく変わる可能性を意味しています。

現行制度でインカムアプローチに当たるのは配当還元方式

現行制度にも、インカムアプローチに近い評価方式がまったくないわけではありません。

特例的評価方式である配当還元方式は、配当をもとに株式の価値を評価する方法です。配当という収益を基礎にしているため、インカムアプローチに属する評価方法と考えられます。

ただし、配当還元方式は、主に同族株主以外の少数株主などが取得した株式に使われる特例的な評価方式です。会社の経営に影響を及ぼす立場にある同族株主等が取得する株式については、原則的評価方式として、類似業種比準方式や純資産価額方式が使われます。

つまり、現行制度では、インカムアプローチに近い評価方式は存在するものの、あくまで特例的な位置づけにとどまっています。

今回、国税庁がインカムアプローチによる評価を主軸とする方向性を示したことは、これまで特例的な位置づけだった「収益力に着目する評価」を、より中心的な評価方法に変えていく可能性を示しているといえるでしょう。

残余利益モデルとは

残余利益モデルとは、純資産を土台にしながら、株主が最低限期待する利益を超えて、どれだけ利益を稼いでいるかを加味して企業価値を計算する手法です。

具体的には、会計上の「純利益」から、「株主から預かったお金に対するコスト」を差し引いて考える点に特徴があります。ここで残った利益が、株主の期待を上回って稼いだ利益、つまり残余利益にあたります。

簡単にいえば、次のような考え方です。

  • BPS(1株当たり純資産)を評価の土台にする
  • 会計上の利益が、株主が期待する利益をどれだけ上回っているかを見る
  • 株主の期待を超えて稼いでいれば、その分を企業価値に上乗せする
  • 株主の期待を下回っていれば、評価額が下がる方向に働く

国税庁の第5回有識者会議資料では、残余利益方式の評価イメージとして、簿価純資産をベースに、企業の収益獲得能力を加減して評価額を算出する考え方が示されています。

取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第5回)

“仮に”残余利益方式(簿価純資産ベース)を採用した場合の評価方法のイメージ①

引用元 国税庁

図のとおり、国税庁が示す残余利益方式では、まず企業の保有資産を「簿価純資産」をベースに把握し、そこに数年分の超過収益を加減して評価額を算出するイメージです。赤字や低収益の会社では、収益獲得能力がマイナスに働き、簿価純資産から減額される可能性もあります。

たとえば、株主が会社に投じた資本に対して、一定の利益が期待されているとします。その期待される利益を上回る利益を会社が出していれば、その会社には、簿価純資産に加えて収益力による価値があると考えます。

反対に、株主が期待する水準の利益を出せていない会社では、簿価純資産があっても、それを十分に活用できていないと評価される可能性があります。その場合、収益獲得能力がマイナスに働き、評価額が簿価純資産より低くなることも考えられます。

このように、残余利益モデルは、会社が保有する資産だけでなく、「稼ぐ力」を評価に反映する方法です。純資産価額方式のように資産価値だけを見るのではなく、会社の収益力も評価に組み込む点に特徴があります。

残余利益モデルが選ばれた理由

インカムアプローチには、残余利益モデル以外にも、配当をもとに評価する配当還元法や、将来キャッシュ・フローをもとに評価するDCF法があります。

DCF法は、M&Aの企業価値評価などでよく使われる方法です。しかし、将来キャッシュ・フローの予測が必要になるため、相続税や贈与税の評価方法として広く使うには、実務上の負担や恣意性の問題が生じやすい面があります。

一方、残余利益モデルは、簿価純資産をベースにしつつ、会計上の利益を使って評価する方法です。将来キャッシュ・フローを細かく予測する必要がないため、DCF法に比べると、通達評価として実務に落とし込みやすい面があります。

また、配当を出していない会社でも計算しやすい点も重要です。会計検査院の指摘によると中小企業で配当を行っていない会社は8割近くにもなるそうです。配当を前提にした評価方法では、会社の実態を適切に反映しにくいケースがあります。

その点、残余利益モデルであれば、配当の有無にかかわらず、会社の純資産と利益をもとに評価できます。

残余利益モデルのメリット

残余利益モデルには、実務上、いくつかのメリットがあります。

まず、簿価純資産をベースに計算するため、会社の実態から大きく離れにくい点です。純資産という土台を持ちながら、そこに収益力を加味するため、資産と利益の両面から評価できます。

次に、無配企業でも評価しやすい点です。中小企業では、配当を出していない会社も多いため、配当を前提にした評価方法では十分に対応できないことがあります。残余利益モデルであれば、配当ではなく会計上の利益をもとに評価できるため、無配企業でも計算しやすくなります。

さらに、すべての財産を時価評価し直す手間を抑えられる可能性があります。簿価ベースで計算するのであれば、評価会社の貸借対照表と損益計算書をもとに評価できる場面が増えると考えられます。

純資産価額方式では、土地、建物、有価証券、保険契約などを相続税評価額に洗い替える作業が必要になるため、資料収集や評価作業の負担が大きくなりがちです。

残余利益モデルが導入されれば、会社の収益力を評価に反映しつつ、純資産価額方式に比べて評価実務の負担を軽減できる可能性があります。

還元率は評価額を大きく左右する

残余利益モデルで特に重要になるのが、還元率です。

還元率とは、簡単にいえば、利益に対して株主がどの程度のリターンを期待しているかを示す数値です。残余利益モデルでは、会社の利益から株主が最低限期待する利益を差し引き、その残りを企業価値に反映します。

そのため、還元率が低ければ、株主が最低限期待する利益も小さくなり、評価額は高くなりやすくなります。反対に、還元率が高ければ、株主が期待する利益も大きくなるため、評価額は低くなりやすくなります。

国税庁のたたき台では、還元率について、上場株式の平均期待収益率などを参考に、CAPM、つまり資本資産価格モデルにより算定してはどうかという考え方が示されています。

一般的な企業価値評価の実務では、規模の小さい会社についてサイズプレミアムを一定程度加味したり、非上場株式について非流動性プレミアムを考慮したりすることがあります。こうした調整を今回の評価方法でどこまで認めるのかが、今後の重要な論点になります。

会社規模による評価方式の区分は廃止される方向へ

現行制度では、大会社・中会社・小会社という会社規模の区分によって、適用される評価方式が変わります。大会社は類似業種比準方式、小会社は純資産価額方式、中会社は類似業種比準方式と純資産価額方式の併用方式が基本です。

しかし、会社規模によって評価方式が変わる仕組みでは、評価額に大きな差が生じることがあります。また、会社規模を調整することで評価額を下げるスキームにつながるおそれもあります。

そのため、たたき台では、会社規模による区分を廃止し、幅広い会社を共通の評価方式で評価する方向性が示されています。

会社規模によって評価方式が変わらなくなれば、規模区分を利用した租税回避スキームは抑えやすくなります。一方で、すべての会社に同じ評価方式を適用してよいのかという問題も残ります。

特定会社は純資産価額方式が維持される可能性がある

すべての会社が残余利益モデルで評価されるわけではない可能性があります。

国税庁の第5回有識者会議資料では、資産管理会社のような特定の会社については、純資産価額方式を残す方向性が示されています。具体的には、純資産価額方式を原則的評価方式としてではなく、「特定の評価会社の株式の評価方式」として位置づけることが検討されています。

取引相場のない株式の評価に関する有識者会議(第5回)

純資産価額方式について

引用元 国税庁

この資料では、純資産価額方式を残す場合の検討課題として、評価方法の簡便化、法人が取得した貸付用不動産の評価、法人税額等相当額の控除、退職給付引当金等の負債の範囲、特定会社の範囲や判定基準などが挙げられています。

つまり、純資産価額方式を現行制度のまま維持するのではなく、適用対象や計算方法を整理したうえで、特定の会社に限って使う方向で検討することを国税庁は考えています。

これは、資産管理会社のように、事業収益よりも資産保有の性格が強い会社については、収益力よりも保有資産の価値を重視すべきだという考え方によるものと考えられます。

ただし、ここで問題になるのが、どのような会社を「特定会社」とするのかという線引きです。

特定会社について純資産価額方式を維持する場合、特定会社に該当しないように資産構成を調整するスキームが生じる可能性があります。現行制度でも、株式等保有特定会社や土地保有特定会社に該当しないようにする、いわゆる「株特外し」「土地特外し」のような租税回避行為が問題になることがあります。

会社規模による評価方式の違いをなくしても、特定会社の判定が残るのであれば、今後は「特定会社に該当するかどうか」が新たな争点になり得ます。

そのため、今後の見直しでは、特定会社の範囲や判定基準をどのように整理するのかが、実務上の重要な論点になるでしょう。

評価額を下げるスキームへの対応も示された

第5回有識者会議のたたき台では、利益や株主構成などを操作して、非上場株式の評価額を下げるスキームへの対応も示されています。

主な対応としては、先ほどご説明した評価方式の一本化により会社規模等の操作による評価額圧縮を図ることの他に次の3つが挙げられます。

  • 正常利益により評価し、非経常的な損益を除外する
  • 完全支配法人を持つ場合は、グループ全体で評価する
  • 配当還元方式の対象株主の範囲を整理する

まず、利益操作への対応です。評価額を下げるために、役員退職金の支給や一時的な損失計上などによって、利益を圧縮するケースが考えられます。

こうした非経常的な損益をそのまま評価に反映すると、本来の収益力よりも低く評価され、評価額が恣意的に下がってしまう可能性があります。

そこで、たたき台では、企業の正常利益をもとに評価し、非経常的な損益を除外する方向性が示されています。

次に、グループ法人を使った評価額圧縮への対応です。完全支配法人を持つ場合には、親会社だけを単独で見るのではなく、グループ全体で評価することにより、傘下法人の価値を親会社の評価に適切に反映させることが考えられています。

さらに、株主構成の操作による配当還元方式の濫用については、配当還元方式を適用できる対象株主の範囲を整理する方向性が示されています。

これらの対応が導入されれば、形式的な利益操作やグループ法人の活用、株主構成の調整によって評価額を下げる対策は、これまでより難しくなる可能性があります。

M&A価格と相続税評価額の乖離も背景にある

今回の見直し議論の背景には、M&A価格と相続税評価額の乖離もあります。

非上場株式には市場価格がないため、相続税や贈与税では、財産評価基本通達に基づいて評価します。一方、M&Aでは、買い手との交渉や将来収益、事業価値などを踏まえて価格が決まります。

そのため、同じ非上場株式であっても、M&Aで合意された価格と相続税評価額に大きな差が生じることがあります。

また、第4回有識者会議の資料では、一般株式等に係る譲渡所得の申告状況として、直近5年間の申告人員が33.1万人、所得金額が15.4兆円にのぼることも示されています。株式譲渡に関する申告が相当規模で発生していることも、相続税評価との乖離が注目される背景の一つといえるでしょう。

たとえば、M&A価格と相続税評価額の乖離が問題となった仙台薬局事件(東京高判令和6年8月28日・令和6年(行コ)第36号)では、M&A合意価格が1株あたり約10万5,000円であったのに対し、相続税評価額は1株あたり約8,000円とされていました。

このような乖離が大きくなると、相続税評価額は果たして時価といえるのかという疑問が生じます。今回の見直しでも、こうしたM&A実務との関係が意識されていると考えられます。

ただし、相続税・贈与税の評価とM&A価格を完全に一致させることには限界があります。M&A価格には、買い手側の事情、将来の成長性、シナジー、交渉条件なども反映されるためです。

相続税や事業承継への影響はどうなるか

非上場株式の評価方法が残余利益モデルを中心とする形に見直された場合、相続税や事業承継への影響は、会社の収益力や資産構成によって異なります。

収益力が高い会社では、純資産に加えて超過収益が評価額に反映されるため、評価額が上がる可能性があります。特に、現行の類似業種比準方式によって評価額が低く算定されている会社では、見直し後の影響が大きくなる可能性があります。

一方で、利益水準が低い会社や赤字の会社では、必ずしも評価額が上がるとは限りません。残余利益モデルは、株主が期待する利益を超えているかどうかを評価に反映するため、期待される利益水準を下回る会社では、評価額が抑えられる可能性もあります。

ただし、現時点では具体的な計算式や適用対象、還元率、特定会社の範囲などは確定していません。そのため、現段階で「評価額が必ず上がる」「必ず下がる」と断定することはできません。

中小企業の経営者や後継者にとって重要なのは、改正内容が固まってから慌てて対応するのではなく、まず現行制度における自社株の評価額を把握しておくことです。そのうえで、残余利益モデルが導入された場合に評価額がどのように変わる可能性があるのか、早めに試算しておくことが大切です。

今後確認すべきポイント

新しい原則的評価方式として提示された残余利益モデルは、還元率が変われば評価額は大きく変動します。また、特定会社に該当するかどうかによって、残余利益モデルではなく、純資産価額方式が適用される可能性があります。

そのため、今後は「残余利益モデルが導入されるか」だけでなく、「どの会社に適用されるのか」「どのような計算式になるのか」「どの程度の還元率が使われるのか」を確認する必要があります。

こちらの記事を書いている8月28日現在、まだ第5回会議の議事要旨は公表されていません。今後、議事要旨や追加資料が公表されれば、委員の意見や具体的な計算方法の方向性がより明らかになると考えられます。非上場株式を保有する経営者や後継者は、引き続き最新情報を確認しておくことが重要です。

まとめ|非上場株式の評価見直しは残余利益モデルが大きな焦点に

非上場株式の評価方法について、国税庁の第5回有識者会議では、インカムアプローチを主軸とし、その中でも残余利益モデルを採用するたたき台が示されました。

残余利益モデルは、簿価純資産を土台にしつつ、株主が最低限期待する利益を超えてどれだけ稼いでいるかを加味して、企業価値を評価する方法です。無配企業でも計算しやすく、DCF法のように将来キャッシュ・フローを細かく予測する必要がない点に特徴があります。

一方で、還元率をどのように算定するのか、サイズプレミアムや非流動性プレミアムをどこまで考慮するのか、特定会社の範囲をどう定めるのかなど、実務上の重要な論点はまだ残されています。

現時点では、最終的な改正内容や適用時期は確定していませんが、国税庁は令和9年度税制改正に載せたいとしています。業績の良い非上場株式の中小企業に大きな影響を与える可能性がありますが、経済産業省が事業承継税制で相続税と贈与税の免除を検討しているとの報道がありますので、性急にアクションを起こすよりも、まずは現行制度における自社株の評価額を把握し、今後の見直しによってどの程度影響を受ける可能性があるのかを確認しておくことが大切です。

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