記事の要約
- 相続税の申告書の提出先は、「亡くなった人の住所地」を管轄する税務署
- 提出方法は「窓口への持参・郵送・e-Tax」の3つがあり、窓口に持参するのがおすすめ
- 申告書はクリップ留め、添付書類は種類別にファイリングして整理するとよい
「相続税の申告書がようやく完成して、あとは税務署に提出するだけ。でも、どこに、どうやって出せばいいの?」
このような疑問をお持ちの方に向けて、本記事では、相続税の申告書の提出先や提出方法を、はじめての方にもわかりやすくお伝えします。
なお、VSG相続税理士法人では、相続に関するお悩みに無料でお答えしています。何かお困りのことがあれば、下記からお気軽にご連絡ください。
目次
相続税の申告書は「誰が・どこに・どうやって」提出する?

まずは、相続税の申告書は、「誰が・どこに・どうやって」提出するのかを確認しましょう。
提出方法の概要は、下記のとおりです。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 提出する人 | 納税が必要な人のうち、代表者1名がまとめて提出するのが一般的 |
| 提出する税務署 | 被相続人(故人)が亡くなったときの住所地を管轄する税務署 |
| 提出する方法 | 「窓口への持参・郵送・e-Tax」の3つから選べる |
具体的に「誰が」「どこに」「どうやって」提出するのか、以下では詳しく見ていきます。
【誰が?】提出する人
相続税の申告書の提出は、納税が必要な人のうち、代表者1名が全員分の手続きをまとめて行うことが一般的です。
もちろん、納税者がそれぞれ個別に提出することもできます。
ただし、その場合は申告内容を全員で矛盾がないように調整する必要があります。
もし矛盾があると、税務調査が入る可能性が非常に高まることから、基本的にはまとめて提出するのがおすすめです。
【どこに?】提出する税務署
相続税の申告書の提出先は、「被相続人(故人)が亡くなったときの住所地を管轄する税務署」です。
「申告する人」の住所地を管轄する税務署ではないので、ご注意ください。
たとえば、北海道に住んでいた父親が亡くなり、東京に住む娘が申告する場合は、東京の税務署ではなく、北海道の管轄税務署に提出します。

管轄の税務署は、国税庁のWebサイトで確認できます。
【どうやって?】提出する方法
申告書の提出方法は、次の3つから選べます。
| 提出方法 | 概要 |
|---|---|
| 窓口に持参 | ■ 管轄の税務署の窓口に直接持っていく方法 ■ 納付書をその場でもらえて、納税までスムーズに進む |
| 郵送 | ■ 管轄の税務署宛てに郵便で送る方法 ■ 申告書は「信書」に当たるため、送り方に注意が必要 |
| 電子申告(e-Tax) | ■ インターネットで提出する方法 ■ 相続税の場合、ご自身で行うには少しハードルが高い |
このうち、一番おすすめなのは「窓口に持参」する方法です。
以下では、それぞれの方法について、もう少し詳しく見ていきます。
方法1:窓口に持参する【おすすめ】

平日の日中に税務署へ行けるのであれば、窓口に直接、申告書を持参することをおすすめします。
- 月曜日~金曜日 午前8時30分~午後5時(祝日などを除く)
- 閉庁日や受付時間外でも、税務署の入口にある「時間外収受箱」に投函すれば提出できる
窓口で提出するメリットは、申告書を出すのと同時に「納付書」をもらえることです。

この納付書は、相続税を金融機関などで納めるときに必要になる書類で、郵送で申告書を提出した場合は、別途取り寄せなければなりません。
なお、納付書はメガバンクなどの金融機関に置かれていることもあります。ただし、在庫がなくなっていることも考えられるため、税務署で入手するのが無難です。
補足
提出の記録を残したい場合は、ご自身で申告書のコピーを作成し、提出日をメモしたうえで保管しておきましょう。
方法2:郵送で提出する

相続税の申告書は、郵送で提出することもできます。
ただし、相続税の申告書は「信書」に該当するため、送り方には注意が必要です。
信書とは?
「日本郵便のサービス」など、法律で認められた方法でしか送ることができません。
具体的に、申告書の提出で「利用できる郵送サービス」と「利用できないサービス」は、下記のとおりです。
| 〇 利用できる | ✕ 利用できない |
|---|---|
| ■ レターパック(プラス / ライト) ■ 定形外郵便 ■ 簡易書留 など |
■ ゆうパック ■ ゆうメール ■ ヤマトや佐川など各社の宅配便 など |
利用できるサービスのうち、次の理由から「レターパック」を選ぶことをおすすめします。
- 追跡サービスがあり、配送状況を確認できる
- コンビニなどで手軽に購入できて、別途封筒を用意する手間がない
- A4サイズの申告書がそのまま入る
- レターパック「プラス」なら厚さ制限がなく、書類が多いときも安心
レターパック
引用元 郵便局のネットショップ
申告書を郵送する場合には、「通信日付印(消印)」の日付が「提出日」として扱われます。
ポストに投函すると、集荷のタイミングによっては翌日の消印になることがあるため、期限が近いときは郵便局の窓口から出すようにしましょう。
なお、郵送で申告書を提出すると、窓口提出のときのように納付書をその場でもらうことができません。
そこで、申告書と一緒に「納付書の送付をお願いするメモ」と「切手を貼った返信用封筒」を同封しておけば、ご自宅まで送ってもらえます。
このとき、書き損じたときの予備として、納税する人1名につき2部ずつもらっておくと安心です。
記載例
相続税の申告書を郵送にて提出いたします。
つきましては、納付書を〇部、下記の住所宛てに送付いただけますと幸いです。
住 所:〒XXX-XXXX 〇県〇市〇町〇-〇-〇
氏 名:〇〇 〇〇
電話番号:XXX-XXXX-XXXX
納付書の記入方法については、下記の記事で詳しくお伝えしています。
方法3:電子申告(e-Tax)で提出する

相続税の申告書は、電子申告(e-Tax)でも提出できます。
ただし、相続税を電子申告するには、専用のソフトをパソコンにダウンロードし、数値を手入力しなければなりません。
このような手間がかかることから、ご自身で相続税の申告をする場合には、紙の申告書を作成し、窓口か郵送で提出したほうが無難です。
ちなみに、税理士に申告を依頼したときには、税理士が電子申告をしてくれることが多いです。
申告書と添付書類の綴じ方

相続税の申告をする際は、申告書のほかに多くの添付書類があるため、見やすく整理して提出するようにしましょう。
書類の綴じ方に正式な決まりはありませんが、ここではおすすめの方法を紹介します。
申告書は番号順に並べてクリップ留め
申告書(第1表~第15表)は、番号順に並べてクリップで留めるのがおすすめです。

このとき、記入が不要だった表は、綴じなくて構いません。
なお、表をホチキスで留めると、税務署の機械で読み取りができなくなることがあるため、避けるようにしましょう。
添付書類は種類別にまとめてファイリング
添付書類は、以下の4つに分類して整理するのがおすすめです。
| 分類 | 書類の例 |
|---|---|
| 相続人全員の本人確認書類 | ■ マイナンバーカードの写し など |
| 相続人の状況がわかる書類 | ■ 法定相続情報一覧図 ■ 戸籍謄本一式 など |
| 遺産の取得状況がわかる書類 | ■ 遺産分割協議書 + 印鑑証明書 ■ 遺言書 など |
| 財産関係の書類 | ■ 土地・建物の評価資料 ■ 預貯金の残高証明書 ■ 有価証券の取引残高報告書 ■ 生命保険の支払通知書 ■ 葬式費用の領収書 など |
また、国税庁が用意している「相続税の申告のためのチェックシート」も一緒に添付しておくと、丁寧に確認したことを税務署側にアピールできて、心証が良くなります。
相続税の申告のためのチェックシート
引用元 国税庁Webサイト
添付書類の整理ができたら、種類ごとに「仕切り紙」を挟み、「インデックス(見出しタブ)」を付けるのがおすすめです。

こうしておくと、税務署の職員が書類を確認しやすくなるだけでなく、ご自身でも「必要なものが揃っているか」をチェックしやすくなります。
なお、綴じるときは、「Z式(レバー)ファイル」を使うと便利です。穴あけパンチで書類に穴を開ける必要がなく、ばねを開いて挟むだけなので、手軽にまとめられます。

以上、ここまでの準備が整ったら、申告書と添付書類を税務署に提出しましょう。

なお、添付すべき書類については、下記の記事で詳しくお伝えしているので、併せてご覧ください。
申告書の提出に関するよくある質問

最後に、相続税の申告書の提出に関する、次の質問にお答えします。
Q1:申告書はどこで入手できる?
相続税の申告書は、「国税庁のWebサイト」から最新の様式をダウンロードできます。
ダウンロードするときは、「被相続人が亡くなった年に対応した様式」を選んでください。
Q2:提出の期限はいつまで?
相続税の申告書は、「被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10カ月以内」に提出しなければなりません。
この期限を過ぎてしまうと、延滞税や加算税などのペナルティが科されるおそれがあります。
申告期限について詳しく知りたい方は、下記の記事を併せてご覧ください。
Q3:故人が老人ホームで亡くなったとき、提出先はどこになる?
故人の「住所」は、住民票の登録場所ではなく、「生活の本拠」がどこにあるかで判断します。
老人ホームに入居していた場合、一般的には、そこで日常の食事や入浴などをしていたと考えられるため、「生活の本拠は、老人ホームにある」と判断されます。
そのため、住民票を元の自宅に残していたとしても、提出先は老人ホームの所在地を管轄する税務署になるのが原則です。
ただし、入居して間もない場合など、状況によって判断が分かれることもあります。迷ったときは、税務署や税理士に相談するようにしましょう。
Q4:税務署に控えを持っていけば、収受印を押してもらえる?
2025年1月以降、申告書の控えを税務署に持って行っても、「収受印」は押してもらえなくなりました。
代替案としては、ご自身で申告書のコピーを作成し、提出した日付を記録したうえで保管しておくのがおすすめです。
Q5:提出した「印鑑証明書」や「戸籍謄本」は後で戻ってくる?
税務署に提出した書類は、原則として返却されません。
「印鑑証明書」や「戸籍謄本」はコピーでの提出も認められているので、原本は手元に残しておき、コピーを提出するのがおすすめです。
Q6:提出後に間違いに気づいたらどうする?
申告書を提出した後に計算ミスなどに気づいた場合は、ケースに応じて、次のいずれかの手続きを行います。
| ケース | 手続き |
|---|---|
| 税額が少なすぎた | 「修正申告」を行い、不足分を追加で納める |
| 税額が多すぎた | 「更正の請求」を行い、払いすぎた分の還付を受ける |
いずれの場合も、気づいた時点でなるべく早く対応するようにしましょう。
特に「修正申告」は、早期に対応するほど「延滞税」の金額が少なくなり、税負担が軽くなります。
相続税の申告でわからないことは、税理士に相談しましょう
この記事では、相続税の申告書の提出方法について、以下の内容をお伝えしました。
- 提出先は「被相続人の住所地」を管轄する税務署で、窓口に持参するのがおすすめ
- 持参が難しい場合は、郵送での提出も可能
- 申告書はクリップ留め、添付書類は種類別にファイリングして見やすく整理するとよい
はじめての相続税申告では、書類の多さに圧倒されてしまうかもしれません。
もし、何かご不安なことが出てきたら、一人で抱え込まず、まずは私たちVSG相続税理士法人にご相談ください。
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