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最終更新日:2026/6/9

相続に必要な戸籍謄本は?誰の・どの戸籍を・どう集めるかを解説

田中 千尋 (司法書士)
この記事の執筆者 司法書士 田中千尋

VSG司法書士法人 司法書士 昭和62年生まれ、香川県出身。

相続登記や民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/profiletakana/

記事の要約

  • 相続手続きでは、「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本」と「相続人全員の現在の戸籍謄本」が必要になる
  • 「広域交付制度」を使えば、本籍地以外の窓口でも戸籍謄本をまとめて取得できる
  • 集めた戸籍は「法定相続情報一覧図」にしておくと、戸籍謄本の束を持ち歩かずに済んで便利

「相続手続きには戸籍謄本が必要らしいけれど、誰のものが必要になるの?」

このような疑問をお持ちの方に向けて、本記事では「相続で必要な戸籍謄本」と「効率的な集め方」をお伝えします。

なお、VSG相続税理士法人では、相続に関するお悩みに無料でお答えしています。戸籍集めや相続税の手続きでお困りのことがあれば、下記からお気軽にご連絡ください。

相続で必要になる戸籍謄本は?

この記事の全体像1

下記のような相続手続きをする際には、戸籍謄本が必要になります。

これらの手続きでは、「誰が相続人なのか」を確認するために、戸籍謄本の提出を求められます。

具体的に必要になる戸籍謄本は、主に次の2つです。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

亡くなった方の「出生から死亡まで」の戸籍

1つ目は、亡くなった方の「生まれてから亡くなるまで」の連続するすべての戸籍謄本です。

戸籍は、下記のようなタイミングで新しいものが作られるため、亡くなった方には「複数の戸籍」があるのが一般的です。

タイミング

  • 結婚して新しい戸籍を作ったとき
  • 引っ越しなどで本籍を移したとき(転籍)
  • 法律の改正で戸籍の様式が新しくなったとき(改製)

戸籍が複数に分かれるイメージ

相続手続きで、これらのすべての戸籍謄本を求められるのは、「相続人が誰になるのか」を正確に把握するためです。

たとえば、過去に認知した子どもや、前の結婚での子どもがいる場合、「最新の戸籍」には記載がないことがあります。

そこで、生まれたときからの戸籍をさかのぼって確認することで、ようやく「相続人は誰か」を確定できます。

それでは、実際に戸籍謄本を集めると「どのくらいの通数」になるものでしょうか

たとえば、80歳を超えている方は、下記のような内訳で「5通」前後になっていることが多いです。

イベント 概要
① 出生 親の戸籍に入る
② 戦後の法改正 戸籍が新しく作り替えられる
③ 結婚 親の戸籍を出て、自分の戸籍を作る
④ 引っ越し 本籍を移して、新しい戸籍を作る
⑤ 戸籍の電子化 コンピューターで戸籍が作り替えられる

なお、古い戸籍謄本を取得するときには、「除籍謄本」や「改製原戸籍謄本」という用語を耳にすることがあるかと思います。

それぞれの用語の意味は、下記のとおりです。

用語 意味
除籍謄本 ■ 戸籍に入っている人が結婚や死亡などで全員いなくなり、閉鎖された戸籍の証明書
■ 様式は戸籍謄本とほとんど同じだが、書類のタイトルが「除籍全部事項証明書」になっていて、すべての人の欄に「除籍」の印が付いている
改製原戸籍謄本 ■ 法律の改正によって新しい様式に作り変えられる前の、古いバージョンの証明書
■ 縦書きのフォーマットで、特に古いものは手書きで記されていることもある

相続人全員の「現在」の戸籍

2つ目は、相続人全員の「現在」の戸籍です。

これは、「相続人が今も生きていること」と「亡くなった方との続柄(関係)」を証明するために必要になります。

たとえば、父親が亡くなり、下記のように「母親・長男・長女」が相続人になったとしましょう。

家系図のイメージ

このうち「母親」は、亡くなった父親と同じ戸籍に入っているので、父親の戸籍を集めた時点で、母親の情報もそこに含まれています。

そのため、母親の分については、あらためて戸籍を取る必要はありません。

一方で、長男長女は、それぞれ結婚して別の戸籍を作っているので、それぞれの現在の戸籍を用意する必要があります。

【例外】ほかの戸籍謄本も必要なケース

基本的には、ここまでお伝えした戸籍謄本を集めれば、相続手続きを進められます。

ただし、例外的に下記のケースでは、追加で戸籍謄本が必要になります

ケース 追加で必要になる戸籍謄本
代襲相続が発生している 本来の相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
故人の兄弟姉妹が相続人になる 故人の父母の出生から死亡までの戸籍謄本

どちらのケースも、相続人の範囲が通常より広がるため、確認のための戸籍謄本が増えます。

ご自身のケースで「誰が相続人になるのか」の判断方法を詳しく知りたい方は、下記の記事も併せてご覧ください。


戸籍謄本の効率的な集め方

この記事の全体像2

戸籍謄本は、下記の流れで集めると効率的です。

ここでは、次の家族を例に、戸籍謄本を集めるまでの流れを見ていきます。

家族の例

ステップ1:集めるべき戸籍を把握する

ステップ1

まずは、ご自身のケースで「誰の・いつの戸籍謄本」が必要なのかを整理することから始めましょう

今回のケースで必要な戸籍謄本を整理すると、下記のようになります。

対象者 必要な戸籍謄本
父親 出生から死亡までの戸籍謄本
母親 不要(父親の戸籍謄本に含まれるため)
長男 現在の戸籍謄本
長女 現在の戸籍謄本

ステップ2:自分で取れる戸籍を見分ける

ステップ2

次に、必要だとわかった戸籍のうち、「どれを自分で集められるのか」を確認します。

ここで知っておきたいのが、「広域交付制度」です。

従来、戸籍謄本を取得するには、「本籍地の市区町村役場」で個別に手続きをする必要がありました。

しかし、「広域交付制度」が始まってからは、最寄りの市区町村役場の窓口で、別の本籍地の戸籍謄本をまとめて請求できるようになっています。

広域交付制度のイメージ

この広域交付制度で取得できるのは、下記の戸籍謄本に限られます※1

請求できる範囲

  • 請求者本人の戸籍謄本
  • 請求者の配偶者(夫・妻)の戸籍謄本
  • 請求者の直系尊属(父母・祖父母など)の戸籍謄本
  • 請求者の直系卑属(子ども・孫など)の戸籍謄本

今回のケースで「長女」が中心となって手続きを進める場合、「父親の出生から死亡までの戸籍謄本」と「長女(自分)の現在の戸籍謄本」は、広域交付制度を使えばすべて取得できます。

一方で「長男の現在の戸籍謄本」については、長女では取得することができません。

このため、長男本人に「自分の分の戸籍謄本を取ってきてほしい」と依頼する必要があります。

なお、自分の現在の戸籍を取るだけなら、マイナンバーカードを使って「コンビニのマルチコピー機」でも取得できます※2

※1
この範囲内の戸籍謄本でも、ごく一部の「電子化されていない古い戸籍」は、広域交付制度では取得できない。該当する戸籍があるときには、本籍地の役場に直接、請求することになる
※2
本籍地と住所地(お住まいの市区町村)が異なる場合は、事前の利用登録申請が必要なことがある

ステップ3:役場で請求手続きをする

ステップ3

ご自身で集められる戸籍謄本を確認できたら、実際に市区町村役場で請求をします

役場には、下記のような「請求書」が置いてあるので、記入したうえで窓口に持って行きましょう。

戸籍証明書等請求書

戸籍証明書等請求書の様式

引用元 千代田区Webサイト

請求書の様式は、市区町村によって多少異なりますが、記載すべき項目は似通っています。

手続きをするにあたって、よくある質問は下記のとおりです。

質問 回答
① 手続きをするのに必要なものは? ■ 手続きをする人の「運転免許証」や「マイナンバーカード」など、顔写真付きの本人確認書類が必要になる
② 発行手数料は? ■ 戸籍謄本(全部事項証明書): 450円 / 1通
■ 除籍謄本・改製原戸籍謄本 : 750円 / 1通
③ 本籍地・筆頭者がわからないときは? ■ 戸籍が必要な方の「住民票」を「本籍の記載あり」で取得すると、本籍地と筆頭者を確認できる
④ 発行するのは「戸籍抄本※1」でもいい? ■ 「相続人」のほうの戸籍は、抄本でも手続きができることがある
■ ただし、窓口によっては「謄本」を求められることもあり、手数料も変わらないため、謄本を取っておくほうが無難
※1
「謄本」はその戸籍に入っている全員の情報が載っているのに対し、「抄本」はそのうち一部の人だけの情報を抜粋したもの

なお、「広域交付制度」を利用した際には、戸籍を特定する作業に時間がかかるため、交付が後日になることもあります。

注意

死亡届を提出してから戸籍に反映されるまでには、1~2週間ほどかかることがあります。

このため、戸籍謄本は「亡くなってから2週間以上経った後」に発行することをおすすめします。

以上、戸籍謄本の集め方をお伝えしました。

ご自身で手続きするのが難しそうなときには、専門家を頼るのも一手です。

私たちVSG相続税理士法人では、相続税の申告と併せて、戸籍集めのサポートもしております。ご興味のある方は、下記からお気軽にご連絡ください。

集めた戸籍は「法定相続情報一覧図」にまとめると便利

この記事の全体像3

必要な戸籍謄本をすべて集めると、たいていは大量の紙の束になります

手続きのたびに、この紙の束を持ち歩いたり、郵送したりするのは、意外と面倒なものです。

また、相続の手続きでは、基本的に「戸籍謄本の原本」の提出を求められます。

手続き後に返却されることも多いですが、複数の手続きを同時に進めたければ、その分だけ謄本を用意しなければなりません。

そこで、戸籍謄本を集めたら、それを使って「法定相続情報一覧図」を作ることをおすすめします

法定相続情報一覧図とは、下記のような「被相続人と相続人の関係」をまとめた図で、法務局からお墨付き(認証)をもらった書類です。

法定相続情報一覧図の例

法定相続情報一覧図は、各種の相続手続きで「戸籍謄本の束」の代わりに使えます。

また、保管期間である「5年」の間は、無料で必要な枚数を発行してもらえるため、複数の手続きを同時進行で進めやすくなります。

法定相続情報一覧図を取得する方法は、下記の記事をご参照ください。

相続手続きに使う戸籍謄本に関するよくある質問

まとめ|戸籍集めが大変なら、専門家に任せるのも一手

この記事では、相続手続きに必要な戸籍謄本とその集め方をお伝えしました。

まとめ

  • 相続手続きでは、「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本」と「相続人全員の現在の戸籍謄本」が必要になる
  • 「広域交付制度」を使えば、本籍地以外の窓口でも戸籍謄本をまとめて取得できる
  • 集めた戸籍は「法定相続情報一覧図」にしておくと、戸籍謄本の束を持ち歩かずに済んで便利

相続税の申告が必要な方は、「申告手続き」と併せて「戸籍謄本の収集」を税理士に任せてしまうのも一手です。

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戸籍集めから相続税の申告まで、あなたの状況に合わせて丁寧にサポートいたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

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