記事の要約
- 公共料金は、その家に誰かが住み続けるなら「名義変更」、誰も住まなくなるなら「解約」の手続きをする
- 明確な期限はないが、基本料金の負担や口座凍結を避けるため、早めに動くのが安心
- 電気・ガス・水道だけでなく、クレジットカード・サブスクなどの契約も忘れずに確認する
「夫が亡くなったあと、電気やガスの契約は、いつまでに、どんな手続きをすればいいの?」
公共料金の名義は、故人のままにしておくわけにはいきません。
その家にこれからも住み続けるなら「名義変更」、誰も住まなくなるなら「解約」の手続きが必要です。
特に気をつけたいのが、支払いに使用している銀行口座です。
金融機関が名義人の死亡を把握すると口座は凍結され、公共料金の引き落としも停止します。
そのため、公共料金の名義人が亡くなったあとは、早めに手続きの全体像を把握しておくことが大切です。
何をすればよいかが分かれば、手続き自体は難しいものではありません。
この記事では、名義変更・解約が必要な契約の一覧から、手続きの期限、電気・ガス・水道それぞれの具体的な手順まで、順を追ってお伝えします。
なお、VSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で受け付けておりますので、相続でご不安なことがございましたら、お気軽にご連絡ください。
目次
家族が亡くなったあと、名義変更・解約が必要なもの
ご家族が亡くなったあと、名義変更や解約の手続きが必要になる主な契約は以下のとおりです。
| 分類 | 主な項目 |
|---|---|
| 公共料金 | 電気、ガス、水道 |
| その他の契約 | クレジットカード、固定電話・携帯電話、インターネット回線、NHK受信料 |
| 住まい・車 | 火災保険・地震保険、賃貸契約、自動車保険、駐車場 |
| 定額制サービス | 動画・音楽配信、有料放送、新聞・雑誌の定期購読など |
正確には「公共料金」とは、電気・ガス・水道の3つを指します。
まずはこの3つのインフラを中心に、その他の契約についても一つひとつ確認を進めます。
そのうえで、今後の家の状況に応じて「名義変更」か「解約」するかの方針を決定します。
| 家の状況 | 手続きの方針 |
|---|---|
| 誰かが住み続ける | 亡くなった人から住む人へ、契約者の「名義変更」をする |
| 誰も住まなくなる | サービスの利用を止める「解約」をする |
| 今後の使い方が未定 | いったん「一時停止」にすると、基本料金の負担を抑えられることもある |
名義変更は、配偶者やお子さまなど、今後もその家に住み続ける人が行う手続きです。
故人名義の契約を、「同居を継続する家族」の名義に変更するケースなどが当てはまります。
公共料金の名義変更・解約はいつまでにすべき?
公共料金の名義変更や解約において、法律で定められた明確な期限はありません。
しかし、次の2つの理由から、速やかに手続きを行うことをおすすめします。
1つめは、基本料金の負担です。
解約や名義変更をしないまま放置していると、利用していない期間であっても基本料金がかかり続けてしまうことがあります。
2つめは、次にお伝えする「銀行口座の凍結」です。
見落としやすく影響が大きいため、詳細を確認しておきましょう。

【注意】銀行口座の凍結と引き落とし口座の変更
金融機関が名義人の死亡を把握すると、その口座は凍結され、公共料金をはじめとするすべての引き落としが停止します。
今後も電気・ガス・水道の利用を継続したい場合、支払い口座が故人のままだと、口座凍結された時点で料金の引き落としができなくなってしまいます。
そのため、名義変更とあわせて、引き落とし口座(口座振替)の変更も早めに行いましょう。
なお、口座振替の変更は、Webサイト上では受け付けておらず、書類の提出が求められるケースが多くみられます。
支払いが滞らないよう、「口座凍結への対応」と「公共料金の名義変更・口座変更」は、同時に進めるとよいでしょう。
電気・ガス・水道の名義変更・解約のやり方
電気・ガス・水道の手続き方法は、事前に各契約の「サービス会社名」と「お客様番号(契約番号)」を確認しておくと、手続きが円滑に進みます。
これらの情報は、主に以下の場所からも確認できます。
- 故人宛ての郵便物(利用明細書、使用量のお知らせなど)
- 故人のスマートフォン・パソコンのメール履歴(ペーパーレス契約の場合)
- エンディングノート(契約先や口座を書き残している場合がある)
契約先が分かれば、電話やWebサイトから「契約者が亡くなったため、名義変更(または解約)をしたい」と伝え、各社の案内に従って手続きを行います。
電気の名義変更・解約
故人が契約していた電力会社へ、電話またはWebサイトから連絡します。
注意すべき点は、電気とガス、携帯電話などを「セット割」で一括契約している場合です。
解約によって割引が適用されなくなり、ほかのサービスの利用料金が上がることもあるため、事前に契約内容を確認しましょう。
ガスの名義変更・解約
契約先のガス会社へ電話またはWebサイトから連絡します。
ガスの解約や一時停止のときには「閉栓作業の立ち会い」を求められることがあります。
また、新しく利用を開始する「開栓」の際にも、安全確認のため一般的には立ち会いが必要です。
作業日程の調整は、早めに相談しておきましょう。
水道の名義変更・解約
水道の手続きは、管轄の自治体の水道局が窓口です。
電話やWebサイトから連絡しましょう。
地域によっては、上水道と下水道で連絡先が分かれていることもあるため、あわせて確認が必要です。
公共料金以外に名義変更・解約が必要な契約
電気・ガス・水道のほかにも、手続きが必要な契約があります。
漏れのないよう確認しましょう。
クレジットカード
不正利用を防ぐためにも、速やかに解約するのが安心です。
カード裏面に記載されている電話番号に連絡しましょう。
ただし、解約する前に確認すべき点があります。
クレジットカードには、家族カードやETCカード、付帯保険、ポイント、各種セット割など、さまざまなサービスが紐づいていることがあります。
カードを解約するとこれらのサービスも利用できなくなるほか、そのカードで支払っていたほかの料金の引き落としも停止するため、事前の確認が必要です。
固定電話・携帯電話
携帯電話に関しては、電話やWebサイトのほか、各キャリアのショップ窓口でも手続きできます。
なお、スマートフォンの端末を分割払いで購入しており、支払いが残っている場合、その残額は「債務」として相続の対象になります。
インターネット回線
契約先のプロバイダーや回線事業者へ連絡します。
解約する場合は、レンタルしているルーターやモデムといった周辺機器の返却を求められることがあるため、案内に従いましょう。
NHK受信料
引き続き家族がテレビを視聴するなら「契約者変更」、誰も住まずテレビも撤去するなら「解約」の手続きをします。
「NHKふれあいセンター」に電話すると、手続きを案内してもらえます。
住まい・車に関する契約
持ち家であれば火災保険や地震保険、賃貸物件であれば家賃・管理費の契約において、名義変更が必要になることがあります。
故人が自動車を所有していた場合は、自動車保険(乗り続けるなら名義変更、売却するなら解約)や駐車場の契約状況も確認しましょう。
定額制サービス(サブスク)とデジタル遺品
月額・年額制のサブスクリプションサービスも、契約を特定して解約をする必要があります。
以下のようなサービスに加入していないか確認しましょう。
| 種類 | 具体的なサービス名 |
|---|---|
| 有料テレビ放送 | スカパー!、WOWOW、J:COM など |
| 動画配信 | Netflix、Amazonプライム、Hulu、U-NEXT など |
| 音楽配信 | Apple Music、Spotify、Amazon Music など |
| 新聞・雑誌 | 各紙・各誌の定期購読、dマガジン、楽天マガジン など |
これらの契約の有無は、クレジットカードの利用明細や銀行の引き落とし履歴から確認できます。
あわせて気をつけたいのが「デジタル遺品」です。
ネット証券や電子マネー、有料アプリ、SNSといったオンライン上の契約や資産は見落とされがちです。
故人のエンディングノートなどに情報が書かれていることもあるので、確認してみてください。
公共料金の名義変更・解約をしないとどうなる?
名義を故人のままにしておくと、のちの相続手続きや契約変更の際に、必要書類や確認事項が増え、手続きが煩雑化することがあります。
また、支払いが滞った場合にはサービス自体が停止するリスクもあります。
前述のとおり、サービスの名義変更や解約に明確な期限はありませんが、トラブルを避けるためにも、早めに対応を進めておくほうが安心です。
【生前対策】遺されるご家族のために、今できること
契約をしている本人が元気なうちから生前対策をしておくことで、遺される家族の負担を大幅に軽減できます。
具体的な生前対策を3点紹介します。

(1)代理人カードや予約型代理人サービスを利用する
1つめは「代理人カード」の作成や「予約型代理人サービス」の利用です。
代理人カードとは、口座名義人の意思能力があるうちに、配偶者や子どもなど財産管理を任せたい人の分として作成しておけるキャッシュカードです。
本人が加齢や入院などで金融機関に赴くことが困難になった場合でも、家族がATMでの入出金を代行でき、カードの紛失や磁気破損の際にも対応が可能です。
また、事前に代理人を指定しておく「予約型代理人サービス」を契約しておけば、将来的に本人の認知能力が低下した場合でも、指定された代理人が口座の解約や出金などの手続きをスムーズに行えるようになります。
ただし、金融機関が名義人の死亡を把握した後は口座が凍結されるため、これらの代理人機能も使用できなくなります。
あくまで「生前」の管理における備えとして捉えておきましょう。
(2)エンディングノートを活用する
2つめは「エンディングノート」の活用です。
契約している各種サービスや引き落とし口座、デジタル遺品などの情報を書き残しておくことで、家族が契約関係を調べる負担を大幅に削減できます。
(3)相続に詳しい専門家に相談する
3つめは、専門家への早期の相談です。
特に相続財産が多い場合は、生前から専門家に相談しておくことで、相続発生後の親族間でのトラブルの未然防止につながります。
また、遺言書の作成や家族信託といった生前対策も進めやすくなるほか、相続発生後に必要となる「銀行口座や有価証券などの金融資産の名義変更手続き」についても、スムーズに進めやすくなります。
相談先は、税理士や司法書士、行政書士などが在籍し、税務申告から各種名義変更の手続きまで窓口ひとつで包括的なサービスを受けられる事務所をおすすめします。
なお、VSG相続税理士法人においても、各専門家が密に連携した「ワンストップサービス」の体制を整えております。
公共料金の名義変更に関するよくある質問
Q1:「お客様番号」が書かれた書類が見つからないときは?
Q2:契約しているサービスが全部わからないときは?
Q3:相続放棄をする場合、公共料金の名義変更や解約はどうすればいい?
まとめ:公共料金の名義変更は手順にそって進めよう
今回は、ご家族が亡くなったあとの公共料金の名義変更・解約について、手続きの期限ややり方、相続上の注意点をお伝えしました。
- 家の状況(住み続けるか否か)に応じて、名義変更か解約かを明確に切り分ける
- 銀行口座の凍結による引き落とし停止に備え、名義変更と口座変更は同時に進める
- 相続放棄を検討している場合は、故人の預金からの未払い料金精算や名義変更を避ける
大切なご家族を亡くされた大変な状況のなかで、こうした手続きを並行して進めるのは精神的にも負担が大きいものです。
ご自身だけで抱え込まず、専門家のリソースも活用してください。
私たちVSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で受け付けております。
また、グループ内の行政書士と連携して、金融資産やお車の名義変更も承っておりますので、お困りのことがございましたら、いつでもお気軽にお問い合わせください。


