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最終更新日:2026/6/11

相続人調査とは?進め方を5ステップでわかりやすく解説

田中 千尋 (司法書士)
この記事の執筆者 司法書士 田中千尋

VSG司法書士法人 司法書士 昭和62年生まれ、香川県出身。

相続登記や民事信託、成年後見人、遺言の業務に従事。相続の相談の中にはどこに何を相談していいかわからないといった方も多く、ご相談者様に親身になって相談をお受けさせていただいております。

PROFILE:https://vs-group.jp/sozokuzei/profiletakana/

記事の要約

  • 相続人調査は、相続人を漏れなく確定させる作業で、相続手続きの出発点
  • 調査の流れは「相続人の決まり方を把握 → 親族関係を書き出す → 戸籍で確定」が基本
  • 調査でミスがあると、「遺産分割協議」や「相続税の計算」がやり直しになる

「相続手続きを進めるには、相続人調査というものが必要らしい。でも、何を・どうやって調べればいいの?」

このような疑問をお持ちの方に向けて、本記事では「相続人調査の進め方」をわかりやすくお伝えします。

なお、VSG相続税理士法人では、相続に関するお悩みに無料でお答えしています。何かお困りのことがあれば、下記からお気軽にご連絡ください。

相続人調査の進め方

この記事の全体像1

相続人調査は、「相続人を漏れなく確定させ、戸籍で証明する」作業です。

具体的には、次の5ステップで進めます。

以下では、下記のような「父親が亡くなり、相続人に母親・長男・長女がいるケース」を例に、調査の進め方を見ていきます。

相続人の関係を示した家系図

ステップ1:相続人の決まり方を把握する

ステップ1

まずは、相続人の決まり方のルールを押さえておきましょう

「誰が相続人になるのか」は、法律で下記のように定められています。

ルール

  • 配偶者は、常に相続人となる
  • 配偶者以外の人は、「子ども → 直系尊属(父母など)→ 兄弟姉妹」の順に相続人となる
  • 相続人になるはずだった「子ども」や「兄弟姉妹」がすでに亡くなっているときは、その子ども(孫やおい・めい)が代襲相続する

法定相続人の順位を示した図

この相続人が決まるルールについては、下記の記事で詳しくお伝えしているので、ぜひ併せてご覧ください。

ステップ2:親族関係を書き出す

ステップ2

相続人が決まるルールを把握できたら、ご自身が把握している範囲で、故人の親族関係を書き出してみましょう

手書きでも構わないので、次の手順を参考にしながら、「家系図」を書いてみてください。

書き出し方

  1. 紙の中央に故人の名前を書く
  2. 故人の横に「配偶者」の名前を書き、二重線で結ぶ
  3. 故人と配偶者の下に「子ども」の名前を書き、線で結ぶ
  4. 故人の上に「父母」の名前を書く
  5. 故人の横に「兄弟姉妹」の名前を書く
  6. すでに亡くなっている親族の名前に「亡」などの印を付ける

家系図が書けたら、ステップ1でお伝えした「相続人が決まるルール」に当てはめて、「相続人になりそうな人」に〇などの印を付けましょう。

今回のケースでは、故人の配偶者である「花子さん」と、子どもの「一郎さん」「優子さん」に印が付きます。

家系図の例

ただし、ここで印を付けた方は、あくまで「今わかっている情報」をもとにした「相続人の候補」にすぎません。

もしかしたら、「家族の誰も知らなかった、前妻との子どもがいた」などの可能性もあります。

そこで、次に「戸籍謄本」を確認して、ここで印を付けた方が相続人であることを確定させます。

ステップ3:戸籍謄本を取得する

ステップ3

ここでは、相続人を確定させるために戸籍謄本を取得します

具体的に集める戸籍謄本は、次の2種類です。

戸籍 取得する理由
故人の「出生から死亡まで」の戸籍 相続人を漏れなく確認するため
相続人全員の「現在」の戸籍 相続人が健在で、故人とどのような関係かを証明するため

故人の戸籍謄本を「出生から死亡まで」すべて集めるのは、最新の戸籍だけでは、相続人を把握しきれないことがあるからです。

たとえば、「過去に認知した婚外子」や「前の結婚での子ども」がいる場合、その情報は最新の戸籍には記載されていないことがあります。

そこで、故人が生まれたときからの戸籍をたどることで、こうした「見落としやすい相続人」も漏れなく確認できます。

今回のケースで取得すべき戸籍を整理すると、次のとおりです。

対象者 必要な戸籍
父親(亡くなった方) 出生から死亡までの戸籍
母親 不要(父親の戸籍に含まれるため)
長男 現在の戸籍
長女 現在の戸籍

なお、戸籍謄本は「広域交付制度」を活用することで、本籍地以外の役場の窓口でもまとめて取得できます※1

戸籍謄本の効率的な集め方は、下記の記事でお伝えしているので、併せてご覧ください。

※1
ただし、広域交付制度で請求できるのは「本人・配偶者・直系の親族」の戸籍に限られる

ステップ4:戸籍謄本で相続人を確定させる

ステップ4

戸籍が集まったら、ステップ2で書き出した「家系図」と突き合わせて、相続人に漏れがないかを確認しましょう

なお、次のようなケースでは、確認が必要な戸籍の範囲がさらに広がります。

ケース 確認事項
代襲相続が発生している 本来の相続人の出生から死亡までの戸籍」を見て、代わりに相続する子ども(孫など)を確定させる
故人の兄弟姉妹が相続人になる 故人の父母の出生から死亡までの戸籍」を見て、兄弟姉妹が何人いるかを確定させる

ここで、想定していなかった相続人がいたことが発覚した場合には、その方の戸籍謄本も追加で取得し、故人との関係を確認します。

ステップ5:法定相続情報一覧図を作成する

ステップ5

相続人を確定できたら、「法定相続情報一覧図」に情報をまとめておくと、その後の手続きがスムーズになります

法定相続情報一覧図とは、下記のような「故人と相続人の関係をまとめた図」です。

法定相続情報一覧図のイメージ

法定相続情報一覧図は、各種の相続手続きで「戸籍謄本の束」の代わりに使えます。

また、必要な枚数を無料で発行してもらえることから、複数の手続きを同時に進めたいときにも便利です。

法定相続情報一覧図について詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。


相続人調査でミスがあったときに起こる問題

この記事の全体像2

相続人調査でミスがあると、下記のような問題が起こるおそれがあります。

以下では、それぞれについて詳しく見ていきます。

問題1:遺産分割協議がやり直しになる

問題1

誰が・どの財産を引き継ぐかを話し合う「遺産分割協議」は、相続人全員が参加していなければ無効です。

そのため、相続人を1人でも見落としていると、遺産分割協議を最初からやり直すことになります

以上のことから、相続人調査を正しく行い、「誰が相続人になるのか」を確定させてから、遺産分割協議をするようにしましょう。

問題2:相続手続きが進められない

問題2

不動産の名義変更(相続登記)」や「銀行口座の解約・払い戻し」などの手続きでは、相続人を証明するために「戸籍一式」の提出を求められます。

そのため、調査の過程で「取り忘れていた戸籍謄本」があると、これらの手続きを進められません

相続人調査では「相続人を確定させること」はもちろん、「手続きに必要な戸籍謄本を漏れなく集める」ことも重要です。

問題3:相続税の計算がズレる

問題3

相続税には、「基礎控除」という税額の軽減制度があります。

この基礎控除の金額は、下記の式のように「相続人の数」によって変動します。

計算式

基礎控除額 = 3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数

もし相続人に見落としがあると、この基礎控除額が変わり、相続税の計算もやり直しになってしまいます

このように、相続人調査のミスは、相続税の申告にも影響します。

相続人調査は自分でできる?専門家に頼むべき?

この記事の全体像3

相続人調査は、特別な資格がなくても、ご自身で行うことが可能です

ただし、下記のような要因から、実際にやってみると思った以上に手間と時間がかかります。

要因

  • 平日の日中に、役場へ行く必要がある
  • 集めるべき戸籍謄本の通数が意外と多い
  • 古い戸籍は手書きのことがあり、読み解きにくい

そこで、「自分で進めるのは大変そうだ」と感じたら、専門家を頼るのもひとつの方法です

特に「相続税の申告」や「不動産の名義変更(相続登記)」など、ほかにも専門家に頼む手続きがある場合は、相続人調査もまとめて任せてしまうと、全体の手続きがスムーズに進みます。

私たちVSG相続税理士法人では、「相続人調査・相続税の申告・相続登記」をワンストップで任せていただくことも可能です。

当事務所のサービスにご興味のある方は、下記からお気軽にご連絡ください。

相続人調査に関するよくある質問

まとめ|相続人調査は早めに終わらせましょう

この記事では、相続人調査の進め方をお伝えしました。

まとめ

  • 相続人調査は、相続人を漏れなく確定させる作業で、相続手続きの出発点
  • 調査の流れは「相続人の決まり方を把握 → 親族関係を書き出す → 戸籍で確定」が基本
  • 調査でミスがあると、「遺産分割協議」や「相続税の計算」がやり直しになる

相続人調査は、相続関連の手続きの出発点です。

この調査が完了しないと、ほかの手続きのスケジュールが後ろにずれ込んでしまいます。

特に「相続税の申告」が必要な場合は、相続人調査に手間取っていると、期限に間に合わなくなるおそれがあります。

そこで、「自分で進めるのは大変そう」と感じられた方は、相続専門の税理士に相談してみましょう。

私たちVSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で受け付けております。

「相続人調査」から「相続税の申告」まで、あなたの状況に合わせて丁寧にサポートいたしますので、ぜひお気軽にご連絡ください。

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