記事の要約
- 法定相続情報証明制度とは、法務局が故人の相続関係を証明する「一覧図の写し」を交付してくれる制度
- 一覧図の写しは、必要な枚数を無料で交付してもらえるため、複数の相続手続きを同時に進めやすくなる
- 必要な相続手続きが「3つ以上」あるなら、この制度を活用したほうがスムーズに進む
「相続手続きをする際、法定相続情報証明制度を使うと便利と聞いたけれど、どんな制度なの?」
このような疑問をお持ちの方に向けて、本記事では「法定相続情報証明制度の概要」と「ご自身がこの制度を活用すべきかどうか」の判断基準をお伝えします。
なお、私たちVSG相続税理士法人では、相続に関するお悩みに無料でお答えしています。何かお困りのことがあれば、下記からお気軽にご連絡ください。
目次
法定相続情報証明制度とは?

法定相続情報証明制度は、「亡くなった方の相続関係」を法務局が証明してくれる制度です。
具体的には、ご自身で「相続関係を一枚にまとめた図」を作り、「相続人の戸籍謄本」と一緒に法務局に提出することで、登記官の認証文が付いた「法定相続情報一覧図の写し」を交付してもらえます。

法定相続情報一覧図の写しは、銀行や税務署などでの相続手続きにおいて、「戸籍謄本」の代わりに使えます。
法定相続情報証明制度の基本情報は、下表のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手続き先 | ■ 「故人の本籍地・故人の最後の住所地・申出人の住所地・故人名義の不動産の所在地」のいずれかを管轄する法務局 ■ 窓口のほか、郵送でも手続きできる |
| 費用 | ■ 無料(何枚交付を受けても手数料はかからない) ■ ただし、手続きに必要な戸籍謄本などの取得費用は別途必要 |
| 有効期限 | ■ 発行される一覧図の写し自体に、有効期限はない ■ ただし、提出先の機関が「発行から〇カ月以内」と独自に定めている場合がある |
法定相続情報一覧図の写しが発行されるまでの大まかな流れは、次のようになっています。
- 戸籍謄本などの必要書類を集める
- 法定相続情報一覧図を作成する
- 法務局に申出をして、一覧図の写しを受け取る
手続きの詳細は、下記の記事でお伝えしているので、併せてご覧ください。
「法定相続情報一覧図の写し」が使える手続き
「法定相続情報一覧図の写し」は、下記のような相続手続きで「戸籍謄本」の代わりに使えます。
このように、相続で必要になる主要な手続きは、ほぼカバーされています。
ただし、一部の金融機関などでは対応していないこともあるので、事前に確認しておくと安心です。
補足
このうち、相続税の申告書に添付する場合は、「図形式」で作成しなければなりません。
また、一覧図に記載する続柄は「子」ではなく、「長男」「長女」「養子」など、戸籍に記載されたとおりに書く必要があります。
法定相続情報証明制度を活用するメリット

法定相続情報証明制度の最大のメリットは、「複数の相続手続きを、同時に進めやすくなる」ことです。
「戸籍謄本の束」を各機関に提出する従来の方法では、次のどちらかで手続きを進めることになります。
| 方法 | デメリット |
|---|---|
| ① 戸籍の束を1セットだけ用意して、順番に使い回す | 「提出 → 返却を待つ → 次の機関へ提出」を繰り返すことになり、手続き完了までに時間がかかる |
| ② 戸籍の束を複数セット用意して、同時進行で手続きを進める | 発行にあたり「戸籍謄本」は1通450円、「除籍謄本」などは1通750円かかるため、複数セット用意すると費用がかさむ |
法定相続情報証明制度を使えば、一覧図の写しを「無料で・必要な枚数だけ」交付してもらえます。
これにより、銀行・法務局・税務署などに一覧図の写しを1枚ずつ同時に提出し、複数の手続きを並行して進めやすくなります。
法定相続情報証明制度を使うかどうかの判断方法

「法定相続情報証明制度が便利なのはわかった。でも、自分の場合はわざわざ使うほどだろうか?」
ここまで記事をご覧いただき、このような疑問をお持ちかもしれません。
判断の軸は、とてもシンプルです。必要な相続手続きが「3つ以上」ある場合には、この制度を活用することをおすすめします。
たとえば、「相続税の申告」が必要で、故人が不動産を持っていた場合、基本的には最低でも次の3つの手続きが必要になります。
- 相続税の申告
- 不動産の名義変更(相続登記)
- 預貯金の解約・払い戻し
故人の銀行口座が複数あったり、株式・投資信託なども持っていたりした場合には、さらに手続きの数が増えます。
このようなケースでは、法定相続情報一覧図の写しの交付を受けておくと、複数の手続きを同時に進められて便利です。

一方、「相続税の申告は不要で、遺産に不動産はなく、銀行口座も2つ以下」という場合には、必要な相続手続きは限られます。
多くの金融機関などでは、戸籍謄本の原本をコピーと一緒に提出すれば、確認後に原本を返してもらえます。
そのため、戸籍謄本の束が1セットあれば、それを順番に使い回すだけで事足ります。

このように、必要な手続きが2つ以下であれば、法定相続情報一覧図を作成する手間のほうが大きいので、この制度を使うメリットは薄くなります。
なお、ご自身だけで相続手続きを正しく終えられるか不安な方は、専門家に任せてしまうのも一手です。
私たちVSG相続税理士法人では、「相続税の申告」だけではなく「各種の相続財産の名義変更」も承っておりますので、下記からお気軽にご連絡ください。
法定相続情報証明制度に関するよくある質問
Q1:法定相続情報証明制度にデメリットはある?
Q2:相続人に外国籍の人がいても、制度は使える?
Q3:法定相続情報一覧図は、再交付してもらえる?
Q4:法定相続情報証明制度の手続きは、代理人に依頼できる?
まとめ|手続き先が多いときは、法定相続情報証明制度を活用しよう
今回は、法定相続情報証明制度の概要と、活用すべきかどうかの判断基準をお伝えしました。
- 法定相続情報証明制度とは、法務局が故人の相続関係を証明する「一覧図の写し」を交付してくれる制度
- 一覧図の写しは、必要な枚数を無料で交付してもらえるため、複数の相続手続きを同時に進めやすくなる
- 必要な相続手続きが「3つ以上」あるなら、この制度を活用したほうがスムーズに進む
私たちVSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で受け付けております。
何かお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。


