東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
そのためには、法律上の知識や、過去の法人破産がどのように解決されてきたかという知識が必要です。
法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。
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書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!
会社が倒産しそうなとき、誰かに相談したいと思っても、誰に相談していいかがわからないこともあるかと思います。
一体誰に相談すべきなのでしょうか。
Contents
まじめな経営者ほど、経営が苦しくなっても、誰にも相談せず、一人でがんばろうとするようです。
ですが、誰かに相談することで、意外な解決策が見つかったり、早めの対策を取ることができたりします。
経営が苦しくなって、倒産かも、と思ったときに相談相手がいるのかどうかでその後の展開が大きく違ってきたりします。
何も手を打つことなく、なし崩し的に物事が進んでいくと、最終的には多くの負債を抱えてしまったり、すべてを失ってしまったりします。
ですが、早めに対策を取ることで、様々な角度から打てる手を検討することができます。
また自分ではどうしようもないと思っていることでも、角度を変えて見ることで、違った見方ができたりします。
こういったことは一人で悩んでいてもなかなか思いつかないものです。
ですので、誰かに相談することで、思いがけない意見をもらえることもありますし、よいアドバイスが出てきたりもします。
早めに対策を打つことで大きな問題にならずにすんだというようなケースも多くあります。
経営者は孤独で身近に相談できる人がなかなかいない、ということがよくあります。
しかし、苦しいときほど、誰かに相談することでよい解決策が見つけられるかもしれません。
一人で抱えずに、相談できる人を見つけて相談するようにしましょう。
倒産する場合の多くは資金繰りが苦しくなり、最後には資金が回らなくなるケースが大半になるところです。
この場合、どの段階で手を打てるかで、打てる対策が違ってきます
もうどうしようもない状態まで追い込まれてしまってからでは、ほとんど打てる手はありません。
もっと前の段階であれば、もうすこし打てる手は増えるでしょう。
それより前の段階ではもっと打てる手はあったかもしれません。
また、常日頃からそういったことも相談できる人がいれば、そんな段階になる前にいろいろなアドバイスをくれるかもしれません。
早くから手を打つためには、そういった相談できる人をいつも身近に置いておくということも大事なことになってきます。
緊急になってから探すよりも、前もって探しておく方が、余裕を持って探せますので。
相談する相手も一人に絞る必要はありません。
むしろ複数の方にアドバイスを聞くことで、様々な角度から複合的に見ることができ、新たな気づきもあるかもしれません。
アドバイスを聞く専門家にはそれぞれ専門家が持つ知識が違ってきます。
弁護士であれば法律的知識をバックボーンに持っていますし、税理士であれば税の知識がバックボーンにあります。
あるいはコンサルタントであればビジネスの知識であったりしますし、何かの専門のコンサルタントであればその専門家としてのバックボーンがあります。
それぞれが持つバックボーンによって、物事の見方は変わりますし、出てくるアドバイスも違ってきます。
いろいろな方のアドバイスを聞くことで、経営者として最適な判断ができるようになります。
倒産を防ぐのも、倒産に対する対策を取るのも、一つの経営判断です。
いろいろな方からアドバイスをもらい、いろいろな角度から考えるようにしましょう。
では、倒産に関する相談をしようと思ったとき、どのような人に相談すべきでしょうか。
おすすめの相談相手はどのような人たちでしょうか。
倒産の相談として真っ先に思い浮かぶのが弁護士などの法律職の方たちです。
では、どのような方に相談できるのでしょうか。
倒産の相談相手としてやはり最初に思いつくのは、弁護士になると思います。
また、もし自社に顧問弁護士がいるのであれば、まずは顧問弁護士に相談すべきでしょう。
顧問弁護士がいない場合は、各地の弁護士会による無料相談や法テラスなどを利用することで、無料で相談することもできますので、そういったところを利用してみる方法もあります。
弁護士は法律のプロですので、法律的な視点から倒産に対する対策や方法をアドバイスしてくれるでしょう。
また過去何度も債務整理や倒産に関しての依頼を受けているような専門家になってくると、様々な視点からアドバイスをくれることだと思います。
ただし、難点としては、そのような専門家に出会えるかどうかがわからない点です。
また、弁護士の場合はどうしても費用がかかってきます。
ですが、少々費用がかかってもいいと思うのであれば、やはり弁護士に相談するのが一番です。
最近ではSNSで自らの専門分野を発信している弁護士もおられますので、そういった方を探すのも一つの方法となります。
ただし、弁護士の場合、あくまでも法律的な専門家ですので、ビジネス的に事業を回復させたいなどの希望がある場合、思うような回答が得られないかもしれませんが。
会社であれば、自社の決算をしてくれている税理士や会計士などがいると思いますし、顧問契約をしていることも多いでしょう。
そういった税理士の先生に相談するというのも一つの手です。
いつも決算内容を見てもらっていますので、現在売上がどうなっているのか、経費がどうなっているのか、状況を把握している分適切なアドバイスがもらえるでしょう。
また、税理士の場合、たくさんの他の会社の決算も見ている分、客観的にその会社の状況を見ることができます。
そういった意味では多角的な視点からアドバイスがもらえるかもしれません。
税理士は、もちろん税金方面のプロです。
資金繰りが苦しくなり出した最初の原因を探っていくと、実は税金が原因だったということはよくあるケースです。
そういった意味でも、税金面も含めた資金繰りに関する相談をすることができます。
ただし、税理士の場合、そういった相談に親身に乗ってくれる方と、そういう相談には一切乗ってくれない方に分かれるようです。
経営者としては、経営面が苦しいときや、資金的に厳しいときにこそ相談に乗って欲しいもの。
どうせ顧問契約をするのであれば、そういった資金繰りや融資先、経営面の相談にも乗ってくれる税理士を探して、乗り換えておくというのも一つの手かもしれません。
その他、士業として、行政書士、司法書士、中小企業診断士、社会保険労務士などがいます。
もし、付き合いのあるこういった士業がいるのであれば、一度相談してみることをおすすめします。
それぞれ専門分野が違いますが、士業の場合こういった相談が来ることも多くあり、他の士業や横のつながりを持っているケースがあって、様々なアドバイスをくれたりしますし、人材を紹介してくれることがあります。
また、こういった士業の方たちは、いろいろな企業と取り引きしていますので、実は様々な事例を見ていたりします。
そういった意味でも、多角的な視点からアドバイスをもらえることがあったりします。
また、こういった方たちは弁護士ほど費用がかからない場合も多くありますので、過去お付き合いしたことがある方がいれば、あたってみるのも一つの手でしょう。
ただし、中には自分の専門分野以外の業務はしないという方もいますので、このあたりもどのような人に相談するかによってくるでしょう。
法律職以外の人で相談相手として思い浮かぶのが、いわゆるコンサルタントと言われる人たちです。
多くの場合、自分でコンサルタントと名乗っているところでしょう。
もちろん、相談相手としてコンサルタントに相談することもありです。
法律職の人たちはどうしても法律知識がバックボーンにありますので、事業を再生して、売上を回復させるという視点を持っているわけではありません。
むしろ、売上を回復させていくということを思うのであれば、コンサルタントなどのビジネス的視点は必要かもしれません。
また、多くの企業を見ているコンサルタントであれば、他社の事例も多くみていますので、よいアドバイスをもらえることもあるでしょう。
そういう意味で、コンサルタントに相談することで違った角度から意見を聞くことができます。
ただし、コンサルタントは、やはりピンからキリまでいるのも事実です。
何かの資格がないと名乗れないわけではありませんので、様々な方がいます。
また相談に親身に乗ってくれるかどうかも、人によって大きく違ってきます。
そういう意味でコンサルタントの当たり外れは大きくあります。
ですので、コンサルタントなどに相談する場合は、緊急になってから探すのではなく、常日頃から相談できそうなコネを作っておくのも一つの方法となります。
ただし、やっぱり気をつけなければならないのは、コンサルタントの中にはわざと倒産を狙ってくるような整理屋や紹介屋などの業者がいることです。
そういった方たちがいるということもきちんと知った上で、コンサルタントと付き合うことである程度の見極めができることでしょう。
中小企業再生支援協議会や企業再生機構などの公的機関を利用するのも一つの方法です。
あるいは地域にある商工会議所などであれば、専門家による経営相談や法律相談、融資相談なども受けることができます。
公的機関ならではの限界ももちろんありますが、思わぬアドバイスを受けられることもあります。
そういう意味で、一度利用してみることもおすすめです。
経営が苦しくなったとき、誰か相談できる人がいるというのはとても重要です。
経営者本人では気がつかなかった視点からアドバイスがもらえたり、早めに対策を打てたりすることがあるためです。
そういう意味でも複数の方に相談をするというのはとても大事なことです。
相談相手としては、弁護士や税理士、その他士業などの法律職の人たちがおすすめです。
またコンサルタントも当たり外れは大きいですが、アドバイスをもらうこともできます。
その他としては、公的機関などを利用して相談するというのもありでしょう。