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倒産と再起の流れVOL22 倒産のときに心強い味方となる弁護士の見つけ方と注意点

弁護士 川﨑公司

この記事の執筆者 弁護士 川﨑公司

東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
そのためには、法律上の知識や、過去の法人破産がどのように解決されてきたかという知識が必要です。
法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/
書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!

倒産と再起の流れVOL22 倒産のときに心強い味方となる弁護士の見つけ方と注意点

会社の倒産をするときに、法的な専門知識でサポートしてくれるのが弁護士です。

倒産をスムーズに進めるために、弁護士の専門知識や経験は、なくてはならない存在になります。

しかし、どんな弁護士でもいいわけではありません。

弁護士選びを失敗すると、倒産がスムーズに進まず、思うように手続きができない可能性があるのです。

弁護士と経営者にも、やはり相性があります。

倒産のときにパートナーとして頼りにできる弁護士は、どのように見つければいいのでしょうか。

弁護士の見つけ方と注意点について解説します。

倒産のときに味方となる弁護士の見つけ方と注意点

倒産のときに弁護士を見つける方法は5つです。

方法ごとの注意点もあるので、合わせて解説していきます。

良い弁護士とは「相性の良い弁護士」である

良いといわれる弁護士はたくさんいます。

テレビで活躍している弁護士や、著述活動などをしている弁護士。

有名な事件や訴訟を手がけている弁護士など、さまざまです。

倒産の手続きなら、依頼さえ受けてもらえれば、ほとんどの弁護士が適切なフォローをしてくれることでしょう。

ただ、注意しなければならないのは、「良い弁護士」や「有名な弁護士」「メディアで評価の高い弁護士」などが、自分にとっての良い弁護士であるとは限らないといという点です。

弁護士とクライアントも、最終的には人と人。

どうしても相性があります。

良い弁護士とは、倒産を支援してくれて、なおかつ相性の良い弁護士を意味するのです。

弁護士を選ぶときは、次の3つのポイントを意識することが重要です。

  • 1.自分の話を親身に聞いてくれるか
  • 2.話していて「話しやすい」と感じるか
  • 3.理解に合わせて話してくれるか

弁護士はクライアントの意向に沿って手続きを進めます。

「希望を伝えにくい」「料金のことを尋ねられない」「自分が置き去りにされている」などの場合、弁護士とのコンタクト不足で、手続きの進め方に不満を持ってしまうかもしれません。

弁護士合は倒産手続きのパートナーです。

安心して話ができ、歩調を合わせて進める弁護士かどうかは重要ポイントになります。

相性を意識した上で弁護士を選ぶことが重要です。

再起を望む場合は企業再生専門の弁護士を選ぶ

弁護士になるためには試験をパスしなければならないため、専門知識という点では、全ての弁護士が一定のポテンシャルを備えていることになります。

ただ、法律は広大な分野です。

刑法もあれば民法もある。

会社法もあれば、破産法もあります。

弁護士は、それぞれ得意分野があるのです。

もちろん、弁護士の中には倒産などの会社関係の手続きに強い弁護士もいます。

倒産を検討している。

しかし、可能性があるなら、再起をはかりたい。

このような場合は、会社関係を得意分野にしている弁護士の中から、さらに企業再生を得意としている弁護士を選ぶことをおすすめします。

企業再生は実務経験と実績、専門知識の必要な分野です。

その分野の経験と実績が豊富な弁護士なら、会社の状況を見て適切な再起の策を練ってくれることでしょう。

再起か倒産か迷っている場合は、自分の心の答はどこにあるか、じっくり考えてみてください。

答えを出した上で弁護士を探した方が、より専門分野に即した弁護士と出会いやすくなるはずです。

パートナーになる弁護士を紹介してもらう

比較的容易に弁護士を探す方法として、身近な人からの紹介という方法があります。

周囲の専門家や知己、恩師、経営者仲間や同業の仲間、地縁などを伝手にして紹介してもらう方法です。

顧問税理士などに紹介してもらう

自分の会社の顧問税理士に弁護士を紹介してもらう方法です。

社会保険労務士や司法書士ともやり取りしている場合は、司法書士や社労士から紹介してもらってもいいでしょう。

顧問税理士とは特にやり取りが頻繁でしょうし、つき合いの中で確固とした信頼関係が生まれているはずです。

紹介してもらった弁護士に対しても信頼が生まれやすく、会社の事情を理解してもらいやすいと言うメリットがあります。

友人や恩師に紹介してもらう

友人や恩師などに知り合いの弁護士を紹介してもらう方法もあります。

相手が評判の高い弁護士の場合、縁を頼ることで優先的に相談に乗ってもらえる可能性があるというメリットも。

ただし、知己や恩師を間に挟むことから、弁護士と相性が悪くても断り難いという注意点があります。

経営者仲間や同業の仲間に紹介してもらう

取引先の経営者仲間や、良い関係にある同業の仲間に弁護士を紹介してもらう方法です。

経営者仲間や同業の仲間にうかつなことを言うと、周囲に経営不振や倒産が噂として広がってしまうリスクがあります。

経営者仲間や同業の仲間が人間として信頼できるか、口が堅いか等は注意したいポイントです。

地縁で紹介してもらう

会社の経営をしていると、いろいろな縁ができるはずです。

地域の飲み会などもあることでしょう。

ほかの経営者や、士業事務所を運営している弁護士などと名刺交換をする機会もあります。

地縁を頼って地元の弁護士を紹介してもらうのも方法の1つです。

ただし、地元の弁護士が必ずしも倒産の実務に慣れているとは限りません。

相続問題を得意としている可能性もありますし、刑事事件の弁護を得意としている可能性もあります。

地縁にこだわると、専門分野のずれによって、手続きがスムーズに進まないことがあるため、注意が必要です。

弁護士をインターネットで探す

インターネットで倒産や弁護士などのワードを検索すると、多くの弁護士事務所がヒットするはずです。

ネット上の口コミや評判、検索順位などをもとにして弁護士を探すこともできます。

ただ、最初の方で述べたように、良い弁護士とは相性の良い弁護士のことです。

検索順位や口コミ評価が高いからといって、自分にとっても良い弁護士であるとは限りません。

慎重に選びたいものです。

インターネットで検索していると、多くの仕事を受けている弁護士事務所や、若手弁護士の事務所も多数ヒットすることでしょう。

多くの仕事を受けている事務所が良くて、若手弁護士が悪いということはありません。

多くの依頼を受けている事務所は、数をこなすことを重要視している事務所かもしれません。

若手弁護士の事務所は、開業したばかりでお客さんが少なく、その分だけ多く時間を取って親身になって話を聞いてくれるかもしれません。

「相性が良い」「信頼できる」と感じた弁護士に、納得して依頼することが一番です。

弁護士会などから紹介してもらう

弁護士会は、相談内容によっては弁護士の紹介をしてくれます。

弁護士会を通すことで、スケジュール調整が難しい弁護士や、その分野に知見のある弁護士、一見さんお断りの弁護士などとも、スムーズに相談できる可能性があるのです。

弁護士を見つけることが難しい場合は、最寄りの弁護士会に相談してみてはいかがでしょう。

参考:神奈川県弁護士会ホームページ

まとめ

弁護士を探すときは、自分にとって良い弁護士を探すことが重要です。

良い弁護士とは、相性の良い弁護士であり、安心して任せられるパートナーということです。

弁護士を探す方法は、紹介やネットなどがあります。

どの方法でも、熱意を持って探せば、「この弁護士に任せたい」という弁護士が見つかるはずです。

自分に合った方法で、弁護士探しをはじめてみてください。

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