東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
そのためには、法律上の知識や、過去の法人破産がどのように解決されてきたかという知識が必要です。
法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。
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倒産する日をXデーと決めて、Xデーに向けて計画的に倒産を進める方法が「計画的な倒産」です。
計画的な倒産では「倒産する日（Xデー）」を決めることが重要で、Xデーに向けて少しずつ倒産の計画を進める方が、倒産する側や周囲にメリットがあります。
計画を立てて倒産を進めるというと、「計画倒産は悪いことではないか」と首を傾げる人が少なからずいると思いますが、決してそのようなことはありません。
よりメリットのある倒産をしたい場合こそ、Xデーを決め、流れに沿って計画的な倒産をすることが重要です。
「計画倒産」とは、借金や支払いを踏み倒すようなかたちで倒産することを指します。
一方、「計画的な倒産」は、周囲に迷惑をかけないよう、計画を立てて少しずつ身辺を整理して倒産する方法です。
計画倒産と計画的な倒産はまったく違うもので、計画的な倒産では、取引先や社員などを騙すこともなく、とてもクリーンな倒産の方法になります。
支払いや借金を踏み倒す倒産や、計画性のない倒産は、取引先や社員に与える被害も大きくなります。
たとえば、売掛金が未払いの状態で倒産し、経営者が行方をくらませてしまうと、踏み倒される方の会社の資金繰りは大きなダメージを受けます。
売掛金の額によっては、倒産の連鎖が起きてしまう可能性もあるのです。
社員の場合も「会社に来たら倒産していた」という状況では、心理的なダメージを受けつつ、次の仕事を探さなければいけません。
計画的な倒産で社員のフォローができれば、社員の生活へのダメージも、より少ないものとなります。
よって、計画的な倒産は周囲に与える被害の少ない倒産方法といえるのです。
Xデーを決めて計画的に倒産する場合は、会社の契約や支払いなど、身辺をすっきり整理してから倒産することが可能です。
「簡単に整理できないかもしれない」という場合は、税理士や弁護士などのアドバイスのもと、「整理が完結する余裕を持った日付」でXデーを決めることもできます。
また、お世話になった社員や取引先に感謝の言葉を伝えることや、影響が少ないようにフォローすることもでき、周囲の関係者にできるだけ迷惑をかけないように配慮することができます。
計画的な倒産をすると、再起をはかりやすいというメリットがあります。
倒産すると全てが終わりという印象があるかもしれませんが、決してそうではなく、状況が落ち着いたら再起をはかることも可能です。
再起のときに、かつて支払いや借金を踏み倒した会社に「出直しました。よろしく」と言っても、「あの時はよくも迷惑をかけてくれたな」と怒られるに決まっています。
再起後に直接的な取引関係が生じなくても、かつて迷惑をかけた会社が取引先の取引先だった場合、当時のことを取引先に伝えられる可能性もあるのです。
経営者同士が知り合いという可能性や、経営者や業界の集まりで話が伝わる可能性も考えられます。
計画的な倒産なら、しっかりと身辺整理をして周囲への影響も最小限におさえられるため、怒りや恨みを買うことが少なく、再起をはかりやすいというメリットがあるのです。
計画的な倒産をするときは、「Xデーを定める」ことが重要になります。
Xデーを踏まえて計画を立てるため、Xデー自体がなかなか決まらなければ計画的な倒産自体が難しくなります。
計画的な倒産をするときは、計画の肝になるXデーを慎重に決めましょう。
それでは、Xデーはどのようにして決めたらよいのでしょうか。
Xデーを決める際のポイントは2つあります。
基本的にXデーは「倒産の一通りの流れを、余裕を持って終えられる日」に設定することがポイントです。
ただし、「身辺整理に3ヵ月かかりそうだから、3ヵ月後に」という時間的なものだけで決めることはおすすめしません。
もう1つ、Xデーを決めるための大切なポイントは「現金」で、Xデーは現金の多い日に決めることが重要になります。
倒産を決めて、すぐに全ての取引を停止するのではなく、倒産の調整をしながらゆるやかに取引などを終わらせていくはずですので、倒産を決めた後に「現金が多い日」を予測することができるでしょう。
その「現金の多い日」をXデーとして設定します。
倒産を決めたら、資金の入出金などをまとめた表を簡単に作ってみましょう。
そして、表の中で現金が集中している日をチェックして、手続き的な余裕があり、なおかつ現金が多い日をXデーにします。
わからないことがあれば、倒産の実務に精通した弁護士や税理士に相談してもいいでしょう。
Xデーは「現金の多い日」が良いというのは、以下のような理由があります。
現金の多い日にXデーを定めることで、取引から派生した支払いへと柔軟に対応することが可能です。
さらに、社員の給与や自分の生活費、弁護士や税理士の費用、裁判などの法的な手続きをする場合は手続き費用など、必要な費用を現金で準備できます。
「先立つものはお金」という言葉がありますが、計画的な倒産も同じで、清算や倒産の手続きのために現金が必要になるからなのです。
まずは倒産の計画を定め、倒産のゴールとなるXデーを決めます。
Xデーを決めたら、専門家などと相談し、倒産までの段取りを明確にすることが重要です。
ゴールにたどり着くまで、弁護士などの専門家に相談しながら、必要な手続きや事務をこなしていきます。
計画的な倒産のスタート地点は「倒産を決断した日」で、そこから大まかな「手続き終了に必要な期間や計画」を考えて、カレンダー上にゴールとなるXデーを記します。
倒産する場合は、「計画的な倒産」をすることで、自分や周囲への影響を必要最低限におさえることが可能です。
計画的な倒産は、痛みの少ない倒産になります。
計画的な倒産を成功させるためには、計画の肝になる「Xデーをいつにするか」が重要です。
Xデーは現金の多い日に設定することがポイントになります。
Xデーを定めたら、Xデーに向かって準備を整えながら、専門家に相談して適宜計画の見直しなどをおこないましょう。
