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倒産と再起の流れVOL3 倒産のタイミングを誤ると周りを巻き込む悲惨なことに

弁護士 川﨑公司

この記事の執筆者 弁護士 川﨑公司

東京弁護士会所属。新潟県出身。
破産してしまうかもしれないという不安から、心身の健康を損ねてしまう場合があります。
破産は一般的にネガティブなイメージですが、次のステップへのスタート準備とも言えます。
そのためには、法律上の知識や、過去の法人破産がどのように解決されてきたかという知識が必要です。
法人破産分野を取り扱ってきた弁護士は、こういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって納得のいく措置をとることができます。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/
書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!

倒産と再起の流れVOL3 倒産のタイミングを誤ると周りを巻き込む悲惨なことに

倒産にベストなタイミングがあるわけではありませんが、無理を続ければ続けるほど、どんどんと事態は悪化していきます。

また、事態が悪化すればするほど、周囲の人を巻き込んでいき、迷惑をかけてしまいます。

周りに迷惑をかけたくないとは、経営者なら誰しも思うところですが、では、できるだけ周りに迷惑をかけずに倒産することはできるのでしょうか。

「周りに迷惑をかけたくない」という思い込みが逆に周りを巻き込むことに

まじめな経営者ほど、周りに迷惑をかけたくないと思っています。

それはとても大事なことなのですが、その思い込みによってどんどんと事態が悪化してしまうことがよくあります。

周りに迷惑をかけたくないという思いが、逆に余計に周りを巻き込み迷惑をかけていってしまうという事態になってしまうのです。

どんどんと増えていく借金

会社を経営していくにあたって大事なことは信用です。

一度失ってしまった信用を取り戻すことはとても大変なことです。

ですから、どの経営者も信用を失わないようにするために多大な努力をします。

資金繰りもその一つでしょう。

支払いが遅れることで迷惑をかけてしまう人たちがいます。

銀行もそうですし、顧客や取引先もそうでしょう。

きちんと支払日を守っているからこそ、日々融資を受けられたり、日々の取引ができたりします。

そういう意味で支払日を守るということはとても大切な行為ですし、信用につながります。

ですが、資金繰りが悪化していると、そうは言っていられない事態になってきます。

それでも、多くの経営者は支払日を守ろうとします。

信用こそが経営に与える力を知っているからです。

まじめな経営者ほど、きちんと支払いをしようとします。

そうして手をつけていくのがより金利の高い融資サービスになります。

最初や銀行や信金での借金だったのが、事業ローンや商工ローンなどの金利の高いところからの借金になります。

次に消費者金融やカードローンのキャッシングなども利用し始めます。

また、場合によっては違法な業者から借り入れることもあります。

もちろん、これらの借金はどんどんと金利が高くなっていきます。

また、複数の機関から借金をすればするほど、支払日と支払額が増えていきます。

借金を返すために新たな借金をし、その借金を返すために借金をし、どんどんとその総額が増えていくことになります。

わからなくなる借金額

借金額が増えてくると、多くの人にありがちなのが、自分が一体いくらの借金をしているのか総額がわからなくなってしまうというものです。

ただ、日々の返済に追われ、明日支払うために資金を調達するというような経営になってしまいます。

経営者の仕事は、本来は経営について考え実行していくことです。

しかし、日々の支払いに追われるとそのことはおろそかになり頭の中は支払いのことでいっぱいになります。

借金で頭がいっぱいのはずなのに借金の総額がいくらになっているのかがわからなくなってしまっているという事態がよくあるのです。

支払いのために新たに借り入れを繰り返しているうちに、いくらになるのかの総額が把握できなくなっているのです。

そうなってくると、新たに貸してくれるところもどんどんと少なくなり、今度は友人や知人、家族や親戚から借金をするようになってしまいます。

どんどんと周りを巻き込む事態に

最初は、経営者が個人で消費者金融やキャッシングを利用していたのに、どんどんと苦しくなると奥さんにも消費者金融での借金やキャッシングをお願いしてしまうことになってしまうかもしれません。

知人や親戚などからも借金をしてしまうこともあるかもしれません。

こういった身内に近い存在ほど甘えが出てきてしまい、返済も遅れがちになります。

また、資金繰りに苦しんでくると、取引先にも支払いを待って欲しいとお願いするようになるかもしれません。

長年付き合った取引先だと待ってくれるところも出てくるでしょう。

その言葉に甘えてどんどんと支払いを先延ばしにしてしまうかもしれません。

取引先への支払いも見方を返れば立派な借金です。

こうして、最初は周りを巻き込みたくないとまじめに支払いを繰り返していったら、逆にどんどんと周りを巻き込んでしまっているというのはよくあることです。

迷惑をかけたくないという思いが仇になってしまっているのです。

また、周りを巻き込んでしまってから倒産すると、その巻き添えを食らうのは、こうして助けの手を差し伸べてくれた知人や親戚、取引先の人たちです。

一番迷惑をかけたくなかった人たちなのに、どうしてこうなってしまったのでしょうか。

防ぐ方法はなかったのでしょうか。

資金繰りが苦しくなってきたときに大事なこと

資金繰りが苦しくなると目の前の支払いに追われて長期的視点がなくなりがちです。

ここで大事なことは、どうやってこの苦境から立ち直るのかを冷静に考えることです。

そうすることで、最悪の事態も周りを巻き込むことも少しでも減らすことができるのです。

まずは事実の確認から

借金が増え、日々の支払いに追われ、その支払いのために新たに借金をし出すようになると、会社がいくら借金しているのかが把握できなくなってしまうことがよくあります。

こういうときこそ、冷静になって数字をきちんと見つめる必要があります。

借金の総額はいくらあるのか、今月の何日と何日にいくらの支払いがあるのか。

こういったことをきちんと把握するだけで、対策が見えてくることもあります。

また、借金の総額がわからず場当たり的に支払いをしているだけでは、どんどんと事態を悪化させていきます。

なぜなら、数字を把握していないと事態が悪化していることすら気づけないからです。

今借金が増えているのか、あるいは減っているのか、それさえもわからなくなってしまうのです。

きちんと数字を見て検証していくことで今まで見えなかった部分が見えてきます。

多くの借金をしていると、借金額が大きいだけに、きちんとした数字を見たくないと思ってしまうことがあります。

しかし、事実を見ずにそれらの問題が解決することはありません。

苦しいときだからこそ、冷静になり、きちんと事実としての数字を把握するようにしましょう。

毎月、どこに何の支払いがあるのかが見え、どこからどれぐらい売り上げが入ってくるのが見えることで、削る経費など取れる対策も見えてきます。

資金繰りで苦しい時こそ、どれだけ借金をしているのか、支払いがいくらあるのかを把握するようにしましょう。

優先順位をつける

事実を把握できれば、次に優先順位をつけていきます。

借金の中には必ず支払わなければならないものもあれば、交渉の余地があるものもあります。

一度信用を失ってしまうと事業の継続が難しい支払い先を優先して支払うようにし、交渉できそうなところは交渉して支払期限を延ばしてもらうか、月々に支払う支払額を減額してもらうなど、いろいろな形で交渉を行います。

また、金利の高いところから借金を返すことで毎月支払う利子の額も減らすことができます。

こういったことは、数字をきちんと把握していないと対策が取れません。

その意味でも、数字をきちんと見て事実を把握することが大事になります。

また、数字がきちんとわかれば不必要な経費も見えてくるかもしれません。

削れる経費は削って、ムダを省くようにしましょう。

それでも倒産が免れないなら

借金の総額を把握し数字をきちんと見たとしても、事業として立ち行かなくなっているのであれば、ひょっとすると倒産も免れないかもしれません。

こういうとき、一番に考えるのは周りに迷惑をかけたくないということでしょう。

しかし最悪なのは、ずるずるといってしまい最後にどうしようもなくなって身動きを取れなくなり倒産という事態です。

そうなってしまうと周りを巻き込んでしまうことも多くあります。

事業を経営しているということはそこに関わっている人は経営者一人ではありません。

社員もいれば家族、あるいは取引先もいるでしょう。

突然潰れてしまえば、それら多くの人に迷惑をかけてしまいます。

ですので、倒産を考えるのであれば、なし崩し的にするのではなく、きちんと計画的に整理していくことで周りにかける迷惑も減らすことができます。

もちろん、計画的に整理するということはとても難しいことでもあります。

それができるのであれば、こういう事態にすらなっていないのかもしれません。

ですが、何もせずほっておいてどんどんと事態を悪化させてしまえば、それこそ、経営者だけでなく家族や社員や取引先まで悲惨な結果になってしまうこともあるでしょう。

そういった被害を減らすために、打てる手を打つことはとても大事なことです。

専門家に相談することも大事

資金繰りに追われるようになると、何も考えられなくなってしまいがちです。

そういったとき、第三者の視点を入れるということも大事なことです。

専門家ならではのアドバイスをもらえることもありますし、自分では気づかなかった方法を教えてもらうこともあります。

そういった意味でも、専門家にアドバイスを受けるというのも一つの方法です。

もし倒産を免れないとしても、アドバイスを受けることで円満に整理でき、周りへの影響も最小限に抑えることができ、次の機会をうかがうことができるようになるかもしれません。

まとめ

資金繰りが悪化していくと、まじめな経営者ほど、周りに迷惑をかけたくないと思うものです。

しかし、逆にその思いが仇となり、どんどんと事態が悪化していくことがあります。

日々借金の返済に追われるようになると、その返済のために借金を繰り返すようになり、より高い金利のこところから借り入れをおこなってしまいます。

また、家族や親族、知人などからも借金をしたり、付き合いの長い取引先への支払いを待ってもらったりと、どんどんと周りに迷惑をかけてしまうようになります。

そうならないために、まずは借金の総額やいくら支払いが発生するのかなど、事実としての数字をきちんと把握するようにしましょう。

事実を把握するだけで見えてくる対策もあります。

また、優先順位をつけ、交渉なども活用し、ムダを省いていくようにしましょう。

それでも倒産が免れないのなら、計画的に整理することで周りを巻き込む事態をできるだけ減らすようにします。

こういったとき、専門家にアドバイスを受けるというのも一つの方法です。

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