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最終更新日:2024/2/8

公的機関が出資する中小企業向けファンドについて

税理士 鳥川拓哉
この記事の執筆者 税理士 鳥川拓哉

ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-tori

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金融機関からの融資では、いくら低利であったとしても元本と利息を必ず返済しなければなりません。不景気なときの資金繰りのためや、起業したときに創業資金のために、借入をしてしまうと、元本や利息を返済し続けていかねばなりません。

不景気などで、業績の低迷が長く続くと借入が膨らんでいき、返済が大変になっていくことがあります。そのような返済の苦労がないファンドについて説明します。

ファンドとは

一般的なファンドとは、投資家や資金を豊富に持つ富裕者から多くの資金を集めて、1つの基金(ファンド)にして、その資金を資金運用のプロが株式や不動産などに投資して利益を上げ、その利益をファンドに投資した投資家たちに分配する仕組みのことです。いろいろな種類のファンドがありますが、その中の1つに中小企業やベンチャー企業の育成・支援を行うファンドがあります。

ファンドが元本・利子を返済しなくても良い理由

中小企業やベンチャー企業にとってファンドのメリットは、資金繰りに追われる必要のない資金ですが、なぜファンドは返済不要なのでしょうか。
その理由は、ファンドからの資金調達は、借入ではなく、資本として資金を受け入れるので、元本、利息の返済は不要なのです。

利用したいファンドとは

1.ファンドのデメリット

融資に比べてメリットのあるファンドですが、純然たる民間のファンドやベンチャーキャピタルから資本として資金を受け入れると、これらの会社は利益の追求が一番なので、「数年以内に上場」「M&Aをして高値で売却」などの要求を強く持っていることがあります。その結果、経営に関与してくることを承知しておかなければなりません。

2.おすすめのファンドとそのメリット

そのような過度の関与をできるだけ避けたいときの有力な選択肢が、公的機関も出資して運用されているファンドです。特に、中小企業基盤整備機構が出資しているファンドは数も多く利用しやすいファンドです。

中小企業基盤整備機構が出資し利用できるファンドは60件(平成26年3月現在)を超えています。ただし、中小企業の経営ステージ(創業段階、成長段階、事業再生段階、事業再構築段階)別や対象業種、地域によって限定されて全てのファンドが利用できるわけではありません。

主なファンドの目的として、起業・ベンチャー支援、成長支援、企業再生支援、新事業展開・第二創業支援、事業継続支援などがあります。

どのようなファンドが利用できるかは、以下の中小基盤整備機構のホームページから条件を絞り込んで検索できます。

http://www.smrj.go.jp/fund_search/cgi-bin/search.cgi

公的機関出資のファンドを活用した企業はその後も有望

公的機関の出資したファンドからの出資を受けるには、要件を満たすことが必要ですが、それに向けて経営を行うことで事業の拡大の可能性が高くなります。調査によると中小基盤整備機構が出資するファンドを利用できた企業は、その後平均で2倍以上の売上を達成したというデータがあります。皆さんの会社でも、要件を満たすかどうかチェックした上で、ぜひこれらのファンドの利用を考えてみてはいかがでしょうか。

参考:
こうして活用しよう中小企業向けファンド

「戦略経営者」2012年2月号:中小企業とファンド
http://www.tkc.co.jp/senkei/backnumber/1212cnt.html

中小企業基盤整備機構:ファンド検索
http://www.smrj.go.jp/fund_search/cgi-bin/search.cgi

 

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