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最終更新日:2024/2/8

日本政策金融公庫で創業融資(新創業融資制度)を受ける際の必要書類【審査に落ちないための方法も解説】

税理士 鳥川拓哉

この記事の執筆者 税理士 鳥川拓哉

ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-tori

この記事でわかること

  • 日本政策金融公庫で新創業融資制度を利用する際の流れがわかる
  • 新創業融資制度で融資を受けるために必要な書類や、融資の面談時に必要な書類を知ることができる
  • 書類審査で企業融資に落ちないためのポイントがわかる

新たに事業を始める際に融資を受けようとしても、なかなか審査が通らないケースがあります。

しかし、そのような人でも融資を受けられる可能性があるのが、日本政策金融公庫の新創業融資制度です。

はたして、新創業融資制度を利用するためには、どのような手続きの流れとなるのでしょうか。

また、審査で落とされないようにするため、どのような点に注意するとよいのでしょうか。

日本政策金融公庫で創業融資を受けるときの流れ

日本政策金融公庫の新創業融資制度で融資を受けるためには、どのような手続きが必要となるのでしょうか。

民間の金融機関を利用して融資を受ける場合とは異なる手続きもあるため、不安があると思います。

その流れの概略を知っておき、不安のない状態で融資を受けられるようにしましょう。

融資を受けるまでの流れ1・融資相談

創業融資を取り扱っている金融機関は、日本政策金融公庫以外にも多くあり、民間の金融機関も利用できます。

ただ、それぞれが個別の基準で審査を行っているほか、融資を受けるために必要な要件も異なります。

そのため、必ず融資の申し込みをする前に、相談して利用できるかどうかの確認をするようにしましょう。

融資相談を行う際のポイントは、自身が融資対象となるかどうか、融資を受ける際に必要な書類には何があるかなどです。

また、実際に事業資金がいくら必要なのか計算している場合には、その内容にもとづいて話をするとよいでしょう。

すると、必要な事業資金の金額を見直したり、融資を受けられる金額の上限がわかったりします。

融資相談は、日本政策金融公庫の支店に直接行って、担当者に話を聞くことができます。

ただ、近くに日本政策金融公庫の支店がない場合もあるため、「事業資金相談ダイヤル」という電話相談を利用する方法もあります。

いずれを利用しても、相談に対する回答に違いはありませんから、迷っている方は電話で確認してみるのがよいかもしれません。

一方、新創業融資制度を利用することを前提に考えているのであれば、直接支店に行くのがおすすめです。

というのは、今後の手続で必ず支店に行く必要があるためです。

場所を確認したり、店舗内の雰囲気を知ったりするためには、事前に店舗に行くのが一番です。

また、今後の手続きをスムーズに進めるためには、直接店舗の担当者と話をするのがよいからです。

なお、日本政策金融公庫は、事業所の所在地を管轄する支店が決められています。

他の支店で相談しても問題はないのですが、実際に申し込みを行う支店で相談をする方が手続きはスムーズに進められます。

融資を受けるまでの流れ2・申し込み

融資相談で必要な書類を確認したら、その書類を作成し、日本政策金融公庫に融資の申し込みを行います。

書類の不備をその場で確認してもらえるので、支店に出かけて申し込みを行うのがおすすめです。

支店に出かけられない場合には、郵送でも対応しています。

ただ、郵送の場合は書類の不備があると対応が後日になってしまうため、融資の実行までのスケジュールがずれ込んでしまいます。

どうしても郵送での申し込みとなる場合は、事前相談でしっかり確認しておくようにしましょう。

融資を受けるまでの流れ3・面談

申し込みの書類が受理されると、審査の担当者から面談に関する通知が郵送されてきます。

この通知書では面談を行う日時が指定されます。

また、面談に必要な書類が郵送されてきます。

面談当日は指定された時間に、必要な書類を持参していきましょう

面談という通り、その内容は堅苦しいものではありません。

しかし、始めようとしている事業の内容や業界の動向を真剣に考えているのか、書類には書かれていないようなことも聞かれます。

単純に、提出した書類の内容に沿って、話をすればよいというわけではありません。

自分自身の長所・短所や、事業の内容が同業他社と比較してどのような特徴があるのかなど、説明できるようにしておきましょう。

大事なのは、その事業にかける熱意です。

そして、その熱意が相手にも伝わるような誠実な対応が求められます。

想定問答集を覚えてきたかのように、すらすらと回答すればよいというものではありません。

事前準備も怠らないようにしましょう。

融資を受けるまでの流れ4・実地確認

審査を行った担当者が、実際に事業を始めようとしている店舗・事務所予定地を訪問してきます

自宅で開業する場合は自宅訪問になります。

実地確認では、事業の実態があることを確認するとともに、審査にもその内容が反映されます。

必ずしも同席を求められるわけではないため、同席するかどうかは担当者の指示に従えばよいでしょう。

融資を受けるまでの流れ5・審査結果の通知

面談や実地確認が行われてから1週間ほどで、審査結果が通知されます。

融資が可能であると判断されれば、審査結果とともに借用証書や契約書類が郵送されてきます

逆に融資ができないとされた場合には、審査結果だけが郵送されますが、電話がで知らせがくる場合もあります。

融資を受けるまでの流れ6・その後の手続と融資の実行

審査が通ったら、郵送されてきた書類に必要事項を記載し、署名や押印などの処理を行った後、日本政策金融公庫に提出します。

通常、必要な処理を行った後、1週間ほどで指定の口座に融資金額が振り込まれます

この時、返済のために必要な口座の手続も行われるため、期日が来れば返済も始まります。

創業融資(新創業融資制度)への申し込み時の必要書類

それでは、新創業融資制度を利用するための申し込みの際に必要となる書類には、どのようなものがあるのでしょうか。

おもな必要書類は以下の6つとなりますが、すべての場合に必要とは限りません。

実際に必要となる書類については、担当者に確認して作成するようにしましょう。

借入申込書

借入申込書は、その名が表すとおり融資の申込書であり、すべての書類の基本となる書類です

申込人の名称・名前や住所・電話番号などの情報のほか、事業の内容を記載します。

また融資の申込金額や借入希望日、希望返済期間などの融資の内容も記載します。

該当するすべての項目を記載する必要があるため、間違えないように記入しましょう。

最後に、申込人の印鑑を忘れずに押しましょう。

なお、借入申込書の用紙は、日本政策金融公庫の支店で入手できるほか、ホームページからダウンロードすることもできます。

参考:「借入申込書」(日本政策金融公庫)

創業計画書

創業計画書は、事業を始めるにあたって、創業の動機や事業の見通しなどをまとめて記載する書類です

日本政策金融公庫で行われる融資の審査の際には、最も重要になる書類です。

創業計画書に記載する項目は以下のようになっています。

  • (1)創業の動機
    創業するのはどのような目的があるのか、あるいはどのような動機があるのかを記載します。
  • (2)経営者の略歴等
    過去にどのような仕事をしていたのか、過去に事業経営したことがあるのかを記載します。
    勤務していた会社だけでなく、どのような業務を担当していたのか、その会社での役職、身につけた技能なども記入します。
  • (3)取扱商品・サービス
    開始する事業で取扱う商品やサービスの内容を記載します。
    また、そのセールスポイントや販売戦略、市場を取り巻く状況なども記載します。
  • (4)取引先・取引関係等
    販売先・仕入先・外注先の別に、取引先の名称と所在地を記載します。
  • (5)従業員
    3か月以上継続して雇用する見込みのある従業員の人数を記載します。
  • (6)お借入の状況
    借入を行っている銀行名やその用途、借入残高、年間返済額を記載します。
    法人の場合は代表者個人の借入状況を記載することとなるため、間違えないようにしましょう。
  • (7)必要な資金と調達方法
    融資の種類には設備資金と運転資金があります。
    設備資金の融資を受ける場合は、その設備の内容を記載します。
    運転資金についても、その必要となる資金の内容や金額を記載します。
    また、自己資金の金額や、他に借入がある場合の金額なども記載します。
  • (8)事業の見通し(月平均)
    売上高、売上原価(仕入高)、経費について、創業当初と1年後または軌道に乗った後の金額を記載します。
  • (9)自由記述欄
    これまでの記載事項にない内容で、アピールしたい内容や悩みについて記載できます。

創業計画書の用紙も、日本政策金融公庫の支店かホームページから入手できます。

また、自身で計画書を作成して提出することも認められています。

参考:「創業計画書」(日本政策金融公庫)

月別収支計画書(資金繰り計画書)

月別収支計画書には、事業開始後の毎月の売上高、売上原価、経費と借入金返済額を記載します

金額については算出根拠が必要とされるため、創業計画書をもとに記載します。

また、売上高の達成に向けた具体的な取り組みを記載しなければなりません。

どのようにして、いつまでに達成するかを記載しておきましょう。

なおこの書類は、日本政策金融公庫所定の用紙のほか、自身で作成した計画書を提出してもよいこととされています。

履歴事項全部証明書(原本)

法人の場合、法務局で入手した履歴事項全部証明書を提出しなければなりません。

この書類で、法人の名称や所在地、代表者などの内容に間違いがないかを確認します。

見積書

設備資金の融資を受ける場合、その設備の見積書が必要となります。

不動産の登記事項証明書

不動産担保を設定する場合、その不動産に関する情報を提供する必要があります。

そのため、法務局で不動産の登記事項証明書を取得し、提出しなければなりません。

融資の面談時に必要な書類

融資を受けるために行われる、審査担当者との面談の際に必要となる書類をご紹介します。

ただし、ここで紹介するもの以外に書類が必要になる場合もあるため、事前によく確認しておきましょう。

創業計画書や月別収支計画書の計算資料

創業計画書や月別収支計画書に書かれた金額が、何の根拠もない適当な数字だったとすれば、それは意味のない数字となります。

そこで、売上高や売上原価、経費として記載した金額の根拠となる資料が必要となります。

根拠資料がある場合は、面談の際に提出します。

預金通帳

普通預金や定期預金で、直近6か月分以上記帳されたものが必要となります。

具体的には、公共料金や住宅ローンの支払い、家賃やクレジットカードの引き落としについてチェックされます。

また、自己資金の残高がいくらあるのかを証明するためにも使用されます。

様々な支払いが、期日より遅れていないかどうかがポイントとなります。

なお、家族名義の通帳から支払が行われている場合には、その家族名義の通帳の提出も必要となります。

各種ローンの支払い明細

住宅ローンや自動車ローンなどの残高がある場合、その月々の支払いがわかる明細書が必要となります。

また、この書類でローンの残高もあわせて確認することとなります。

固定資産税課税明細書と固定資産税の領収書

建物や土地といった不動産を所有している場合に、必要となるものです。

固定資産税課税明細書は毎年4月ごろに、不動産所在地の市区町村役場から送られてきます。

また、固定資産税支払後の領収書もあわせて必要となります。

賃貸借契約書

事業所となる店舗や事務所の賃貸借契約書が必要となります。

自宅で開業する人で、自宅が賃貸物件の場合にも賃貸借契約書を提出しなければなりません。

なお、事業用の物件については、融資の時点でまだ賃貸借契約を締結していない場合もあるでしょう。

この場合は、賃貸借予約契約書を提出する必要があります。

勤務時の源泉徴収票

すでに事業を始めている人で前職が会社員の場合、その前職の勤務先から交付された源泉徴収票を提出します。

また、これから事業を始める人で現在会社員の人は、現在の勤務先から交付された源泉徴収票が必要となります。

本人確認書類

運転免許証やパスポートなどの本人確認書類を提出します。

書類審査で創業融資に落ちないようにする方法

新創業融資制度は、新たに事業を始める人に対する融資制度です。

しかし、新規に事業を始める人であっても、審査に通らなければ融資を受けることはできません。

そこで、書類審査に落ちないようにするためには、どのような点に注意する必要があるのか、そのポイントをまとめました。

借入申込書と創業計画書の内容がずれないようにする

借入申込書には、借入を申し込む人の基本情報や借入希望額、返済期間、運転資金や設備資金の別などを記載します。

一方、創業計画書には事業の内容や必要な資金、今後の事業の見通しなどを記載します。

この2つの書類にはともに、融資を受けるために必要な資金の種類や金額について記載する項目があります。

しかし、両者の記載内容にずれがあると、面談の際に説明することができなくなってしまいます。

必ず記載内容に矛盾がないよう、借入申込書の作成は創業計画書の作成が終わってから、その内容をもとに行うようにしましょう。

創業計画書に記載する数字は根拠を明確にする

これから事業を始める場合、創業計画書に記載する売上高や売上原価(仕入高)、経費の金額は、見通しの金額となります。

しかし、見通しの金額だからといって、適当に記載すればよいというわけではありません

来客数や客単価、取引先の件数などを見通したうえで、売上高を計算しなければなりません。

また、売上原価や経費については、売上に対して合理的な数値でなければなりません。

あまりにも楽観的な見通しの数字では、計画自体の信ぴょう性が問われるだけでなく、経営者としての資質も問われかねません。

最悪の場合、事業成功の可能性が低いと判断されて、審査が通らない可能性があります。

創業計画書の記載内容におかしな点はないか、事前によく確認しておきましょう。

他に借入がある場合はその金額と返済状況を示す

他に借入がある場合、その内容は新たな融資を受ける際に重要な判断材料となります

住宅ローンや自動車ローンなど、どのような借入があり、毎月いくら返済をしているのか、創業計画書にもれなく記載しなければなりません。

借入の残高が多くあるために、返済能力を超えてしまう場合には融資を受けることができない場合もあります。

しかし、他に借入があるからといって、融資を断られるわけではありません。

ただ、すべての借入の残高や返済状況を正確に把握していない場合、審査を受ける際のマイナス材料となります。

借入の状況は日本政策金融公庫側でも正確に把握することができるため、借入を隠そうとしていると判断されてしまうためです。

特に、消費者金融やカードローンがある場合、その内容を記載したくないと考えてしまうかもしれません。

しかし、そのような借入があることによるマイナスより、その借入を記載していないことの方が大きなマイナスとなります

借入の状況については、必ず漏れのないように記載しましょう。

自己資金はどのように貯めたかがポイント

面談の際には、自己資金として通帳の残高を提示することとなりますが、その金額をどのように貯めてきたのかが大きな意味をもちます。

融資を受ける直前に、現金を通帳に振り込んだとしても、その金額は自己資金とは認められません。

振り込まれた現金がどのようなお金かわからないため、知人や親族から用立ててもらった見せ金の可能性も否定できないためです。

問題なく自己資金として認めてもらうためには、毎月の給料などからコツコツ計画的に貯めていくことが重要です

そのように自己資金を貯めることができる人は、返済能力が高いと判断され、融資の審査も通りやすくなるのです。

許認可が必要な業種は事前に取得申請を行う

飲食店や理美容業、建設業など、多くの業種では事業を始める際に許認可が必要となります。

このような業種で事業を始めるための融資を受けるには、日本政策金融公庫に許認可が確認できる書類を提出しなければなりません

融資を受けてから許認可を取得したのでは、融資を受けることができません。

そして、融資を受けることができなければ、開業できないというケースも多いと思います。

まず許認可を取得することから始める必要がある、ということを覚えておきましょう。

なお、事業に許認可が必要かどうかはっきりわからない場合は、融資の相談をする先に確認しておきましょう。

店舗や事務所の賃貸借契約を先に締結する

創業するにあたって、店舗や事務所を借りる場合は、融資を受ける前に賃貸借契約書を提出する必要があります。

そのため、融資を受ける前に賃貸借契約を結ぶのが原則となります。

しかし、実際に融資が実行されるのかわからない状態で、賃貸借契約を締結するのはリスクがあります。

そこで多くの場合、物件の契約条件がわかる書類を提出して対応します

融資が実行されればすぐに契約できるよう、物件の仮押さえをしておき、融資の申し込みをするようにしましょう。

まとめ

日本政策金融公庫という会社の存在や、新創業融資制度という融資制度を事前に知っている人は少ないと思います。

実際、この融資制度を利用する機会は生涯で1回あるかどうかであり、ほとんどの人にとっては未知の世界です。

確認不足で手続きが滞ることがないよう、融資を受けようとする場合には、日本政策金融公庫の担当者に不明な点は確認しながら手続きを進めるようにしましょう。

また、融資をスムーズに受け、審査に通るために重要なポイントを確認しておき、その内容を実践してください。

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