

東京弁護士会所属。
交通事故の程度によっては、入院が必要になったり、定期的な通院、精神的にも疾患を負ったり、PTSDとして現れることもあります。
こうした状況の中で、交渉ごとを被害者本人でまとめようとすることは非常に大変です。
弁護士に示談交渉を依頼することで、直接示談交渉をしたり、資料を準備したりする精神的負担が軽減できます。
つらい事故から一日でもはやく立ち直るためにも、示談交渉は弁護士に任せて、治療に専念してください。

目次
相手が外国人のドライバーであっても、交通事故の被害者が補償を受けるための仕組みは整っています。ここでは代表的な3つの方法を取り上げます。
自賠責保険(じばいせきほけん)は、すべての自動車・バイクに加入が義務付けられている強制保険です。加害者が外国人であっても、日本国内を走っている車であれば加入しているのが原則です。
本来は加害者側が自身の保険会社に連絡しますが、被害者が直接加害者側の自賠責保険に請求することもできます。これを「被害者請求」といい、加害者と連絡が取れない場合でも利用できます。
もし加害者の保険会社が分からない場合でも、警察や陸運局を通じて車両情報を照会し、加入先の保険会社を確認することが可能です。
補償内容は人身事故に限られますが、最低限の救済を受けられます。
傷害事故:治療費や慰謝料など最大120万円
後遺障害:障害の等級に応じて75万円~4,000万円
死亡事故:葬儀費用・逸失利益など最大3,000万円
なお、自賠責では物損(車の修理費など)は対象外である点に注意が必要です。
加害者が自賠責保険にすら加入していない「無保険車」であったり、ひき逃げで加害者が分からない場合は、「政府保障事業」を利用できます。これは国が加害者に代わって被害者を救済する制度です。
補償内容は自賠責保険とほぼ同じで、人身事故に関する損害が対象です。物損(車の修理代や壊れた物品など)は補償されない点には注意が必要です。
政府保障事業には請求期限があり、期限を過ぎると補償を受けられません。
傷害事故:事故発生日の翌日から3年以内
後遺障害:症状固定日の翌日から3年以内
死亡事故:死亡日の翌日から3年以内
この期限は厳格に適用されるため、早めの申請が不可欠です。
外国人加害者が任意保険に加入していない場合や、事故後に連絡が取れなくなる場合でも、被害者が加入している任意保険を活用すれば、泣き寝入りを避けることが可能です。主な補償の種類は以下のとおりです。
被害者の過失割合にかかわらず、実際に発生した損害を自分の保険会社から補償してもらえる制度です。治療費や休業損害、慰謝料など幅広い費用をカバーでき、加害者との示談を待たずに支払いを受けられる点が大きなメリットです。多くの場合、利用しても翌年の保険料に影響はありません。
加害者が任意保険に未加入で、被害者が死亡または後遺障害を負った場合に適用されます。自賠責保険では補償が不十分なケースでも、自分の保険会社から補償を受けられるため、重大事故時の救済策として重要です。
自分の車の修理費用を補償する保険です。相手が無保険で賠償能力もない場合に役立ちます。ただし、利用すると保険の等級が下がり、翌年以降の保険料が上がる可能性がある点には注意が必要です。
契約車両に搭乗中の人が事故でけがをした場合に、定額で保険金が支払われる補償です。治療費は実費ではなくあらかじめ定められた基準で支払われるため、治療費以外の出費(通院交通費や雑費など)の補填として役立つことがあります。外国人加害者の補償が期待できないときにも、被害者や同乗者を守る仕組みとなります。
どの保険を利用できるかは契約によるため、まずは保険会社に使える保険を確認してみましょう。
外国人が関わる交通事故では、日本人同士の事故よりも被害者が不利な立場に置かれやすく、泣き寝入りに陥るリスクが高まります。
こうした要因が重なると、事故後の対応が滞り、補償を受けにくくなります。とくに言語や文化の違いで状況説明が不十分になりやすく、加害者が無保険や短期滞在の場合には請求自体が難航します。さらに「補償は無理だ」と被害者が諦めてしまう心理も、泣き寝入りにつながる大きな要因です。
外国人が関わる交通事故では、被害者が冷静に行動しないと、後々の補償請求が難しくなります。とくに証拠の確保や情報収集は、泣き寝入りを避けるための重要なポイントです。
ここでは、事故直後から被害者が取るべき基本的な行動を整理します。
外国人が相手であっても、日本国内での交通事故は警察への通報が義務です。警察が現場検証を行い、交通事故証明書が発行されて初めて保険請求が可能になります。加害者と直接やり取りして示談で済ませると、あとから補償が受けられなくなるおそれがあるため、必ず通報しましょう。
相手が外国人の場合、身元や保険の有無をその場で確認することが重要です。運転免許証、在留カード、車検証、保険証券などを提示してもらい、写真を撮るなどして記録を残しておきましょう。もし保険会社が不明な場合は、後日警察や陸運局を通じて照会できます。
事故現場では、車両の位置や破損箇所、ブレーキ痕、信号の状況などをスマートフォンで撮影しておくことが大切です。言語の壁がある場合でも、客観的な映像が証拠として有効に働きます。また、目撃者がいれば連絡先を聞いておくと後の交渉で役立ちます。
事故の被害を受けたら、すぐに自分の保険会社へ連絡しましょう。人身傷害補償や無保険車傷害特約、弁護士費用特約などが利用できる可能性があります。相手が外国人で連絡が取りづらい場合でも、自分の保険会社を通じて対応を進めれば安心です。
通院費や修理代を立て替えた場合は、領収書や明細書を必ず保管しましょう。これらは後日、自賠責保険や政府保障事業、任意保険に請求する際に必要になります。領収書がなければ正確な補償を受けられないこともあるため、細かい支払いでも証拠を残すことが重要です。
相手が外国人の場合、言葉の壁からトラブルが起こりやすくなります。通訳を手配できれば理想的ですが、難しい場合は第三者に立ち会ってもらい、記録を残しておくことが有効です。誤解を防ぐだけでなく、後日の証拠としても役立ちます。
また、自分の保険会社によっては、事故対応の一環として通訳を手配してくれるケースもあります。特に外資系保険会社やサポート体制の整った保険会社では、外国人との交渉を補助するサービスを備えている場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
外国人が関わる交通事故では、言語の壁や保険制度の複雑さから、被害者が自力で解決しようとすると大きな負担になります。こうした状況で泣き寝入りを避けるために有効なのが、弁護士への相談です。
弁護士に依頼することで得られる主なメリットを見ていきましょう。
加害者が無保険であったり、事故後に連絡が取れなくなった場合、被害者は請求を諦めてしまうことがあります。しかし弁護士に依頼すれば、自賠責保険の被害者請求や政府保障事業の申請、自分の任意保険の活用など、複数の手段を駆使して補償を確保できます。結果的に、泣き寝入りのリスクを大幅に減らすことが可能です。
さらに、自分の任意保険に「弁護士費用特約」が付いていれば、実質的に費用の負担なく弁護士に依頼できます。この特約は、相手が外国人かどうかに関係なく利用できるため、安心して専門家のサポートを受けられる点も大きなメリットです。
交通事故の補償制度には、自賠責保険・政府保障事業・任意保険(人身傷害補償、無保険車傷害特約など)といった複数の仕組みがあり、それぞれ利用条件や請求期限が異なります。専門知識がなければ「どの制度を優先して使うべきか」「併用できるのか」が分かりにくいものです。弁護士に相談すれば、状況に応じて最も有利な制度を選択でき、補償を最大限に受けることができます。
言葉の壁や交渉経験の不足から、被害者が加害者本人や保険会社と直接やり取りするのは大きな負担になります。弁護士が代理人として交渉を担当すれば、被害者は治療や生活再建に専念できます。特に外国人加害者の場合、相手側が強気な態度を取ったり、補償を拒否しようとすることもありますが、専門家の関与によって解決への道筋がつきやすくなります。
保険会社が提示する慰謝料や賠償額は、実際に認められるべき金額より低く抑えられているケースが少なくありません。弁護士に依頼すると、裁判例や弁護士基準に基づいた適正な金額で請求できるため、結果的に受け取れる補償額が増える可能性があります。特に後遺障害や死亡事故など重大なケースでは、弁護士のサポートがあるかどうかで最終的な賠償額に大きな差が出ます。
加害者が観光客で帰国してしまった場合でも、必ずしも泣き寝入りになるわけではありません。事故車両が自賠責保険に加入していれば被害者請求によって補償を受けられますし、仮に未加入でも政府保障事業を通じて救済を受けることが可能です。
さらに、人身傷害補償保険や無保険車傷害特約など、自分自身の任意保険を利用できる場合もあります。加害者本人に直接請求するのは難しくても、複数の制度を活用すれば補償を受けられる道は残されています。
外国人がレンタカーを運転して事故を起こした場合でも、基本的にはレンタカー会社が加入している自動車保険が適用されます。対人・対物賠償なども補償対象となるため、被害者は通常の事故と同じように救済を受けられます。
ただし、契約プランによって補償範囲や上限額が異なるため、事故後は速やかにレンタカー会社へ連絡し、保険の内容を確認することが大切です。
加害者が虚偽の名前や住所を伝えてきても、警察に通報していれば交通事故証明書が発行されます。さらに、車両のナンバーから陸運局を通じて保険会社や登録者を特定することも可能です。
そのため、現場では必ず警察を呼び、身元確認を依頼しましょう。あわせて免許証や在留カード、車検証を写真に残しておくと証拠として有効です。
日本で運転するには、日本の運転免許証か有効な国際免許証が必要です。自国の免許証しか持っていない場合は無免許運転にあたり、刑事責任の対象となります。
もちろん民事上の賠償義務も免れません。被害者は自賠責保険や政府保障事業、任意保険などの制度を通じて補償を受けられる点は変わらないので安心してください。
外国人が関わる交通事故では、言葉の壁や保険の不透明さ、相手が帰国してしまう可能性などから「補償は受けられないのでは」と不安を抱きがちです。しかし、自賠責保険の被害者請求、政府保障事業、自分の任意保険といった制度を正しく活用すれば、泣き寝入りを防ぎ必要な補償を確保できます。
外国人相手の事故でも、被害者が正しい知識を持ち、必要な制度や専門家を活用すれば、泣き寝入りする必要はありません。万が一に備えて、今日からできる準備を意識しておきましょう。
相談先に迷ったら、交通事故で豊富な実績を持つ「VSG弁護士法人」までぜひお気軽にご相談ください。

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