脳には高次機能といって、記憶・思考・知覚・学習などの認知面と、感情面を含む精神状態をつかさどる働きがあります。
この高次脳機能が、疾患や損傷によって障害を起こした状態を「高次脳機能損害」と呼んでいます。
ここで、高次脳機能障害の代表的な症状を紹介します。
頭部に何らかの衝撃を受けた事故によって、下記のような兆候が見られる場合は、高次脳機能障害を発症している可能性があります。
見た目の変化がないケースも多いため、症状が発見されにくいこともありますので、家族など周囲の人たちが気をつけてあげることも大切です。
新しいことが覚えられない、覚えたことをすぐに忘れる
落ち着きがなくなった、集中できない、複数のことをするとミスが増えたり混乱する
計画的に行動できないため失敗する、計画通りに行動できない、
高次脳機能障害の等級認定基準は、事細かに決められています。
1級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの |
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2級1号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの |
3級3号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、終身労務に服することができないもの |
5級2号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
7級4号 | 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの |
9級10号 | 神経系統の機能又は精神に障害を残し、服することができる労務が相当な程度に制限されるもの |
それぞれの症状の重さに応じて等級が定められており、どの等級を認定されるかによって、慰謝料額も変わってきます。
専門家ではない人が理解するには、非常に複雑なため、弁護士などの専門家に相談することが、等級認定への近道です。
高次脳機能障害は、脳の重要な処理機能に影響するため、後遺障害等級慰謝料も高い等級に認定される可能性は高くなります。
先ほども述べましたが、見た目ではなかなかわかりづらい症状もあるので、家族や周囲の人が気にかけ、早めに専門家の診察やケアが受けられるようにしましょう。