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交通事故に精通している弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所 > 交通事故弁護士コラム > 交通事故発生時 > 交通事故の違反点数通知はいつ来る?罰金や免停以外の処分も紹介

交通事故の違反点数通知はいつ来る?罰金や免停以外の処分も紹介

弁護士 山谷千洋

この記事の執筆者 弁護士 山谷千洋

東京弁護士会所属。
「専門性を持って社会で活躍したい」という学生時代の素朴な思いから弁護士を志望し、現在に至ります。
初心を忘れず、研鑽を積みながら、皆様の問題に真摯に取り組む所存です。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/yamatani/

交通事故の違反点数通知はいつ来る?罰金や免停以外の処分も紹介

この記事でわかること

  • 交通事故の加害者への罰金や処分に関する通知についてわかる
  • 交通事故を起こしてしまったときの罰金と違反点数がわかる
  • 交通事故の加害者となったときの免許停止・免許取り消しになる点数がわかる

どんなに気をつけていても、交通事故に遭い、その加害者側となってしまうことがあります。

そういったとき、罰金はどれくらいになるのか、いつ通知がくるのかなど不安に思うこともあるでしょう。

この記事では、交通事故の加害者となってしまった方に向けて、罰金や処分についての通知、具体的に科される罰金や違反点数、免許停止・免許取り消しの処分となる違反点数について解説します。

また、加害者になされる刑事・行政・民亊についての処分も併せて説明します。

交通事故の罰金や処分の通知はいつ来る?

交通事故の加害者には、罰金や下される行政処分や刑事処分について、次のような通知がくることがあります。

  • 1.累積点数通知書
  • 2.行政処分出頭通知書(呼出通知書)
  • 3.意見の聴取通知書
  • 4.裁判所からの呼出状・出頭命令

交通事故の加害者にとって重要な通知は、上記2から3までの通知です。

1)累積点数通知書

違反点数が付いた場合は、累積点数通知書が自動車安全運転センターから届きます。

累積違反点数が4点から5点になったときに次回の違反で免許停止処分となる予告として送られてくることが一般的です。

累積点数通知書は、普通郵便で自宅に送られてきます。

違反や交通事故を起こしてから1週間~1ヶ月程度で届くのが一般的ですが、処理に時間がかかる場合には数ヶ月、場合によっては1年以上かかることもあります。

2)行政処分出頭通知書(呼出通知書)

行政処分出頭通知書(呼出通知書)とは、累積違反点数が60日以下の免許停止処分に該当する基準に達したときに警察から送られてきます。

内容としては、出頭して免許停止処分を受けるようにというものです。

この通知は、一般的に事故を起こしてから数週間から1か月、人口が多く事故も多い地域では3か月から6か月で届くといわれています。

3)意見の聴取通知書

意見の聴取通知書とは、免許取消しまたは1回の交通違反で90日以上の免許停止処分に該当する違反点数の加算がなされるときに警察から送られてきます。

該当者に弁明の機会を与える手続きを行うというものです。

こちらの通知も行政処分出頭通知書と同様に、地域によって数週間から6か月ほどで届くといわれています。

4)裁判所からの呼出状・出頭命令

交通事故の加害者へ裁判所から呼出状が届く場合、次のケースが考えられます。

  • 検察が交通事故について刑事事件として起訴をした
  • 被害者が損害賠償の請求のため民事調停・民事訴訟を申し立てた(民亊処分)

刑事事件についての裁判所からの呼出状などは、事故を起こしてから数か月から1年以内に届くといわれています。

被害者が申し立てる民事の手続きについての呼出状は、被害者の申立て次第になり、一般的に賠償請求の時効が成立するまでに送られてくることになります。

通知が送られてこないときの対処法

交通事故を起こした場合、自分の違反点数などが気になるものですが、1年を経過しても何の通知も送られてこないということがあります。

違反点数が免許停止にかからない場合などが該当します。

運転免許を取得している方は、自動車安全運転センターで累積点数等証明書を交付してもらうことができます。

この証明書には、過去の交通違反と累積点数が記載されており、過去の違反歴を確認して自身が起こした交通事故による行政・刑事処分について予測することができます。

違反点数を確認するには、①運転記録証明書を発行する②累積点数等証明書を発行する、のいずれかの方法で行うことができます。

いずれの証明書も、警察署や自動車安全運転センターに備え付けられている申込用紙に記載後、申請を行います。
申請を行うと1~2週間で証明書が送付されてきます。

いずれの証明書でも、現在の違反点数を確認することができますが、違反の内容などを詳細に確認したい場合は、運転記録証明書を取得するようにしましょう。

通知書を見ても今ひとつピンとこない場合や、他にも不安に思うことがある場合には、今後行うべき手続きや起こるであろうことについて、弁護士に相談することをおすすめします。

交通事故による罰金・違反点数

交通事故の加害者は、その過失と被害者の損害の程度に応じて、行政処分として累積点数が加算されています。

その違反内容によっては運転免許の停止・取消しと刑事処分として罰金もしくは懲役が科せられる可能性があります

また物損事故では、原則として行政処分と刑事処分がなされませんが、加害者の当て逃げや重大な交通違反、建造物の損壊などがあるときには人身事故と同様に処分がなされます。

交通事故の行政処分(違反点数の累積加算)

交通事故による行政処分は、事故に至っていない駐車違反やスピード違反など1つの違反ごとに加算されるときと異なり、基礎点数・付加点数・措置義務違反を併せて交通事故全部の違反点数が加算されることとなります。

これらの項目について詳しく見ていきましょう。

1)基礎点数

基礎点数は、道路交通法の違反区分ごとに定められていて、主なものは次のとおりです。

違反区分点数
安全運転義務違反(わき見運転、よそ見運転など)2点
無車検運行6点
無保険運行6点
大型自動車等無資格運転12点
仮免許運転違反12点
速度超過(一般道:30km以上、高速道路:40km以上)12点
0.25未満の酒気帯び運転13点
0.25以上の酒気帯び運転25点
過労運転など25点
無免許運転25点
共同危険行為等禁止違反25点
酒酔い運転35点
麻薬等運転35点
救護義務違反(ひき逃げ)35点

参照元:警視庁

2)付加点数

付加点数は被害者の損害の程度によって、次のとおり定められており、被害者に過失割合がつくことになれば減算されます。

被害者の損害違反点数(被害者過失あり)
死亡20点(13点)
重傷:治療期間3月か以上、後遺障害あり13点(9点)
重傷:治療期間30日以上~3か月未満9点(6点)
軽傷:治療期間15日以上~30日未満6点(4点)
軽傷:治療期間15日未満3点(2点)

参照元:警視庁

過失割合は、当事者の示談交渉などの話し合いで認定していきますが、追突事故が次のような状況であれば、被害者にも過失割合がつきます。

  • 被害者の急停止が原因で事故が発生した
  • 被害者が駐車禁止に違反して駐車していた
  • 加害車両から見えにくい場所で事故が発生した
  • 被害者が夜間にハザードランプを付けずに停車していた
  • 被害車両のブレーキランプが故障していた

措置義務違反

措置義務違反とは、道路交通法に定められた当事者の義務で、必要な措置を取らずに現場を立ち去ったときに該当します。

違反の種別は、人身事故で救護措置義務違反(ひき逃げ)、物損事故で危険防止等措置義務違反(当て逃げ)に区別されています。

違反の種別違反点数
救護措置義務違反(ひき逃げ)35点
危険防止等措置義務違反(当て逃げ)5点

交通事故の刑事処分(罰金・懲役)

軽微な交通違反に該当する場合、一定期間内に反則金を納付すれば刑事処分を免れる交通反則通告制度が設けられています。

また、軽微な交通違反に該当しない場合、刑事裁判によって罰金または懲役などの刑罰が科されます。

もっとも、交通事故では軽微な交通違反に該当しないため、一部の物損事故を除いて反則金支払いによる手続きは取られることはなく、刑事処分がなされます

刑罰の事例

被害者の損害刑罰
死亡懲役・禁固7年以下、若しくは100万円以下
重傷:治療期間3か月以上、後遺障害あり懲役・禁固刑、若しくは罰金50万円
重傷:治療期間30日以上~3か月未満罰金30万~50万円
軽傷:治療期間15日以上~30日未満罰金20万~30万円
軽傷:治療期間15日未満罰金12万~30万円
建造物損壊(物的損害)罰金12万~20万円
違反の種別刑罰
救護措置義務違反(ひき逃げ)懲役5年以下、若しくは又は罰金50万円以下
危険防止等措置義務違反(当て逃げ)懲役1年以下、若しくは又は罰金10万円以下
報告義務違反(当て逃げ)懲役3か月以下、若しくは又は罰金5万円以下

交通事故で免停・免許取り消しになる点数

道路交通法違反による行政処分には、一定の期間内で免許の効力を停止する「免許停止」と、免許を失効させて、一定期間が経過するまでは免許を再取得できない欠格期間を定める「免許取消し」に分けられます。

これらの処分は、累積違反点数が一定数を超えたときになされるもので、交通事故など加算点数が大きいときには、累積点数がなくとも1回の事故・違反で免許停止や免許取消しとなる可能性もあります。

免許停止

免許停止の処分は、一定期間内の累積違反点数が6点から14点に達すると、過去の免許停止の処分履歴に応じて停止される期間が定められます。

免許停止の処分履歴・なし

累積違反点数停止期間
6~8点30日
9~11点60日
12~14点90日

免許停止の処分履歴・1回

累積違反点数停止期間
4~5点60日
6~7点90日
8~14点120日

免許停止の処分履歴・2回

累積違反点数停止期間
2点90日
3点120日
4点150日

免許停止の処分履歴・3回

累積違反点数停止期間
2点120日
3点150日

免許停止の処分履歴・4回

累積違反点数停止期間
2点150日
3点180日

免許取消し

免許停止の処分は、累積点数が15点以上に達すると、免許の失効がなされます。

さらに、過去の免許停止の処分履歴と、最後に加算された違反行為の性質によって欠格期間が定められます。

違反行為の性質は、一時停止違反やスピード違反など比較的軽微な違反行為(一般違反行為)と、飲酒運転や救護義務違反・危険運転致死傷などの悪質性の高い特定違反行為に区別されています。

一般違反行為による取消し

免許停止の処分履歴欠格期間
なし1回2回3回
累積加算点数15~24点10~19点5~14点4~9点1年
25~34点20~29点15~24点10~19点2年
35~39点30~34点25~29点20~24点3年
40~44点35~39点30~34点25~29点4年
45点~40点~35点~30点~5年

特定違反行為による取消し

免許停止の処分履歴欠格期間
なし1回2回3回
累積加算点数35~39点×(注1)××3年
40~44点35~39点××4年
45点~49点40~44点35~39点×5年
50~54点45~49点40~44点35~39点6年
55~59点50~54点45~49点40~44点7年
60~64点55~59点50~54点45~49点8年
65~69点60~64点55~59点50~54点9年
70点~65点~60点~55点~10年

(注1)該当なし

交通事故を起こすと刑事処分・民事処分もありうる

交通事故の加害者は、被害者の損害の程度によって、ここまで説明してきた刑事処分・行政処分による責任の他、被害者への損害賠償という責任を負わなければなりません

人身事故では、被害者の治療費や休業損害・慰謝料などの他、被害者が死亡や重い後遺障害が残った場合には逸失利益の賠償も必要になるため、数千万円から1億円を超える賠償請求がなされる可能性もあります。

この場合、自賠責保険から支払われる上限を超えることになるため、加害者の加入する任意保険から支払われることになります。

もし任意保険に未加入であれば、自己負担をしなければなりません。

人身事故を起こした場合の対処法

人身事故を起こしてしまった場合、真っ先に行わなければならないのは以下の3点です。

  • 負傷者の救護
  • 車両などの移動
  • 警察への通報
  • これらは、被害の拡大を防ぐために行うほか、交通事故を起こした時に行うこととして、法律上義務付けられています。

    また、事故の相手との連絡先の交換をしておかないと、今後の事故の解決をスムーズに進められなくなってしまう可能性があります。
    氏名や電話番号のほか、加入している保険会社などの情報を確認しておきましょう。

    保険会社に加入している場合は、自身の契約している保険会社にも連絡します。
    連絡が遅れると、保険会社による交渉に支障が出てしまう可能性もあるので、早目に連絡しておきましょう。

    さらに、人身事故を起こした際、その場でできることとして以下の2点があります。

  • 事故の現場の写真を残しておく
  • 目撃者の連絡先を聞いておく
  • これらは運転者としての義務ではなく、人身事故を起こした後の賠償金の交渉に必要な情報であるため、できるだけ行うようにしましょう。

    まとめ

    交通事故で違反点数が付いた場合、約1ヶ月以内に累積点数通知書が自動車安全運転センターから送られてきます。

    累積点数通知書以外にも、事故から約半年以内に行政処分出頭通知書や意見の聴取通知書が警察から届きます。

    違反内容や累積点数によっては運転免許の停止・取消しや罰金・懲役が科せられるケースもあるため、交通事故後に届く通知書の内容をよく確認しましょう。

    交通事故の加害者は、刑事処分・行政処分に加えて、被害者への損害賠償という責任も負う必要があります。

    これら加害者の責任を少しでも軽減できないかと悩まれている方は、交通事故の問題解決に実績のある弁護士へ相談することをおすすめします。

    保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。 保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。

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