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異才×異才によるイノベーションを目指す起業家コミュニティ「festivo」とは

税理士 鳥川拓哉
この記事の執筆者 税理士 鳥川拓哉

ベンチャーサポート税理士法人 税理士。
大学を卒業後、他業種で働きながら税理士を志し科目を取得。
その後大手税理士法人を経験し、現在に至る。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-tori

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情報化やグローバル化の波を受け、どんどん短くなっていると言われる会社の寿命。それにともない中小企業の収益力は低迷が続き、大企業との格差は拡大傾向にあります。起業を夢見る若者にとって激しい変化を乗り越えるために必要なのは、状況を察知し適応できるフレキシビリティと起業を助けるための仕組み・制度ではないでしょうか。

情報力や人材、資金面などの限られたリソースの中で戦い続ける中小企業の解決策として、近年さらに重要性が高まりつつあるのが業務提携です。ビジネスパートナー、アライアンス、共同研究といった企業同士のコラボレーション。その重要性にいち早く注目し、「SOHO同士を結びつけて機能させる交流の場所」を提供するオンラインコミュニティがあります。中小企業や起業しようとしている人が、外部の手助けを必要としたとき「即座にアクセスできるネットワーク」です。

それが、会員数8万人、30代以下が85%を占める国内最大の起業家コミュニティ「festivo(フェスティボ)」です。その創始者で代表も務める塚本貢也さんは「異才と異才が特性を発揮したとき、イノベーションは起きる。ITベンチャーでは、コミュニティ×メンター×投資家の生態系は形成されつつあるが、festivoはアパレルや飲食、農業など、まだ“生態系 ”があるとはいえない分野も支えたい」と目標を語ります。

塚本貢也さんがfestivo代表になるまで

festivo01「人脈」や「資金」、「経験」、「知識」などが足りない若手起業家のために、そして、きっかけや経営資源が足りず光が当たらない人のために、それらを提供し繋いでいくのが、festivoの役割です。

皆で協力し、皆での成功をサポートしている塚本さんですが、以前は自己の成長、成功に傾注し、どうしたら周囲から抜きん出ることができるかばかり考えていたと言います。

日立の医療機器子会社である日立メディコに医療エンジニアとして入社した後も、研修論文で特許を取得、25歳という異例の若さでシンガポールの駐在に抜擢されるなど躍進を続けます。

その頃を振り返り「相当図に乗っていた」と語る塚本さんも、2006年のライブドアショックで資産の大半を失い友達まで離れていってしまったのを転機に、人の幸せとは何かを考え始めたと言います。そして「人を育てるために生きた金を使いなさい」という忠告を受け、残りの資産で起業家支援を始めたのです。

起業家支援の活動を続ける一方で、会社では出世を重ね、2008年からは九州で技術マネージャーに。しかし、企業の中でできることに限界を感じ、若手支援に集中するため独立を決意、2011年12月にfestivoを設立しました。

渡邉涼一さんとの出会い

festivo02ちょうどシンガポールから帰国し、国内で新たなビジネス、投資機会の芽を探していたとき塚本さんは、現在「誰でも無料でネットショップを運営できる」という画期的なサービスで、開始当初から話題を集めている株式会社BASEの最高技術責任者・渡邉涼一さん(現festivo副代表)と出会います。

「僕らはどちらも好き勝手なことをやっていますが、僕が突っ走ると彼がブレーキをかけてくれるんです。喧嘩は絶えないけど、彼と話してるとすごくクリエイティブな発想が湧いてくるんです」と塚本さんは語る。最高のパートナーを得て、塚本さんは本来持っている以上の力を発揮していきます。

festivoは、人と人が深くコミュニケーションを取れるプラットフォーム

企業の規模にかかわらず、ビジネスの成功にはネットワークが不可欠です。「これからはさまざまな才能を持った個人が、そのつど集まったり離れたりしながら自由にプロジェクトを立ち上げる世の中になると思います。そんな時代に最適化された起業家の生態系をfestivoは作って行きたいと考えています。」と語る塚本さん。

少し前まで新たな人々と出会う有効な手段は、パーソナルな人づての情報や各種セミナー・異業種交流会などへの参加に限られていました。しかし、現在は違います。塚本さんが作り上げたfestivoを利用すれば、北海道で活躍するイベントプランナーと沖縄の個人農家をデータベースでマッチングさせることも簡単です。

事実、地方の町づくり施策などでは、熊本・福岡・千葉・東京の若手起業家が事例を出し合いノウハウを共有しつつ、さらにITベンチャーもインフラのアドバイスをするなどの事例や、一つの事例に対して“不動産業界では○○だよ”、“飲食ではこうやっている”、“へーITではそんなの気にしない。だって・・・”、“いや、法曹部門の私から言わせると・・・”などの異才×異才のマッチング、ノウハウ共有が日々起こっています。

また、オンラインでの交流をさらに親密なものにする為、festivo東京という独自の交流イベントを毎月行っている。起業家のほかにも学者や医者も参加する等、他ではなかなかない異才たちの交流の場となっている。

日本をもっとイノベーションが起きやすい風土にするには次世代を担う学生にそのすべを伝えることも重要であると、最近festivoでは学生部門「festivo Rookies」が立ち上がっている。学生に若手起業家、メンター層などと交流する場作りや、学生への企業からの特別なミッションオファーなどを与え、学生に考える力と、働き方の多様な選択肢を与えている。

運営開始後、わずか2年で8万ものアカウントを抱え2014年には3,000人程度のイベント参加を見込む起業家コミュニティへと成長したという事実が、festivoの有益性を示す何よりの証拠になっている。

「festivo」がもたらすイノベーション

自分が持ち合わせていない才能を持った個人をライバル視するのではなく、互いに高め合いながら交流し、切磋琢磨し、時に協業することでイノベーションを起こして欲しい--そんな塚本さんの思いが詰まったサイトfestivo。会員のみが利用できるSNSでは、データベースを利用した各種マッチングや企業・経営に関する情報の配信に加え、契約書やビジネス文書のテンプレートのダウンロードも可能です。

festivoに登録するだけで、人脈形成や情報収集にかかる時間と多大なコストの大幅な削減が期待できます。festivoは、全国に点在する質の高い起業家をつないだり相互交流や情報提供を促進したりするなど、多くの企業・経営者にイノベーションを起こすパワーを秘めているのです。

そのパワーは、優れたビジネスプランを持っていても起業のきっかけを得られないままあきらめかけていた若者や、「今すぐコレができる人材が必要だ!」という経営者の声に答え、未来創造の確かな力になるでしょう。

孤独な起業家を支援するfestivo

ほとんどの起業家は、売上や利益、従業員への責任などが頭から離れず、孤独を感じています。また、家に帰っても心から身体を休めることができません。

しかし起業家同士なら、お互い同じ立場にいる者同士だからこそ孤独感や日々の苦悩を分かり合えます。festivoが急成長を遂げた背景には、有益な情報交換とコラボレーションの促進だけでなく、孤独を感じていた起業家同士が繋がり、理解し合える場所になり得たことも大きな要因でしょう。

「ここが起業家の居場所であり、ステージであり、ホームである」--塚本さん自身が成功者として、また起業家として、その孤独と向き合ってきたからこそ、festivoはそんな場所になれたのです。

1+1=2以上になるという事実--アメリカでの実例

「健康食品の店を持つ」という夢の実現のため、奮闘する一人の若者がいました。市場調査で「彼が開店する店は地元に必要である」という結論が出たにもかかわらず、何カ月経っても融資の合意が得られません。

時を同じくして、地元でオンラインストアの開発・運営を手掛けている小さなインターネット企業がありました。その企業は、ウェブサイトを介してやってくる他州や海外からの需要が顧客の大半を占めていたため、地元での認知度の向上やローカルビジネス顧客の獲得に関してはさほど力を入れていません。

一見すると、両者がコラボする可能性は低そうです。

しかし、若者は店舗を構えるための資金繰りが遅れているため、オンラインストアとしてスタートすることを決意。インターネット企業へ相談に訪れるも、彼の予算ではオンラインストアを開店できないことが明らかに。そこで幾度かの話し合いを持ち、最終的には双方が歩み寄る形で業務提携が決まったのです。

インターネット企業は健康食品のオンラインストアを低予算で作る代わりに、オンラインストアのポートフォリオを組み、ローカルビジネスへの宣伝にも使用します。また、オンラインストアから上がってくるデータによって売れる商品やターゲットについての情報も提供してもらうことに。さらに、売上の一部を運営費としてもらう契約を結びました。まさにWin-Winの関係を構築できたと言えるでしょう。

このようなケースを簡単に促進する仕組みがあれば、若者は悩みをもっと早く解決することができたはずです。

進化し続けるfestivo

時代に求められていたサービスを提供し、2011年の創業から現在に至るまで多くのコラボレーションを実現してきたfestivoは、2014年より海外部門を設立。起業の本場アメリカで学ぶ学生向けのインターンプログラムFGC(festivo Global Challenge)のサービスを開始しました。

festivoの海外部門設立は、海外への事業展開をこれまでにくらべて容易にできる可能性を秘めています。コラボレーションに関わるすべての人々がその目的を明確にし、お互いを尊重し合うような環境で、今までも、これからも、塚本さんが牽引するfestivoは夢見る起業家たちを支えていくのです。

参考
目指すは若手起業家の生態系づくり 「festivo」代表 塚本貢也さんに聞く(齋藤玲奈)
http://itnp.net/story/442

SVS8_slide

festivo海外部門発足!~若者よ、外に飛び出せ!~
http://festivo.org/supporter/3001

新連携事業認定!
http://www.ascorbio.co.jp/shinrenkei/shinrenkei.html

How Two Small Businesses Can Work Together to Help Increase Profits for Everyone(By Robbi Gunter)
http://voices.yahoo.com/how-two-small-businesses-work-together-8047760.html?cat=3

The Importance of Collaboration in Today’s Workplace(By Kelly)
http://www.elcomcms.com/Resources/Elcom-Blog/Posts/The-Importance-of-Collaboration-in-Today-s-Workplace/blog.aspx


会社設立の手続き

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会社設立全知識

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