最終更新日:2026/3/18
株式会社設立の必要書類を画像付きで解説!法人登記に必要な事前準備とは?

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

この記事でわかること
- 株式会社設立の必要書類は12種類
- 定款認証と法人登記それぞれの必要書類
- 会社設立の必要書類の作成・取得にかかる費用
- 紙の書類とオンラインの書類のメリット・デメリット
会社設立の必要書類は、定款や印鑑証明書、設立登記申請書などの12種類になるのが一般的です(代理人に手続きを頼まない場合、委任状が不要で11種類となります)。これらの書類に加えて、株主や役員になる人の実印や法人印(会社の印鑑)も必要になります。
会社設立の必要書類
※それぞれの書類の入手方法や提出先がサクッとわかるオリジナル資料を無料ダウンロード!準備作業の効率化にお役立てください!
>>株式会社設立の必要書類【チェックリスト】(Wordファイル 21KB)
一覧で見てみると簡単に準備できそうですが、たとえば「定款の作成には専門知識が必要なこと」「設立時の人数によって印鑑証明書や就任承諾書の枚数が変わること」など、会社設立の必要書類には一筋縄ではいかないポイントも多くあります。
また、上記の書類はすべて同時に提出するわけではなく、会社設立の流れに沿って準備することが必要です。
設立手続きの大きな山場は「定款認証」と「法人登記」で、手続きをスムーズに完了させるには、どのタイミングでどの書類を提出するのかを正しく把握しておかなければなりません。

会社設立の必要書類には、発行の際に手数料がかかるものもあります。ただ、すべて合わせても数千円程度で、自分で用意するハードルはそこまで高くありません。もちろん、書類の準備や設立手続きは、司法書士などに代行を頼むことも可能です。
会社設立を円滑に行うには、必要書類をひと通り把握しておくことが重要になります。印鑑証明書と住民票を間違えたり、期限切れの証明書を提出したり、書類の準備でつまずくケースは代行を頼む場合でもよくあります。
ここで解説する必要書類のポイントを押さえて、無駄のない会社設立を実現しましょう。なお、この記事は「株式会社」の必要書類を整理したものです。合同会社については以下の記事をご参照ください。


目次
【一覧表】株式会社設立の12種の必要書類
まずは、株式会社の設立に必要な書類をざっくり一覧でご提示します。下表は、全12種類の必要書類とその概要、取得方法、提出先をまとめたものです。あらかじめ大枠を確認したうえで、以降の設立手続きの話や各書類の詳細の話に進んでください。
| 必要書類 | 概要 | 作り方 取得方法 |
提出先 |
|---|---|---|---|
| 定款 | 商号(会社名)や事業目的など、会社の根本規則をまとめた書類。定款認証でも法人登記でも提出が必要 | 日本公証人連合会「定款等記載例」などを参考に作成。収入印紙代4万円がかかる(電子定款の場合は0円) | 公証役場 & 法務局 |
| 印鑑証明書(印鑑登録証明書) | 押された印鑑が実印であることを証明する書類。有効期限は発行から3カ月以内。定款認証では発起人全員分の提出が必要。法人登記では取締役会の有無により提出すべき者が変わる | 住民登録地の役所やコンビニ交付サービスで取得。1通あたり300円ほど(地域によって異なる) | |
| 実質的支配者となるべき者の申告書・身分証のコピー | 経営を実質的に支配できる人が暴力団などの反社会的組織と無関係であることを申告する書類。写真付き身分証明書のコピーとあわせて定款認証の際に提出が必要 | 日本公証人連合会「定款認証」にあるフォーマットを利用して作成 | 公証役場 |
| 株式会社設立登記申請書 | 商号や本店所在地、資本金の額などを記入する申請書。法人登記の際に提出が必要 | 法務局「商業・法人登記の申請書様式」からテンプレートをダウンロードして作成。収入印紙貼付台紙には最低15万円分の収入印紙を貼る | 法務局 |
| 収入印紙貼付台紙 | 登録免許税を納めるときに使用する台紙。登録免許税は収入印紙で納付するため、税額に応じた収入印紙を貼り付ける台紙が必要になる | ||
| 発起人決定書(発起人の同意書) | 本店所在地や設立時役員、資本金の額などに対する発起人の同意を証明する書類。定款に記載がある場合は不要 | ||
| 就任承諾書 | 代表取締役や取締役、監査役などに就任したことへの承諾を証明する書類 | ||
| 払込証明書(払込みを証する書面) | 出資金の全額が所定の口座に払い込まれていることを証明する書類。通帳のコピーを添付する必要がある | ||
| 登記すべき事項(登記すべき事項を記録した別紙または電磁的記録媒体) | 商号や本店、公告の方法などの「登記すべき事項」をまとめた資料。書面のほかCD-Rなどの電磁的記録媒体でも提出できる | ||
| 印鑑届書 | 会社の実印となる印鑑を法務局に登録するための書類。必須の書類ではないが、一般的には法人登記の際に登記申請書類とあわせて提出する | 法務局「印鑑証明書等の交付請求書の様式」からテンプレートをダウンロードして作成。もちろん事前に会社の印鑑を作成する必要があり、印鑑作成費の相場は1万円前後 | |
| 印鑑カード交付申請書 | 印鑑カードを発行するための必要書類。交付された印鑑カードは、会社実印の印鑑証明書を取得するときに提示する | ||
| 委任状 | 代理人が手続きをする場合に必要な書類 | 定款認証の委任状は日本公証人連合会「委任状の記載例」から、法人登記の委任状は法務局「商業・法人登記の申請書様式」からテンプレートをダウンロードして作成 | 定款認証の委任状は公証役場、法人登記の委任状は法務局 |
株式会社の登記書類については、弊社オリジナルのテンプレート一式も用意しています。以下のファイルをダウンロードして、ぜひご活用ください。
弊社資料:必要書類テンプレート一式(zipファイル 639KB)
株式会社を立ち上げる大まかな流れは5ステップ
株式会社を設立する流れは、下図の5ステップに分けられます。会社設立で必要なものは書類だけでなく、ステップ2の「会社の印鑑」も重要です。印鑑(法人印)の作成は、専門の業者に依頼します。

「3.定款の作成・認証」と「5.設立登記(法人登記)の申請」は、どちらも公的機関とやり取りをする会社設立の大きな山場です。
定款認証は、公証人と呼ばれる法律のエキスパートに定款の正当性を認めてもらう手続きのことで、公証役場という役所で行われます。一方、法人登記は、会社の基本情報を法務局に登録する手続きのことで、この登記により会社設立が完了します。
各ステップの必要書類は下図のとおりです。以下では、それぞれの必要書類を画像付きで詳しく解説します。

定款認証の必要書類は公証役場に提出
会社名や事業目的などの会社概要を決めて法人印を作ったら、定款の作成・認証を行います。

定款認証の書類の提出先は「公証役場」です。公証役場は全国に約300カ所あり、具体的な提出先は会社の所在地によります。窓口対応時間はおおむね平日の9時から17時(役所ごとに異なる)で、認証には事前予約が必要です。
後述の電子定款を利用するとテレビ電話(Web会議)によるオンライン認証も可能ですが、電子署名や専用システムの準備が必要になる点には注意しましょう。
定款認証の必要書類は、次の4点です。
定款認証の必要書類
- 定款
- 印鑑証明書
- 実質的支配者となるべき者の申告書・身分証のコピー
- 委任状 ※代理人が手続きする場合
定款

定款(ていかん)とは、会社名や事業目的、取締役の任期など、会社の根本規則をまとめた書類のことです。
定款には、記入しないと定款自体が無効になる「絶対的記載事項」や、書かなければ効力を持たない「相対的記載事項」、その他の「任意的記載事項」を記載します。下表は、定款の記載事項の一例です。
| 絶対的記載事項 | 相対的記載事項 | 任意的記載事項 |
|---|---|---|
| ・商号(会社名) ・事業目的 ・本店所在地 ・設立時の出資額またはその最低額 ・発起人の氏名と住所 |
・株式の譲渡制限 ・現物出資する財産 ・株主名簿管理人 ・取締役の任期 ・取締役会の設置 など |
・事業年度 ・公告の方法 ・株券の再発行 ・定時株主総会の招集時期 ・取締役の員数 など |
定款は、日本公証人連合会の「定款等記載例」や弊社の定款自動作成システムなどを活用すれば自分で作ることができます。最近は生成AIの発展も目覚ましく、あくまで原案としてですが、以下のようにAIで定款を作ることも可能です。
事前に検討した会社概要を以下のようにAIに指示出しすると、定款の原稿や、定款の完成に向けて必要な情報を出力してもらえます。「# 依頼」の冒頭と「# 相談情報」を自分用に書き換えて、ぜひお試しください。
詳細【タップで開く】
▼プロンプト(AIへの指示文)の例
あなたは会社設立支援に特化した行政書士兼司法書士(ダブルライセンス)です。設立実務に日本一詳しいあなたは、相談者の相談内容をもとに設立登記までの必要書類を迅速かつ適法に作成します。
# 依頼
古民家カフェを経営したい人からの定款作成の依頼です。以下の「# 相談情報」をもとに、会社法や商業登記規則に則した「株式会社の定款」の原稿を作成してください。作成にあたっては、添付資料「定款テンプレート(株式会社)」の活用をお願いします。会社設立支援のプロフェッショナルとして「# 出力形式」と「# ルール」に従って回答してください。
# 相談情報
・商号:株式会社京町屋まっちゃとモダン
・事業目的:
古民家を利用した喫茶店及び飲食店の経営
菓子類、パン類、惣菜の製造、販売及び輸出入
健康食品及び美容関連商品の企画、販売、輸出入
食器、調理器具、雑貨、工芸品の企画、製造、販売及び輸出入
飲食店の経営に関するコンサルティング業務
料理教室、セミナー、イベント等の企画及び運営
不動産の賃貸、管理、及び古民家再生事業
上記各号に附帯関連する一切の事業
・本店所在地:京都市中京区 三条通周辺
・出資者と資本金:設立太郎による現金300万円
・発行可能株式総数:100株
・設立時発行株式数:100株
・事業年度:4月1日~翌3月31日
・発起人:設立 太郎(1名)
# 出力形式
「定款の原稿」「絶対に落とせない記載事項のチェック」「不足情報の確認」を大見出しとして回答してください。
「定款の原稿」では、添付資料「定款テンプレート(株式会社)」を参考にしてまとめてください。
「絶対に落とせない記載事項のチェック」では、定款の絶対的記載事項について、記述の有無の確認並びに法務上の適正性の判断(◯/△/✕)及びその改善策(△/✕の場合)をまとめてください。
「不足情報の確認」では、定款を完成させるために足りないポイントを章ごとに整理してください。何を決めればいいかわかるよう、質問形式でまとめてください。
# ルール
– 必ず満たすべき条件(法律上の要件や手続き上の要件など)に言及するときは、根拠/出典(可能なら一次情報)を必ず添付すること
– 根拠/出典の記載は「定款の原稿」には含めないこと
– 情報が不足している箇所は「〇〇」(伏せ字)の状態で原稿化し、詳細は「不足情報の確認」で整理すること
– 現在日付(YYYY-MM-DD JST)を必ず明記すること
参考資料:定款テンプレート【株式会社】(Wordファイル 69KB)
▼AI(ChatGPT 5.2 Thinking)の回答例
(参考テンプレート:sandbox:/mnt/data/定款テンプレート(株式会社).doc)
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定款の原稿
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定 款
株式会社京町屋まっちゃとモダン
第1章 総 則
(商 号)
第1条 当会社は、株式会社京町屋まっちゃとモダンと称する。
(目 的)
第2条 当会社は、次の事業を営むことを目的とする。
1.古民家を利用した喫茶店及び飲食店の経営
2.菓子類、パン類、惣菜の製造、販売及び輸出入
3.健康食品及び美容関連商品の企画、販売、輸出入
4.食器、調理器具、雑貨、工芸品の企画、製造、販売及び輸出入
5.飲食店の経営に関するコンサルティング業務
6.料理教室、セミナー、イベント等の企画及び運営
7.不動産の賃貸、管理、及び古民家再生事業
8.前各号に附帯関連する一切の事業
(本店の所在地)
第3条 当会社は、本店を京都府京都市中京区〇〇に置く。
(公告の方法)
第4条 当会社の公告は、官報に掲載する方法により行う。
第2章 株 式
(発行可能株式総数)
第5条 当会社の発行可能株式総数は、100株とする。
(株式の譲渡制限)
第6条 当会社の株式を譲渡により取得するには、株主総会の承認を要する。
(相続人等に対する売渡しの請求)
第7条 当会社は、相続その他の一般承継により当会社の株式を取得した者に対し、当該株式を当会社に売り渡すことを請求することができる。
(自己株式の取得)
第8条 当会社は、株主総会の決議によって特定の株主から合意によりその有する株式の全部又は一部を取得することができる。
2.前項の場合には、会社法第160条第2項及び第3項の規定は適用しない。
(株主名簿記載事項の記載の請求)
第9条 当会社の株式の取得者が株主の氏名等株主名簿記載事項を株主名簿に記載又は記録することを請求するには、当会社所定の書式による請求書にその取得した株式の株主として株主名簿に記載若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と株式の取得者が署名又は記名押印し、共同してしなければならない。但し、法務省令で定める場合は、株式取得者が単独で上記請求をすることができる。
(質権の登録及び信託財産の表示)
第10条 当会社の株式について質権の登録又は信託財産の表示を請求するには、当会社所定の書式による請求書に当事者が署名又は記名押印し、これを当会社に提出しなければならない。その登録又は表示の変更、抹消についても同様とする。
(基準日)
第11条 当会社は、毎事業年度末日の最終の株主名簿に記載又は記録された議決権を有する株主をもって、その事業年度に関する定時株主総会において権利を行使することができる株主とする。
(株主の住所等の届出)
第12条 株主及び登録株式質権者又はその法定代理人若しくは代表者は、当会社所定の書式により、その氏名又は名称、住所及び印鑑を当会社に届け出なければならない。これらを変更した場合も同様とする。
2.当会社に提出する書類には、前項により届け出た印鑑を用いなければならない。
第3章 株主総会
(招 集)
第13条 定時株主総会は、毎事業年度末日の翌日から3か月以内に招集し、臨時株主総会は、必要がある場合に随時招集する。
2.株主総会を招集するには、会社法第298条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めた場合を除き、会日より1週間前までに、議決権を行使することができる株主に対して招集通知を発するものとする。
(招集権者及び議長)
第14条 株主総会は、法令に別段の定めがある場合を除き、代表取締役がこれを招集する。代表取締役に事故若しくは支障があるときは、あらかじめ代表取締役が定めた順位により他の取締役がこれを招集する。
2.株主総会の議長は、代表取締役がこれにあたる。代表取締役に事故若しくは支障があるときは、あらかじめ代表取締役が定めた順位により他の取締役が議長となる。
(招集手続の省略)
第15条 株主総会は、その総会において議決権を行使することができる株主全員の同意があるときは、会社法第298条第1項第3号又は第4号に掲げる事項を定めた場合を除き、招集手続を経ずに開催することができる。
(決議の方法)
第16条 株主総会の決議は、法令又は定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
2.会社法第309条第2項の定めによる決議は、定款に別段の定めがある場合を除き、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の3分の2以上をもって行う。
(書面による決議)
第17条 株主総会の決議の目的たる事項について、取締役又は株主から提案があった場合において、その事項につき議決権を行使することができるすべての株主が、書面によってその提案に同意したときは、その提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。
(議事録)
第18条 株主総会における議事の経過の要領及びその結果並びにその他法令に定める事項は、議事録に記載又は記録し、議長及び出席した取締役がこれに署名若しくは記名押印又は電子署名をする。
第4章 取締役
(取締役の員数)
第19条 当会社には、取締役1名以上を置く。
(取締役の選任)
第20条 取締役は、株主総会の決議によって選任する。
2.取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の過半数を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う。
3.取締役の選任決議は、累積投票によらない。
(取締役の任期)
第21条 取締役の任期は、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までとする。
2.補欠として又は増員により選任された取締役の任期は、前任取締役又は他の在任取締役の任期の満了すべき時までとする。
(代表取締役及び社長)
第22条 当会社の取締役が2名以上ある場合は、株主総会の決議により代表取締役1名以上を選定することができる。
2.取締役が1名の場合は、当該取締役を代表取締役とする。
3.代表取締役を社長とする。
(報酬等)
第23条 取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として当会社から受ける財産上の利益については、株主総会の決議によって定める。
第5章 計 算
(事業年度)
第24条 当会社の事業年度は、毎年4月1日から翌年3月31日までの年1期とする。
(剰余金の配当)
第25条 剰余金の配当は、毎事業年度末日現在の最終の株主名簿に記載若しくは記録された株主又は登録株式質権者に対して行う。
(配当の除斥期間)
第26条 剰余金の配当が、支払提供の日から満3年を経過しても受領されないときは、当会社はその支払の義務を免れる。
2.未払いの配当には利息をつけない。
第6章 附 則
(設立に際して発行する株式)
第27条 当会社の設立に際して発行する株式の総数は100株とし、その引受価額は1株につき金3万円とする。
(設立に際して出資される財産の価額)
第28条 当会社の設立に際して出資される財産の価額は金300万円とする。
(会社成立後の資本金の額)
第29条 当会社の成立後の資本金の額は、次のとおりとする。
資本金の額 金300万円
(最初の事業年度)
第30条 当会社の最初の事業年度は、当会社成立の日から令和〇年3月31日までとする。
(設立時取締役及び設立時代表取締役)
第31条 当会社の設立時取締役及び設立時代表取締役は、次のとおりとする。
設立時取締役 設立 太郎
設立時代表取締役 設立 太郎
(発起人の氏名、住所、割当てを受ける株式数及びその払込金額)
第32条 発起人の氏名、住所、発起人が割当てを受ける株式数及び払込金額は、次のとおりである。
発起人住所 京都府京都市〇〇 設立 太郎 100株 金300万円
(定款に定めのない事項)
第33条 本定款に定めのない事項は、すべて会社法その他の法令の定めるところによる。
令和〇年〇月〇日
発起人 設立 太郎
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絶対に落とせない記載事項のチェック
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判定基準:◯(OK)/△(要補正・要具体化)/✕(不足・不適法のおそれ)
1. 目的(会社法 第27条)
・定款記載:第2条(1〜8号)
・判定:◯
・コメント:事業内容が具体的で、登記実務上も一般的な書きぶりです。
根拠:会社法 第27条(定款の絶対的記載事項)
一次情報:e-Gov法令(会社法)PDF [https://laws.e-gov.go.jp/data/Act/417AC0000000086/618544_1/417AC0000000086_20240522_506AC0000000032_h1.pdf]
補助:日本公証人連合会(定款の絶対的記載事項の整理)[https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow09_4/9_4_q09]
2. 商号(会社法 第27条)
・定款記載:第1条
・判定:◯
・コメント:「株式会社」を含む商号として明確です。実際の登記では同一商号・類似商号等の調査(同一住所での同一商号など)を別途行うのが安全です。
根拠:同上(会社法 第27条)
一次情報:上記e-Gov PDF
3. 本店の所在地(会社法 第27条)
・定款記載:第3条(京都府京都市中京区〇〇)
・判定:△
・改善策:定款上は「市区町村まで」でも作れますが、設立登記の「本店所在地」は最終的に番地等まで確定が必要です。今回は相談情報が「三条通周辺」なので、登記に使う正式住所(住居表示/地番・家屋番号)を確定してください。
根拠:会社法 第27条(本店所在地は絶対的記載事項)
一次情報:上記e-Gov PDF
補助:日本公証人連合会(定款Q&A)[https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow09_4/9_4_q09]
4. 設立に際して出資される財産の価額又は最低額(会社法 第27条)
・定款記載:第28条(金300万円)
・判定:◯
・コメント:現金出資300万円として整合しています。
根拠:会社法 第27条
一次情報:上記e-Gov PDF
補助:日本公証人連合会(定款Q&A)[https://www.koshonin.gr.jp/notary/ow09_4/9_4_q09]
5. 発起人の氏名又は名称及び住所(会社法 第27条)
・定款記載:第32条(設立 太郎/住所は〇〇)
・判定:△
・改善策:発起人の「住所」は定款の絶対的記載事項です。住民票どおりの表記(都道府県から、建物名・号室まで)に確定してください。
根拠:会社法 第27条
一次情報:上記e-Gov PDF
6. 定款の効力発生要件(公証人の認証)
・定款記載:原稿自体はOK(※手続要件)
・判定:◯(手続上は必須)
・コメント:株式会社の定款は、公証人の認証を受けないと効力が生じません。
根拠:会社法 第30条(定款の認証)
一次情報:e-Gov法令(会社法)PDF(上記と同一PDF内に第30条あり)[https://laws.e-gov.go.jp/data/Act/417AC0000000086/618544_1/417AC0000000086_20240522_506AC0000000032_h1.pdf]
7. (登記実務上ほぼ必須)設立時発行株式数・引受価額・資本金整合
・定款記載:第27条(100株×3万円)、第28条(300万円)、第29条(資本金300万円)
・判定:◯
・コメント:相談情報(資本金300万円/設立時発行株式100株)と計算が一致しています。
8. 取締役任期10年の適法性
・定款記載:第21条(10年)+第6条(譲渡制限)
・判定:◯(非公開会社前提で適合)
・コメント:取締役任期を最長10年に伸長できるのは「公開会社でない株式会社」等が前提です。株式譲渡制限を全株式に付している設計なので、整合しています。
根拠:会社法 第332条(取締役の任期、非公開会社の伸長特則)
一次情報:e-Gov法令(会社法)PDF [https://laws.e-gov.go.jp/data/Act/417AC0000000086/618544_1/417AC0000000086_20240522_506AC0000000032_h1.pdf]
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不足情報の確認
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第1章(総則)
1. 本店所在地(登記で使う住所)をどの表記で確定しますか?
・住居表示(〇〇町〇番〇号/〇〇ビル〇階〇号室)ですか、地番(〇番地〇/家屋番号)ですか。
2. 公告方法は「官報」で確定でよいですか?
・将来、電子公告にしたい/公告自体ほぼ出さない想定、など希望はありますか。
第2章(株式)
3. 発行可能株式総数は「100株」のままでよいですか?
・将来の増資・共同創業者の参加・ストック付与の可能性があるなら、余裕枠を持たせますか。
4. 相続人等への売渡請求(第7条)・自己株取得(第8条)を残しますか?
・「1人会社で当面不要なので削る」「将来の紛争予防で残す」どちらの方針ですか。
第3章(株主総会)
5. 招集通知の方法はどうしますか?
・書面郵送のみ/メール等の電子的方法も想定/実務はみなし決議中心、など運用希望はありますか。
第4章(取締役)
6. 役員構成は当面「取締役1名(設立 太郎)」で確定ですか?
・将来、共同経営者を取締役に入れる想定はありますか。
7. 代表取締役・社長の呼称は「設立 太郎」で確定ですか?
・肩書を「代表取締役」だけにする/「社長」を使う、など希望はありますか。
第5章(計算)
8. 最初の事業年度の末日は「令和〇年3月31日」でよいですか?
・会社成立日が4月1日に近い場合は1期を丸々1年にする/節目を調整する、など希望はありますか。
第6章(附則)
9. 定款作成日(令和〇年〇月〇日)と会社成立予定日(登記申請日)はいつにしますか?
・「いつ設立したことにしたいか(設立日=登記申請日)」の希望日を決められますか。
10. 発起人(設立 太郎)の住所を、住民票どおりに確定できますか?
・建物名・部屋番号まで含める必要があります。
11. 印鑑・電子定款の方針はどうしますか?
・紙定款(押印・印紙)にしますか、電子定款(印紙不要)にしますか。
AIの回答は必ずしも正しいとは限りません。AIはあくまで効率化のための利用にとどめ、最終判断では専門家の確認をとることを強く推奨します。
作成する定款の数は3部です。1部は公証役場への提出用で、2部は「認証済みの定款」として会社保存用(原本)と法人登記用(謄本)になります。
公証役場に提出する定款には4万円分の収入印紙(税金や手数料などの徴収のために政府が発行する切手のような紙片)を貼らなければなりません。よって定款の作成費用は4万円といえます。
ただ、最近では電子定款(PDF化したデータとしての定款)の作成を選ぶ人も増えており、この場合だと収入印紙代4万円は不要です。
印鑑証明書

印鑑証明書とは、記載された印影の印鑑が市町村役場に登録した実印であることを証明する書類です。「印鑑登録証明書」とも呼ばれます。定款認証の前に「法人印の作成」というステップがありましたが、ここでいう「印鑑証明書」は個人実印の印鑑証明書です。
定款認証では、発起人の印鑑証明書が必要になります。発起人とは、会社設立の企画や手続きを中心となって行う人のことです。発起人が複数名いる場合は、全員分の印鑑証明書を用意する必要があります。
印鑑証明書は、印鑑登録を行なった役所の窓口で取得できます。マイナンバーカードを持っていれば「コンビニ交付」というサービスで発行することも可能です。発行には手数料がかかり、その額は地域によって異なります。基本的に1通300円ほどで、コンビニ交付のほうが安いです。
参考:コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付【コンビニ交付】 | ホーム
注意点として、印鑑証明書には「発行から3カ月以内」という有効期限があります。また、特に若い人に多いのが、印鑑証明書と間違えて住民票を持参するケースです。会社設立で必要なのは「発行から3カ月以内」の「印鑑証明書」であることには注意しましょう。
実質的支配者となるべき者の申告書・身分証のコピー

実質的支配者となるべき者の申告書とは、経営を実質的に支配できる人が暴力団などの反社会的組織と無関係であることを申告する書類です。
ここでいう「経営を実質的に支配できる人」は、主に株式の保有割合で決定されます。たとえば設立する会社の50%を超える株式を持つ個人は、実質的支配者の代表例です。
定款認証の手続きには、あらかじめ定款の原案を公証人に送って確認してもらうプロセスがあります。実質的支配者となるべき者の申告書は、その事前確認のタイミングで提出するものです。
なお、申告書には、実質的支配者の写真付き身分証明書のコピーを添付する必要があります。書類作成の際には、日本公証人連合会が提供しているフォーマットを利用しましょう。
委任状※代理人が認証手続きをする場合

発起人が複数名いる場合は、全員で定款認証にのぞむのが原則です。とはいえ、全員の予定を合わせて認証手続きを受けるのが難しいこともあるでしょう。そのような場合に必要な書類が、代表者1人を代理人と定める委任状です。
委任状についても、日本公証人連合会が記載例を公開しています。
もちろん、発起人1名にすべての発起人を代表してもらう場合だけでなく、行政書士や司法書士に認証手続きを代行してもらう場合にも委任状が必要です。
委任状には、委任する相手や発起人の住所、氏名などを記入し、押印します。認証手続きを代理人に委任する場合でも、発起人全員分の印鑑証明書の取得はマストです。
なお、委任状は法人登記の必要書類にも含まれています。同じ「委任状」ですが、登記書類としての委任状は別途作成が必要です。これについては「委任状※代理人が登記申請をする場合」をご確認ください。
法人登記の必要書類は法務局に提出
定款の作成を終えたら、発起人の口座に出資金(資本金)を払い込みます。払込みが完了したら、いよいよ最終ステップの法人登記です。

登記書類の提出先は、会社所在地を管轄する「法務局」です。管轄は法務局のWebサイトで確認できます。窓口対応時間は平日の9時から17時で、申請書の提出(窓口持参または郵送)に予約は不要です。
参考:管轄のご案内|法務局
法務省の「登記・供託オンライン申請システム」を使えばオンラインで登記申請することもできます。電子証明書や専用ソフトの準備は必要ですが、平日に法務局へ出向く時間が取りにくい人にはおすすめです。
法人登記の必要書類は次のとおりで、定款認証の場合よりも格段に多くなります。以下、それぞれの書類について詳しく見ていきましょう。
法人登記の必要書類
- 株式会社設立登記申請書
- 収入印紙貼付台紙
- 認証済みの定款
- 払込証明書(払込みを証する書面)
- 発起人決定書(発起人の同意書)
- 就任承諾書
- 印鑑証明書
- 委任状 ※代理人が手続きする場合
- 印鑑届書
- 印鑑カード交付申請書
- 登記すべき事項を記録した別紙または電磁的記録媒体
株式会社設立登記申請書

株式会社設立登記申請書(以下、登記申請書)には、商号や資本金の額、添付書類の一覧などをまとめます。終盤には代表取締役の住所や氏名を記載し、法人印の押印も必要です。
一連の添付書類とあわせて綴じる際には、後述する収入印紙貼付台紙を含めて、ページの継ぎ目にも法人印を押します(契印)。
登記申請書の書き方については、法務局が公開している記載例などを参考にするとよいです。以下の記事でも詳しく解説しているのでご参照ください。
収入印紙貼付台紙

収入印紙貼付台紙は、登録免許税を納めるときに使用する台紙です。登録免許税は、会社情報の登録料のようなもので、株式会社の場合だと最低15万円を支払います。
登録免許税の納付は収入印紙で行うため、事前に購入した印紙を貼り付けるための用紙が必要になるわけです。
収入印紙は、台紙を用意せずに登記申請書の余白に貼ることもできます。ただ、万が一登記申請をやり直すことになったら貼り直しが困難なため、台紙を1ページ分作成しておくほうが安心でしょう。
登記申請書類としては2番目の登場ですが、収入印紙を貼って完成させるのは最後の仕上げにとっておくのがおすすめです。
認証済みの定款
登記申請では「認証済みの定款」を添付します。添付する定款は1部です。
定款認証が無事に終わると、認証がなされた旨や公証人の氏名などが付記された定款が2部返却されます。そのうち1部を、登記申請書の添付書類として法務局に提出するイメージです。
払込証明書(払込みを証する書面)

払込証明書は、出資金(資本金)の全額が所定の銀行口座に払い込まれたことを証明する書類です。登記申請の段階では法人口座は作れないため、出資金は発起人の個人口座に払い込む必要があります。
また、払込証明書には通帳のコピーの添付も必要です。
紙の通帳であれば、通帳の表紙、表紙の裏面(銀行名や口座番号などの記載面)、払込みが確認できる振込明細のページを添付します(下図参照)。ネットバンクの場合、これらの必要情報がわかるスクリーンショットのコピーで対応可能です。


代表税理士
森 健太郎
入金が記帳されたページに出資者の名前が表示されていなくてもよいかというご質問をよく頂きます。これについても特に問題はありません。表示されているとベターですが、なくても申請は通ります。
なお、現物出資(自動車やPCなど、現金以外の“物”による出資)がある場合、払込証明書に加えて「調査報告書」「財産引継書」「資本金の額の計上に関する証明書」が必要です。
これらの書類には、出資した物の価格の相当性、現物出資がなされた旨、現金出資と合わせた資本金額などが明記されます。
発起人決定書(発起人の同意書)

発起人決定書は、会社設立時の役員や本店所在地(会社の住所)、資本金の額などについて発起人が決定した旨を証明する書類です。発起人が複数名いる場合は「発起人会議事録」とも呼ばれます。
発起人決定書が必要になるのは、定款で定めていない重要事項がある場合です。たいていは本店所在地の決定を証明するために作成します。
定款に記載する本店所在地は、最小行政区画(東京23区および全国の市町村)までにとどめるのが一般的です。これにより、会社の移転があっても定款変更の手間を最小限にできます。
ただ、登記申請では、地番までを含めた正確な本店所在地を登記しなければなりません。よって、会社の住所が確定していることを証明する必要があるわけです。
就任承諾書

就任承諾書は、役員就任に対する承諾を証明する書類です。
ここでの役員は、会社法で定められた設立時の役員を指します。設立時(代表)取締役や設立時監査役などがその例で、これらの役員は会社から業務を委任される立場にあります。設立後に役員として経営に関わる人は、就任承諾書への記名・押印がマストです。
(設立時役員等の選任)
第三十八条 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役(株式会社の設立に際して取締役となる者をいう。以下同じ。)を選任しなければならない。
すべての役員の承諾が必要な就任承諾書ですが、それぞれ個別に書類を作成する必要はありません。たとえば、設立時取締役と設立時代表取締役の就任承諾を1枚の承諾書で済ませたり、複数名の承諾をまとめて記載したりすることも可能です(下図参照)。

印鑑証明書
定款認証と同様、法人登記でも印鑑証明書の提出が必要です。
取締役会を設置しない会社の場合、すべての設立時役員の印鑑証明書を添付します。有効期限が3カ月という点も、定款認証の場合と同様です。
取締役会を設置する会社の場合、印鑑証明書は代表取締役の分だけで問題ありません。

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森 健太郎
発起人と取締役が同じ人の場合、印鑑証明書は、定款認証用と法人登記用で1人あたり2通取っておくのが一般的です。ただ、公証役場でも法務局でも原本還付という手続きが可能で、最悪1通しかなくても会社設立はできます。
委任状※代理人が登記申請をする場合

法人登記でも、他者に手続きを委任することができます。なかでも司法書士は登記の専門家で、登記申請の手続きを司法書士に丸投げする起業家は多いです。
法人登記の委任状は、他の登記申請書類と同様、法務局のテンプレートから確認できます。
参考:1設立|株式会社設立登記申請書(取締役会を設置しない会社の発起設立)|法務局
会社設立時の委任状については、定款認証の場合もあわせて以下の記事で解説しています。適宜ご参照ください。
印鑑届書

印鑑届書は、会社の印鑑を実印登録するための書類です。この届出により、会社実印の印鑑証明書を発行できるようになります。
印鑑届書は法人登記でマストの書類ではありませんが、まとめて提出するのが一般的です。登記書類と一緒に提出すると、印鑑届書の添付書類である個人の印鑑証明書を、登記申請書に添付したもので兼ねることができます。
印鑑届書のフォーマットや記載例は法務局が公開しているため、作成の際はそちらをご参照ください。

代表税理士
森 健太郎
記入にあたっては、「会社法人等番号」は空欄でもよいこと、委任状欄の下の「市区町村長作成の印鑑証明書は、登記申請書に添付のものを援用する。」にチェックを入れることの2点を押さえておくとよいです。
印鑑カード交付申請書

印鑑カードとは、法人の印鑑証明書を発行するときに提示が必要なカードのことです。この印鑑カードを取得するため、印鑑届書とあわせて印鑑カード交付申請書を提出します。印鑑カードの交付には特に手数料はかかりません。
登記すべき事項を記録した別紙または電磁的記録媒体

登記申請では、商号や目的、役員に関する事項など、登記すべき事項を列挙した記録物を提出しなければなりません。これがいわゆる「登記すべき事項」です。
登記すべき事項は、登記申請書に直接記載してもよいのですが、あまりに項目が多いため、基本的に別紙または電磁的記録媒体(CD-RやDVD-R)にまとめます。
別紙やCD-Rを用意した場合、登記申請書にある「登記すべき事項」欄には「別紙のとおり」や「別添CD-Rのとおり」と記載するだけです。電磁的記録媒体で「登記すべき事項」を提出する際には、文字コードやファイル形式などに注意して作成する必要があります。
参考:商業・法人登記申請における登記すべき事項を記録した電磁的記録媒体の提出について|法務省
必要書類の取得や作成にかかる費用
株式会社の設立費用は一般に24万円ほどですが、必要なものを集めたり作成したりするのにかかる費用は1万数千円にとどまります。そのうち1万円は法人印の作成費なので、設立手続き全体で考えると必要書類の取得にかかる費用は微々たるものです。
とはいえ、どの書類にいくらかかるかは気になるところでしょう。以下では、会社設立の必要書類を手数料の観点から簡単にまとめます。
なお、必要書類について考えるときに大事なのは、実は費用よりも「手間」です。自分ですべての書類を準備するのはかなり大変なので、書類作成などを専門家に丸投げする場合の費用もあわせて解説します。

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森 健太郎
あくまで肌感覚ですが、会社設立の書類作成は、専門家であれば1日、すべて自分でやるとなると3日はかかります。最近はクラウドツールでさらっと書類作成ができますが、法律が絡む専門性の高いものもあるので、正確性の確認は専門家にお願いするのがベストです。
自分ですべて準備するなら2,000~3,000円程度
会社設立の必要書類をすべて自分で準備するとしても、その費用は2,000~3,000円にとどまります。先述した12種類の必要書類の中だと、取得に費用がかかるのは印鑑証明書と定款の謄本(登記用の認証済み定款)のみです。
定款の謄本には約2,000円(250円×ページ数)、印鑑証明書には約300円(×必要枚数)の交付手数料がかかります。
定款の謄本は、定款認証の際に公証役場で交付してもらうものです。印鑑証明書の手数料は地域によって異なり、取得方法には役所への交付申請とコンビニ交付サービスの2種類があります。

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会社設立後に行う届出や法人口座の開設では「登記簿謄本(登記事項証明書)」という書類が必要になります。これは登記完了後に取得できるもので、定款の謄本とは別物です。登記簿謄本は、取得方法により1通490~600円かかります。
専門家に依頼するなら3万~12万円ほど
会社設立の必要書類を準備するにあたり、時間や手間をどれだけ軽減できるかは非常に重要です。必要書類の発行・作成にかかる金銭的な負担は小さいですが、すべての書類を不備なく自分でそろえるには、かなりの労力がかかります。
そんな書類作成や設立手続きを委任できる代表的な専門家が、司法書士と行政書士です。
司法書士は会社設立のほとんどの必要書類の作成・提出に対応しています(手数料の相場は8万~12万円)。一方、行政書士は定款の作成や認証手続きの代行が可能です(手数料の相場は3万~5万円)。
以下では、これらの専門家について簡単にご紹介します。
司法書士:8万~12万円で会社設立のほとんどの書類の作成・提出が可能
司法書士は、登記手続きのエキスパートです。法人登記を得意分野とする司法書士には、定款の作成・認証手続きや設立登記申請などを丸投げできます。
会社設立の主要な手続きをまとめて任せられるのが司法書士の大きな強みで、手数料の相場は8万~12万円ほどです。
参考:報酬に関するアンケート|日本司法書士会連合会(PDF)
行政書士:3万~5万円で定款の作成・認証手続きの代行が可能
行政書士は、官公署へ提出する書類作成の専門家です。会社設立を専門とする行政書士には、定款作成や許認可申請などを依頼できます。
許認可とは、国や自治体から事業実施を認めてもらう手続きのことです。飲食業や建設業などの特定の業種で必要になります。
行政書士に定款の作成・認証を頼む場合、手数料の相場は3万~5万円ほどです。許認可の申請も依頼すると別途手数料が発生し、たとえば建設業許可であれば安くても追加で10万円はかかります。
会社設立の必要書類の中でも特に重要な「定款」を作成できる行政書士ですが、最終ステップの登記手続きができるのは司法書士だけなので注意が必要です。
紙?オンライン?会社設立の必要書類の作成・提出方法
会社設立の必要書類は、紙でもオンラインでも作成・提出することができます。実際、これらの方法には一長一短があり、紙とオンラインのメリット・デメリットをまとめると下表のとおりです。ここでは、それぞれのポイントを解説します。
| メリット | デメリット | |
|---|---|---|
| 必要書類を紙で作成・提出する場合 | 情報が多く出回っていて自分で準備しやすい | 書類の作成や提出に手間と費用がかかる |
| 必要書類をオンラインで作成・提出する場合 | 公証役場や法務局に行かずに手続きを完了できる | 電子署名や申請専用のソフトウェアなどの準備が面倒 |
必要書類を紙で作成・提出するメリットとデメリット
会社設立の必要書類を紙で用意するメリットは、情報が多く出回っていて参考資料が多いという点です。反面、オンラインと比較すると書類の取得や作成、提出に手間や費用がかかるというデメリットがあります。
情報が多く出回っていて自分で準備しやすい
会社設立に必要な書類の情報は、インターネットや書籍などでリサーチすれば比較的簡単に取得できます。
Wordなどの文書作成ソフトに抵抗がなければ、一般公開されている記載例や雛形を参考に自分で作成、印刷、押印など、作業を進めることが可能です。
自分でコツコツ準備する余裕があれば、紙で書類を作ることに大きな支障はないでしょう。
書類の取得・作成・提出に手間と費用がかかる
紙での書類作成には情報量が多いという利点がありますが、アナログゆえの弱点も存在します。
紙での書類作成の弱点は、ズバリ手間と費用です。
必要書類を紙で作る場合、平日に公証役場や法務局に出向く必要があったり、定款の印紙代4万円の出費が発生したりします。急いで会社を作りたい人や最安で手続きを済ませたい人にはネックなポイントです。
必要書類をオンラインで作成・提出するメリットとデメリット
続いて、必要書類をオンラインで準備するメリット・デメリットを解説します。
近年、公的な手続きをリモートで行えるシステムが続々構築されており、会社設立に関わるすべての手続きをオンラインで完結させることも可能になりました。
ただ、いろいろと便利に見えるオンライン化のなかでも、簡単になる手続きと難解になる手続きが存在します。
公証役場や法務局に行かずに手続きを完了できる
会社設立の必要書類をオンラインで作成すれば、公的機関に直接出向くことなく手続きを完了させることができます。
たとえば、電子定款を作成した場合、公証役場に赴くことなくWeb会議で定款認証を行うことが可能です。もちろん法人登記も法務局に出向かずに申請することができます。
近場に公証役場や法務局がない人にとっては特に大きな利点です。
参考:スタートアップ支援のための、定款認証に関する新たな取組について|日本公証人連合会
電子署名や申請用ソフトウェアなどの準備が面倒
リモートで手続きが完了するのはオンラインの強みですが、書類の作り方や申請方法などはいまだ浸透していません。
電子署名のやり方だったり申請用ソフトの使い方だったり、自力でスムーズに準備するにはハードルが高い部分も多々あります。
オンラインのスピード感を存分に活かすには、オンライン申請に慣れている専門家の力を借りるのがベストです。
【よくある失敗】ミスが起こりやすい必要書類3選
ここでは、設立実績3万9,000社を超える弊社の専門家の視点で、会社設立の必要書類に関する「よくある失敗」をまとめます。
特にミスが起こりやすいのは、次の3つの書類です。それぞれのポイントを押さえ、想定外の手続きや書類の作り直しなどのないスムーズな会社設立を実現してください。
ミスが起こりやすい必要書類
- 定款:重要事項の確認ミスが将来に響く
- 印鑑証明書:有効期限や必要枚数に要注意
- 払込証明書:そもそも正しく払い込めているか
定款:重要事項の確認ミスが将来に響く
多くの重要事項が規定される定款は、作成にあたって特に慎重さが求められます。なかでも以下の3項目は、確認ミスがあると後々トラブルになりやすいポイントです。
| 注意すべき3項目 | よくある確認ミス | 起こり得る問題 |
|---|---|---|
| 商号 | 他社の商品・サービス名(登録商標)と被っていた | ・ネット検索で自社サイトが上位表示されない ・商標権侵害の訴訟リスク |
| 本店所在地 | 【自宅を本店にする場合】居住以外の用途で部屋を使用することが禁止されていた | ・家主に発覚して退去トラブルになる ・設立早々、会社の引っ越しが必要になる |
| 事業目的 | 【許認可事業※の場合】許認可を得るのに必要な特定の文言を記載していなかった | ・許認可を受けられず事業開始が大幅に遅延する ・放置した場合、刑事罰や業務停止命令の対象になる |
定款の内容は、あとから変更することも可能です。ただ、上表の記載事項について定款変更を行う場合、株主総会の特別決議や変更登記の手続きも必要になり、登録免許税(1件あたり3万円~)のコストもかかります。
設立直後の貴重な時間や労力、資金を無駄にしないためにも、定款の作成は将来を見据えて慎重に行いましょう。
印鑑証明書:有効期限や必要枚数に要注意
印鑑証明書は、有効期限や必要枚数の確認漏れによる失敗が目立つ書類です。
印鑑証明書には「発行から3カ月以内」という有効期限があります。うっかり期限切れのものを提出するミスや、期限ぎりぎりのものを用意してヒヤリとするケースがよくあるため注意しましょう。
また、枚数にも注意が必要です。基本的に、印鑑証明書は「定款認証用」と「法人登記用」に2通取得します(発起人と取締役が同一の場合)。特に発起人が複数名いる場合などは、認識漏れがないように必要枚数を周知したうえで準備することが大切です。
一応、1通しか取らなかった場合でも、原本還付という手続きをすれば登記まで完遂できます。とはいえ、想定外の工数が増えると、余計な不安や焦りが他のミスを誘発する事態にもなりかねません。備えあれば憂いなしです。
払込証明書:そもそも正しく払い込めているか
払込証明書は、添付書類(通帳のコピー)が必要なこともあり、何かと不備が生じやすい書類の1つです。
添付書類が形だけそろっていても、払込みの行為そのものにミスがあると書類の作り直しが必要になります。下表の3点は、必ず作成前に押さえておきましょう。
| 払込証明のよくあるミス | 正しい対応のポイント |
|---|---|
| 発起人以外の口座に振り込んでいる | 払込先は発起人の個人口座(新しく個人口座を作る必要はない) |
| 明細のページが振込履歴でなく残高 | 証明すべきは「いつ誰からいくら振り込まれたか」という入金の事実 |
| 紙の通帳とネットバンクのスクリーンショットが混ざっている | 添付書類は1つの口座の記録で統一することが必要 |
これらのミスがあると、払込みの事実を客観的に証明できていないと登記官に判断され、補正(書類の修正)を求められる可能性があります。補正の対応に手間や時間を取られないためにも、払込証明書の添付書類には細心の注意を払いましょう。
【FAQ】会社設立の必要書類に関するよくある質問
最後に、会社設立の必要書類についてよくある質問をご紹介します。本文の内容とかぶる部分もありますが、今回は特に重要なFAQを3点まとめました。以下、それぞれの質問に回答していきます。
会社設立の必要書類でよくある質問
会社設立の必要書類に住民票はないの?
会社設立の手続きに住民票は必要ありません。
土地の売買や相続などに関わる不動産登記の必要書類としては住民票の写しが定番ですが、法人登記では不要です(設立時監査役の本人確認書類として住民票記載事項証明書が使われることはあります)。
特に若い世代の方で住民票と印鑑証明書を間違える人は多いです。会社設立に際して自ら取得する必要があるのは、住民票ではなく「印鑑証明書」になります。発行から3カ月以内という期限にも注意して、必要な印鑑証明書を取得してください。
合同会社を作るときの必要書類は?
合同会社を作るときの必要書類は、以下のとおりです。合同会社の設立手続きでは定款認証が不要で、株式会社を作る場合よりも書類の数や準備の手間は少なくなります。
合同会社設立の登記申請書類
- 合同会社設立登記申請書
- 代表社員、本店所在地及び資本金決定書
- 代表社員の就任承諾書
- 払込証明書
- 印鑑届書
- 届出人の印鑑証明書
- 印鑑カード交付申請書
- 委任状 ※代理人が手続きする場合
合同会社の登記申請書類についても法務局のWebサイトにフォーマットや記載例があるため、適宜ご参照ください。
会社設立後にやるべき手続きや届出は?
会社設立後にやることとして重要なのは、法人口座の開設と公的機関への届出です。
会社設立後に必要な手続き
- 法人口座の開設
- 税務署への届出
- 都道府県税事務所への届出
- 市区町村役場への届出
- 年金事務所への届出
- 労働基準監督署への届出 ※従業員を雇う場合
- ハローワークへの届出 ※従業員を雇う場合
これらの手続きにはそれぞれ必要書類があり、さらに提出期限が設定されている場合もあります。会社設立の直後であっても準備すべき書類は多くあるため、あらかじめ確認しておくのが賢明です。
会社設立の必要書類に関する悩みは専門家にも相談しよう

会社設立の必要書類は、以下の12種類にまとめられます。これらの書類のほか、会社の印鑑も作成しなければなりません。必要書類などの作成にかかる費用は1万数千円にとどまりますが、司法書士や行政書士に代行してもらうと3万~12万円の追加費用が発生します。
会社設立の必要書類
- 定款
- 印鑑証明書
- 実質的支配者となるべき者の申告書・身分証のコピー
- 設立登記申請書
- 収入印紙貼付台紙
- 払込証明書
- 発起人決定書
- 就任承諾書
- 印鑑届書
- 印鑑カード交付申請書
- 登記すべき事項
- 委任状 ※代理人が手続きする場合
最近では、会社設立の必要書類をデータで作成し、申請手続きもオンラインで済ませられるようになっています。
とはいえ、電子署名や専用ソフトは一般人にとって馴染みが薄く、かえって書類作成がもたついてしまうケースも少なくありません。早めに必要書類を準備して会社設立を終えたいなら、専門家のサポートを受けるのも有効です。
ベンチャーサポート税理士法人では、会社設立に関する無料相談を実施しています。税理士だけでなく行政書士や司法書士、社労士も在籍しているためワンストップで相談が可能です。レスポンスの速さにも定評があるため、初めての方もお気軽にご相談ください。


















