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最終更新日:2026/5/28

定款の見本はこれ!テンプレート&失敗しない作り方

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

定款の見本はこれ!テンプレート&失敗しない作り方

この記事でわかること
  • 株式会社と合同会社の定款の見本
  • 定款の記載に関するルール
  • 定款を作るときのポイント

定款は、会社のルールブックとも呼ばれる重要文書で、会社を設立する際には必ず作成しなければなりません。会社の商号や目的、本店所在地などの基本情報を定める定款は、会社運営の土台となります。

定款は自分で作成できる書類ですが、初めて作る人にとっては「何を記載すればよいのか」「見本をそのまま使ってよいのか」「電子定款と紙定款のどちらを選ぶべきか」など、迷いやすい点も少なくありません。

この記事では、定款の見本やテンプレートをもとに、記載事項のルール、作成の流れ、失敗しないポイントを整理して解説します。

個人事業と法人の違い、会社設立の流れ、必要書類、費用など会社設立の全体像をわかりやすく解説!

定款の見本!ここから始めるテンプレート

定款を作成する際は、まずは全体のイメージが大切です。見本やテンプレートを参考にすると、全体像を把握しやすくなります。

株式会社の定款見本

株式会社の設立で作成する定款には、商号や目的、本店所在地などの絶対的記載事項に加え、株式の発行に関する取り決めや株主総会に関する規定が含まれます。

株式会社の定款には株式の発行に関する記載があるため、内容がやや複雑に感じられるかもしれません。

株式会社の定款見本については、無料でダウンロードできる弊社の定款テンプレート(株式会社)、もしくは日本公証人連合会の記載例が参考になります。

参考:定款等記載例|日本公証人連合会

合同会社の定款見本

合同会社の定款は、商号、目的、本店所在地のほか、社員の氏名や住所、全社員が有限責任社員である旨、社員の出資の目的とその価額または評価の基準などを記載します。

株式会社のように株式に関する条文がないため、全体としては比較的シンプルな構成になりやすいです。

弊社の定款テンプレート(合同会社)を参照すれば、自分の事業に合わせた定款作成のイメージがつかめるでしょう。合同会社の定款に特化した情報は、以下の記事もご確認ください。

あなたに最適な定款

定款はすべての会社にあるものですが、会社の業種や実態などに応じて内容は異なります。ここでは、4つの質問で、最適な定款がどのようなものか当たりをつけられるようサポートします。

下記の診断チャートで、自社に向いている定款の型を整理しましょう。そのうえで絶対的記載事項を当てはめていくと、定款を作りやすくなります。

4つの質問でわかる定款のイメージ

定款を作るときには、予定しているビジネスの形態と会社の実態を合わせることがポイントです。

Q1. 出資者は何人?
1人
必要最低限のシンプルな定款になることが多い。記載事項を絞ると、設立後の管理負担を抑えやすい。
複数人
役割分担を明記した定款にすることが重要。意思決定や持分のルールを定款で明確にしておく。
Q2. 将来、第三者からの出資を受ける予定はある?
はい
増資・出資の受け入れを見据えた定款設計が重要。株式や持分に関するルールをあらかじめ整えておくと安心できる。
いいえ
Q3. 役員変更登記の回数を減らしたい?
はい
任期を長めにした定款が向いている。非公開会社では取締役の任期を最長10年まで延長でき、登記の負担を抑えられる。
いいえ
任期を標準(2年)のままにした定款で問題なし。定期的に役員体制を見直したい場合などが該当する。
Q4. 取締役会を設置する予定はありますか?
はい
取締役会を設置する場合、取締役3名以上と監査役が必要。小規模な非公開会社では事務負担が大きくなるため、本当に必要かは慎重に検討すべき
いいえ
取締役会を置かないシンプルな設計の定款で問題なし。

定款の記載事項一覧

定款には、法律で定められた記載事項に関するルールがあります。必ず書かなければならない絶対的記載事項を筆頭に、相対的記載事項や任意的記載事項というものもあります。

絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、必ず定款に記載しなければならない項目です。このルールは会社法で定められたものであり、例外はありません。

会社法 第二十七条

第二十七条 株式会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五 発起人の氏名又は名称及び住所

引用:会社法 第二十七条|e-Gov 法令検索

絶対的記載事項の記載がない定款は、定款として成立しません。

絶対的記載事項である「目的」「商号」「本店所在地」「設立に際して出資される財産の価額又はその最低額」「発起人の氏名又は名称及び住所」は、会社の基本的な情報です。

こうした情報は、会社の存在を社会に明示し、健全な経営や安全な取引を支える基礎になります。

相対的記載事項

相対的記載事項は、書かなくても定款は成立します。ただ、定款に記載がなければ効力が生じないという事項です。

たとえば、取締役会に関する記載や、監査役や委員会の設置などです。相対的記載事項に関しては、可能な範囲で定款に記載しておくほうが設立後の会社運営がスムーズになります。

参考:会社法 第二十八条|e-Gov 法令検索

任意的記載事項

任意的記載事項は、記載の義務がなく、記載しないと効力が生じないわけでもありません。

任意的記載事項は「記載してもしなくても問題はないが、できるだけ最初からはっきりさせておきたい事項」です。事業年度や公告の方法などが任意的記載事項に該当します。

失敗を防ぐ定款の作り方

定款の作成には、失敗しやすいポイントが存在します。特に絶対的記載事項は必ず記載しなければならないため、記載漏れがないようにしなければなりません。

定款の内容はあとで変更できますが、できるだけ失敗しないように作るほうが将来の負担が軽くなるのも事実です。

発行可能株式総数

発行可能株式総数とは、株式会社が発行できる株式の総数です。

会社法では「発行可能株式総数の定めを設けなければならない」と規定されているため、株式会社の定款には必ずこの項目があります。

会社法 第三十七条

第三十七条 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。

引用:会社法 第三十七条|e-Gov 法令検索

役員の任期

会社の取締役は、株主総会で選任された会社の経営判断を行う上層部のことです。取締役には、定款で任期が設定されます。

任期の範囲は会社法で定められており、非公開会社の場合は最長で10年とされています。一般的には2年で、下限の定めはないため1年にすることも可能です。

取締役の任期を短くすると、短期間のうちに取締役が変更され、そのたびに定款変更と登記変更の手間がかかるというデメリットがあります。

反対に、会社を運営するなかで人間関係に問題が生じた場合に、短い期間で取締役人事をリセットできるというメリットがあります。

取締役の任期については、会社の実情を考慮して慎重に決定しましょう。

公告方法の選び方

公告方法とは、会社が法令に基づいて一定の事項を外部に知らせる方法のことです。

公告の方法には3種類あり、会社は定款でどの方法を採用するかを定めることになります。

公告の方法

  • 官報に掲載
  • 日刊新聞紙に掲載
  • 電子公告

公告の方法については、定款に記載して指定するのが一般的です。絶対的記載事項ではないため記載がなくても定款は成立しますが、公告の方法を定款に記載していない場合、自動的に「官報公告」となります。

参考:会社法 第九百三十九条|e-Gov 法令検索

事業目的の書き方

定款に記載する「事業目的」とは、会社が行う事業の内容のことです。簡単に言えば「何をして利益を出すのか」を記載します。

定款に記載する事業目的の数に上限はないため、たくさんの事業目的を定款で指定しても法的には問題はありません。

ただし、実際に行わない事業を指定しすぎると実務上のデメリットが発生する可能性があるため要注意です。

税理士 森健太郎
税理士 森健太郎からひと言
定款の事業目的の幅が広すぎると、銀行口座を開設するときや銀行融資を受けるときに、銀行側が難色を示すことがあります。事業目的が多すぎると「何のために使う口座なのか」「融資したお金を目的以外の事業に使われるのではないか」という疑念が生じるためです。

事業目的は、実際に行う事業をベースに指定するのが一般的です。

定款作成から認証までの流れ

株式会社の場合は、定款作成後に定款認証という手続きが必要です。定款認証は、作成した定款を公証人にチェックしてもらい、「問題なし」と公的なお墨付きをもらう手続きです。

電子定款の作り方

電子定款は、定款を電子データで作成(PDF化)して保管する方式です。紙定款と法的な意味合いや役割は同じですが、電子定款は設立時の費用を抑えられるため広く利用されています。

電子定款の作成の流れは、次の3ステップです。

電子定款の作成の流れ

  1. Wordなどで定款を作成する
  2. 文書をPDFファイルにする
  3. 電子証明書を発行する

電子定款は、定款のドキュメントをPDFに変換し、電子証明書を発行して定款のPDFファイルに貼付することで完成します。電子定款でも、株式会社であれば定款認証が必要です。

もちろん“電子”定款なので、印刷する必要はありません。

参考:定款認証に関する実態調査|法務省民事局(PDF)

紙定款の作り方

紙定款の場合も、絶対的記載事項などのルールは電子定款と同じです。紙定款を利用する場合は、定款をWordなどで作成して印刷します。

文章の作成はWordやGoogleドキュメントで問題ないですが、“紙”定款なので必ずプリントアウトします。

プリントアウトした定款の左側2カ所をホチキスで留めて、各ページの見開きのところに契印を押してください。

実際に多い定款の記載ミス

定款を自分で作成する際によくある記載ミスがあります。ミスが出やすいポイントを解説するので、事前にチェックしてください。

事業目的が適切ではない

会社の事業目的は必ず記載しなければならない絶対的記載事項です。

会社がどのようなビジネスをして利益を出すのかを定款に記載することで「どんな目的で作られた会社なのか」がはっきりします。

会社は定款の事業目的の範囲内で契約をしてビジネスを展開します。

事業目的については「できるだけたくさん指定したほうがいい」と言われることもありました。事業目的の数には上限がなく、あとで定款変更をする手間を考えて「想定できるすべてを書いたほうがいい」という考え方だったのです。

しかし最近では、事業目的については「実際は展開するものを記載するほうがいい」という言説が増えています。定款は何度でも変更でき、何より事業目的が増えすぎると何の会社なのかわかりにくくなってしまうからです。

取締役の任期が短く登記コストが増える

取締役をはじめとする役員の任期については、法律で定められている範囲内であれば自由に定められます。

非公開会社の場合は、定款で定めることで取締役の任期を最大10年まで延長できます。ただし、任期を短くしすぎると任期満了のたびに再任や重任、退任、新たな役員の登記といった手間が生じます。

登記の変更には、手数料もかかりコストが増えてしまうケースもあります。

参考:会社法 第三百三十二条|e-Gov 法令検索

定款作成のQ&A

Q:定款は自分で作成できますか?

A:定款は自分で作成できます。実際に、見本やテンプレートを参考にしながら自分で作る人もいます。ただし、法律の知識が必要になるため、専門家に確認してもらうほうが安心です。
Q:見本をそのまま使っても問題ありませんか?

A:見本やテンプレートをそのまま使うのはおすすめできません。会社ごとに、事業内容や出資者の構成、役員の体制、将来の資金調達の予定などは異なります。見本はあくまでたたき台として使い、自社の実態に合わせて修正が必要です。
Q:合同会社でも定款認証は必要ですか?

A:株式会社では必要な定款認証は、合同会社では不要です。ただ、合同会社でも定款の作成は必須です。
Q:電子定款と紙定款はどちらがよいですか?

A:設立時のコストを抑えたい場合や電子データで保管したいという場合は、電子定款が向いています。紙定款を選択すると定款認証の際に印紙代4万円がかかりますが、電子定款ではこの印紙代が不要です。
Q:定款はあとから変更できますか?

A:定款は、会社設立後に変更できます。事業目的の追加、役員の任期の見直し、公告の方法の変更などは、あとからの対応も可能です。

定款は見本を自社に合わせて編集して作成できる

定款は、見本やテンプレートを参考にしながら作成できます。見本を使うことで、必要な記載事項や全体の構成を把握しやすくなり、初めて定款を作成する場合でも作業を進めやすくなります。

ただし、定款はどの会社でも同じ内容になるわけではありません。見本をベースにして商号や目的、本店所在地といった基本事項に加え、役員の体制や任期、公告の方法、事業年度などは、自社に合わせて調整する必要があります。

また、株式会社では定款認証が必要です。記載漏れや表現の不備があると、手続きがスムーズに進まないこともあります。電子定款と紙定款のどちらを利用するかによっても準備の方法が変わるため、自分に合った進め方を選ぶことも大切です。

見本はあくまで定款のベースとして活用し、自社に合った内容に編集したうえで定款を作成しましょう。内容に迷う部分がある場合は、専門家に相談しながら進めましょう。

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会社設立の手続き

会社設立の手続きは、設立内容の決定から始まり、事業目的のチェック、定款認証、出資金の払い込み、法務局への登記申請を行います。株式会社の設立、合同会社の設立手続きの基本的な流れを知り、スムーズに手続を行えるようにしましょう。

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会社設立内容の決定

会社設立で決めるべき項目について見ていきます。ここで決める内容は定款を作成する際に必要な事柄です。それぞれの項目についての留意点を確認して、会社設立後に問題の起きない内容にしておきましょう。

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会社設立の費用

会社設立にかかる費用は株式会社か合同会社かといった会社の種類によって変わってきます。会社設立にかかる実費と専門家に依頼した場合の費用(報酬)について見ていきます。

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会社設立全知識

起業

起業する人たちの多くは、自分の起業に関して試行錯誤した上で、会社設立のスタート地点まで辿り着いています。起業するに際しての心構え、注意すべき点を確認していきます。

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会社設立全知識

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