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最終更新日:2026/5/15

起業が不安で踏み出せない人必見!不安の正体とは?安心して起業するポイントを解説

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

この記事でわかること
  • 起業が不安になる主な理由
  • 起業前の不安を減らす具体的な対処法
  • 起業前に確認したいチェックリスト

起業を考えるとき、大きな期待と可能性がある一方で、収入や生活面のさまざまな不安を感じることもあります。

収入が不安定にならないか、資金は足りるか、そもそも自分が起業して大丈夫なのかといった不安や、失敗した場合のリスクも気になることでしょう。また、設立や決算など手続き面でも、考えるべきことは多くあります。

ただし、起業を前に不安になること自体は悪いことではありません。不安を具体的に整理することで、起業前に必要な準備が見えやすくなるからです。

この記事では、起業の不安の正体や対処法、リスクを抑えて始める方法などを解説します。起業に不安を感じている人は、ぜひ参考にしてください。

個人事業と法人の違い、会社設立の流れ、必要書類、費用など会社設立の全体像をわかりやすく解説!

起業の不安を整理する方法とは?

起業の不安は、漠然としたまま抱えているとどう対処すればいいのかわかりにくいものです。まずは、不安の内容を分けて整理しましょう。

起業で不安になるのは当然

起業にあたって不安を感じるのは、ごく自然なことです。会社員として働いている場合、毎月の給与や社会保険、職場のしくみなどに守られています。それを失うことに不安があるのは当然です。

起業するということは、会社という組織から離れて、売上の確保や集客、経理、税金、顧客対応などを自分で考えるということです。今まで会社が担っていた役割を自分で管理する場面が増えるため、不安がないほうが珍しいともいえます。

大切なのは、不安があるから「向いていない証拠なんだ」「やめたほうがいいのでは」と決めつけないことです。不安を分解することで、今の自分に足りないものが見えてくるケースもあります。

副業からスタートする

起業が不安な場合は、いきなり会社を辞めて独立するのではなく、まずは副業から始める方法があります。

副業であれば、会社員としての収入を維持しながら、事業の可能性や自身の起業への適性を確認できます。ただし、副業が禁止されていないかは先にチェックしましょう。なお、副業の所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要です。

まずは、スタート時のリスクを最小化することがポイントになります。

起業の不安は主にこの8つ

起業前の不安は、人によって内容が異なります。ここでは、多くの人が抱えやすい不安を解説します。

収入への不安

起業の不安で特に多いのが収入への不安ではないでしょうか。

会社員であれば毎月決まった給与をもらって生活できますが、起業して売上がなければ収入がゼロになってしまうこともあります。

生活に直結する不安はリアリティーがあるため大きくなりやすいですが、不安を減らす方法もあります。

たとえば、会社で副業が禁止されていないのであれば、副業でどの程度の売上を上げられるか試してみるという方法もあります。

税理士 森健太郎

代表税理士
森 健太郎

副業の枠内でどの程度の売上を上げられるかを試す場合は、月10万円を1つの目安にするとよいでしょう。月10万円の売上を安定して出せるようになれば、集客方法や顧客の反応、作業量も見えてくるため、独立後の見通しを立てやすくなります。

資金面の不安

起業の際には資金が必要です。初期費用や運転資金が足りるのかという不安を抱える人も多くいます。

事業内容によっては、設備費、仕入費、広告費、Webサイト制作費などがかかって高額になることもあるでしょう。

資金面の不安を減らすには、必要な費用を具体的に書き出して可視化することが重要です。必要な資金を把握すれば、あとになって資金不足に気づくリスクを下げられます。

失敗することへの恐怖

起業するときに、失敗への恐怖を感じる人も少なくありません。「独立・起業して、失敗したらどうしよう」「かっこ悪いのではないか」「人生が終わってしまうのでは」という不安を抱えるケースです。

失敗するリスクはゼロではありませんが、仮に事業がうまくいかなかったとしても、自己破産や個人再生といった法的な再出発の手段はあります。

ただし、これらの手続きにはデメリットもあるため、詳しくは専門家に相談しましょう。計画的に堅実なビジネスをしていれば、大失敗のリスクは大きく減らせます。

集客の方法

起業しても「需要がなかったらどうしよう」「売れないかもしれない」という不安を抱えるケースもあります。

商品やサービスがあっても、顧客に知ってもらえなければ売上にはつながりません。そのため、集客方法に不安を感じる人も多くいます。

この場合は、誰に向けた商品やサービスなのかを明確にする必要があります。SNS、ブログ、広告、紹介、店舗集客など、事業に合った方法を考えましょう。

知識や経験の不足

起業前には、経理や税金、契約、マーケティングなど、知らないことが多く感じられることもあります。こうした知識不足や経験不足は不安の大きな原因になり得ます。

ただし、起業するからといってすべてを完璧に理解して始める必要はありません。必要に応じて専門家に相談する部分と、自分で対応する業務を分けることが大切です。

家族の理解が得られるか

家族がいる場合、起業への理解を得られるか不安に感じることもあるでしょう。収入が不安定になる可能性があるため、家族が起業に反対するケースもあります。

このような場合は、感情や理想で説得しようとせず、生活費、貯金、売上の見込み、撤退ラインなどを数字で説明しましょう。

失敗したときのことまで具体的に考えているという安心感があると、家族も理解を示しやすくなります。

1人でできるのか

起業するということは、営業、経理、顧客対応、商品管理などを自分で行うということでもあります。そのため、1人でどこまで続けられるのか不安に感じる人もいます。

しかし、何もかも1人でこなせる人はそう多くありません。すべてを1人で抱え込まないためには、外注や専門家への相談も選択肢に入れましょう。

自分には適性があるのか

起業前は、自分に向いているのか不安になることもあります。向いているのかという不安を自分で分解し、検証することが大切です。

適性は千差万別ですが、少なくとも勢いだけで起業せず一度立ち止まる慎重さがあるということは、プラスの要素といえます。

起業前によくある不安への具体的な対処法

起業前の不安への対処法のポイントは、具体性です。漠然とした「不安」を抱えたままにするのではなく、お金・家族・知識・相談先などに分けて具体的に整理して対処しましょう。

生活のための資金を確保

生活への不安を軽減するためには、起業前に生活のための資金を事業資金とは別に確保しておきましょう。

起業しても、すぐに安定した売上が出るとは限りません。生活費に余裕がない状態で起業するのはリスクであり、不安の原因になります。

起業後、ビジネスが安定しなくても生活できる資金があれば、精神的な余裕が生まれます。できれば、数カ月分の生活費を準備しておくと安心です。

起業資金と生活資金を分ける

起業資金と生活資金は、分けて管理するのが基本です。両者を同じ口座で管理すると、事業に使えるお金と生活に必要なお金がわかりにくくなり、不安にもつながります。

まずは、事業用の口座を用意し、売上や経費を分けて管理しましょう。生活費の口座は別に用意して、資金を可視化することが大切です。

撤退ラインを決めておく

起業前には、撤退ラインを決めておくことも重要です。起業するときに撤退を考えるのは決して後ろ向きなことではありません。明確な基準がないまま事業を続けると、資金や時間を使いすぎてしまう可能性があります。

たとえば、以下のように数字で基準を決めておきましょう。

撤退ラインの基準例

  • 6カ月続けても月10万円の売上に届かなければ見直す
  • 資金が~万円を下回ったら一度停止する
  • 赤字が~カ月続いたら事業内容を見直す

冷静に状況を判断するための基準として、撤退ラインを決めておくと安心度が高くなります。

家族に具体的な数字で説明する

家族がいる場合は起業への理解が必要です。起業前に具体的な数字で説明しましょう。起業への不安は、本人だけでなく家族も抱えるものです。

根拠もなく理想だけを掲げて「頑張る」「何とかする」といった説明だけでは、家族の不安は解消されにくいでしょう。特に以下のような項目については、具体的に説明するとよいです。

家族に数字で説明すべき事項の例

  • 毎月の生活費
  • 貯金額
  • 起業に必要な資金
  • 毎月の売上目標
  • これまでの実績
  • 撤退ライン
  • うまくいかなかった場合の対応
  • 働き方や生活のサイクル

具体的な数字を示すことで、家族も判断しやすくなります。家族の理解を得るには、感情ではなく計画を見せることが大切です。

どのような知識が必要かを整理する

起業前に、どのような知識が必要かを整理しましょう。必要な知識がわからないまま進めると、漠然とした不安が大きくなります。

起業に必要な知識は事業内容によって異なりますが、以下のものが一般的です。

起業で役立つ知識の例

  • 税金
  • 経理
  • 集客
  • 価格設定
  • 契約
  • 顧客対応
  • 商品やサービスの設計
  • 許認可の有無
  • 資金管理

これらすべてを最初から完璧に1人で抱え込む必要はありません。ただし、全体像は把握しておきましょう。その上で、自分で対処することと、専門家に相談することを分けるのがおすすめです。

相談相手を作っておく

起業前には、ビジネスに関して相談できる相手を作っておきましょう。起業すると重大な判断を自分で行う場面が増え、孤独に陥りやすくなります。

1人で抱え込んで考え続けていると、視野が狭くなったり、必要な確認を見落としたりすることがあります。不安も増幅しやすくなります。

相談先としては、税理士などの専門家や起業経験者があげられます。

起業が不安な人は「低リスクで始める」のがポイント

起業が不安なら、最初から大きなビジネスをする必要はありません。まずはスモールスタートをして、リスクを抑えることが大切です。

副業としてスタートする

低リスクで起業する方法として、副業でスタートしてみるという方法があります。会社員としての収入を維持しながら事業を試せるため、生活への影響を抑えやすいのがメリットです。

ただし、副業が禁止されていないかについては先にチェックしましょう。

固定費がかからない事業

起業初期は、固定費が少ない事業を選ぶのもポイントです。固定費が高いビジネスはハイリスクです。

たとえば、在庫を多く持たない事業、自宅で始められる事業、オンラインで提供できるサービスなどを検討してもよいでしょう。

会社を辞める前にするべきこと

会社を辞めて起業する場合は、事前準備が重要です。勢いだけで退職して起業すると、資金面や精神面で負担が大きくなる可能性があります。

生活費の確保

会社を辞める前に、当面の生活費を確保しましょう。退職後は給与がなくなるため、事業が安定するまでの生活資金が必要です。

家賃や食費だけでなく、住民税、健康保険料(国民健康保険)、国民年金保険料、通信費なども忘れずにチェックしてください。特に住民税は前年の所得に基づいて課税されるため、退職直後は金額が大きく感じることがあります。

売上目標

起業するときには、必ず月間の売上目標を決めておきましょう。目標がないまま始めると、事業が順調なのか暗礁に乗り上げているのかを判断しにくくなります。

最初は大きな目標でなくてもかまいません。月10万円、20万円といった形で段階的に設定するとよいでしょう。

売上だけでなく、利益がどのくらいあるのかも把握してください。

うまくいかなかった場合の撤退ラインの設定

起業するときには、期待に胸を膨らませているかもしれませんが、現実的な視点も大切です。うまくいかなかった場合の撤退方法も必ず考えておきましょう。

事業を一度止める、会社員に戻る、別の働き方に切り替えるなど、複数の選択肢を持っておくと安心です。

起業時に撤退を考えることは、後ろ向きなことではありません。リスク管理の面からも必ず想定しておきたいところです。

起業するべき人とまだ起業しないほうがいい人の違いは?

起業は、勢いやノリで始めればよいというものではありません。起業が進みやすい状態か、まだ準備が必要な状態かを見極めましょう。

起業が進みやすい人の特徴

起業が進みやすい人には以下のような特徴があります。

起業が進みやすい人の特徴

  • 不安があっても行動できる
  • 検証できる
  • 数字で考えられる

まず、起業が進みやすい人は、不安があっても計画的に行動できます。漠然と「怖い」「不安」と考えるのではなく、何が不安なのかを整理して、1つずつ対策を考えられます。

また、ビジネスについて検証できる人も起業に向いています。商品やサービスを試して、顧客の反応を確認しながら改善できます。

さらに、数字で考えられるということも重要です。売上、利益、固定費、生活費、広告費などを数字で確認できる人は現実的な判断ができるため、起業に向いています。

なお、起業に向いている人の特徴については以下の記事で詳しく解説しています。

まだ起業しないほうがいい人の特徴

まだ起業する段階ではない人の特徴としては、以下があげられます。

まだ起業段階でない人の特徴

  • 生活費や資金計画がない
  • 事業への熱意より「会社を辞めたい」が先行している
  • 資金がない
  • メンタルが安定していない

まず、生活費や資金計画がない場合は起業できる段階にありません。資金が足りない状態で起業すると生活ができなくなる可能性があり、早い段階で資金不足に陥る恐れがあります。

次に、事業への熱意より「会社を辞めたい」という気持ちが先行している場合も、起業は考え直したほうがよいかもしれません。退職したい気持ちだけで起業すると、その後に目標を見失いやすくなります。

また、メンタルが安定していない場合も起業については慎重に判断しましょう。起業すると、クレームや厳しい意見が自分に直接向けられるため、精神力が求められます。

起業する前に確認したいチェックリスト

起業するときには、お金や事業内容、集客方法の整理が大切です。確認したいことをチェックリストにして整理しておくと、やるべきことが可視化されるため起業への不安を減らしやすくなります。

起業を考えたときのチェックリスト

起業前には、以下の項目を確認しましょう。不安を解消するためにも、今何をするべきかを確認することは大切です。

起業前に要確認!チェックリスト
  • 生活費と起業資金を分けて準備している
  • 毎月の固定費と借入について把握している
  • 誰に何を売るのかが決まっている
  • 商品やサービスの需要を確認している
  • 競合の商品やサービスを調べている
  • 集客手段を決めている
  • 売上が少ない時期の対応を考えている

上記のチェックリストの項目を確認すると、起業前に不足している準備が見えやすくなります。足りない部分が見えれば、不安への対処もしやすくなります。

起業の不安に関するよくある質問

Q:起業が不安なのは向いていないからですか?

A:起業に不安を感じること自体は、向いていない証拠ではありません。
Q:起業前に一番多い不安は何ですか?

A:特に多いのは、収入への不安や失敗への不安でしょう。
Q:起業資金が少なくても始められますか?

A:事業の始め方によっては、資金が少なくても起業は可能です。
Q:会社を辞めてから起業するべきですか?

A:多くの場合、いきなり会社を辞めて起業するより、副業などで試験的に事業を始めるほうが安全です。
Q:起業に失敗するのが怖いときはどう考えればいいですか?

A:「失敗」を抽象的に考えるのではなく、何が起きたら失敗なのかを具体化して撤退ラインを考えてみましょう。
Q:起業したいのにアイデアが固まっていない場合はどうすればいいですか?

A:いきなり完成したビジネスモデルを作ろうとせず、まずは誰のどのような悩みを解決したいかを考えるのがおすすめです。
Q:起業が不安なら、副業から始めたほうがいいですか?

A:多くの人にとって、副業からスタートする方法はメリットがあります。
Q:家族に反対されている場合は起業しないほうがいいですか?

A:すぐに諦める必要はありませんが、感情や理想だけで押し切るのは避けたほうがよいでしょう。
Q:起業に向いている人にはどんな特徴がありますか?

A:たとえば不安を整理して客観的に対処できる人は、起業に向いているといえます。

起業の不安はどう折り合いをつけるかがポイント

起業するにあたって、生活や収入、失敗などを考えて不安を感じるのは自然なことです。不安がある場合は、まず何が不安なのかを具体的に整理することが大切です。

起業への不安を減らすには、スタートの仕方や、生活費と起業資金を分けて撤退ラインや売上目標を決めておくといった方法があります。漠然とした不安を抱えたままにするのではなく、冷静に対処しましょう。

また、税金や会社設立、資金計画に不安がある場合は、専門家に相談するのも有効です。不安を無視したり、なくそうとしたりするのではなく、自己分析をして準備を進めることが、低リスクで起業するためのポイントです。

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