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最終更新日:2026/7/9

古物商許可とは?必要になるケースから申請手順・費用・取得後の義務まで解説

本間 剛 (行政書士)
この記事の執筆者 行政書士 本間剛

ベンチャーサポート行政書士法人代表行政書士。
東京都行政書士会 中央支部所属(登録番号:07080055)
1980年生まれ、山形県出身。
都内にある行政書士法人での勤務経験を経て、2014年1月ベンチャーサポート行政書士法人を設立。

PROFILE:https://vs-group.jp/startup/profile_writing/#p-hon

古物商許可とは?必要になるケースから申請手順・費用・取得後の義務まで解説

近年はメルカリやフリマアプリでのせどり、中古品の買取販売など、中古品を扱うビジネスへの関心が高まっています。

副業として始めるケースも増えていますが、中古品を仕入れて販売する行為には法律上の規制があり、無許可のまま営業を続ければ刑事罰の対象となる可能性があります。

この記事では、中古品を取り扱うための「古物商許可」が必要かどうかの判断基準から、申請の手順と費用、取得後に求められる義務までを詳しく整理しています。
個人だけでなく、法人として取得する場合のポイントも含めて取り上げていますので、自身の状況に合わせてお読みください。

個人事業と法人の違い、会社設立の流れ、必要書類、費用など会社設立の全体像をわかりやすく解説!

目次

古物商許可とは:中古品の売買ビジネスに必要な許可制度

中古品を仕入れて販売するビジネスを行うには、事前に「古物商許可(こぶつしょうきょか)」を取得する必要があります。
メルカリやフリマアプリでの転売、せどり、リサイクルショップの開業など、販売チャネルや事業規模にかかわらず、中古品の売買を事業として行う場合に求められる許可です。

古物商許可は「古物商免許」や「古物商資格」と呼ばれることもありますが、法律上の正式名称は「許可」です。
また、許可を受けた証として交付される書面は「古物商許可証(こぶつしょうきょかしょう)」と呼ばれます。

古物商許可は盗品の流通を防ぐための制度

中古品の取引には、盗品が紛れ込むリスクがあります。
盗品を買い取ってしまうと、結果として犯罪者に利益を与え、次の犯罪を誘発する要因にもなりかねません。
こうした事態を防ぐために、中古品を事業として売買する者に対しては古物商許可の取得が義務づけられ、取引の記録や相手方の本人確認を求めるしくみが設けられています。

許可の申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会です。
実際の申請窓口は、管轄する警察署の生活安全課(防犯係)となります。

参考:古物商許可申請|警視庁

古物商許可なしで中古品を売買した場合の罰則

古物商許可を取得せずに中古品の売買ビジネスを行った場合、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となります。

古物営業法第三十一条第1号

第三十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
一 第三条の規定に違反して許可を受けないで第二条第二項第一号又は第二号に掲げる営業を営んだ者

引用:古物営業法第三十一条第1号|e-Gov法令検索

さらに、この規定により罰金以上の刑を受けた場合は、刑の執行が終わった日から起算して5年間は、新たに古物商許可を取得することができません。
つまり、一度処罰を受けると、少なくとも5年間は中古品の売買ビジネスを合法的に営めなくなります。

「まだ規模が小さいから大丈夫だろう」「ネット上の取引ならバレないだろう」と考えて無許可のまま営業を続けることは、事業そのものを失うリスクを抱えることになります。
これから中古品の売買を事業として始めるのであれば、営業を開始する前に必ず古物商許可を取得してください。

古物商許可が必要なケースと不要なケース

古物商許可が必要なケースと不要なケース

「自分が行おうとしている取引に古物商許可は必要なのか」は、中古品の売買を検討する方にとって最初に確認すべきポイントです。

結論としては、営利目的で中古品を仕入れて販売する場合は許可が必要ですが、自分で使っていた不用品を処分するだけであれば許可は不要です。

許可が必要になる取引の具体例

古物営業法第2条では、「古物」を「1度使用された物品、使用されない物品で使用のために取引されたもの、又はこれらの物品に幾分の手入れをしたもの」
と定義しています。

こうした古物の売買・交換を事業として行うことが「古物営業」にあたり、事前に許可を取得しなければなりません。

古物営業法第二条

第二条 この法律において「古物」とは、一度使用された物品(鑑賞的美術品及び商品券、乗車券、郵便切手その他政令で定めるこれらに類する証票その他の物を含み、大型機械類(船舶、航空機、工作機械その他これらに類する物をいう。)で政令で定めるものを除く。以下同じ。)若しくは使用されない物品で使用のために取引されたもの又はこれらの物品に幾分の手入れをしたものをいう。

引用:古物営業法第二条|e-Gov法令検索

具体的には、以下のような取引が該当します。

古物商許可が必要なケース

  • 中古品を仕入れて販売する(店舗販売・ネット販売を問わない)
  • 中古品を仕入れ、修理・クリーニング・加工をしたうえで販売する
  • 中古品を仕入れ、使える部品を取り出して販売する
  • 中古品の売買を仲介し、手数料を受け取る(委託販売)
  • 中古品を別の物品と交換する
  • 中古品を仕入れてレンタルする
  • 国内で仕入れた中古品を海外へ輸出して販売する
  • 店舗で購入した新品を未開封のまま転売する

ポイントとして、「利益が出たか」ではなく「転売する目的で仕入れたかどうか」が、許可が必要になるかの判断基準となります。
たとえ赤字であったり、副業や小規模な取引であっても、営利目的で継続的に行うのであれば許可が必要です。

行政書士 本間 剛

行政書士
本間 剛

限定品のスニーカーやゲーム機など、店舗で購入した新品を転売して利益を得る場合、「新品だから古物ではないのでは」と思われがちですが、古物営業法上は小売店から消費者の手に渡った時点で、新品・未開封であっても「古物」に該当します。

これを営利目的で継続的に仕入れて販売しているのであれば、法律上は古物商許可の対象となる行為に当たります。

許可が不要な取引の具体例

一方で、以下のようなケースでは古物商許可は不要です。

古物商許可が不要なケース

  • 自分で使っていた物を売る(不用品の処分)
  • 無償でもらった物を売る
  • 自分が販売した物を、その販売相手から買い戻す
  • 新品をメーカーや卸売業者から直接仕入れて販売する(消費者に一度も販売されていない流通段階の商品は古物に該当しない)

ただし、注意が必要なのは「自分で使っていた物を売る」の範囲です。
自己使用を名目としながらも、実際には転売目的で購入した商品を売却する行為は古物営業に該当します。

たとえば、フリマアプリやリサイクルショップで中古のブランドバッグを繰り返し購入し、そのつど別のサイトで転売して利益を得ているケースは、「自分で使っていた物を売っている」とは認められません。
購入時点で転売による利益を得る意図があったかどうかが判断基準となるため、「自分が一度買った物だから許可は不要」とは限らない点に注意してください。

メルカリなどフリマアプリでの転売に古物商許可は必要か

メルカリやヤフオクなどのフリマアプリを利用した取引でも、古物商許可が必要かどうかの判断基準は同じです。
自分の不用品を出品して処分するだけであれば許可は不要ですが、営利目的で中古品を仕入れて出品・販売する場合は許可が必要です。

たとえば、リサイクルショップやフリマアプリで仕入れた中古品を、別のフリマアプリで転売して利益を得る行為は古物営業に該当します。
「フリマアプリだから許可は不要」ということはなく、取引の場がネット上であっても古物営業法の規制は適用されます。

実際にメルカリでは2025年10月に利用規約が改定され、「メルカリが指定した法人以外の事業者はユーザー登録およびサービスの利用はできない」旨が新設されました。

この改定により、法人・個人事業主を問わず、事業として中古品の販売を行っている方は、メルカリの個人アカウントでの出品ができなくなりました。
事業者がメルカリ上で中古品販売を継続するには、古物商許可の取得が前提となる「メルカリShops」への移行が必要です。

古物商許可の申請に必要な費用

古物商許可の取得にかかる費用は、自分で申請する場合と行政書士に依頼する場合で大きく変わります。
ここでは、古物商許可取得にかかる費用の目安について詳しく解説します。

申請にかかる費用の内訳

古物商許可の申請にかかる主な費用は、以下のとおりです。

費用項目 金額の目安 備考
申請手数料 1万9,000円 都道府県の収入証紙で納付。不許可の場合も返金なし
住民票の写し(本籍記載) 約300円 市区町村の窓口またはコンビニ(マイナンバーカード利用)で取得
身分証明書 約300円 本籍地の市区町村で取得。現住所の役所では取得不可
URLの使用権限を疎明する資料 無料~数百円 ネット販売を行う場合のみ必要。プロバイダーの通知書やWHOIS情報など

書類の取得費用を合わせると、自分で申請する場合の総額はおおむね2万円程度となります。

なお、ここでいう身分証明書は運転免許証やマイナンバーカードとは異なり、本籍地の市区町村が発行する「破産者でないことなどを証明する書類」です。
本籍地と現住所が離れている場合は郵送での取得が必要となり、返送まで1週間程度かかることがあるため、早めに手配しておきましょう。

行政書士に申請を依頼する場合の費用相場

古物商許可の申請は自分で行うことも可能ですが、書類の準備や警察署とのやり取りに時間をかけられない場合は、行政書士に依頼するという選択肢もあります。

日本行政書士会連合会が公表している「令和7年度報酬額統計調査の結果」によると、古物商許可申請の行政書士報酬は4万〜6万円未満が全体の50.6%を占めており、半数以上の行政書士がこの価格帯で受任しています。

この報酬額に加えて前述の申請手数料(1万9,000円)と書類取得の実費がかかるため、総額としては6万〜8万円程度が目安です。

参考:報酬額の統計|日本行政書士会連合会

古物商許可を申請できる条件

古物商許可は、申請すれば誰でも取得できるわけではありません。
古物営業法第4条では、許可を与えてはならない者の条件(欠格事由)が定められており、いずれかに該当する場合は申請しても許可が下りません。

申請の手続きに入る前に、自分が以下の欠格事由に該当しないかを確認しておきましょう。

欠格事由 内容
破産者で復権を得ていない 破産手続開始の決定を受け、まだ復権していない人
一定の刑罰を受けてから5年を経過していない 拘禁刑以上の刑を受けた、または古物営業法違反・窃盗・背任・遺失物横領・盗品等有償譲受けの罪で罰金刑を受け、刑の執行終了から5年を経過していない人
暴力的な不法行為を行うおそれがある 集団的または常習的に暴力的不法行為などを行うおそれがあると認められる人
暴力団関係の命令・指示を受けてから3年を経過していない 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律に基づく命令・指示を受けた日から3年を経過していない人
住居が定まらない 住所または居所が定まっていない人
過去に古物商許可を取り消されてから5年を経過していない 古物営業の許可を取り消された日から5年を経過していない人
心身の故障がある 古物商の業務を適正に行うことができない心身の故障がある人(国家公安委員会規則で定めるもの)
未成年者 営業に関して成年者と同一の行為能力を有しない未成年者(古物商の相続人である場合を除く)
営業所の管理者を選任できない 営業所ごとに管理者1人を選任できると認められない場合
法人の役員に上記該当者がいる 法人で申請する場合、役員のうちに上記の欠格事由に該当する者がいる

参考:古物営業法第四条|e-Gov法令検索

古物商許可の申請手順(個人の場合)

古物商許可の申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する警察署です。

個人で申請する場合の手順は、大きく4つのステップに分かれます。

具体的な流れについて解説します。

Step1:管轄の警察署に事前相談する

最初に行うべきことは、管轄の警察署への事前相談です。
警察署内の「生活安全課(防犯係)」が古物商許可の担当窓口となります。

事前相談を強く推奨するのは、古物商許可の申請は管轄の警察署によって求められる書類や確認事項が異なるケースがあるためです。
たとえば、賃貸物件を営業所とする場合に追加の書類が必要かどうか、ネット販売で利用するプラットフォームのURL届出をどのように扱うかなどは、管轄によって判断が分かれることがあります。

事前相談の際には、以下の点を伝えると、必要な書類や注意点を具体的に教えてもらえます。

事前相談で伝えておきたいポイント

  • 個人として申請すること
  • 取り扱う予定の商品ジャンル
  • 営業所の場所(自宅か、別の場所か、賃貸かどうか)
  • インターネットを利用して販売するかどうか

担当者が不在の場合もあるため、電話で「古物商許可の申請について相談したい」と伝えて訪問日時を調整しておくとスムーズです。

Step2:必要書類を準備する

事前相談を行ったあとは、申請に必要になる書類の準備に取り掛かりましょう。
個人申請で必要な書類は、以下のとおりです。

書類 取得先 備考
古物商許可申請書 都道府県警のサイトからダウンロード、または警察署の窓口 「別記様式第1号」の所定の書式を使用
略歴書 同上 最近5年間の経歴を記載。申請者と管理者の分が必要
誓約書 同上 欠格事由に該当しないことを申告する書類。申請者と管理者の分が必要
住民票の写し 市区町村の窓口またはコンビニ(マイナンバーカード利用) 本籍地の記載があるもの。申請者と管理者の分が必要
身分証明書 本籍地の市区町村の窓口 破産者でないことなどを証明する書類。運転免許証などとは異なるため注意
URLの使用権限を疎明する資料 プロバイダー、ドメイン管理会社など ネット上で古物取引を行う場合のみ必要

参考:申請届出様式等一覧(古物商・古物市場主用)|警視庁

個人申請では、申請者本人が営業所の管理者を兼ねるケースがほとんどでしょう。
その場合、略歴書・誓約書・住民票・身分証明書はそれぞれ1通ずつで足ります。

書類の有効期限は、住民票・身分証明書ともに発行から3カ月以内です。
早く集めすぎると提出時に期限切れになることがあるため、事前相談で必要書類を確認してから取得に動くのがよいでしょう。

なお、古物商許可の申請書・略歴書・誓約書への押印は2020年12月の制度改正により不要となっています。
ただし、代理人が提出する場合の委任状など、一部の書類には引き続き押印が必要です。

Step3:警察署に申請書を提出し手数料を納付する

書類が揃ったら、管轄の警察署に持参して提出します。
提出時に持参するものは以下のとおりです。

  • 申請書類一式
  • 申請手数料1万9,000円(都道府県の収入証紙で納付)

収入証紙は警察署の窓口付近で購入できる場合が多いですが、取り扱いのない警察署もあるため、事前に確認しておきましょう。
書類に不備がなければその場で受理されます。

ただし、記入漏れや添付書類の不足がある場合は受理されず、修正のうえ再度持参する必要があるため、提出前に書類を一通り見直しておきましょう。

なお、申請者本人以外が書類を提出する場合は、委任状が必要になることがあります。

Step4:審査期間を経て許可証を受け取る

申請が受理されたのちに、公安委員会による審査が行われます。
標準処理期間は、土日祝日を除いておおむね40日です。

審査を通過すると、管轄の警察署から電話で連絡があります。
許可証は郵送での受け取りができないため、警察署へ直接出向いて受け取る必要があります。
受け取りの際は、身分証明書(運転免許証など)と印鑑を持参してください。

許可証の受け取りと合わせて、営業所に掲示する古物商プレートについての説明があります。
プレートの準備方法は警察署によって異なり、警察署側で用意してもらえる場合と自分で作成・購入する場合があるため、受け取り時に確認しましょう。

古物商プレートについては「古物商プレートの掲示と許可証番号の表示」で解説しています。

申請書の作成で迷いやすいポイント

古物商許可の申請書は、初めて目にする項目が多く、記入の段階で手が止まってしまうことも珍しくありません。
ここでは、申請書の書き方について判断に迷いやすいポイントに絞って補足します。

なお、警視庁が古物商許可の申請書の記載例を公開していますので、あわせてご確認ください。

参考:(記載例)許可を取得する|警視庁(PDF)

「行商をしようとする者であるかどうか」の選択

「行商をしようとする者であるかどうか」の選択

出張買取や催事販売など、営業所以外で古物の取引を行う予定がある場合は、申請書の「行商をしようとする者であるかどうか」で「する」を選択します。

あとから変更することも可能ですが、変更届が必要になるため、将来的に営業所以外で取引する可能性がある場合は「する」を選択しておきましょう。

取扱品目(13品目)の選び方

取扱品目(13品目)の選び方

申請書の1ページ目には「主として取り扱おうとする古物の区分」を1つだけ選ぶ欄があります。
ここで選んだ品目は、許可取得後に営業所に掲示する古物商プレートの表記に反映されます。

2ページ目には「取り扱う古物の区分」という、営業所で取り扱うすべての品目を選択する欄があり、こちらは複数選択が可能です。
「主として取り扱おうとする古物の区分」で選択した品目に加え、取り扱う予定のあるものを選択しましょう。

品目名 具体例
美術品類 絵画、書、彫刻、工芸品
衣類 洋服、着物、布団、帽子
時計・宝飾品類 時計、宝石、貴金属、眼鏡
自動車 自動車本体、タイヤ、カーナビなどの部品
自動二輪車および原動機付自転車 バイク本体、マフラーなどの部品
自転車類 自転車本体、かごなどの部品
写真機類 カメラ、レンズ、双眼鏡
事務機器類 パソコン、プリンター、コピー機
機械工具類 電話機、ゲーム機、工具
道具類 家具、楽器、CD・DVD、玩具、雑貨
皮革・ゴム製品類 バッグ、靴、財布
書籍 本、雑誌、マンガ
金券類 商品券、乗車券、郵便切手、株主優待券

家具、楽器、CD・DVD、玩具、スポーツ用品、ゲームソフトなど、ほかの12品目に当てはまらない幅広い物品が「道具類」に分類されます。
フリマアプリで雑貨全般を扱う場合は「道具類」を主たる品目とするのが一般的です。

これらの品目はあとから追加・変更することは可能ですが、変更届の提出が必要となり手間がかかります。
かといって念のために多数の品目にチェックを入れると、実態との乖離を指摘される可能性もあります。
実際に扱う予定のある品目に絞って選択しましょう。

ホームページ・ECサイトを利用する場合のURL届出

ホームページ・ECサイトを利用する場合のURL届出

ホームページやECサイト、ストアページなど、インターネット上で古物の取引を行うためのページを利用する場合は、URL届出の手続きが必要です。
別記様式第1号その4(第1条の3関係)の冒頭にある「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の閲覧に供する方法を用いるかどうかの別」という項目で、インターネット上で古物取引を行う場合は「1.用いる」を選択しましょう。

その下の「送信元識別符号」には、使用するサイトのURLを1マスに1文字ずつ記入します。
l(エル)と1(イチ)、O(オー)と0(ゼロ)など紛らわしい文字にはフリガナを振っておきましょう。

あわせて、そのURLの使用権限を証明する疎明資料の提出も必要です。

自社サイト(独自ドメイン)の場合はプロバイダーやドメイン管理会社からの通知書、メルカリShopsなどのプラットフォームの場合はストアページのURLと使用権限を示す画面キャプチャなどが該当します。
具体的にどの資料が求められるかは管轄の警察署によって異なるため、事前相談の際に確認してください。

まだ販売サイトが決まっていない場合は、「2.用いない」を選択して申請し、サイトが用意できた段階で変更届を提出することも可能です。

個人申請でつまずきやすい営業所の要件

古物商許可の申請には、営業所の登録が必要です。
ネットだけで完結するビジネスであっても、古物営業法上は営業所の届出が求められます。

個人申請の場合、多くの方が自宅を営業所として届け出ますが、賃貸物件に住んでいる場合やバーチャルオフィスを利用している場合は注意が必要です。

自宅(持ち家・賃貸)を営業所とする場合

自宅を営業所として古物商許可を申請すること自体は可能です。
持ち家・賃貸のいずれであっても、そこで実際に営業(在庫管理や取引の連絡対応など)を行う実態があれば、営業所として認められます。

持ち家(一戸建て)の場合は、特に追加の書類は不要で、スムーズに申請が可能です。
ただし分譲マンションなどは、管理規約で事業利用が制限されていることがあるため、管理組合への確認が必要になる場合があります。
管轄の警察署によっては管理組合からの使用承諾書の提出を求められるケースもあるため、事前相談の際に確認してください。

賃貸物件の場合は、使用承諾書の扱いに注意が必要です。
制度上、賃貸物件の使用承諾書は多くの都道府県で必須の添付書類ではなくなっています。
しかし、「使用承諾書の提出が不要」であることと「大家の承諾が不要」であることは別の問題です。

審査期間中には、警察が営業所の実態を確認するために現地を訪問したり、大家に問い合わせたりすることがありますが、その際に大家が「営業所としての利用は許可していない」と回答すれば、不許可となる可能性があります。
また、管轄の警察署によっては、引き続き使用承諾書の提出を求めるところもあります。

したがって、賃貸物件を営業所として申請する場合は、申請前の段階で大家や管理会社に古物営業の営業所として使用する旨を伝え、承諾を得ておくことをおすすめします。
書類として求められるかどうかにかかわらず、承諾を得ておけば審査中のトラブルを防げます。

バーチャルオフィスは営業所として認められない

自宅住所ではなくバーチャルオフィスの住所を利用したいと考える方もいますが、バーチャルオフィスは古物商許可の営業所としては認められません

古物商許可における営業所とは、古物の売買に関する業務を実際に行う場所を指します。
バーチャルオフィスは住所や電話番号の貸し出しを行うサービスであり、その場所で実際に営業活動が行われているわけではないため、営業所の要件を満たしません。

同様に、単なる私書箱やコワーキングスペースの共有アドレスなども、営業実態が認められないため営業所として届け出ることは困難です。

法人として古物商許可を取得する場合

ここまでは個人での申請を前提に手順を説明してきましたが、法人として中古品ビジネスを営む場合は、法人名義で古物商許可を取得する必要があります。

個人許可と法人許可で行える営業の内容に違いはありませんが、申請に必要な書類と手続きの負担は法人のほうが大きくなります。

法人申請で追加で必要な書類

法人申請の場合、以下の書類が必要になります。

追加書類 備考
法人の定款の写し 事業目的に古物営業に関する記載が必要
登記事項証明書(履歴事項全部証明書) 法務局で取得
役員全員分の住民票の写し(本籍記載) 監査役・非常勤役員を含む全員分
役員全員分の身分証明書 本籍地の市区町村で取得
役員全員分の略歴書 直近5年間の経歴を記載
役員全員分の誓約書 欠格事由に該当しないことを申告

個人申請との最大の違いは、役員全員分の書類が必要になる点です。
さらに営業所の管理者が役員以外の場合は、その管理者分の住民票・身分証明書・略歴書・誓約書も必要です。

また、法人申請では添付書類として登記事項証明書と定款が必要になるため、会社が設立されていない段階では古物商許可の申請ができません。
法人で中古品ビジネスを始める場合は、会社設立を行ったあとに古物商許可を申請するという順序で手続きを進める必要があります。

ただし、会社設立時の定款作成の段階で「古物営業法に基づく古物商」や「中古品の売買」といった文言が事業目的に含まれていないと、古物商許可の申請時に指摘を受ける可能性があるので注意しましょう。

個人許可から法人許可への切り替えはできない

古物商許可には、個人許可から法人許可への名義変更という手続きが存在しません。

古物営業法上、個人と法人は別の法的主体として扱われます。
たとえば株式会社の代表取締役が個人名義で古物商許可を持っていたとしても、その許可に基づいて会社が古物営業を行うことはできません。

それまで個人として古物商を行っていた人が法人化した場合、古物営業を行うためには改めて法人名義で許可を申請し直す必要があります。

法人化に伴う手続きの流れは、以下のとおりです。

古物商として個人から法人になる際の手続き

  • STEP1法人を設立し、定款の事業目的に古物営業に関する文言を記載する
  • STEP2法人名義で古物商許可を新規に申請する
  • STEP3法人の許可が下りたあと、個人名義の古物商許可証を返納する

法人としての古物商許可の審査にも土日祝を除いておおむね40日ほどかかるため、個人の許可を返納してから法人の許可が下りるまでの間に営業の空白期間が生じないよう、スケジュールを調整しましょう。

古物商許可を取得したあとに必要な対応

古物商許可は、取得すること自体がゴールではありません。
許可を受けた古物商には、古物営業法に基づくいくつかの義務が課されます。
また、事業を開始するにあたっては税務上の届出も必要です。

古物商プレートの掲示と許可証番号の表示

古物営業法第12条の規定により、古物商は営業所ごとに、公衆の見やすい場所に古物商プレート(標識)を掲示しなければなりません。

古物営業法第十二条第1項

第十二条 古物商又は古物市場主は、それぞれ営業所若しくは仮設店舗又は古物市場ごとに、公衆の見やすい場所に、国家公安委員会規則で定める様式の標識を掲示しなければならない。

引用:古物営業法第十二条第1項|e-Gov法令検索

プレートの様式は国家公安委員会規則で定められており、許可証を受け取る際に警察署から作成方法の案内があります。
警察署側でプレートを用意してくれる場合と、自分で作成・購入する場合があり、対応は管轄によって異なります。

インターネットを利用して古物の取引を行う場合は、プレートの掲示に加えて、サイト上に以下の3点を表示する義務があります。

  • 許可を受けた公安委員会の名称
  • 許可証の番号
  • 氏名または法人名称

個人で許可を受けた場合は、氏名に代えて営業所の名称のみを表示することは認められません。
フリマアプリやECサイトのプロフィール欄、特定商取引法に基づく表記のページなど、取引の相手方が確認できる場所に記載してください。

取引時の本人確認と古物台帳の記録義務

古物商が中古品を買い受ける際には、取引の相手方の住所・氏名・職業・年齢を確認する義務があります。
これは盗品の流通を防ぎ、万が一盗品が見つかった場合に警察が売主を追跡できるようにするための制度です。

参考:古物営業法第十五条|e-Gov法令検索

確認義務は、古物商同士の取引であっても免除されません。
また、インターネットを通じた非対面取引の場合は、法令で定められた特定の方法(書留郵便の送付や公的個人認証など)による確認が求められます。
「運転免許証のコピーを送ってもらう」だけでは古物営業法上の確認を行ったことにはならないため、注意が必要です。

買い受けた古物については、取引の年月日、品目・数量、特徴、相手方の情報などを古物台帳(帳簿)に記録し、最終の記載日から3年間保存する義務があります。
台帳は紙の帳簿のほか、エクセルや専用ソフトによる電子的な記録も認められています。

これらの確認義務・記録義務には、1回の取引の対価の総額が1万円未満の場合は原則として免除されるという規定があります。
ただし、以下の品目については盗品が出回りやすいことから、金額にかかわらず免除の対象外とされています。

  • 自動二輪車・原動機付自転車(部品を含む)
  • 家庭用ゲームソフト
  • CD・DVDなどの光学ディスク
  • 書籍
  • エアコンの室外機、電気温水機器のヒートポンプ、電線、金属製グレーチング

なお、「1万円未満」の基準は商品1点の単価ではなく、1回の取引における対価の総額で判断します。
たとえば1点3,000円の商品を4点まとめて買い取った場合、総額は1万2,000円となるため免除の対象にはなりません。

確認義務・記録義務に違反した場合は、6カ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金の対象となります。

古物商許可に関するよくある質問

ここでは古物商許可に関する、よくある質問についてまとめました。

その1:古物商許可の取得に行政書士への依頼は必要?

古物商許可は行政書士に依頼しなくても、自分で申請・取得することも可能です。

申請書の書式は各都道府県警のサイトからダウンロードでき、記載例も公開されています。
添付書類も住民票や身分証明書など、個人で取得できるものばかりのため、費用を抑えたい場合は自分で手続きを進めるのも合理的な選択です。

一方で、行政書士に依頼することで書類の作成・収集・警察署への提出を代行してもらえるため、手続きにかける時間を大幅に短縮できます。
法人申請で役員が多く書類の収集に手間がかかる場合や、管轄の警察署とのやり取りに時間を割けない場合は、依頼を検討してみましょう。

古物商などで会社設立を行う際に、行政書士に頼めることなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。

その2:開業届を出していないと古物商許可は取れない?

古物商許可の申請に、開業届の提出は必要ありません。

古物商許可の手続きは警察署(公安委員会)を通じて行うものであり、税務署への届出の有無は審査の対象に含まれていません。
開業届を出していない状態でも、古物商許可の申請・取得は可能です。

ただし、古物商許可を取得して中古品売買を事業として継続する場合は、税務上の届出を行っておくことをおすすめします。

個人事業主であれば、税務署に「開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)」とあわせて「所得税の青色申告承認申請書」を提出しておくと、確定申告の際に青色申告特別控除を受けられるようになり、所得税の負担を抑えやすくなります。

青色申告のメリットや申請書の書き方などについては、以下の記事で解説しています。

その3:古物商許可を取らずに中古品売買をしていたけど今からでも取るべき?

古物商許可を持たずに中古品の売買を事業として行っている状態は、3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金の対象となります。
「規模が小さいから」「これまでバレていないから」という理由で放置を続けるのは、リスクが大きくなる一方です。

古物商許可の申請時に、過去の取引履歴を申告する欄はありません。
欠格事由に該当しない限り、これから正しく申請すれば許可を取得することは可能です。

許可が下りるまでの審査期間は無許可営業を続けることはできませんが、早期に申請を行い、許可取得後に合法的な状態で事業を再開するのが最善の対応です。

その4:審査に落ちることはある?

欠格事由に該当しない限り、古物商許可の審査で不許可になることはまれです。

古物商許可は、飲食店の営業許可のように設備基準を満たす必要があるものではなく、申請者が欠格事由に当てはまらないことと、営業所としての実態が確認できることが主な審査のポイントです。
犯罪歴や破産歴がなく、営業所を適切に用意できている方であれば、基本的には許可が下ります。

ただし、書類の不備や記載内容の誤りによって申請が受理されない、あるいは差し戻しとなるケースもあります。
不許可ではなく「補正」を求められる形ですが、そのたびに警察署へ再度足を運ぶ必要があるため、提出前の書類確認は丁寧に行いましょう。

管轄の警察署に事前相談をして、書類に不備がないかチェックしてもらってから正式に提出するのが確実です。

この記事のまとめ:古物商許可について悩みがあれば専門家に相談しよう

古物商許可は、中古品の売買を事業として行うすべての方に必要な許可です。

メルカリでの転売やせどりといった小規模な取引であっても、営利目的で継続的に中古品を仕入れて販売する場合は対象となります。

許可の申請先は管轄の警察署で、申請手数料は1万9,000円、審査期間は土日祝日を除きおおむね40日です。

個人であれば必要書類も限られており、手続きの難易度自体は決して高くありません。

手順をひとつずつ進めていけば、行政書士に依頼せず自分で取得することも可能です。

ただし、実際に手続きを進めてみると、営業所の要件や品目の選び方、URL届出の扱いなど、判断が分かれるポイントが出てくることがあります。

また、法人として中古品ビジネスを始める場合は、会社設立の段階から定款の事業目的を意識しておく必要があり、古物商許可の申請と並行して税務届出なども進めなければなりません。

古物商許可の申請手続きや、許可取得後の開業届・確定申告の準備、将来的な法人化の検討など、判断に迷うことがあれば、早い段階で専門家に相談しておくと安心です。

ベンチャーサポートグループでは、行政書士による古物商許可の申請サポートから、税理士による開業届・確定申告の支援、司法書士による法人設立の手続きまで、ワンストップで対応しています。

古物商ビジネスの開始にあたってお悩みがあれば、まずはお気軽に無料相談をご利用ください。

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会社設立の手続き

会社設立の手続きは、設立内容の決定から始まり、事業目的のチェック、定款認証、出資金の払い込み、法務局への登記申請を行います。株式会社の設立、合同会社の設立手続きの基本的な流れを知り、スムーズに手続を行えるようにしましょう。

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会社設立内容の決定

会社設立で決めるべき項目について見ていきます。ここで決める内容は定款を作成する際に必要な事柄です。それぞれの項目についての留意点を確認して、会社設立後に問題の起きない内容にしておきましょう。

» 会社名 » 本店所在地 » 資本金 » 事業目的 » 事業年度 » 株主構成 » 役員構成 » 設立日ポイント

会社設立の費用

会社設立にかかる費用は株式会社か合同会社かといった会社の種類によって変わってきます。会社設立にかかる実費と専門家に依頼した場合の費用(報酬)について見ていきます。

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起業

起業する人たちの多くは、自分の起業に関して試行錯誤した上で、会社設立のスタート地点まで辿り着いています。起業するに際しての心構え、注意すべき点を確認していきます。

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会社設立全知識

会社設立時には設立後の資金調達や税金・会計のこと、許可申請や今後の事業展開を想定した対応も求められてきます。会社設立時には色々なことを検討していかなければなりませんが、事業展望を明確にしていくよい機会となります。確認すべき事項をみていきましょう。

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節税、確定申告、税務調査

本当に使える節税対策から自分でできる確定申告、税務調査までベンチャーサポートでは会社設立後も起業家のサポートを行っていきます。

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