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最終更新日:2026/5/19

定款変更とは?定款変更の方法と流れ・ルールを徹底解説!

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

定款変更とは?定款変更の方法と流れ・ルールを徹底解説!

この記事でわかること
  • 定款変更とは何か
  • 定款変更が必要になる場面
  • 定款変更と登記の関係
  • 定款変更の方法

会社設立時に必ず作成する定款は、会社の組織・運営の根本規則を定めたルールブックです。

「会社の憲法」とも呼ばれる定款ですが、経営方針の変更や事業拡大によって内容が現実と合わなくなることもあります。こうした場合に必要となるのが「定款変更」です。

株式会社が定款変更をするには、原則として株主総会の特別決議が必要です(合同会社など持分会社の定款変更では、原則として「総社員の同意」が必要です)。

変更内容によっては登記手続きも発生します。特に登記が必要な項目を変更した際には、法務局への申請期限も定められています。

この記事では、定款変更とは何か、変更に必要な手続きや効力発生日の考え方、登記との関係、専門家に依頼するメリットなどをわかりやすく解説します。

個人事業と法人の違い、会社設立の流れ、必要書類、費用など会社設立の全体像をわかりやすく解説!

定款変更とは?できること・必要になるケースをわかりやすく解説

定款変更とは、会社の定款に記載されたルールを、会社の実態に合わせて変更することです。定款は「会社のルールブック」ともいえる重要書類であり、会社の基本的な事項が定められています。

会社設立をする場合は、必ず定款を作成するのですが、この定款は会社の成長や実態に合わせて変えることができるのです。

定款変更に登記は必要?不要?ケース別に整理

定款変更は社内の手続きですが、すべてのケースで登記が必要になるわけではありません。

ここで大切なのは、定款変更という社内手続きと登記という法務局での公的手続きが別であるということです。

下表のとおり、何を変更したのかで登記の要否は変わります。

変更点 定款変更 登記
会社名(商号)の変更
事業目的
本店所在地
発行可能株式総数
株式発行の定め
取締役会・監査役会の設置もしくは廃止
株式の譲渡制限
資本金
役員(取締役、監査役等) の任期 ×
事業年度 ×
取締役の人数 ×
執行役員の選定 × ×
従業員の雇用 × ×

定款変更+登記が必要なケース

会社の最も基本的な事項である、商号、本店所在地、事業目的、発行可能株式総数、機関設計(例:取締役会の有無)などを変更した場合、登記が必要です。

そのため、社内手続である株主総会の可決を経たのちに法務局で変更登記まで行う必要があります。

定款変更だけで足りるケース

役員の任期や事業年度の変更などでは、登記は不要です。この場合、変更について株主総会で定款変更が可決されれば足ります。

ただし、社内の運用ルールが変わるため、関係する社内書類やスケジュールも合わせて更新しておくことが大切です。

定款とは会社の基本ルール

会社法では、複数の会社形態(株式会社・合同会社・合資会社・合名会社)が存在しています。どの形態であっても、会社設立時には定款を作成しなければなりません。

定款は、会社の目的や組織、株式のルールなどを定めた「会社の憲法」として位置づけられています。会社という法人の根本規則が、定款には記載されているのです。

そのため、必ず会社設立時に定款を作成して会社の枠組みを明確にし、その枠組みに沿って運営を行います。定款は、契約などを行うために法人が必ず作らなければならない基盤です。

定款変更が必要になる主なケース

定款は、会社設立時に作成しますが、実態に合わせて変更が必要になることがあります。変更が必要になる代表例は次のとおりです。

定款変更が必要なケースの一例

  • 新規事業のために事業目的を追加する
  • オフィス(本店)を移転する
  • 資金調達に向けて発行可能株式総数を増やす
  • 株式の譲渡制限を導入する
  • 取締役会を設置する

定款を変更しても登記が必要ないケースもあるため、定款変更をする場合は、登記が必要かどうかも必ずチェックしましょう。

定款は何度でも変更できる

定款は、会社の状況に合わせて何度でも変更できます。定款認証を受けている株式会社だけでなく、その他の形態の会社でも同様です。

ただし、定款は会社の根本規則であるため、株主総会の特別決議が必要です。

定款変更と登記の違い

定款変更とセットになることも多い登記ですが、両者はまったく違う手続きです。ここでは、定款変更と登記についてわかりやすく整理します。

定款変更は社内手続き

定款変更は、会社の内部ルールを変更する手続きです。株式会社であれば、株主総会の決議で定款を変更できます。

もちろん、株主や債権者などから要望があったら定款の内容は開示されますが、常に一般に公開されている登記簿とは異なります。

定款変更の手続きは、法律で定められているものの、あくまで会社の内部文書の変更手続きというわけです。

登記は法務局の手続き

登記は、定款変更の内容によって必要になることがある手続きです。

登記情報は誰でも閲覧できるため、取引先や金融機関は登記内容を前提に会社情報を確認します。

そのため、登記事項に変更が生じた場合、原則2週間以内に変更登記が必要となります。もし登記をせずに放置すると会社の代表者が100万円以下の過料の対象となる可能性があります。

参考:会社法 第九百七十六条 第一号|e-Gov 法令検索

定款変更は株主総会の特別決議で行う

定款変更は社内の手続きですが、変更手続きは会社法で定められています。

株式会社の場合、株主総会の特別決議が必要です。合同会社の場合はすべての社員(出資者)の同意が必要となります。

定款は会社の重要事項であるため、手続きや決議に関してはルールが厳格です。

株主総会の特別決議とは

株式会社において定款を変更するには株主総会の「特別決議」を行う必要があります。株主総会の特別決議は以下の条件で可決されます。

  • 全体の議決権の過半数を有する株主が出席
  • 出席した株主の議決権の3分の2以上の賛成

株主総会の特別決議で可決されれば、定款の内容を変更できます(合同会社の定款変更では「総社員の同意」が必要です)。

株主総会の決議には、普通決議という決議も存在します。定款変更は会社の「土台」に変更を加えるため、よりハードルが高い特別決議が必要です。

参考:会社法 第三百九条 第2項|e-Gov 法令検索

定款変更は自分でできる?手続きの注意点

定款変更は、正しい手順を踏めば自分で進めることもできます。

ただし、定款変更は「社内のルール変更で終わる場合」と「登記が必要になる場合」があるため、注意が必要です。特に登記が必要な変更のときは登記の期限もあるため、計画的に進めることが重要です。

自分で定款変更をする場合の注意点

以下、自分で定款変更をする場合の注意点をまとめました。場合によっては違法状態になるケースもあるため入念に確認しましょう。

登記には期限がある

定款変更にともなって登記が必要な場合は、原則として株主総会の特別決議から2週間以内に法務局へ変更登記を申請しなければなりません。

ただし、正当な理由なく登記を怠った場合は「登記懈怠(けたい)」という違法状態になります。登記懈怠になった場合は、代表者個人に対して最大で100万円以下の過料が言い渡されるケースもあります。

参考:会社法 第九百七十六条 一号|e-Gov 法令検索

公証役場での再認証は不要

株式会社の設立時には、作成した定款を公証役場で認証してもらう必要があります。

しかし、定款変更に際しては公証役場での認証は不要です。定款の変更内容は、株主総会の特別決議で可決されれば有効となります。

原始定款には書き込まない

自分で定款変更をするときの注意点の1つに「原始定款の取り扱い」があげられます。

よくある誤解として、定款変更を原始定款の変更と捉えてしまうケースがあります。これは間違いで、設立時に作成した原始定款に手を加えてはいけません。

定款は、変更前の内容も明確に残しながら上書きしていくもので、原始定款はそのまま保管しておく必要があります。原始定款と一緒に定款変更の決議をした「株主総会の議事録」を保存して上書きするのが基本です。

定款を変更するのだから今の定款を書き換えると誤解して、原始定款を書き換えてしまわないように注意してください。

定款と約款の違い

「定款」とよく混同される言葉に「約款」がありますが、両者はまったくの別物です。

定款は会社のルールブックであり、会社の根本規則を定めた文書です。一方、約款は特定の契約条項のことを意味します。どちらも関係者が守るべきルールですが、約款の場合は定款に必要な認証や登記などは行いません。

定款変更の手続きと流れ

定款変更は、基本的に「決議→議事録作成→現行の定款として保管」という流れで進めます。変更内容が登記事項にあたる場合は、この流れに加えて法務局での変更登記も必要です。

定款の変更箇所を明確にしたうえで株主総会の特別決議を行う必要があります。登記が必要かどうかを最初に確認してから、手続きを始めるといいでしょう。

株主総会の特別決議

株式会社の定款変更では、株主総会の特別決議が必要です。株主総会を開く前に「どの条文を、どの文言に変えるのか」を固めておきます。

準備段階では、次の点を整理しておくとスムーズです。

  • 変更する条文番号と変更内容(削除、追加、文言修正)
  • 変更後の条文(現行定款として反映させる部分)
  • 変更前の条文など(変更後とあわせて新旧対照表を作成する)

また、株主が複数いる会社の場合は、特別決議の成立要件を満たすために出席や議決権行使を確保する段取りも必要です。

株主総会議事録を作成する

株主総会では、株主総会議事録を作成します。議事録は社内の記録であると同時に、登記が必要なケースでは法務局への提出も求められる書類です。

議事録の主な記載事項

  • 株主総会の開催日時・場所
  • 出席した株主の状況(議決権の数など、決議要件を満たすことがわかる情報)
  • 議案(定款のどの条文をどう改めるか)
  • 決議結果(可決されたこと、賛成の割合)

特に定款変更は「定款を変更する」という抽象的な書き方では足りず、どこを変更する決議があったのか、条文番号と変更後の文言が議事録からわかる状態にするとよいでしょう。

変更後の定款を原始定款と一緒に保管する

定款変更後は、変更内容を反映した「変更後の定款(現行定款)」と、定款変更の決議をした「株主総会の議事録(持分会社の場合は総社員の同意書)」 を添付して、原始定款と一緒に保管します。

原始定款は設立時点の定款であるため、定款変更では書き換えません。定款の変更履歴を明確にするために、原始定款は残したまま、議事録と現行定款を積み上げて管理します。

定款とは何?定款の記載事項を解説

定款は「会社のルールブック」や「会社の憲法」と呼ばれています。

会社は、個人ではなく団体です。目的は経済活動であり、その団体に法人という人格を与えて「契約」や「お金のやり取り」ができるようにするのが法人設立です。

法人になって経済活動をするということは、第三者(取引先や顧客)に対する義務や責任が発生することになるため、何をしてもいいというわけにはいきません。

そこで、定款というルールブックを作って「どんな会社」で「何をする目的」で作られたのかを決めておく必要があるわけです。

絶対的記載事項

絶対的記載事項とは、定款に必ず記載しなければならない項目として会社法で定められているものです。

絶対的記載事項

  • 目的
  • 商号
  • 本店の所在地
  • 設立に際して出資される財産の価額またはその最低額
  • 発起人の氏名(法人の場合はその名称)と住所

参考:会社法 第二十七条|e-Gov 法令検索

絶対的記載事項が記載されていない定款は認められません。ただし、絶対的記載事項についても、株主総会の特別決議で可決されれば、定款の作成後に変更することができます。

絶対的記載事項については、以下の記事で解説しています。

相対的記載事項

相対的記載事項は、定款に必ず記載する必要はないものの、記載しておくほうが運営がスムーズになる事項です。

たとえば、取締役会のルールや、監査役や委員会についての決まりなどです。相対的記載事項の記載は義務ではありませんが「実施するためには記載が必要」な事項です。

参考:会社法 第二十八条|e-Gov 法令検索

任意的記載事項

任意的記載事項は、事業年度や役員の人数などです。記載の義務はありませんが、会社を運営するうえで明確にしておきたいことを任意で記載します。

参考:会社法 第二十九条|e-Gov 法令検索

定款変更の効力はいつ発生するのか

定款変更は「登記が終わってから」と思われがちですが、株式会社の定款変更は、株主総会の特別決議で可決された時点で、会社内部では変更後の内容が有効になります。

つまり、登記の完了を待たずに、定款変更そのものは成立します。

定款変更の効力が発生するタイミング

定款変更の効力は、株主総会の特別決議で可決された瞬間から発生します。

もちろん、事業年度の変更や取締役の任期の変更といった登記不要の変更内容も、株主総会で可決された時点から新しい内容が会社に適用されます。

ただし、会社名(商号)や本店所在地など、登記が必要な項目については、登記が終了しなければすべての手続きが完了したとはいえないため注意しましょう。

定款変更は専門家に依頼できる

定款変更は自分で進めることもできますが、変更内容によっては書類作成が難しいこともあるでしょう。

特に登記が必要な変更の場合、添付書類の整合性や期限の遵守が求められるため、専門家に依頼するメリットが大きくなります。

司法書士に依頼できる

定款変更に関する手続きや書類の作成は、司法書士に依頼できます。司法書士は登記申請の代理ができる専門家であり、必要書類の作成から申請までを任せられます。

自分で進める場合に比べて、次の点で安心感があります。

  • 登記が必要な変更かどうか確実に判断できる
  • 株主総会議事録や添付書類の形式が整う
  • スケジュールに沿ってミスなく進められる

商号変更、本店移転、目的変更など、登記が必要になる変更を行う場合や、機関設計(取締役会の設置/廃止など)を見直す場合は、専門家への依頼を検討しましょう。

定款変更は会社のルールを変更する手続き

定款変更は、会社のルールを見直すための重要な手続きです。会社設立の際に作成した定款を会社の成長や経営方針の変化に合わせて変更します。

定款変更は、株主総会の特別決議によって行われ、登記が必要な項目を変更する場合には、変更から2週間以内に法務局で登記する必要があります。

効力は原則として株主総会で可決された時点で発生しますが、商号や本店所在地の変更などは、登記完了をもって公になります。

正確な手順で進めるためにも、必要に応じて司法書士など専門家に相談するのがおすすめです。

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会社設立の手続き

会社設立の手続きは、設立内容の決定から始まり、事業目的のチェック、定款認証、出資金の払い込み、法務局への登記申請を行います。株式会社の設立、合同会社の設立手続きの基本的な流れを知り、スムーズに手続を行えるようにしましょう。

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会社設立内容の決定

会社設立で決めるべき項目について見ていきます。ここで決める内容は定款を作成する際に必要な事柄です。それぞれの項目についての留意点を確認して、会社設立後に問題の起きない内容にしておきましょう。

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会社設立の費用

会社設立にかかる費用は株式会社か合同会社かといった会社の種類によって変わってきます。会社設立にかかる実費と専門家に依頼した場合の費用(報酬)について見ていきます。

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会社設立全知識

起業

起業する人たちの多くは、自分の起業に関して試行錯誤した上で、会社設立のスタート地点まで辿り着いています。起業するに際しての心構え、注意すべき点を確認していきます。

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会社設立全知識

会社設立時には設立後の資金調達や税金・会計のこと、許可申請や今後の事業展開を想定した対応も求められてきます。会社設立時には色々なことを検討していかなければなりませんが、事業展望を明確にしていくよい機会となります。確認すべき事項をみていきましょう。

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