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交通事故に精通しているVSG弁護士法人 > 交通事故弁護士コラム > 慰謝料・示談金・賠償金 > 交通事故で骨折をして慰謝料はいくらもらった?計算方法と事例から見る相場について解説

交通事故で骨折をして慰謝料はいくらもらった?計算方法と事例から見る相場について解説

弁護士 川﨑公司

この記事の執筆者 弁護士 川﨑公司

東京弁護士会所属。新潟県出身。
交通事故の影響で怪我や病気になってしまうと、体調の不安に加えて、経済的な不安も発生します。
慰謝料を請求するためには、法律上の知識や、過去の交通事故被害がどのような慰謝料額で解決されてきたかという判例の知識が必要です。
我々はこういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって、妥当な損害賠償金を勝ち取ることが期待できます。是非一度ご相談ください。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/
書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!

交通事故で骨折したときの慰謝料について、いくらもらったかに関する事例・裁判例を紹介しています。相場や計算方法を知っておき、示談交渉で損をしないようにしましょう。

この記事でわかること

  • 交通事故の骨折で慰謝料を実際にいくらもらったかがわかる
  • 交通事故で骨折したときの事例・裁判例がわかる
  • 交通事故による骨折で慰謝料を増額させるポイントがわかる

交通事故の慰謝料におおまかな相場はありますが、具体的な金額は、入院や通院の期間、骨折した部位、後遺症が残るかどうかによって大きく変わります。保険会社の提示額が必ずしも適正な金額とは限らないため、交渉する際には十分に注意が必要です。

本記事では、交通事故の骨折で慰謝料を実際にいくらもらったかをはじめ、相場や計算方法、増額を目指すためのポイントまでを弁護士がわかりやすく解説します。

目次

交通事故による骨折の慰謝料は28万円~3000万円程度が相場

交通事故で骨折した場合に受け取れる慰謝料の金額は、おおよそ28万円から3000万円程度が一つの目安になります。金額に幅がある理由は、骨折の内容や治療の経過、後遺症の有無などによって、評価の対象となる事情が大きく異なるためです。

比較的軽度な骨折で、短期間の通院のみで治癒した場合には、入通院慰謝料が中心となり、数十万円程度にとどまるケースもあります。一方で、長期の入院が必要になったり、骨折によって関節の可動域制限や痛みなどの後遺症が残ったりした場合には、後遺障害慰謝料が加算され、数百万円から数千万円に達することもあります。

入院・通院期間別の慰謝料目安|1カ月・3カ月・6カ月

骨折の慰謝料を考えるうえで、特に重要となるのが入院や通院の期間です。治療期間が長くなるほど、日常生活や仕事への影響が大きくなり、身体的・精神的な負担も増すと評価されます。その結果、慰謝料の金額も高くなる傾向があります。

通院期間が1カ月程度の場合
入通院慰謝料の目安は、おおよそ28万円前後となることが多く見られます。比較的軽度な骨折で、入院を伴わず、通院のみで治療が進むケースが該当します。日常生活への支障が限定的と判断されるため、慰謝料額も抑えられる傾向があります。
3カ月程度にわたって通院や入院を続けた場合
この場合、入通院慰謝料の目安は70万円前後まで上がります。一定期間にわたり治療が必要となるため、仕事や家事に影響が及び、精神的な負担も無視できないと評価されます。骨折の部位や治療内容によっては、入院期間が含まれるケースもあります。たとえば、通院期間3カ月で入院1カ月であれば、入通院慰謝料の相場は115万円となります。
6カ月程度の入通院が必要となった場合
入通院慰謝料は116万円以上が目安となることもあります。骨折の程度が重く、長期間にわたり生活上の制限が続いたと判断されるためです。リハビリを要する場合や、回復までに時間を要する骨折では、この水準に近づくことがあります。

ただし、単に通院期間が長いだけでは高額な慰謝料につながりません。治療の必要性が医学的に認められており、医師の指示に従って適切に通院を続けているかどうかが重視されます。不必要に通院回数を増やしても、慰謝料の評価が上がるとは限らない点に注意が必要です。

骨折の部位別に見る慰謝料の目安

骨折の慰謝料は、骨折した部位によって一定の傾向はあるものの、部位だけで金額が決まるわけではありません。治療中は入院や通院による精神的負担を評価する入通院慰謝料が中心となり、治療後に後遺症が残った場合には、後遺障害等級の認定を受けられるかどうかが慰謝料額を大きく左右します。

手指・足指の骨折の場合
比較的軽度と評価されやすく、後遺症が残らなければ入通院慰謝料が中心となり、数十万円程度にとどまるケースが多く見られます。ただし、指の動きに制限が残る、痛みやしびれが続くといった場合には、後遺障害として評価される可能性があります。
腕・脚の骨折の場合
肩や肘、膝、足首などの関節を含む骨折では、可動域制限が残りやすく、日常生活や仕事への影響も大きくなります。その結果、後遺障害等級が認定され、入通院慰謝料に加えて後遺障害慰謝料が支払われるケースもあります。
鎖骨・肋骨の骨折の場合
痛みが強く日常生活に支障が出やすいものの、変形や機能障害が残らなければ、慰謝料は入通院慰謝料が中心となる傾向があります。一方で、骨の変形が明らかに残った場合には、後遺障害として評価される可能性があります。
脊椎(背骨)・骨盤の骨折の場合
身体への影響が大きく、後遺症が残りやすい骨折です。しびれや運動機能の低下などが続く場合には後遺障害等級が認定され、慰謝料が数百万円から、重いケースでは1000万円を超えることもあります。

このように、慰謝料の金額は骨折の部位そのものよりも、後遺症が残ったかどうか、適切な後遺障害等級が認定されるかどうかによって大きく変わります。自身の症状が正しく評価されるよう、治療や診断の進め方には注意が必要です。

交通事故で骨折したときの事例・裁判例

ケース①:約2カ月半にわたるコルセット装着が考慮されたケース

第2腰椎圧迫骨折で入院27日間、通院期間約4カ月になったケース。通院期間のうち約2カ月半はコルセットを装着を余儀なくされたことに鑑み、入通院慰謝料162万円が認められた(東京地判令3.4.21)。

ケース②:精神的障害を負ったことが考慮され、入通院慰謝料が増額されたケース

左手関節機能障害(12級6号)、左尺骨変形障害(12級8号)、非器質性精神障害(12級13号)の後遺障害(併合11級)を負ったケース。入通院期間は約18カ月半、目の前で2歳の息子の死亡事故を目撃し精神的障害を負ったことも考慮し、入通院慰謝料250万円、後遺障害慰謝料420万円が認められた(大阪高判令4.12.15)。

ケース③:後遺障害等級非該当だったものの、後遺症について入通院慰謝料の増額事由として考慮されたケース

右小指中関節解放骨折等により入院5回(合計82日)を含む治療期間32.5カ月、右小指可動域制限(13級6号)の後遺障害を負ったケース。被害者は高校1年生で入通院期間が高校生活のほとんどを占めたこと、ひき逃げのケースだったこと、等級非該当なものの大きな傷あとは慰謝料で考慮されるべきであることなどから、入通院慰謝料350万円、後遺障害慰謝料230万円が認められた(大阪地判令2.6.10)。

交通事故で骨折したときに請求できる慰謝料の種類

交通事故で骨折した場合、請求できる慰謝料は大きく分けて「入通院慰謝料」と「後遺障害慰謝料」の2種類があります。どちらも精神的な苦痛に対する補償ですが、対象となる時期や要件が異なるため、区別して理解することが重要です。

入通院慰謝料

入通院慰謝料とは、交通事故による骨折で入院や通院を余儀なくされたこと自体による精神的な苦痛を補償する慰謝料です。骨折の部位や重さにかかわらず、治療のために病院に通った期間や入院日数をもとに算定します。

入通院慰謝料は治療が終了するまでの期間を対象とするため、後遺症の有無とは直接関係しません。後遺症が残らなかった場合でも、入院や通院を行っていれば請求できます。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料とは、骨折の治療を続けた後も、痛みや可動域制限などの症状が残った場合に請求できる慰謝料です。請求するためには、後遺症について後遺障害等級の認定を受ける必要があります。

後遺障害等級は骨折した部位そのものではなく、残った症状が日常生活や仕事にどの程度影響するかを基準に判断します。そのため、同じ骨折であっても、症状の残り方によって認定結果が異なります。

等級が認定されると、入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料を請求でき、慰謝料の総額が大きく増える可能性があります。一方で、適切な検査や診断が行われていないと、後遺障害として評価されないこともあるため、治療や診断の進め方が重要になります。

交通事故における慰謝料の計算方法

交通事故による骨折の慰謝料は、一定の計算式で自動的に決まるものではありません。実務では、どの算定基準を用いるかによって金額が大きく変わります。
交通事故による骨折の慰謝料は、一定の計算式で自動的に決まるものではありません。実務では、どの算定基準を用いるかによって金額が大きく変わります。

慰謝料を算定するための3つの基準

3つの慰謝料算定基準
慰謝料の算定基準は3つあり、弁護士基準で算定した金額がもっとも高額となる。

交通事故の慰謝料には、主に3つの算定基準があります。いずれの基準を用いるかによって、同じ骨折でも慰謝料額に大きな差が生じます。

自賠責基準
自賠責保険が用いる最低限の補償を目的とした基準で、被害者救済を重視する一方、金額は最も低く抑えられています。自賠責基準では、慰謝料額に上限が設けられており、重い後遺症が残った場合でも一定額を超えません。
任意保険基準
加害者側の任意保険会社が示談交渉で用いる独自の基準で、具体的な算定方法は公開されていません。自賠責基準よりは高くなることが多いものの、後述する弁護士基準と比べると低額にとどまる傾向があります。
弁護士基準(裁判基準)
過去の裁判例をもとに形成された基準で、3つの中では最も高額になります。裁判を起こした場合だけでなく、弁護士が交渉する際にも用いられることが多く、実務上は「相場」として扱われています。

具体的な慰謝料の計算方法

具体的な慰謝料額は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料をそれぞれ算定し、合算して考えます。

入通院慰謝料

弁護士基準で入通院慰謝料を計算する際には、過去の裁判例を踏まえて作成された入通院慰謝料の算定表を参照します。この算定表には「別表 Ⅰ 」と「別表 Ⅱ 」の2種類がありますが、骨折のように通常の治療を前提とするけがでは、「別表 Ⅰ 」を用いるのが一般的です。

入通院慰謝料算定表(別表 Ⅰ )※単位(万円)
入院1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月13月14月15月
通院053101145184217244266284297306314321328334340
1月2877122162199228252274291303311318325332336342
2月5298139177210236260281297308315322329334338344
3月73115154188218244267287302312319326331336340346
4月90130165196226251273292306316323328333338342348
5月105141173204233257278296310320325330335340344350
6月116149181211239262282300314322327332337342346
7月124157188217244266286304316324329334339344
8月132164194222248270290306318326331336341
9月139170199226252274292308320328333338
10月145175203230256276294310322330335
11月150179207234258278296312324332
12月154183211236260280298314326
13月158187213238262282300316
14月162189215240264284302
15月164191217242266286

入院した期間を示す横軸と、通院した期間を示す縦軸を確認し、両者が重なる欄に記載された金額が、弁護士基準による入通院慰謝料の目安です。

たとえば、骨折で入院1カ月、通院2カ月した場合には、両者が交わる98万円が入通院慰謝料の相場となります。

後遺障害慰謝料

後遺障害慰謝料は、認定される等級によって請求できる慰謝料相場が設定されています。

等級後遺症の主な症状弁護士基準
1級
  • 両腕を肘より上で失い、日常生活を自力で送れない状態
  • 重い神経障害が残り、常時介護を要する状態
2800万円
2級
  • 両腕を手首より上で失った場合
  • 両脚を膝より上で失った場合
  • 神経障害により、日常的に介助が必要な状態
2370万円
3級
  • 神経系や精神機能に重大な障害が残り、社会生活に著しい制限が生じた状態
1990万円
4級
  • 片方の腕を肘より上で失った場合
  • 片方の脚を膝より上で失った場合
  • 両手の指をすべて使えなくなった状態
1670万円
5級
  • 片方の腕を手首より上で失った場合
  • 片方の腕、または脚がほぼ機能しなくなった状態
1400万円
6級
  • 背骨に大きな変形や重い運動障害が残った場合
  • 片手のすべての指、または親指を含む4本の指を失った場合
1180万円
7級
  • 片手の親指を含む3本、または親指以外の4本の指を失った状態
1000万円
8級
  • 脊柱に運動機能の低下が残り、動きに支障が生じた状態
830万円
9級
  • 片手の親指、または親指以外の2本の指を失った場合
690万円
10級
  • 手首の動きが通常の半分以下に制限された状態
550万円
11級
  • 脊柱に変形が残った場合
420万円
12級
  • 治療後も慢性的な痛みが続いている状態
290万円
13級
  • 片手の小指の機能が失われた状態
180万円
14級
  • 軽度ではあるものの、痛みなどの症状が残っている状態
110万円

※()内は2020年3月31日までに発生した事故の場合

先ほどの事例で後遺障害等級12級に認定された場合には、入通院慰謝料98万円と後遺障害慰謝料290万円が慰謝料全体の相場となります。

交通事故で骨折したときに請求できる慰謝料以外の賠償金

交通事故では、慰謝料以外に以下のような賠償金も請求できます。

交通事故で請求できる賠償金一覧
財産的損害積極損害治療費入院・通院にかかる費用
付添看護費介護・介助にかかる費用
将来介護費後遺症により将来的にかかる介護費
入通院交通費入院・通院の際にかかる交通費
装具・器具購入費義手や介護支援ベッドなどの購入費用
入院雑費入院で必要な日用品や雑貨などの購入費用
葬祭費亡くなった被害者の葬儀等にかかる費用
家屋・自動車改造費階段に手すりをつけたり、身体障害者用に車を改造する際にかかる費用
子どもの学習費学習塾代や授業料等、すでに支払っているにもかかわらず、けがが原因で学校や塾を休まざるを得なくなってしまったために無駄になってしまった費用、もしくは勉強が遅れてしまった分を取り戻すためにかかった費用など
保育費けがの影響で、子どもを保育施設に預けなくてはいけなくなった場合の保育費
弁護士費用交通事故の対応を弁護士に依頼した場合の費用
消極損害休業損害けがのせいで仕事ができず、給料がもらえなかったことによる損害
逸失利益

後遺障害逸失利益
後遺障害が残ってしまったせいで、事故に遭う前と同じように仕事をすることができず、今後もらえるはずだった収入が減ってしまうことによる損害

死亡逸失利益
急な事故により亡くなってしまったため、今後もらえるはずだった収入がもらえなくなってしまったことによる損害

精神的損害
(慰謝料)
入通院慰謝料事故による精神的苦痛を和らげるための賠償金
後遺障害慰謝料
死亡慰謝料
その他物損
(物件損害)
交通事故で車や自転車が壊れたり、洋服がだめになってしまったことにより生ずる損害

交通事故で骨折したときに慰謝料を受け取るまでの流れ・期間

交通事故で骨折した場合、慰謝料は治療の進行に合わせて段階的に手続きを進め、最終的に示談成立後に支払われます。
交通事故で骨折した場合、慰謝料は治療の進行に合わせて段階的に手続きを進め、最終的に示談成立後に支払われます。主な流れと目安期間は次のとおりです。

事故発生・治療開始(事故直後~数日)
医療機関を受診し、骨折の診断を受けたうえで入院や通院を開始します。
入院・通院による治療(1カ月~6カ月以上)
医師の指示に従い治療を継続します。治療期間は入通院慰謝料の評価対象となるため、自己判断で通院をやめないことが重要です。
完治または症状固定(治療開始から数カ月後)
治療の終了時点で、後遺症が残ったかどうかを確認します。
後遺障害等級の認定申請(1~3カ月程度)
痛みや可動域制限が残った場合に申請を行います。認定される等級によって、慰謝料の有無や金額が決まります。
示談交渉・慰謝料の支払い(数週間~数カ月)
示談が成立すると、通常1~2週間程度で慰謝料が支払われます。

全体の期間は、後遺症が残らなければ数カ月程度、後遺障害の認定が必要な場合には半年から1年以上かかることもあります。

交通事故による骨折で通院する際の注意点

交通事故による骨折では、通院の仕方次第で慰謝料の評価や後遺障害等級の判断に影響が出ることがあります。治療そのものだけでなく、医師の診断内容や通院の継続状況も重要な要素となるため、事故後の対応には注意が必要です。

交通事故対応に慣れている医師に診断してもらう

交通事故によるけがは、一般的な病気や日常のけがとは異なり、後遺症や賠償の問題と密接に関わります。そのため、交通事故対応に慣れている医師に診断してもらうことが重要です。

事故対応に慣れた医師なら、骨折の状態だけでなく、痛みや可動域制限といった症状を診断書に適切に反映してくれる可能性が高いからです。

診断内容が不十分だと、後遺症が残っても正しく評価されないおそれがあります。通院先を選ぶ際には、交通事故の診療実績があるかどうかを確認しておくと安心です。

自己判断で通院を中断しない

痛みが一時的に和らいだとしても、自己判断で通院をやめることは避けるべきです。通院を中断すると、治療の必要性が否定され、入通院慰謝料の評価が下がる可能性があります。

また、後から痛みが再発しても、「治療の継続性がない」と判断されると後遺障害等級の認定が難しくなることもあります。通院の終了については、必ず医師と相談したうえで判断することが大切です。

治療費の打ち切りには応じない

通院を続けている途中で、保険会社から「そろそろ治療を終えてほしい」「治療費の支払いを打ち切る」と伝えられることがあります。しかし、治療の終了を判断するのは医師であり、保険会社ではありません。

医師が治療の継続を必要と判断している場合には、保険会社の打ち切りの申し出に安易に応じないことが重要です。治療費の打ち切りに応じてしまうと、その後の治療費や慰謝料の請求に不利となるおそれがあります。

判断に迷う場合には、専門家に相談しながら対応することを検討するとよいでしょう。

保険会社の提示額=適正額とは限らない点に注意が必要

保険会社が提示する慰謝料は、多くの場合、任意保険基準や自賠責基準をもとに算定されています。これらの基準は、裁判例を踏まえた弁護士基準と比べると金額が低く抑えられる傾向があります。そのため、提示額をそのまま受け入れると、本来受け取れるはずの慰謝料を下回る結果になることもあります。

特に、入通院期間が長引いた場合や、後遺症が残っている可能性がある場合には注意が必要です。治療内容や症状が十分に反映されていないまま金額が算定されているケースもあり、提示額だけを見て妥当かどうかを判断するのは簡単ではありません。

一度示談が成立すると、原則として後から慰謝料の増額を求めることはできません。保険会社の提示額に不審な点がある場合には、「どの基準で計算されているのか」「自身の状況が正しく反映されているか」という視点で慎重に確認することが大切です。

交通事故による骨折で慰謝料を増額させるポイント

治療の進め方や手続きの選択によって、最終的に受け取れる金額に差が生じることもあります。ここでは、慰謝料の増額につながりやすい代表的なポイントを整理します。

医師の指示に従い適切な期間で入院・通院する

慰謝料の算定では、入院や通院による治療期間が重要な要素となります。そのため、医師の指示に従い、必要な期間にわたって治療を続けることが大切です。痛みが一時的に和らいだ場合でも、自己判断で通院を中断すると、治療の必要性が否定され、入通院慰謝料の評価が下がる可能性があります。

また、通院期間が不自然に短いと、後遺症との因果関係を疑われることもあります。治療の終了については、必ず医師と相談したうえで判断するようにしましょう。

後遺症が残る場合には後遺障害等級の認定申請を行う

治療を続けても、痛みや可動域制限などの症状が残る場合には、後遺障害等級の認定申請を行うことが重要です。等級が認定されると、入通院慰謝料とは別に後遺障害慰謝料を請求でき、慰謝料の総額が大きく増える可能性があります。

後遺障害等級は、骨折の部位ではなく、残った症状が日常生活や仕事にどの程度影響するかを基準に判断されます。そのため、症状の内容や継続性を正確に医師へ伝え、診断書に反映してもらうことが欠かせません。

弁護士基準で算定された金額を主張する

保険会社が提示する慰謝料額は、任意保険基準などに基づくことが多く、必ずしも相場どおりとは限りません。慰謝料の増額を目指す場合には、裁判例を基にした弁護士基準で算定された金額を前提に交渉することが重要になります。

弁護士基準は、過去の裁判例をもとに形成された基準で、実務上は最も高い水準とされています。この基準を踏まえて主張することで、提示額より高い慰謝料が認められる可能性が高まります。自分だけでの主張が難しい場合には、専門家のサポートを受けることも検討するとよいでしょう。

認定された等級に納得できない場合には異議申し立ても可能

後遺障害等級の認定結果が出たとしても、その内容に必ず従わなければならないわけではありません。症状の実態が正しく評価されていないと感じる場合には、異議申立てという手段を取ることができます。

異議申立てとは、後遺障害等級の認定結果に対し、追加の資料や医学的な根拠を提出したうえで、再度判断を求める手続きです。新たな検査結果や診断書、症状の経過を示す資料などを補充することで、当初より高い等級が認定される可能性もあります。

ただし、異議申立てを行えば必ず結果が変わるわけではありません。初回の認定時と同じ資料を提出しても、判断が覆ることはほとんどありません。そのため、どの点が評価不足だったのかを整理し、根拠となる資料を用意したうえで進めることが重要です。

交通事故で骨折したときに弁護士に相談するメリット

交通事故で骨折した場合、慰謝料や示談金の金額は、対応の仕方によって大きく変わることがあります。弁護士に相談することで、金額面だけでなく、手続きや交渉の面でも多くのメリットがあります。

慰謝料を含む示談金全体の増額が期待できる

弁護士に依頼する最大のメリットの一つは、慰謝料を含めた示談金全体の増額が期待できる点です。保険会社が提示する金額は、任意保険基準に基づくことが多く、裁判例を踏まえた水準より低くなる傾向があります。

弁護士が交渉に入ることで、裁判基準を前提とした金額を主張しやすくなり、結果として入通院慰謝料や後遺障害慰謝料、休業損害などを含めた示談金が増えるケースも少なくありません。

適切な後遺障害等級に認定される可能性が高まる

後遺症が残った場合、後遺障害等級の認定結果が慰謝料額に大きく影響します。しかし、症状の内容や検査結果が十分に整理されていないと、実態より低い等級が認定されることもあります。

弁護士に相談すれば、認定に必要な資料や診断書の内容について助言を受けられ、症状に見合った等級が認められる可能性が高まります。必要に応じて、異議申立てを見据えた対応を検討できる点もメリットです。

スムーズな交渉で示談金をいち早く受け取れる

示談交渉では、保険会社とのやり取りに時間と労力を要します。弁護士が窓口となることで、被害者自身が直接交渉する必要がなくなり、精神的な負担も軽減されます。

また、交渉のポイントを押さえたやり取りが可能となるため、無用なやり直しを避けやすく、結果として示談成立までの期間が短くなることも期待できます。

弁護士費用特約を使って費用負担なく弁護士に依頼を

自動車保険に弁護士費用特約が付いている場合、弁護士への相談や依頼にかかる費用を保険でまかなえることがあります。多くの特約では、相談料や着手金、報酬金が補償対象となり、ほとんどのケースで自己負担なしで弁護士に依頼できます。

費用面の不安から相談をためらっている場合でも、まずは特約の有無を確認し、利用できるかどうかを確かめてみるとよいでしょう。

交通事故の骨折で慰謝料に関してよくある質問(Q&A)

事故による骨折で後遺症が残らなかった場合でも慰謝料の増額は可能?

後遺症が残らなかった場合でも、慰謝料の増額が認められる可能性はあります。この場合に対象となるのは、主に入通院慰謝料です。入院期間が長かったり、通院期間が相応に必要だったりした場合には、その治療内容や生活への影響が評価され、増額につながることがあります。

通院する回数を増やせば慰謝料の増額は可能?

単純に通院回数を増やせば、慰謝料が上がるわけではありません。慰謝料の算定では、医学的な必要性に基づいた治療かどうかが重視されます。症状に見合わない過剰な通院は、かえって不自然と判断され、評価されないこともあります。重要なのは、医師の指示に従い、必要な頻度で通院を続けているかどうかです。適切な治療期間を確保することが、結果的に正当な慰謝料につながります。

ギプスで固定している期間は入通院日数に加算される?

ギプスで固定している期間があっても、実際に通院していない日が自動的に入通院日数として加算されるわけではありません。入通院慰謝料では、入院期間や通院期間をもとに算定されます。ただし、ギプス固定が必要な重い骨折で、定期的な通院や治療管理が行われている場合には、その治療期間全体が評価対象となることがあります。固定期間中も医師の管理下にあることが重要です。

弁護士に依頼せず、自分だけで慰謝料の増額は可能?

自分で交渉して慰謝料を増額できるケースもありますが、難易度は高いといえます。保険会社は独自の基準を前提に交渉を進めるため、専門的な知識がないままでは、裁判基準を根拠にした主張が通りにくいことがあります。増額を目指すには、算定基準の違いや裁判例を踏まえた説明が必要です。結果として、弁護士に相談したほうがスムーズに進むケースも少なくありません。

子どもが骨折した場合の慰謝料の相場はいくら?

子どもが骨折した場合でも、慰謝料の基本的な考え方は大人と変わりません。入通院期間や後遺症の有無によって金額が決まります。ただし、子どもの場合、成長への影響や学校生活への支障が考慮されることがあります。たとえば、通学が困難になった場合や、後遺症が将来に影響すると判断された場合には、慰謝料が高めに評価されることもあります。具体的な金額は、個別の事情を踏まえて判断されます。

まとめ 交通事故にあったら早めに弁護士に相談を

交通事故による骨折の慰謝料は、入院や通院の期間、後遺症の有無、後遺障害等級の認定結果など、さまざまな要素によって金額が変わります。保険会社から提示される金額が、必ずしも相場に沿った適正な内容とは限らない点にも注意が必要です。

納得できる補償を受けるためにも、交通事故にあったら一人で悩まず、できるだけ早めに弁護士へ相談することを検討しましょう。

交通事故で豊富な実績を持つ「VSG弁護士法人」では、交通事故について無料相談を実施中です。「誰に相談すればいいかわからない」「手続きが不安」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

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