東京弁護士会所属。新潟県出身。
交通事故の影響で怪我や病気になってしまうと、体調の不安に加えて、経済的な不安も発生します。
慰謝料を請求するためには、法律上の知識や、過去の交通事故被害がどのような慰謝料額で解決されてきたかという判例の知識が必要です。
我々はこういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって、妥当な損害賠償金を勝ち取ることが期待できます。是非一度ご相談ください。
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書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!
物損事故などの比較的軽微な事故や軽傷でおおごとにしたくない場合、わざわざ弁護士に依頼すべきか迷う方もいるのではないでしょうか。
「弁護士費用で赤字になってしまうかも・・・」
「保険会社と交渉するんだから弁護士入れて金額は変わらないんじゃない?」
結論からいえば、交通事故の被害に遭ったらできるだけ早く弁護士に相談・依頼すべきだといえます。
この記事では、弁護士に相談するメリットやデメリット、とくに弁護士に依頼すべきケースなどについて、わかりやすく解説していきます。
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交通事故で弁護士に依頼する主なメリットは、次のとおりです。
以下、各メリットについて詳しく説明していきます。
なお、それぞれの詳しい解説については関連記事をご覧ください。
交通事故で弁護士に依頼する1番のメリットは、慰謝料を含めた賠償金を増額できる可能性が高いことです。
保険会社は、少しでも支払う金額を減らすためにそれぞれの会社独自の基準(任意保険基準)に基づいて賠償金額を算出します。この金額は、裁判で認められる賠償額よりも低いことがほとんどです。
弁護士に依頼すれば、過去の裁判例を基にした基準(弁護士基準・裁判基準)で賠償額を算出できるので、最終的にもらえる賠償金を増額できる可能性が高まります。
また、慰謝料・治療費・逸失利益・休業損害・車の修理費など、多岐に渡る賠償金を漏れなく請求できるので、事故被害者として適切な補償を受けることができるでしょう。
仕事を休んだことによる休業補償を最大限に受けられるのも、弁護士に依頼するメリットの1つです。
休業損害における保険会社の計算方法は基本的に非公開です。しかし、多くの場合には自賠責保険が用いる「日額6,100円×休業日数」と同額か、それよりも若干高い金額を提示されます。
一方、弁護士なら事故前3カ月の平均給与を基に1日あたりの損害額を算定できるので、結果としてもらえる休業損害額が大きくなります。
また、被害者が専業主婦の場合、労働収入がないことを理由に休業損害を拒否されるケースも多いです。しかし、弁護士なら主婦がおこなう日常家事業務も金銭的評価に値するとして、その分の損害を請求することができます。
交渉の専門家である弁護士なら、被害者に有利な過失割合で交渉を進められる可能性があります。
過失割合とは、事故の当事者間における責任の割合のことです。この過失割合は、警察が決めるのではなく、示談交渉の際に話し合いで決定します。
信号待ちでうしろから追突されたなどのケースを除けば、被害者にも一定の過失が認められるのが一般的です。
過失が認められた場合、その過失割合に応じて賠償金が減額されるので、示談交渉で揉める可能性が高い部分となります。
弁護士なら、事故状況や過去の裁判例などから適切な過失割合を保険会社に主張できるので、賠償金が減額されることを防ぐことができます。
保険会社に治療費を打ち切られた場合でも、弁護士なら適切に対処できます。
事故によるけがの治療でかかる治療費は、あらかじめ保険会社が治療機関に支払ってくれるケースが多いです。そのため、被害者は窓口負担なく治療をおこなうことができます。
一方で、まだ治療中にも変わらず、一定期間が経過すると保険会社が治療費の打ち切りを主張してくる場合があります。たとえば、むちうちの場合、3カ月程度で治療費の打ち切りを打診してくるケースが多いです。
弁護士なら、医師の意見書などを提出することで治療継続の必要性を訴えることができるので、治療費の支払いを継続させることができます。
また、仮に治療を強制的に打ち切られてしまっても、後日保険会社に対して、立て替えた分の治療費を請求することも可能です。
弁護士が示談交渉にあたることで、保険会社がこちらの提案に応じてくれる可能性が高まります。
法律の専門的知識や類似の裁判例などを参照しながら的確な主張ができなければ、保険会社に賠償金の増額を認めさせることはできません。
裁判まで意識しながら交渉できるのも、法律の専門家である弁護士ならではです。
弁護士が入ることですんなり交渉がまとまる場合があるので、示談交渉に煮詰まったら弁護士に相談・依頼するのが良いでしょう。
事故後すぐに弁護士に相談・依頼すれば、通院の頻度や治療の進め方などについて適切なアドバイスをもらえます。
治療については医師の指示に従うのが基本ですが、あとあと後遺障害等級認定の申請を行う際に必要になる治療などについて、適宜アドバイスをもらえます。
また、適切な頻度で通院をおこなうことは、入通院慰謝料を減額されないために重要です。事故状況やけがの程度からみて通院頻度が高すぎる場合には、その分慰謝料を減額される恐れがあるのです。
けがが完治せず後遺症が残った場合において、適切な後遺障害等級に認定される可能性が高くなるのも弁護士に対応を任せる大きなメリットです。
たとえば、むちうちであれば後遺障害等級「14級9号」もしくは「12級13号」に認定される可能性がありますが、どちらに認定されるかで後遺障害慰謝料の相場が180万円も変わります。
申請すれば必ず希望の等級に認定されるわけではなく、提出書類に不備・不足があると最悪の場合「非該当」になる可能性もあります。
また、申請結果に納得できない場合であれば、異議申し立てをおこなうことで再審査を要求することも可能です。結果を覆すための分析や必要な検査の指示ができるのは、交通事故に強い弁護士に依頼するメリットだといえるでしょう。
弁護士が入れば示談交渉がスムーズに進むので、結果として示談金を早く受け取ることがあります。
交通事故の手続きに精通している弁護士なら、事案により、当事者間での交渉よりもスムーズに示談交渉をまとめることができる場合があります。また、専門性の高い知識を有しているので、認められるはずのない突飛な主張をすることもありません。
基本的に示談金は保険会社との示談交渉がまとまったあとでないと受け取れないので、各種手続きや示談交渉を滞りなく進めることは、被害者にとってメリットの大きいものとなります。
示談が成立する前に賠償金の一部を受け取るための手続きを取れるのも、被害者にとっては大きなメリットになるでしょう。
事故に遭うと、けがの治療で仕事を休んで給料が減ってしまったり、車の修理などにお金がかかります。これらの損害は後日保険会社に支払ってもらえますが、できればすぐにでも一定の賠償金を受け取りたいと考えるでしょう。
交通事故手続きに精通している弁護士に依頼すれば、仮渡金請求や内払金請求などで保険会社との示談が成立する前に賠償金の一部を受け取ることも可能です。
賠償金を受け取れないことで被害者が経済的に困窮することを防ぐことができるのです。
交通事故で必要になる面倒な手続きを全て任せられるため、けがの治療に専念できるのも大きなメリットです。
交通事故の被害者は、後遺障害等級認定の申請や保険会社との示談交渉などさまざまな手続きをする必要があります。けがの治療を優先したいにもかかわらず、慣れない手続きを自分で進めるのは負担が大きいでしょう。
また、必要書類の収集や示談交渉は関係機関や保険会社の営業時間におこなう必要があるため、忙しい日中の時間帯にわざわざ時間を作らなくてはいけません。慣れない手続きで進め方がわからないと、治療に専念できず対応が遅れる可能性もあります。
事故で精神的ショックを受けているにもかかわらず、被害者自身で全ての手続きを進めるのは精神的負担が非常に大きいです。交通事故対応に慣れている弁護士に依頼すれば、精神的な負担を大きく減らすことができるでしょう。
手続きを全て任せられるのはもちろん、不安なことがあればいつでも相談できます。事故に遭って今後のことが不安な方にとって、何でも相談できる頼れる専門家が味方につくのは大きいといえます。
加害者への処罰感情が強い場合には、 被害者参加制度を利用して刑事裁判に参加することもできます。
被害者参加制度とは、交通事故における過失運転致死傷罪などの一定の重大犯罪について、裁判所の許可を得て、被害者や遺族等が「被害者参加人」として刑事裁判に参加できる制度です。
「検察官に対する意見陳述」や「被害に関する心情その他の被告事件に関する」意見陳述などができるので、賠償金だけでは納得できない場合に検討すべき制度といえるでしょう。
また、加害者が不起訴処分になって納得できない場合には、検察審査会に対する審査申立てもおこなうことができます。
結論からいえば、交通事故で弁護士に依頼するデメリットはありません。
ここでは、弁護士に依頼することへのデメリットとしてよくある誤解について解説していきます。
ここまでご紹介してきた弁護士に相談するメリットを見ていただければわかるとおり、交通事故で弁護士に依頼することには大きな意味があります。
なかには、弁護士に依頼しても慰謝料は変わらないのではないかと不安に思う方も多いですが、基本的に保険会社が提示してくる金額は低額なので、法的根拠を持って交渉すれば慰謝料を増額できる可能性は非常に高いです。
仮に慰謝料を増額できなかったとしても、後述するように弁護士費用特約を使えば実質無料で弁護士に依頼できるので、手続きを全て任せられる分メリットは大きいといえます。
弁護士に依頼すると示談交渉で余計に揉めてしまい、解決までに時間がかかると勘違いしている方も多いです。
しかし、弁護士が入ることで余計に話しがややこしくなることはありません。保険会社も専門家である弁護士なら根拠のない主張はしてこないと考えているため、むしろ被害者自身が交渉するよりも早く示談金を受け取れる可能性が高いといえます。
また、弁護士は勝手に示談交渉や裁判を進めるわけではなく、基本的に依頼者の方とコミュニケーションを取りながら手続きを進めていきます。
もし「裁判にまでするくらいなら提示されている金額で交渉をまとめて欲しい」という希望があれば、希望どおり交渉をまとめていち早く示談金を受け取ることも可能です。
弁護士に依頼すると、手続きに進展がある度に事務所に行かなくてはいけないので手間がかかるのではないかと不安に思う方も多いでしょう。
対応は事務所ごとに異なりますが、基本的には電話やメールなどでやり取りできるので、最初の面談以外には事務所に行く必要がない方がほとんどです。
また、なかには契約書の作成なども郵送で対応してくれる場合があるので、仕事や家事で忙しい方でも安心して依頼できるでしょう。
仮に慰謝料を増額できても、弁護士費用を差し引いたら赤字になってしまうのではないかと不安になるかもしれません。しかし、被害者自身の自動車保険などに「弁護士費用特約」がついていれば、実質無料で弁護士に依頼できます。
弁護士費用特約とは、加入している保険会社が弁護士に依頼する費用を支払ってくれるサービスです。金額には上限が定められていますが、ほとんどの場合、依頼費用がこの上限金額を上回ることはありません。
死亡事故などで賠償金が高額になると弁護士への報酬金額も高額になる可能性もありますが、その場合、獲得した賠償金から報酬金を差し引くことになるので、依頼者が赤字になることはありません。
特約を利用しても翌年の保険料が上がったり示談交渉で不利になることはないので、積極的に利用することをおすすめします。
交通事故の被害者は基本的にどのケースでも弁護士に依頼すべきですが、とくに「死亡事故」や「重い後遺症が残った場合」には、弁護士に依頼するメリットが大きいといえます。
交通事故で被害者が亡くなってしまった場合、最大限の慰謝料を獲得するためにも弁護士に依頼することをおすすめします。
死亡事故の場合、死亡慰謝料や死亡逸失利益、葬儀関係費などを請求できますが、ほかの事故と違い高額な賠償金が認められます。裁判例では、1億円を超える賠償金が認められたこともあり、示談交渉では慎重な対応が必要になります。
葬儀関係費については、お通夜・葬儀にかかる費用だけでなく、四十九日法要にかかる費用も損害として請求できるので、示談交渉はこの法要が終わったあとにおこなうことになります。ほかの事故ではないような特殊な対応を求められるのも、死亡事故対応の難しいところといえます。
大切な家族を亡くした精神的ショックを癒すためにも、対応は弁護士に任せることをおすすめします。
死亡事故と同じように、重度の後遺障害が残った場合にも弁護士に対応を任せるべきだといえます。この場合、慰謝料や逸失利益が高額になることも多く、示談交渉次第で賠償金額が数千万円単位で変わる可能性もあるからです。
また、損害の実態に合わせて十分な補償を受けるには、適切な後遺障害等級に認定されることも重要です。認定される等級が1級違うだけでも、慰謝料の相場が大きく変わります。
裁判例では、後遺障害等級1級1号が認定されたケースで4億円を超える賠償金が認められたケースもあります。
過失割合が不利に認定されるとその分もらえる賠償金が大幅に減額されてしまうので、専門的知識に乏しい状態で交渉するのは得策ではないでしょう。
交通事故の被害にあったら、基本的にどのようなケースでも弁護士に相談・依頼すべきです。
弁護士に依頼すれば、慰謝料を増額できたり面倒な交渉を全て任せられるなどのさまざまなメリットがあります。
一方、弁護士に依頼するデメリットは基本的にありません。弁護士費用特約を使えばタダで依頼できるので、金銭面での心配をすることもないでしょう。
スムーズに最大限の補償を受けるには専門家のサポートが必要不可欠なので、まずは相談だけでもしてみることをおすすめします。