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最終更新日:2026/9/24

許認可とは?必要な業種一覧31種・費用と期間を行政書士が解説

本間 剛 (行政書士)
この記事の執筆者 行政書士 本間剛

ベンチャーサポート行政書士法人代表行政書士。
東京都行政書士会 中央支部所属(登録番号:07080055)
1980年生まれ、山形県出身。
都内にある行政書士法人での勤務経験を経て、2014年1月ベンチャーサポート行政書士法人を設立。

PROFILE:https://vs-group.jp/startup/profile_writing/#p-hon

許認可とは?必要な業種一覧31種・費用と期間を行政書士が解説

この記事でわかること
  • 許認可の意味・読み方・種類
  • 許認可が必要な業種一覧31種
  • 取得にかかる費用と期間
  • 許認可の申請方法・許認可証について
  • 会社設立前に確認すべきポイント

許認可(きょにんか)とは、特定の事業を行う際に必要となる、行政機関への申請や届出などの手続きをまとめて指す言葉です。

会社や個人事業を始めるだけであれば、原則として許認可は必要ありません。
ただし、飲食業や建設業、不動産業、運送業など、事業内容によっては営業を始める前に許可や届出などが必要になります。

また、同じ業種でも、営業形態や取り扱う商品・サービスによって必要な手続きが変わることがあります。
許認可が必要な事業では、取得までに一定の費用や期間がかかるため、会社設立や開業の準備段階で確認しておくことが大切です。

この記事では、許認可の意味や種類、必要となる主な業種31種を一覧で紹介します。
あわせて、取得にかかる費用・期間、申請方法、許認可証、会社設立や法人成りとの関係までを、行政書士が詳しく解説します。

許認可とは?意味や読み方を簡単に解説

許認可は「きょにんか」と読みます。
一般的には、事業を行う際に行政機関から受ける「許可」「認可」「免許」「登録」や、行政機関へ行う「届出」などをまとめて「許認可」と呼びます。

たとえば飲食業や建設業、不動産業、運送業など、公共の安全や衛生、消費者保護に関わる業種では、所定の行政機関に申請し、法令で定められた基準を満たしていると認められなければ事業を始めることができません。

一方で、IT・Web関連やコンサルティング業など、許認可なしで始められる事業も数多くあります。

そのため、起業するときはまず、自分が始める事業に許認可が必要かどうかを確認することが重要です。

許認可の主な種類(届出・登録・認可・許可・免許)

起業時に必要となる許認可にはさまざまなものがありますが、代表的なものとして「届出」「登録」「認可」「許可」「免許」があります。

種類 概要 代表的な業種・手続きの例
届出 事業内容などの一定事項を行政機関へ届け出る手続き クリーニング所開設届出、探偵業の届出
登録 一定の要件を満たしたうえで、行政機関の名簿などに登録を受ける手続き 旅行業登録、貸金業登録、倉庫業登録
認可 当事者が行った行為などについて、行政機関が同意を与えて法的な効力を完成させる手続き 認可保育所の設置認可、学校法人の設立認可
許可 法令で原則として禁止されている行為について、一定の要件を満たした場合に禁止を解除する手続き 飲食店営業許可、建設業許可、一般貨物自動車運送事業許可
免許 一定の要件を満たした事業者などに、特定の事業を営む資格・地位を与える手続き 宅地建物取引業免許、酒類販売業免許

名称によって必要な要件や審査方法が決まるわけではなく、同じ「許可」や「登録」でも、制度によって申請要件や必要書類、審査期間は大きく異なります。

そのため、分類だけで難易度を判断するのではなく、自分の事業に必要な許認可を特定し、個別の要件を確認することが重要です。

【業種別一覧】許認可が必要な主な業種31種と申請先

許認可が必要かどうかは、事業の内容によって決まります。
ここでは、起業や会社設立の際に取得を検討することが多い主な許認可31種を、業種別にまとめました。

なお、以下は代表的な許認可をまとめたものであり、すべてを網羅したものではありません。
事業内容によっては複数の許認可が必要になる場合もあるため、実際に開業する際は所管する行政機関に確認しましょう。

業種ごとに必要になりうる許認可一覧表

以下では、起業・会社設立時に検討することが多い許認可を、業種別に紹介します。
必要な手続きや申請先は事業内容によって異なるため、自社に当てはまる項目を確認してみましょう。

飲食

飲食

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
店舗で飲食物を調理して提供する 飲食店営業許可 許可 保健所
深夜0時以降に酒類を提供する飲食店営業を行う(※常態として主食を提供する営業を除く) 深夜における酒類提供飲食店営業開始届出 届出 公安委員会(警察署経由)
客を接待して、遊興または飲食をさせる 風俗営業許可(1号営業) 許可 公安委員会(警察署経由)

飲食店営業許可では、厨房や手洗い設備などについて施設基準が定められています。
物件を契約したり内装工事を始めたりする前に、店舗の図面を持って管轄の保健所へ相談しておくと安心です。

また、飲食店営業許可を取得していても、営業形態によっては別の手続きが必要です。
たとえば、深夜0時以降に主として酒類を提供する場合は公安委員会への届出、客への接待を伴う営業を行う場合は風俗営業許可が必要になります。

建設・工事

建設・工事

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
軽微な建設工事を除く建設工事を請け負う 建設業許可 許可 都道府県知事または国土交通大臣
建設業許可を持たずに解体工事を請け負う 解体工事業登録 登録 都道府県知事
電気工事を請け負う 電気工事業の登録・届出・通知など 登録・届出など 都道府県知事または経済産業大臣

建設業許可は、軽微な建設工事だけを請け負う場合を除き必要です。
自己資本500万円以上といった財産的基礎に加え、「経営業務の管理責任者等」や「営業所技術者等」に関する要件を満たす必要があります。

解体工事業登録は、工事を行う都道府県ごとに必要です。
ただし、土木工事業・建築工事業・解体工事業のいずれかについて建設業許可を受けている場合は、解体工事業登録は必要ありません。

電気工事業は、建設業許可の有無や取り扱う電気工作物によって「登録」「届出」「通知」など必要な手続きが異なります。
一般用電気工作物等に係る電気工事を行う営業所では、原則として主任電気工事士の設置も必要です。

不動産

不動産

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
宅地・建物の売買、交換、仲介などを業として行う 宅地建物取引業免許 免許 都道府県知事または国土交通大臣
一定規模以上の賃貸住宅の管理業務を受託する 賃貸住宅管理業者登録 登録 国土交通大臣

宅地建物取引業免許では、事務所ごとに、業務に従事する者5人につき1人以上の割合で専任の宅地建物取引士を置く必要があります。

また、免許を受けただけでは営業を開始できません。
営業保証金を供託するか、宅地建物取引業保証協会に加入して必要な手続きを済ませる必要があります。

賃貸住宅管理業は、管理戸数が200戸以上の場合に登録が義務付けられています。
200戸未満の場合は任意登録ですが、登録を受けた事業者には、営業所・事務所ごとに業務管理者を配置するなどの義務が課されます。

中古品売買

中古品売買

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
中古品の売買・交換・委託販売を行う 古物商許可 許可 公安委員会(警察署経由)
インターネット上で古物の売買を競りの方法であっせんする(インターネットオークションの運営など) 古物競りあっせん業者の届出 届出 公安委員会(警察署経由)

中古品を仕入れて販売するなど、古物営業法上の「古物」を業として売買する場合は、古物商許可が必要です。
営業所ごとに管理者を1人選任しなければなりません。

一方、自ら古物を売買するのではなく、インターネット上で古物の売買を競りの方法によってあっせんする場合は、古物商許可とは別に古物競りあっせん業者の届出が必要です。

販売・小売

販売・小売

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
店舗で酒類を販売する 一般酒類小売業免許 免許 税務署
インターネットやカタログなどで広範な地域に酒類を販売する 通信販売酒類小売業免許 免許 税務署
たばこを販売する たばこ小売販売業許可 許可 日本たばこ産業(JT)の受付窓口

飲食店が酒類を店内で提供するだけであれば、酒類販売業免許は原則として必要ありません。ただし、持ち帰り用の酒類を継続して販売する場合などには、酒類販売業免許が必要です。

通信販売酒類小売業免許は、インターネットやカタログなどを利用し、2都道府県以上の広範な地域の消費者等を対象として酒類を販売する場合に対象となる免許です。
販売できる酒類には一定の要件があります。

たばこ小売販売業許可では、予定営業所と既存店との距離基準や、店舗の環境に関する基準を満たす必要があります。

運輸

運輸

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
トラックなどで他人の荷物を有償で運送する 一般貨物自動車運送事業許可 許可 営業所所在地を管轄する運輸支局
軽自動車などで他人の荷物を有償で運送する 貨物軽自動車運送事業の届出 届出 運輸支局

一般貨物自動車運送事業を始めるには、営業所・車庫・車両などの要件を満たし、運行管理や整備管理の体制を整える必要があります。
許可申請から営業開始まで一定の期間がかかるため、早めに準備を始めましょう。

貨物軽自動車運送事業は許可制ではなく届出制ですが、2025年4月から安全対策が強化されています。
使用する車両などに応じて、貨物軽自動車安全管理者の選任・届出をはじめとする安全管理上の義務が課されるため、単に届出をすれば営業できると考えないよう注意が必要です。

生活衛生

生活衛生

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
美容室を開業する 美容所開設届 届出 保健所
理容室を開業する 理容所開設届 届出 保健所
クリーニング店を開業する クリーニング所開設届 届出 保健所

美容所・理容所・クリーニング所には、それぞれ施設や衛生管理に関する基準があります。
届出を提出するだけでなく、保健所などによる施設の確認を受けたうえで営業を始める必要があります。

美容所では、美容師である従業者が常時2人以上いる場合、管理美容師を置かなければなりません。

また、クリーニング所は、洗濯物の受け取りと引き渡しだけを行う取次店についても届出が必要です。

宿泊

宿泊

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
ホテル・旅館・ゲストハウスを営む 旅館業営業許可 許可 保健所
住宅に宿泊させる(民泊) 住宅宿泊事業の届出 届出 都道府県知事など

ホテル・旅館・ゲストハウスなどを営業する場合は、営業形態に応じて旅館業法に基づく許可が必要です。
建物や設備に関する要件のほか、用途地域や消防関係の確認が必要になる場合もあるため、物件を決める前に確認しておきましょう。

住宅宿泊事業法に基づく民泊では、人を宿泊させられる日数が年間180日以内に制限されています。
また、届出住宅の居室が5室を超える場合や、宿泊者がいる間に住宅宿泊事業者が不在となる場合などには、原則として住宅宿泊管理業者への委託が必要です。
自治体の条例によって営業できる区域や期間がさらに制限されることもあるため、事前に確認しましょう。

医療・福祉

医療・福祉

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
訪問介護・通所介護などを行う 指定居宅サービス事業者の指定 指定 都道府県知事、指定都市・中核市の長など
薬局を開設する 薬局開設許可 許可 都道府県知事など
認可外保育施設を設置する 認可外保育施設の設置届 届出 都道府県知事など

訪問介護や通所介護などの指定居宅サービス事業者となるには、原則として申請者に法人格が必要です。
人員・設備・運営のそれぞれについて基準が定められており、開業前に必要な人材や施設を確保しておく必要があります。

薬局開設許可では、管理薬剤師の設置と、調剤室の面積など構造設備の基準を満たす必要があります。

保育施設については、認可を受ける場合は保育所設置認可、認可を受けずに運営する場合は認可外保育施設の設置届と、手続きそのものが分かれます。

警察・公安委員会が関わる業種

警察・公安委員会が関わる業種

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
警備業を営む 警備業の認定 認定 公安委員会(警察署経由)
探偵業を営む 探偵業の届出 届出 公安委員会(警察署経由)

警備業を営む場合は公安委員会の認定を受け、営業所ごとに警備員指導教育責任者を選任するなど、所定の体制を整える必要があります。

探偵業を営む場合は、営業開始前に公安委員会への届出が必要です。
なお、2024年4月1日から「探偵業届出証明書」は廃止され、事業者が所定の標識を作成し、営業所の見やすい場所などに掲示する制度へ変更されています。

人材・専門サービス

人材・専門サービス

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
労働者派遣を行う 労働者派遣事業許可 許可 厚生労働大臣(労働局経由)
有料で職業紹介を行う 有料職業紹介事業許可 許可 厚生労働大臣(労働局経由)
旅行商品の企画・手配などを行う 旅行業登録 登録 観光庁長官または都道府県知事
投資助言や金融商品取引に関する業務を行う 金融商品取引業登録 登録 本店等の所在地を管轄する財務局・財務事務所

労働者派遣事業と有料職業紹介事業では、財産的基礎や責任者の配置などについて要件が設けられています。
資本金を決めてから要件不足に気づくことがないよう、会社設立前に確認しておくことが重要です。

旅行業は、取り扱う旅行の範囲に応じて第1種・第2種・第3種・地域限定旅行業などに区分され、登録先や財産的基礎などの要件が異なります。
また、旅行業務取扱管理者の選任に加え、原則として営業保証金の供託が必要です。
旅行業協会の保証社員となる場合は、営業保証金に代えて弁済業務保証金分担金を納付します。

金融商品取引業も、業務内容によって第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資助言・代理業、投資運用業などに分かれます。
たとえば、報酬を受けて投資判断に関する助言を行う場合は、投資助言・代理業の登録が必要になることがあります。

環境・その他

環境・その他

事業の内容 必要な許認可 種類 主な申請先
産業廃棄物を収集・運搬する 産業廃棄物収集運搬業許可 許可 都道府県知事(政令市長)など
ペットの販売・保管・貸出し・訓練などを行う 第一種動物取扱業の登録 登録 都道府県知事など

産業廃棄物収集運搬業では、原則として、廃棄物を積み込む場所と荷卸しする場所を管轄する都道府県等の許可が必要です。
運搬経路として単に通過するだけの都道府県については、原則として許可を取得する必要はありません。

第一種動物取扱業は、販売・保管・貸出し・訓練・展示などの区分があり、事業所ごとに登録が必要です。
事業所ごとに要件を満たした動物取扱責任者を配置しなければなりません。

許認可が必要ない事業の例

上の表を見て「自分の事業は載っていないけれど、本当に何も手続きがいらないのか」と不安に感じる方もいるかもしれません。

以下のような業種は原則として許認可が不要です。

許認可が不要な業種

  • IT・Web制作・システム開発
  • コンサルティング業
  • デザイン・クリエイティブ制作
  • ライティング・翻訳
  • 広告代理・マーケティング

ただしこれらの業種でも、事業内容の組み合わせによっては許認可が必要になるケースがあります。
たとえばコンサルティング会社が人材紹介サービスを新たに始める場合は、有料職業紹介事業の許可を取得しなければなりません。

事業を拡大したり、新しいサービスを追加したりするときは、その都度、許認可の要否を確認しましょう。

個人事業主でも許認可は取得できるのか

許認可には、個人事業主でも取得できるものと、法人格が必要なものがあります。

たとえば、飲食店営業許可や古物商許可などは、個人事業主でも申請できます。
一方、訪問介護や通所介護などの指定居宅サービスでは、原則として申請者に法人格が求められます。

そのため、「許認可が必要だから会社を設立しなければならない」とは限りません。
個人と法人のどちらで事業を始めるかを決める際は、取得予定の許認可に法人要件があるかどうかも確認しておきましょう。

自分の事業に許認可が必要か判断がつかない場合の確認方法

一覧表に自分の業種が見当たらない場合や、自分の事業内容が許認可の対象に該当するかどうか判断がつかない場合、まずは以下の要素が自分のビジネスに含まれているかをチェックしてみてください。

許認可が必要になるサインの一例

  • 人の身体や健康に関わるサービスを提供する
  • 中古品やリユース品を売買する
  • 公道を使って人や物を運ぶ
  • 行政から指定や認定を受けてサービスを提供する
  • 特定の資格者の配置が法律で義務づけられている
  • 他者の安全や健康、財産などに影響を及ぼしうる

これらに該当する場合、そのビジネスは何らかの許認可を必要とする可能性があります。
まずは自分が始めようとしている業種名に「許認可」「開業」「届出」などのキーワードを組み合わせて検索し、所管する行政機関の公式サイトを確認しましょう。

中小企業基盤整備機構が運営するJ-Net21でも、許認可が必要となる主要な業種がまとめられています。

参考:許認可が必要な業種は|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]

また、各都道府県の中小企業支援センターや商工会議所などでは、創業に関する無料相談を受け付けています。
「自分の事業に許認可が必要か」という質問にも対応してもらえるため、検索しても判断がつかない場合は直接相談してみましょう。

許認可の取得にかかる費用と期間の目安・注意点

許認可が必要な事業では、申請時の手数料などに加え、取得までに一定の期間がかかります。
費用や審査期間は許認可の種類や申請先によって異なるため、開業資金やスケジュールを決める前に確認しておきましょう。

代表的な許認可について、申請時などに必要となる主な費用と期間、行政書士に依頼した場合の報酬の目安をまとめると、次のとおりです。

許認可 法定費用 審査期間の目安 行政書士報酬の目安
飲食店営業許可 1万6,000~1万8,300円程度
※自治体により異なる
約2〜3週間 5万5,000円(平均5万6,851円)
建設業許可(知事許可・新規) 9万円 約1〜2カ月
※行政庁により異なる
16万5,000円(平均15万1,341円)
宅建業免許申請手数料 3万3,000円(東京都・書面申請の場合) 約30〜60日(東京都知事免許の場合) 16万5,000円(平均12万2,219円)
古物商許可 1万9,000円
※不許可でも返還されない
40日(行政庁の休日を除く) 5万5,000円(平均5万3,688円)
酒類販売業免許(一般酒類小売業) 登録免許税3万円
※申請手数料は不要
原則約2カ月 15万円(平均15万4,963円)

※行政書士報酬は、日本行政書士会連合会「令和7年度報酬額統計調査の結果」(令和8年1月実施)に基づく金額です。最頻値と平均額を記載しています。金額は消費税込みで、上記の法定費用は含みません。
※法定費用・審査期間は2026年8月時点の各所管庁の公表情報に基づきます。

参考:令和7年度報酬額統計調査の結果|日本行政書士会連合会(PDF)

なお、電子申請の場合に手数料が安くなる許認可もあります。
東京都の宅地建物取引業免許では、電子申請による新規・更新の場合、手数料を2万6,500円としています。

ただし、これらの表を見るうえでは以下の2点に注意が必要です。

許認可の取得費用と期間の注意点

  1. 申請手数料は不許可でも返還されないことがある
  2. 審査期間と営業を始められるまでの期間は異なる

それぞれについて詳しく解説します。

申請手数料は不許可になっても返還されないことがある

許認可にかかる費用は、その性質によって支払う時期や不許可となった場合の扱いが異なります。

たとえば建設業許可の申請手数料は、審査そのものに対する手数料です。
そのため、許可が下りなかった場合や申請を取り下げた場合でも返還されません。
一方、一般酒類小売業免許では申請手数料はかからず、免許を受けられることが決まった後に登録免許税3万円を納付します。

このように許認可によって費用のしくみが異なるため、申請前に「いつ、何のために、いくら支払うのか」を確認しておきましょう。

審査期間と営業を始められるまでの期間は異なる

表に記載した期間は、主に申請後の審査や処理にかかる期間の目安です。
必要書類の収集や施設・設備の準備、申請前の事前相談などにかかる期間は含まれていません。
また、許可や免許を受けたあとに別の手続きが必要な場合もあります。

たとえば、宅地建物取引業では、免許を受けた後に営業保証金の供託または保証協会への加入手続きを済ませなければ営業を開始できません。
飲食店営業許可のように施設検査が必要な許認可では、内装工事の完成時期や検査の日程によっても営業開始日が変わります。

そのため、許認可が必要な事業では、審査期間だけでなく、申請準備から実際に営業を始められるまでの期間を見込んでスケジュールを立てることが重要です。

許認可の申請方法と取得までの流れ

許認可の申請方法や必要書類は制度によって異なりますが、一般的には次のような流れで進めます。

許認可を取得するための一般的な流れ

  • STEP1自分の事業に必要な許認可と申請先を確認する
  • STEP2申請要件を確認し、必要に応じて行政機関へ事前相談する
  • STEP3必要書類を準備する
  • STEP4窓口・郵送・電子申請などで申請する
  • STEP5書類審査や現地検査を受ける
  • STEP6許認可取得後、営業開始に必要な手続きを確認する

まずは、自分が行う事業にどの許認可が必要なのかを特定します。
次に、人員・資金・施設・設備などの申請要件を確認します。
要件を満たしていない状態で準備を進めると、物件や設備の変更、人員の追加などが必要になる場合があるため、早い段階で確認しておくことが重要です。

要件を確認したら、申請書や添付書類を準備します。
法人の場合は、定款や登記事項証明書などの提出を求められることもあります。

申請方法は許認可によって異なり、行政機関の窓口だけでなく、郵送や電子申請に対応している制度もあります。
申請後は書類審査が行われ、飲食店営業許可や旅館業営業許可などでは施設の現地検査が行われます。

審査を通過したあとも、保証金の供託や標識の掲示などが必要な場合があります。
許可証や免許証が交付された時点ではなく、その事業で営業を開始できる条件をすべて満たしたかどうかを確認しましょう。

複数の許認可が必要な場合は申請する順番も確認する

事業の内容によっては、複数の許認可が必要になります。
この場合、先に取得した許認可に関する書類が次の申請で必要になるなど、手続きの順番が決まっているケースがあります。

特に順番が定められていない場合でも、審査に時間がかかる許認可から準備を始めると、営業開始までのスケジュールを組みやすくなります。
複数の許認可が必要な場合は、それぞれを個別に進めるのではなく、申請先へ事前に相談し、取得までの順序とスケジュールを確認しておきましょう。

許認可の申請手続きは行政書士に依頼できる

許認可の申請手続きは、自分で行うこともできますが、行政書士に依頼するという選択肢もあります。

行政書士は、官公署に提出する書類の作成や、許認可申請の手続きなどを取り扱う国家資格者です。
許認可の申請はその主要な業務のひとつであり、要件の確認から必要書類の作成、行政機関への提出まで一貫して依頼できます。

特に、次のような場合は専門家への相談を検討するとよいでしょう。

行政書士に依頼を検討すべきケース

  • 自分の事業にどの許認可が必要かわからない
  • 申請要件や必要書類が複雑
  • 複数の許認可を同時に取得する
  • 開業日が決まっており、手続きをできるだけスムーズに進めたい

会社設立と許認可申請の両方が必要な場合は、設立前から許認可の要件を確認しておくことで、定款や資本金、人員体制などのやり直しを防ぎやすくなります。

会社設立における行政書士の役割や費用の目安などについては、以下の記事で解説しています。

許認可証とは

許認可の手続きが完了すると、制度に応じて許可書や免許証、通知書などが交付されます。
これらをまとめて「許認可証」「許認可書」などと呼ぶことがありますが、正式な書面の名称は許認可によって異なります。

代表的な例は、次のとおりです。

許認可 交付される書面の名称
飲食店営業許可 営業許可書
建設業許可 建設業許可通知書
宅地建物取引業免許 宅地建物取引業者免許証
古物商許可 古物商許可証
酒類販売業免許 酒類販売業免許通知書

取引先や金融機関から「許認可証の写しを提出してください」と求められた場合は、自社が取得している許可書や免許証など、該当する書面を確認しましょう。

許認可証はどこで交付されるのか

許認可証などは、申請先となる行政機関から交付・通知されるのが基本です。
たとえば、飲食店営業許可は保健所、古物商許可は公安委員会への申請を受け付けた警察署、酒類販売業免許は所轄の税務署が窓口となります。

ただし、交付方法は制度や行政機関によって異なります。
窓口での受け取りだけでなく、郵送や電子申請に対応している許認可もあるため、申請時に確認しておきましょう。

また、許可書や免許証が交付された時点と、実際に営業を開始できる時点が同じとは限りません。
宅地建物取引業のように、免許を受けた後に営業保証金の供託や保証協会への加入などが必要な場合もあるため、営業開始までに必要な手続きをすべて確認することが大切です。

許認可を取得した後は掲示・更新・変更手続きにも注意する

許認可は、取得すればその後何もしなくてよいわけではありません。
制度によっては、営業所などへの標識の掲示や定期的な更新、登録事項に変更が生じた場合の届出などが必要です。

代表的な例は次のとおりです。

許認可 取得後の主な手続き・義務
建設業許可 許可標識の掲示、5年ごとの更新など
宅地建物取引業免許 宅地建物取引業者票の掲示、5年ごとの更新など
古物商許可 営業所への標識の掲示、変更時の届出など
酒類販売業免許 酒類販売管理者の選任・標識の掲示、定期的な研修など

建設業許可と宅地建物取引業免許の有効期間は5年間で、引き続き営業する場合は期限内に更新申請を行う必要があります。

一方、古物商許可や酒類販売業免許のように、定期的な更新制度がない許認可もあります。
ただし、更新が不要でも、営業所の移転や法人名の変更などがあった場合には変更手続きが必要になることがあります。

また、許可証などを紛失した場合の対応も制度によって異なります。
たとえば古物商許可証には再交付制度がありますが、酒類販売業の免許通知書は再発行されず、必要に応じて免許を受けていることの証明を申請します。

取得後も、有効期限・掲示義務・変更届などを許認可ごとに管理しておくことが重要です。

会社設立前に確認しておきたい許認可の3つのポイント

法人として許認可を申請する場合、登記事項証明書や定款など、会社設立後でなければ用意できない書類を求められることがあります。
そのため、許認可の正式な申請は会社設立後になるケースも少なくありません。

一方で、許認可の要件確認は会社を設立する前から始めることが重要です。
許認可によっては、定款の事業目的や資金、人員、営業所・店舗の設備などが申請に関係するためです。

特に次の3点は、会社設立前に確認しておきましょう。

許認可の申請であらかじめ確認すべきポイント

  1. 定款の事業目的を確認する
  2. 資金や有資格者などの要件を確認する
  3. 店舗・営業所などの立地や設備要件を確認する

それぞれのポイントについて詳しく解説します。

その1:定款の事業目的を確認する

法人が許認可を申請する際は、定款や登記事項証明書の提出を求められることがあります。
このとき、定款に記載された事業目的のなかに、申請する事業に対応する内容が含まれているかどうかを確認される場合があります。

会社設立後に事業目的を追加することになると、定款変更や変更登記などの手続きが必要となり、余計な費用や時間がかかります。
そのため、許認可が必要な事業を行う予定がある場合は、会社設立前に申請先へ事業目的の記載内容を確認し、定款へ反映しておくとスムーズです。

その2:資金や有資格者などの要件を確認する

許認可によっては、一定の財産的基礎や有資格者・責任者の配置などが求められます。

たとえば一般建設業許可では、一定の財産的基礎または金銭的信用に関する要件があり、営業所には要件を満たす営業所技術者等を置く必要があります。
宅地建物取引業でも、事務所ごとに一定数の専任の宅地建物取引士を配置しなければなりません。

会社を設立してから資金や人員が不足しているとわかると、増資や採用などが必要になり、事業開始が遅れる可能性があります。
資本金や人員体制を決める前に、取得予定の許認可の要件を確認しておきましょう。

その3:店舗・営業所などの立地や設備要件を確認する

店舗や営業所を使用する事業では、物件そのものが許認可の要件を満たしているかも重要です。
たとえば飲食店では厨房や手洗い設備などの施設基準、風俗営業では用途地域や周辺施設との位置関係などが許可に影響します。

条件を確認せずに物件を契約したり内装工事を進めたりすると、あとから営業できないことが判明したり、工事のやり直しが必要になったりする可能性があります。

許認可に物件・設備の要件がある場合は、契約や工事を行う前に申請先へ相談しておくことをおすすめします。

会社設立と許認可の準備は並行して進められる

法人としての許認可申請が会社設立後になる場合でも、設立前から準備できることは多くあります。

会社設立前から進められること

  • 必要な許認可の確認
  • 行政機関への事前相談
  • 定款の事業目的の確認
  • 資金要件の確認
  • 有資格者や責任者の確保
  • 物件・設備要件の確認

原則として会社設立後に行うこと

  • 法人の登記事項証明書の取得
  • 法人名義での許認可申請
  • 法人名義の口座・残高証明書などの取得
  • 設立後の書類を使った正式な申請手続き

「会社を設立してから許認可を調べる」のではなく、会社設立と許認可の準備を並行して進めることが、スムーズに事業を開始するポイントです。

行政書士 本間 剛

行政書士
本間 剛

ベンチャーサポートグループでは、税理士・司法書士・行政書士がそれぞれ在籍し、連携して対応しています。

会社設立の手続きと並行して許認可の要件確認を進められるため、設立してから許認可の準備を始める場合と比べて、事業開始までの期間を短縮できます。

個人事業主から法人成りする際の許認可の扱い

個人事業主として許認可を取得している場合、法人成りをしても、その許認可をそのまま法人へ引き継げるとは限りません。
個人と法人は別の事業者として扱われるため、法人で新たに許認可を取得する必要があるものもあれば、一定の手続きを行うことで許認可上の地位を承継できるものもあります。

主な許認可の取り扱いは次のとおりです。

許認可 法人成りする際の主な対応
建設業許可 事業譲渡などについて事前に認可を受けることで、許可を承継できる場合がある。承継制度を利用しない場合は法人として新規許可が必要
飲食店営業許可 事業譲渡により営業を引き継ぐ場合は、一定の要件のもとで営業者の地位を承継し、届出で対応できる場合がある
古物商許可 個人と法人は別の許可申請者となるため、法人として許可申請が必要
宅地建物取引業免許 個人から法人へ変更する場合は、法人として新規免許を申請する

このように、法人成りしたときの取り扱いは許認可ごとに異なります。

以前は法人で新規取得する必要があった許認可でも、法改正によって事業承継制度が設けられているものがあります。
過去の情報だけで判断せず、法人成りを決めた段階で最新の制度を確認しましょう。

許認可の空白期間が生じないように注意する

法人成りで特に注意したいのが、個人事業主としての営業を終了してから、法人で営業を開始するまでの「空白期間」です。

法人で許認可を新規取得する場合、法人の設立登記が終わってから申請し、許可や免許が有効になるまで営業できないことがあります。
承継制度が設けられている許認可でも、事前の認可や承継後の届出などが必要です。

たとえば建設業許可の事業承継制度では、事業を譲渡する前に認可を受ける必要があります。
飲食店営業許可でも、事業譲渡によって営業者の地位を承継する場合には所定の届出が必要です。

法人成りによって営業できない期間を生じさせないため、次の点を早めに確認しておきましょう。

法人成りをする際の注意点

  • 現在取得している許認可を法人へ承継できるか
  • 承継する場合、いつまでにどの手続きが必要か
  • 承継できない場合、法人での新規取得にどのくらいの期間がかかるか
  • 個人事業を廃止する時期と、法人で営業を開始できる時期

会社設立の日程だけでなく、許認可が法人で有効になる時期まで含めて法人成りのスケジュールを決めることが重要です。

許認可を取得せずに事業を始めた場合のリスク

許認可が必要な業種で、必要な許可・免許等を取得せずに営業した場合や、必要な届出を行わなかった場合は、根拠となる法令に応じて刑事罰や行政処分などの対象となることがあります。

罰則の内容は根拠法令によって異なりますが、主な許認可における無許可営業の罰則は以下のとおりです。

許認可 無許可営業の罰則
飲食店営業許可 2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金
古物商許可 3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金
建設業許可 3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金

上記はいずれも違反した行為者個人に対する罰則です。
法人の業務として無許可営業が行われた場合は、行為者本人に加えて法人にも罰金刑が科される両罰規定が各法律に設けられています。

特に建設業法では法人に対して1億円以下の罰金が科される場合があり、個人の罰金額を大きく上回ります。
また、無許可営業が発覚した場合は刑事罰に加えて、行政処分として営業停止を命じられることもあります。

「取得してから営業する必要がある許認可」なのか、「営業を始める前に届出をすればよい手続き」なのかも制度によって異なるため、開業日を決める前に必要な手続きと営業を開始できる条件を確認しておきましょう。

許認可の取消しは将来の再取得に影響することがある

許認可を取得したあとでも、重大な法令違反などがあると、許可や免許を取り消されることがあります。
さらにこの取消処分を受けると、一定期間は同じ許認可を取得できなくなる制度もあります。
この期間を欠格期間といいます。

許認可 取り消し後に再取得できない期間
飲食店営業許可 取り消しの日から2年
古物商許可 取り消しの日から5年
宅地建物取引業免許 取り消しの日から5年

ここで注意したいのが、欠格事由(許認可を受けられない人の条件)は、取消し処分を受けた法人だけでなく、その当時に役員だった人にも及ぶという点です。

たとえば宅地建物取引業免許では、免許を取り消された法人について、取消しに係る聴聞の期日の公示日前60日以内に役員であった者も欠格事由に該当します。

つまり、処分を受けた会社をたたんで新しい法人を設立しても、役員が同じであれば許認可を取得できないことになります。

この記事のまとめ:会社設立前に必要な許認可を確認しよう

許認可は、特定の事業を行うために必要となる行政機関への申請や届出などをまとめて指す言葉です。
すべての事業に必要なわけではありませんが、飲食業、建設業、不動産業、古物営業、運送業などでは、営業を始める前に許可・免許・登録・届出などが必要になる場合があります。

特に会社を設立して事業を始める場合は、会社を設立してから許認可を調べるのではなく、設立前から必要な要件を確認しておくことが重要です。

許認可によっては、定款の事業目的や資金、有資格者、営業所・店舗の立地や設備などが申請要件に関係します。
事前に確認しておけば、会社設立後の定款変更や増資、物件の変更などの手戻りを防ぎやすくなります。

また、個人事業主から法人成りする場合も、現在の許認可を法人へそのまま引き継げるとは限りません。承継手続きの有無や法人での新規取得に必要な期間を確認し、営業に空白期間が生じないようスケジュールを立てましょう。

ベンチャーサポート税理士法人では、会社設立・運営に関する無料相談を実施しています。

士業グループとして行政書士や司法書士、税理士、弁護士、社労士、土地家屋調査士などさまざまな士業が在籍し、互いに連携しているため、判断のずれや手続きの漏れがなく、経営者の方がご自身の事業に専念できる環境を実現します。

許認可の取得に関しても、建設業や古物商、飲食店経営など幅広い業種に対応しています。
初めて会社設立を行う方や、できるだけ早めにミスなく設立を行いたい方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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