東京弁護士会所属。新潟県出身。
交通事故の影響で怪我や病気になってしまうと、体調の不安に加えて、経済的な不安も発生します。
慰謝料を請求するためには、法律上の知識や、過去の交通事故被害がどのような慰謝料額で解決されてきたかという判例の知識が必要です。
我々はこういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって、妥当な損害賠償金を勝ち取ることが期待できます。是非一度ご相談ください。
PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/kawasaki/
書籍:この1冊でわかる もめない遺産分割の進め方: 相続に精通した弁護士が徹底解説!
交通事故や相続争い、労使間のトラブルなどが発生すると、民事裁判で解決を目指す場合があります。
当事者同士で解決できない問題があれば、事態が深刻化する前に民事裁判を検討してみましょう。
なお、民事裁判には費用がかかるため、裁判所に支払う手数料がいくらになり、誰が支払うのか理解しておく必要があります。
民事裁判の手続きを弁護士に依頼するときは、着手金や報酬金の相場も知っておくとよいでしょう。
今回は、民事裁判にかかる費用の相場や、費用を抑える方法などをわかりやすく解説します。
民事裁判を起こす場合、訴訟費用(裁判所に支払う費用)と弁護士費用がかかります。
どちらも平均的な相場は以下のようになるため、不足がないように準備しておきましょう。
民事裁判の訴訟費用には以下の種類があり、それぞれ裁判所に支払います。
では、具体的な金額や支払いタイミングをみていきましょう。
民事裁判には手数料がかかるため、収入印紙で支払います。
収入印紙代は以下のようになっており、訴額(相手方に請求する額)に応じて変動します。
【訴額:収入印紙代】
民事裁判で300万円を争う場合、収入印紙代は以下のようになります。
収入印紙は郵便局やコンビニエンスストア、または裁判所内の売店で購入し、訴状に貼付しておきましょう。
民事裁判を起こす場合、裁判所が相手方に資料を送付するため、郵便切手が必要です。
郵便切手代は5,000~7,000円程度ですが、裁判所ごとに異なっており、6,000円の場合は以下の郵便切手を準備します。
郵便切手代を銀行振込みや電子納付、窓口で現金納付できるケースもあるため、納付方法については各裁判所の窓口で確認してください。
民事裁判に証人を呼んだときは、1日1万円程度の日当と交通費を支払います。
交通費は実費を支払いますが、公共交通機関を利用した場合の金額になるため、タクシー利用は原則として認められていません。
民事裁判の尋問内容などは書記官が記録しており、コピーを請求すると謄写手数料がかかります。
謄写手数料は1枚あたり20~50円程度かかるため、コピー枚数が多いときは数千円~1万円程度になる場合もあります。
民事裁判を弁護士にサポートしてもらう場合、以下の弁護士費用がかかります。
弁護士費用には統一基準がないため、依頼する弁護士によって金額は変わりますが、概ね以下の相場になるでしょう。
弁護士に相談する際は、30分5,000円や1時間1万円程度の法律相談料がかかります。
初回相談は無料になるケースが多いため、法律事務所のホームページを確認してみましょう。
民事裁判を起こす理由や資料をまとめておくと、無料相談を有効活用できます。
民事裁判を弁護士に依頼する場合、委任契約を結ぶときに着手金が発生します。
着手金は問題解決の成否に関わらず発生するため、依頼内容が達成できなくても返金されません。
各弁護士は着手金を自由に設定できますが、一般的な相場は以下のようになっています。
【依頼者の経済的利益:着手金の料率】
なお、着手金無料の弁護士に依頼すると、まとまった資金がなくても民事裁判のサポートを受任してくれます。
弁護士が依頼内容に成功すると、報酬金が発生します。
報酬金の相場は以下のようになっており、金額は依頼者が獲得する経済的利益に影響されます。
【依頼者の経済的利益:報酬金の料率】
民事裁判に勝訴した場合、報酬金は獲得した慰謝料などから差し引かれます。
弁護士が遠方に出張する場合、1時間1万円程度の日当がかかります。
日当が発生する状況は裁判所への出廷や、交通事故の証拠収集などを依頼した場合です。
交通事故の証拠収集を依頼した場合、事故現場が遠方だったときは日当も高額になりますが、半日程度の出張では日当を請求しない弁護士もいます。
弁護士費用には実費も含まれており、具体的には交通費や通信費、訴状に貼付する収入印紙代などがあります。
書類のコピー代も実費になるため、民事裁判をサポートしてもらうときは、細かな費用も確認しておきましょう。
弁護士によっては事案別の実費をパッケージ化しており、定額料金ですべて対応するケースもあります。
民事裁判の費用は原告側の負担になるため、原則として被告には請求できません。
しかし、以下のように例外的な扱いもあり、場合によっては訴訟費用や弁護士費用の一部を相手方に請求できます。
民事裁判の費用は敗訴した側の負担になりますが、勝訴側に訴訟を遅延させる行為があったときは、判決によって「6:4」などの負担割合にする場合もあります。
たとえば、訴額300万円のうち6割の180万円しか獲得できなかった場合、収入印紙代2万円も「6:4」の負担割合になるため、相手方に4割分の8,000円を請求できます。
なお、民事裁判が和解で決着したときは、訴訟費用が自己負担となり、被告側には請求できません。
弁護士費用は依頼者の負担になるため、相手方には請求できません。
ただし、相手に以下の不法行為があった場合は、例外的に弁護士費用の1割程度を請求できます。
弁護士費用は勝訴した場合のみ請求可能になっており、敗訴や和解の成立、調停や示談交渉は対象外です。
民事裁判の訴訟費用を抑えたいときは、以下の方法を検討してみましょう。
トラブルの解決方法によっては、費用が民事裁判の半額程度になり、弁護士費用がかからないケースもあります。
交通事故の加害者などに慰謝料請求する場合、請求額が60万円以下であれば少額訴訟を起こせます。
少額訴訟は簡易な手続きになっており、自分1人で裁判を起こすと1万円程度の費用しかかかりません。
裁判所に出廷する回数も基本的には1回のみとなるため、慰謝料請求などの問題を短期間で解決できるでしょう。
簡易裁判所に支払督促を申し立てると、裁判所が債務者に対して金銭の支払いを命じてくれます。
相手が支払命令に応じないときは強制執行も可能になっており、給与や預貯金、不動産などを差し押さえられます。
費用も民事裁判の半額程度になるため、出費を抑えて慰謝料などを請求したいときは、支払督促を検討してみましょう。
民亊調停とは、話し合いによるトラブルの解決手段です。
簡易裁判所に民事調停を申し立てると、調停委員が当事者の間に入るため、相手と直接話し合う必要はありません。
民亊調停の費用は民事裁判よりも低くなっており、訴額が100万円であれば5,000円の負担になります。
なお、調停が不成立になった場合、事案によっては審判に移行しますが、民事裁判が必要になるケースもあります。
民事裁判の費用を相手側に請求したいときは、「訴訟費用は被告が負担する」などの一文を訴状に明記する必要があります。
裁判には訴訟救助の制度もあるため、勝訴できるかどうか不明な場合は、裁判が結審するまで収入印紙の支払いを猶予してもらえます。
訴状に不備があると裁判所が受理しないため、書き方がわからないときは弁護士に相談してみましょう。
民事裁判を弁護士に依頼すると、着手金だけでも10万円以上かかります。
着手金は敗訴しても返金されないため、弁護士費用を抑えたいときは、以下の方法を検討することをおすすめします。
自分1人で本人訴訟を起こすと、弁護士費用はかかりません。
不法行為などの証拠が揃っており、勝訴の見込みが十分にあるときは、本人訴訟を検討してもよいでしょう。
ただし、民事裁判の相手が弁護士に依頼すると、本人訴訟で負けてしまう可能性があります。
裁判は証拠主義で審理されますが、口頭弁論の際には理論構成も重要になるため、不安があるときは弁護士のサポートを受けるとよいでしょう。
法テラスは民事法律扶助業務を行っており、収入や資産が一定額以下であれば、弁護士費用の立替払いに応じてもらえます。
法律相談料も「30分×3回」まで無料になるため、1万5,000円程度の節約も可能です。
なお、法テラスは弁護士を選べないため、専門分野が異なる弁護士や、相性の悪い弁護士が担当する可能性もあります。
弁護士保険に加入すると、以下の費用を保険会社が負担してくれます。
弁護士費用が300万円かかるケースは滅多にないため、無料でトラブル解決できる可能性があります。
自動車保険や火災保険などに弁護士費用特約を設定している場合も、弁護士費用を自己負担するケースはほぼないでしょう。
交通事故の慰謝料などを民事裁判で争う場合、訴訟費用だけでも2万~5万円程度かかります。
訴訟費用や弁護士費用の一部を相手に請求できる場合もありますが、勝訴が必要条件です。
本人訴訟や少額訴訟、民事調停は費用を節約できますが、相手の不法行為などを立証しなければならないため、ハードルの高さを感じてしまうでしょう。
民事裁判の手続きに困ったときは、ぜひ弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所の無料相談を活用してください。