最終更新日:2024/3/11
法人の印鑑証明書の取得方法4つ!印鑑登録の流れ・手数料も
ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
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YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック
この記事でわかること
- 法人の印鑑証明書の概要
- 法人の印鑑証明書が必要なケース
- 法人が印鑑証明書を取得する4つの方法
- 法人の実印を印鑑登録する流れ・必要書類
- 法人の印鑑証明書を取得する際のよくある質問と回答
会社を設立するときは法人用の実印を作成し、各種申請や契約書などに使用します。
政府主導のデジタル化推進で「脱ハンコ」の流れも出てきていますが、対外的な申請・契約には今後も会社の実印が必要です。
ただし、会社の実印は印鑑登録が必須となり、契約書などに押印したときは、実印の証明として印鑑証明書を添付するケースもあります。
印鑑証明書は様々な機会で必要になりますが、発行する法務局が平日しか開庁していないため、「窓口に出向く時間がない」という経営者も少なくはないでしょう。
今回は、法人の印鑑証明書が必要になるケースや、印鑑証明書の取得方法などをわかりやすく解説します。
目次
法人の印鑑証明書とは
法人の印鑑証明書とは、印鑑登録された実印であることを証明する書類です。
個人の印鑑は市町村役場で登録しますが、法人の場合は法務局で印鑑登録し、登録完了後には印鑑証明書を発行してもらえます。
印鑑証明書には実印の印影や法務局の証明文が表示されるので、会社の印鑑を押した書類に添付すると、本物の実印であることを証明できます。
印鑑証明書があれば取引きの相手方も安心できるので、安全かつスムーズな商取引には欠かせない書類といえるでしょう。
法人の印鑑証明書が必要なケース
法人の印鑑証明書は、以下のようなケースに必要です。
- 事務所などを借りる際の賃貸借契約
- 不動産の売買
- 社用車の購入・売却・廃車手続き
- 法人名義の銀行通帳の作成(不要の銀行もあり)
- 法人名義で銀行融資
会社を設立する場合、定款とともに会社の実印も法務局に届け出るので、商号(社名)が決まったら早めに印鑑を作成することをおすすめします。
会社の設立登記が完了すると、登記事項証明書や印鑑証明書を発行してもらえるため、不動産売買などの契約時には実印の押印であることを証明できます。
法人が印鑑証明書を取得する4つの方法
法人の印鑑証明書は4つの取得方法があるので、法務局まで出向かなくても発行は可能です。
全国どこの法務局でも印鑑証明書の発行に対応しており、その具体的な取得方法は以下のようになっています。
法務局の窓口に請求する
法務局の窓口で印鑑証明書を請求すると、即日発行してもらえます。
請求時には印鑑証明書交付申請書に以下の内容を記入し、1通450円分の収入印紙を用紙の右側に貼付します。
- 会社の商号
- 本店所在地
- 印鑑提出者の資格や氏名、生年月日
- 印鑑カード番号
- 請求通数
- 窓口に来た申請人の情報
印鑑証明書交付申請書の必要項目を記入したら、印鑑カードと一緒に窓口へ提出します。
収入印紙は郵便局やコンビニエンスストア、または法務局併設の売店で購入しておきましょう。
法務局に郵送請求する
印鑑証明書を郵送請求する場合、法務局に以下の書類などを送付します。
- 印鑑証明書交付申請書
- 印鑑カードの原本
- 450円分の収入印紙
- 返信用封筒と郵便切手
郵送請求は印鑑証明書の到着までに3~5日程度かかりますが、法務局に出向く必要がないので、多忙な方におすすめの方法です。
なお、印鑑証明書交付申請書は法務局のホームページからダウンロード可能になっており、PDF版またはエクセル版のどちらかを選べます。
法務局の証明書発行請求機を利用する
法務局に証明書発行請求機が設置してあれば、印鑑証明書交付申請書を記入しなくても印鑑証明書を取得できます。
証明書発行請求機を使って印鑑証明書を取得するときは、以下の流れになります。
- 画面の案内に従って必要情報を入力し、印鑑カードの読み込みをする
- 入力完了後に発行される整理番号票を受け取る
- 整理番号を呼ばれたら整理番号票と引き換えに申請書用紙を受領
- 申請書用紙に収入印紙を貼付して窓口に提出し、その場で印鑑証明書を受け取る
印鑑証明書の発行手数料は他の取得方法と変わらないので、450円分の収入印紙を用意してください。
オンライン申請で請求する
法人の電子証明書を取得していれば、オンライン申請で印鑑証明書を取得できます。
申請から印鑑証明書の到着までは1~3日程度になっており、受け取り方法によって料金が以下のように変わります。
- 法務局の窓口で受け取る場合:390円分の印紙代
- 郵送で受け取る場合:410円分の印紙代
印鑑証明書をオンライン申請する場合、パソコンに申請用総合ソフト(Windows版のみ)をインストールしておく必要があります。
オンライン申請は初期設定がわかりにくいので、法務省や登記ねっとの操作手引書などをしっかり読み込んでおきましょう。
参考:オンラインによる商業登記電子証明書の請求等について(法務省)
法人の実印を印鑑登録する流れ・必要書類
法人の印鑑証明書は印鑑登録していなければ取得できないので、実印を作成した後は、以下の手順で印鑑登録しましょう。
必用書類も漏れなく準備しておくことをおすすめします。
実印の作成
法人の実印(代表者印)は丸型の印影が一般的になっており、印影サイズは一片が10mm~30mmに収まるものを作成します。
材質は好みや予算によりますが、耐久性の高いものを選んでおくとよいでしょう。
会社の実印を作成するときは、同時に銀行員や角印(社判)も作成しておくと印鑑作成が一気に済ませることができます。
印鑑届書の提出
法人の実印を作成したら、法務局に印鑑届書を提出します。
印鑑届出書には、会社の実印にする予定の印鑑と代表者個人の印鑑を押す箇所があります。
また代表者の個人の印鑑証明(発行から3ヶ月以内のもの)も必要になります。
印鑑届書は法務局の窓口、または法務局のホームページで入手できます。
なお、印鑑登録は即日処理されるので、登録完了後は「印鑑カード交付申請書」を提出し、印鑑カードも取得しましょう。
法人の印鑑証明書を取得する際のよくある質問
法人の印鑑証明書を取得する際は、以下のよくある質問を参考にしてください。
会社の設立後は印鑑証明書を取得する機会が多いので、疑問は早めに解消しておきましょう。
法人の印鑑証明書は誰でも取得できる?
法人の印鑑証明書は原則として代表者しか取得できませんが、印鑑カードを提示すれば代理人も取得できます。
代理人が印鑑証明書を取得する場合、委任状は不要です。
法人の印鑑証明書の発行手数料はいくら?
法人の印鑑証明書を取得するときは、以下の発行手数料を支払います。
- 法務局の窓口請求または郵送請求:1通450円
- オンライン請求の窓口受取り:1通390円
- オンライン請求の郵送受取り:1通410円
オンラインの請求に慣れておくと、登記事項証明書などの取得手続きも簡素化できます。
法人の印鑑証明書を受け取るまでの期間はどれくらいかかる?
法務局に法人の印鑑証明書を請求した場合、受け取りまでの期間は以下のようになります。
- 窓口請求:即日受け取り
- 郵送請求:3~5日後
- オンライン請求:1~3日後
すぐに印鑑証明書を受け取りたいときは、法務局の窓口に請求するとよいでしょう。
法人の印鑑証明書はコンビニエンスストアでも請求できる?
コンビニエンスストアでは、法人の印鑑証明書は請求できません。
なお、個人の印鑑証明書であれば、コンビニエンスストアのマルチコピー機で請求できます。
まとめ
法人の印鑑証明書は取得方法が4つあるので、利便のよい方法を選択してください。
会社を設立した場合、法務局には登記事項証明書などを請求する機会も多いので、できればオンライン申請の請求方法を覚えておくとよいでしょう。
なお、法人の印鑑証明書を取得する場合、当然ながら定款作成や印鑑登録が前提となります。
商号を決めなければ法人の設立登記や印鑑登録はできないので、定款作成や印鑑登録に対応できないときは、ベンチャーサポートの無料相談の利用をおすすめします。