

東京弁護士会所属。
弁護士は敷居が高く感じられるかもしれませんが、話しやすい弁護士でありたいです。
お客様とのコミュニケーションを大切にし、難しい法律用語も分かりやすくご説明したいと思います。
お客様と弁護士とが密にコミュニケーションをとり協働することにより、より良い解決策を見出すことができると考えております。

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会社の廃業は、法律上は経営者自身でも進められます。法務局での登記手続きや、税務署・年金事務所への届出、残った事務処理などは、自分で調べながら対応することも可能です。
ただし、廃業といっても単に事業を止めるだけでは完了せず、「休眠」「清算」「破産」など複数の手続きがあり、それぞれ必要書類や費用、期間が異なります。
また、公的機関への届出以外にも、取引先への通知、従業員対応、借入金や個人保証の整理、在庫や資産の処分、契約の解約、税務申告などの実務も発生します。特に債務超過の状態や借入金が残っている会社では、進め方を誤ると代表者個人に負担が及ぶ可能性もあるため注意が必要です。
インターネットには参考情報が多く、各種書式も入手しやすいですが、会社の状況によって最適な方法は変わります。自社の資産・負債状況、従業員の有無、契約関係、税務上の課題を整理したうえで、どの手続きが適切か判断することが重要です。
会社を閉じる場合でも、進め方は一つではありません。事業を停止して会社を残す「休眠」、会社を消滅させる「清算」、債務超過の状態に対応する「破産」など、状況に応じて複数の選択肢があります。
それぞれ目的や手続き、費用、期間が異なるため、まずは自社の資産・負債、借入金の有無、従業員の状況、契約関係を整理し、どの方法が適切か検討することが大切です。

休眠とは、事業活動を止めて会社だけ残しておく状態のことです。休眠手続きは義務ではなく任意ですが、税務署や都道府県税事務所、市区町村役場に休業届を提出することで、申告事務の負担が減ることや、法人住民税(均等割)の軽減につながる場合があります。
休眠の大きなメリットは、会社の名称や取引先との信用、事業再開の可能性を残せることです。一方で、会社を残す以上、最低限の費用が発生する可能性があり、借入金や債務の整理が必要な状況では適切な方法とはいえません。
なお、休眠状態のまま長期間放置すると、法務局の「みなし解散制度」により、会社が解散扱いとなることがあります。廃業を迷っている段階や再開の見込みがある場合は休眠を選ぶ余地がありますが、財務状況や債務の有無を踏まえて適切な手続きを検討することが重要です。
清算とは、事業活動を終了した会社が、資産や負債の処理を行ったうえで会社を消滅させる手続きです。一般的な流れは、株主総会で解散を決議し、解散登記を行い、債権者に公告と個別通知をしたうえで、資産の売却や契約の終了、在庫・備品の処分、税務申告を進めます。残った財産がある場合には株主へ分配し、最終的に清算結了登記を行います。
清算を選ぶメリットは、会社を完全に消滅させることで取引や契約関係の整理が進み、後にトラブルが起こりにくい点です。一方で、手続きの数が多く、登記費用や公告費用、税務処理の負担が発生します。また、金融機関の借入金やリース、保証契約の解約など、実務上の調整も必要となります。
清算は基本的に債務を整理する手続きではないため、資産で債務を返せない場合は破産手続きの検討が必要です。どちらの方法が適切かは、資産・負債の状況や借入金、個人保証の有無によって変わります。
破産とは、会社の資産で負債を返しきれない状態(債務超過)になり、事業の継続が困難な場合に利用する裁判所を介した手続きです。破産の目的は、資産を適切に処分し、債権者へ公平に配当することで、債務関係を整理する点にあります。
破産を選ぶ場面として多いのは、借入金や買掛金の返済が難しい場合、税金の滞納が発生している場合、従業員の給与や退職金の支払いが滞っている場合などです。会社の資産と負債のバランスだけでなく、個人保証の有無や金融機関との関係も判断材料になります。中小企業では代表者が個人保証人になっていることが多いため、会社の破産と同時に個人の債務問題についても検討が必要になることがあります。
破産は裁判所で進む手続きのため、費用と時間がかかります。また、破産を選択した場合は事業再開が難しくなる点も理解しておく必要があります。一方で、債務超過の状態で無理に清算や休眠を選ぶよりも、破産の方が債権者との紛争を抑えられる場合もあります。財務状況を踏まえ、適切な手続きを選ぶことが重要です。
廃業手続きを自分で進める場合は、選択した方法によって必要な書類や届出先、期間が異なります。ここでは休眠・清算・破産の手続きの流れを簡潔に紹介します。

休眠手続きは、自分で進めやすい方法の一つです。実務上の中心は、税務署や都道府県税事務所、市町村への休業届や異動届の提出となります。届出書類は自治体ごとに名称が異なり、提出期限が決められている場合もあります。書類の受理までの期間は数日〜数週間程度が一般的です。
休眠中に申告義務がどの程度残るか、法人住民税(均等割)の扱いがどうなるかは自治体によって違います。提出前に税務署や自治体の窓口で確認することで不要な申告負担を避けやすくなります。
社会保険の扱いにも注意が必要です。従業員がいない一人会社であれば脱退手続を検討できる一方、従業員がいる場合は休眠と同時に対応しなければならない実務が発生します。継続中のリース契約や賃貸借契約がある場合も同様で、解約や費用負担の有無を確認する必要があります。

清算手続きを自分で行う場合、進め方には一定の順番があります。まず株主総会で解散を決議し、法務局で解散登記を行います。その後、官報公告や債権者への個別通知を行い、取引関係や契約を整理しながら、在庫や備品の売却、資産処分、未収金の回収、税務申告を進めます。最後に残った財産があれば株主に分配し、清算結了登記を行って会社を消滅させる流れです。
費用は、登記にかかる登録免許税や官報公告代が中心となり、手続き全体で数万円〜十数万円が目安とされます。また、税理士に申告を依頼する場合は別途費用が必要です。期間は数カ月〜半年程度が多いですが、債権者との調整や資産の処分状況によって長引くこともあります。
自分で進める場合の注意点としては、契約の解約タイミングや金融機関の借入金、リース契約の処理など、想定外の実務が発生しやすい点です。従業員がいる場合は給与・退職金・社会保険も並行して対応することになります。

破産手続きは裁判所で進むため、休眠や清算と比べて自分で対応する負担が大きくなります。手続きの流れとしては、申立書類の作成、財務状況の整理、財産目録や債権者一覧表の作成を行い、地方裁判所に申立てを行います。その後、破産管財人が選任され、資産の調査・換価や債権者への配当などが進みます。書類の準備や説明の機会が多く、金融機関や取引先との調整が必要になるケースもあります。
費用は裁判所に納める予納金が中心で、会社規模や資産状況によって大きく差があります。小規模な会社でも数十万円〜百万円程度が必要とされる場合があり、自力で進めるハードルが高い部分です。期間は数カ月〜1年前後が目安ですが、帳簿不備や債権者対応で長引くこともあります。
自分で進める際の最大の問題は、破産申立に必要な資料の整理や帳簿の確認が難しい点です。特に中小企業では、代表者が経理を兼ねているケースが多く、資料不足で手続きが進まないことがあります。また、代表者が個人保証人になっている場合は個人の債務処理も検討が必要です。
会社の廃業は法律上は自力でも進められますが、実際には複数の手続きを同時に進める必要があり、判断や事務処理の負担が大きくなります。以下では、自分で廃業手続きを進めるときに生じやすい問題点を整理します。
自分で進める場合の大きな負担は、手続きの種類が多いことです。休眠・清算・破産の選択だけでなく、法務局・税務署・都道府県税事務所・市町村・年金事務所への届出、契約の解約、在庫や資産の処分、取引先への通知など複数の作業が同時に進みます。
手続きの順番を間違えたり、必要書類を提出していなかったりすると、追加費用や時間のロスにつながります。特に小規模法人では代表者が経理や総務を兼ねていることが多く、情報不足から手続き漏れが起きやすくなります。
廃業は特定の分野だけで完結せず、税務(確定申告・資産売却益)、労務(退職手続き・未払い給与)、登記(解散・清算結了登記)、保険(社会保険・任意保険)、契約(賃貸借・リース)など複数の領域を横断します。知識が不足していると、最終申告を誤ったり、社会保険料の計算で混乱したり、契約の違約金が生じることもあります。
また、債務が残っている場合は法律上の判断が必要になることもあるため、状況によっては自力では処理しきれません。
廃業時には売掛金の回収、買掛金の支払い、借入金やリース契約の整理など、債権・債務に関する処理が発生します。取引先が廃業を理由に支払いを拒むケースや、金融機関との調整に時間がかかるケースもあります。
また、小規模企業では代表者が個人保証人になっている場面が多く、対応を誤ると個人の資産に影響が及びます。債権・債務の扱いは後に紛争の原因になりやすいため慎重な判断が必要です。
税務処理は廃業手続の中でも特に注意が必要です。資産売却益や在庫処分による利益、未収金の回収など、税務上の計算が発生する場面は多く、申告内容に誤りがあれば後から追徴課税となる可能性があります。税務署は会社の清算や破産に関する処理について一定の関心を持つため、不備があると問い合わせや追加調査が生じることもあります。
廃業に必要な情報は税務署・法務局・自治体・金融機関などに分散しており、自分で調べて整理するだけでも労力が必要です。さらに、届出の期限や順番を把握しながら進めるため、日常業務や次の仕事の準備と並行するのは負担が大きくなります。特に一人会社や小規模企業では、廃業が代表者の私生活や就労計画に影響することもあります。
廃業は税務・登記・労務・契約・債務処理など複数の領域が絡みます。自分で進めることも可能ですが、状況によっては専門家の助力でスムーズに処理できる場面があります。特に債務や債権者対応がある場合や、破産との比較が必要な場合には弁護士の関与が役立ちます。
廃業時には、借入金やリース契約の整理、買掛金・売掛金の処理が発生します。金融機関や取引先との調整では、支払条件の変更や債務の扱いが争点になることもあります。弁護士に依頼すれば、債務処理や債権回収を法律に沿って進められ、債権者からの請求にも適切に対応できます。債務超過や個人保証が絡む場面では、破産手続きとの比較も含めて方針を検討できる点がメリットです。
廃業は書類作成や届出を複数の窓口で行うため、手続き漏れが起きやすい手続きです。清算結了前に債務や契約が残っていたり、税務処理が終わっていなかった場合には、あとから請求や問い合わせが生じることもあります。弁護士が関与すれば、必要な手続きの順番や期限を把握しながら進められ、トラブルを避けやすくなります。
中小企業では、代表者が借入金の個人保証人になっているケースが多く、廃業の進め方によっては個人の資産に影響が出る可能性があります。また、従業員の給与や退職金、税金の滞納がある場合は優先順位の判断も必要です。弁護士は個人保証や債務の扱いを含め、代表者の責任がどこまで及ぶかを整理し、負担を抑える方法を提案できます。
廃業の段階では、金融機関や主要取引先への説明や交渉が避けられません。自分で対応する場合は条件調整や支払計画の提示が負担となり、感情的な対立に発展するケースもあります。弁護士に依頼することで、第三者からの説明や調整が可能となり、交渉がスムーズに進みやすくなります。
資産で債務を返せる場合は清算、債務超過なら破産を検討するなど、会社の状況によって最適な手続きは異なります。廃業をスタートさせる前に判断することで、余計な費用や時間を避けられる可能性があります。弁護士は財務状況や契約関係、債務状況を踏まえたうえでルートを整理し、廃業の選択肢を具体的に提示できます。
一人会社の場合、従業員がいないことから意思決定自体はスムーズに進みます。休眠・清算・破産のどれを選ぶかで手続きの量や費用が変わりますが、基本的な流れは通常の廃業手続きと同様です。
役割分担で考えると、登記は司法書士、債務整理や破産手続きは弁護士が主に担当します。債務がなく、単純に清算して会社を消滅させたい場合には司法書士への依頼も選択肢となります。一方、借入金や保証人問題、未払金が残る場合や破産を検討する場面では弁護士が関与することが一般的です。どの専門家に依頼すべきかは会社の財務状況によって変わります。
従業員がいる場合は、廃業と同時に労務手続きが発生します。退職日の設定、雇用保険や社会保険の手続き、退職金の扱い、残業代や有給休暇の清算などについて整理する必要があります。また、未払給与は労働基準法上の賃金債権として扱われ、優先的に支払う必要があります。会社に支払い能力が不足する場合は、労災保険や未払賃金立替払制度など公的制度の対象になるケースもあります。
廃業しただけで借入金などの債務が消えることはありません。金融機関との協議で返済計画を変更する方法もありますが、資産で負債を返しきれない場合は破産手続きを検討する必要があります。中小企業では代表者が個人で保証人になっていることも多いため、会社の廃業と同時に個人の債務問題が表面化することもあります。
廃業時の在庫や設備、車両、備品の売却は可能ですが、税務上は売却益や評価差額が課税対象になる場合があります。法人税だけでなく消費税の課税対象となるケースもあり、処分のタイミングや金額によって税額が変わります。また、帳簿価格と実際の売却価格の差額が大きいと税務署の調査が入ることもあります。
会社の廃業は、選んだ手続きによって必要な書類や費用、期間が大きく異なります。金融機関や取引先との関係、従業員の退職手続、税務申告、契約の整理など、実務は広範囲に及びます。
自分で進めること自体は可能ですが、債務の扱いや資産処分、個人保証、税務処理の判断は専門知識を要する場面が多く、誤りが後のトラブルにつながることもあります。
法人破産を含め、清算手続きの進め方に不安がある場合には、早い段階で弁護士に相談し、状況に合った対応を検討することが重要です。相談先に迷ったら、法人破産に精通している「VSG弁護士法人」までぜひお気軽にご相談ください。