記事の要約
- 広域交付制度を使うと、本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍謄本をまとめて取得できる
- この制度で請求できるのは、「本人・配偶者・直系の親族」の戸籍謄本のみ
- 手続きは本人が窓口で行う必要があり、郵送や代理人による請求は不可
「相続手続きには、故人の出生から死亡までの戸籍が必要らしいけれど、どうやって集めるのが効率的なの?」
戸籍謄本を収集する際に便利なのが、2024年3月に始まった「広域交付制度」です。
この制度を使えば、お住まいの最寄りの役所の窓口で、必要な戸籍謄本をまとめて請求できます。
具体的な手続きの流れは、次の4ステップです。
- 必要な持ち物を準備する
- 役所ごとの受付ルールを確認する
- 役所の窓口へ行く
- 戸籍謄本の交付を受ける
ただし、請求できるのは「本人・配偶者・直系の親族」の戸籍のみで、必ず本人が窓口へ出向いて手続きをしなければなりません。
この記事では、「広域交付制度の概要」「利用する際の注意点」「窓口での手続きの流れ」をわかりやすくお伝えします。
なお、私たちVSG相続税理士法人では、相続に関するお悩みに無料でお答えしています。何かお困りのことがあれば、下記からお気軽にご連絡ください。
目次
広域交付制度とは?

広域交付制度は、「本籍地以外の市区町村の窓口」でも戸籍謄本を取得できる制度です。
最寄りの役場で手続きをすれば、法務省のシステムを通じて、本籍地がほかの市区町村になっている戸籍謄本でも交付を受けられます。

広域交付制度のポイントは、次の2点です。
- どこでも:本籍地が遠くにあっても、最寄りの市区町村の窓口で戸籍謄本を請求できる
- まとめて:ほしい戸籍の本籍地が全国各地に分かれていても、1か所の窓口でまとめて請求できる
相続の手続きでは、「亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍」の提出を求められます。
従来は、過去に「故人の本籍地」が変わっていると、それぞれの市区町村に郵送などで戸籍謄本を請求する必要がありました。
これが、広域交付制度が始まったことで、最寄りの役所でまとめて請求できるようになっています。
「広域交付制度で取得できる証明書の種類」と「1通あたりの手数料」は、下記のとおりです。
| 証明書の種類 | 手数料 |
|---|---|
| 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) | 450円 |
| 除籍謄本(除籍全部事項証明書) | 750円 |
| 改製原戸籍謄本 | 750円 |
上記の手数料は、本籍地の窓口で取得する場合と同じ金額です。
なお、「戸籍抄本(個人事項証明書)」や「戸籍の附票」は、広域交付制度の対象外なので、従来どおり本籍地の市区町村に請求する必要があります。
広域交付制度の注意点

広域交付制度は便利な仕組みですが、次の3点に注意が必要です。
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
注意点1:戸籍を取得できる親族に制限がある

広域交付制度で請求者が取得できる戸籍謄本は、下記の方のものに限られています。
- 本人
- 配偶者
- 直系尊属(父母・祖父母など)
- 直系卑属(子ども・孫など)

たとえば、ご自身の「父親・母親」の戸籍謄本は取得可能な一方、結婚などで親の戸籍を離れた「兄弟姉妹」の謄本は取得できません。
注意点2:古すぎる戸籍などは取得できないことがある

広域交付制度の対象になるのは、「コンピュータ化されている戸籍」のみです。
このため、コンピュータ化されていない古い戸籍は、広域交付では取得できません。
もっとも、比較的新しい戸籍・除籍謄本は、問題なく取得できることがほとんどです。
一方で、故人の出生近くまでさかのぼると、紙のまま保管されている古い戸籍に行き当たることがあります。
その場合は、従来どおり「本籍地の市区町村」に郵送などで請求することになります。
注意点3:手続きは「本人」が「窓口」で行う

広域交付制度は、「請求する本人」が「市区町村の窓口」に直接行って、手続きをしなければなりません。
次のような請求方法は認められていないので、ご注意ください。
- 郵送での請求
- オンラインでの請求
- 代理人による請求(委任状があっても不可)
「平日の日中に窓口へ行く時間がない」という方は、従来どおり郵送で請求するか、戸籍の収集を専門家に依頼することも検討してみましょう。
広域交付制度を利用する際の手続きの流れ

ここからは、実際に広域交付制度で戸籍を取得するときの流れを、次の4ステップでお伝えします。
それぞれの工程を詳しく見ていきましょう。
ステップ1:必要な持ち物を準備する

役所の窓口へ行く前に、まずは次の持ち物を準備しましょう。
| 持ち物 | 概要 |
|---|---|
| 本人確認書類 | ■ 窓口で「マイナンバーカード・運転免許証・パスポート」など、顔写真付きの身分証明書を提示することになる ■ 顔写真のない証明書は不可 |
| 手数料 | ■ 必要な通数分を用意する ■ 故人の出生から死亡までの戸籍を一式そろえると、数千円になることも多い |
また、故人の「最後の本籍地」と「その戸籍の筆頭者の氏名」をメモしておくと、窓口での手続きがスムーズになります。
どちらもわからない場合は、故人の「住民票の除票」を本籍地入りで取得すると、本籍と筆頭者をまとめて確認できます。
ステップ2:役所ごとの受付ルールを確認する

続いて、手続きをする役所での「広域交付制度の受付ルール」について調べましょう。
広域交付制度の運用は、市区町村によって異なります。
たとえば、「古い戸籍の請求は事前予約制」「夜間・休日の開庁時間帯には、広域交付を受け付けない」といった運用をしている自治体もあります。
また、「本庁」の窓口でしか対応しておらず、「支所」や「出張所」では請求できないケースも考えられます。
そこで、事前に自治体のWebサイトや電話で「予約の要否・受付時間・対応窓口」を確認しておくのがおすすめです。
ステップ3:役所の窓口へ行く

ここまで準備が整ったら、広域交付制度を利用できる役所へ出向きます。
役所では、下記のような「広域交付用の請求書」に記入して提出することになります。
交付請求書の例
請求書の様式は自治体ごとに異なりますが、一般的に次のような項目を記入します。
| 項目 | 概要 |
|---|---|
| 請求者の情報 | 窓口に来た人の「住所・氏名・生年月日・連絡先」など |
| 必要な戸籍の情報 | 請求する戸籍に記載されている方の「氏名・生年月日・本籍地・筆頭者」など |
| 故人との関係 | 「請求者」と「戸籍に記載されている方」の関係 |
| 証明書の種類・通数 | 戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本の別と、必要な通数 |
請求書を記入できたら、担当の窓口へ提出しましょう。このとき、「顔写真付きの身分証明書」の提示が求められます。
なお、相続手続きのために戸籍を集める場合は、窓口で「故人の出生から死亡までの戸籍をすべてください」と伝えれば、職員の方が必要な戸籍を特定してくれることが多いです。
ステップ4:戸籍謄本の交付を受ける

窓口で申請が受け付けられたら、戸籍謄本が交付されるのを待ちます。
広域交付では、必ずしも「当日中」に戸籍謄本を受け取れるとは限りません。
故人の出生までさかのぼる戸籍を請求した場合などは、交付が後日になるケースも多いです。
その場合には、あらためて窓口に取りに行くか、郵送してもらうことになります。
広域交付制度に関するよくある質問
Q1:戸籍謄本は何通必要?
Q2:コンビニ交付とは何が違う?
Q3:戸籍謄本を取得した後、相続手続きはどう進める?
まとめ|広域交付制度でスムーズに戸籍を集めましょう
今回は、戸籍謄本の広域交付制度についてお伝えしました。
- 広域交付制度を使うと、本籍地以外の市区町村の窓口でも、戸籍謄本をまとめて取得できる
- この制度で請求できるのは、「本人・配偶者・直系の親族」の戸籍謄本のみ
- 手続きは本人が窓口で行う必要があり、郵送や代理人による請求は不可
私たちVSG相続税理士法人では、相続に関するご相談を無料で受け付けております。
何かお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にご連絡ください。



