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清算時に残余財産の分配がみなし配当となったときの計算方法!税率や確定申告まで

弁護士 中野和馬

この記事の執筆者 弁護士 中野和馬

東京弁護士会所属。
弁護士は敷居が高く感じられるかもしれませんが、話しやすい弁護士でありたいです。
お客様とのコミュニケーションを大切にし、難しい法律用語も分かりやすくご説明したいと思います。
お客様と弁護士とが密にコミュニケーションをとり協働することにより、より良い解決策を見出すことができると考えております。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/nakano/

清算時に残余財産の分配がみなし配当となったときの計算方法!税率や確定申告まで

この記事でわかること

  • みなし配当が発生するケース
  • みなし配当が発生した場合の税率・源泉徴収の計算方法

みなし配当とは、合併や自己株式取得時に交付額が資本金等の額を超える場合に発生する、利益の分配とみなされるしくみです。
交付額ー1株あたりの資本金等によりもとめられ、超過分がみなし配当、残りの元本払戻分は譲渡所得として処理されます。
税率は会社形態で異なり、上場企業で20.315%、非上場では20.42%が源泉徴収されます。
確定申告では、配当控除が有利な総合課税か、譲渡損と相殺できる分離課税かの選択がカギです。
本記事では、みなし配当のしくみから、適切な税務処理のポイントまで解説します。

みなし配当とは

みなし配当とは、形式上は余剰金の配当ではないものの、実態が利益の分配であるため、税務上は配当とみなして課税されるしくみです。
会社が清算する際に株主は残余財産の分配を受けます。
この分配金が、自ら出資した元手(税務上の資本金等の額)を超える場合、超過分は会社が過去に稼いで蓄積した利益剰余金が還元されたと扱われます[注1]。
そのため所得税法第25条[注2]に基づき、通常の配当と同様の課税がなされます。
なお、会社清算時でも、負債が資産を上回るケースなどでは、出資額を超える分配は行われないため、みなし配当は発生しません。
発生しないケースについては、後の章で詳しく解説します。

みなし配当の計算方法

みなし配当の額は、以下の計算式で求められます。

【計算式】

みなし配当=交付された金銭等の額ー(1株あたりの資本金等の額×所有株式数)

株主が受け取った金銭等のうち、出資元本の払戻し分を超える部分が、実質的な利益の分配とみなされます。
1株あたりの資本金等の額の具体的な算出方法については、次項で詳しく解説します。

1株あたりの資本金等の額の計算

1株あたりの資本金等の額は、基本的に資本金等の額÷発行済株式総数で算出されますが、資本金等の額の定義が重要です。

資本金等の額は、法人税法(法人税法第2条第16号)で規定される税務上の概念です[注3]。
単に会計上の資本金や資本余剰金を合算した金額ではなく、法的に厳密に規定されています。
過去に自己株式を取得していたり、合併や分割など組織再編を行っていた場合、貸借対照表(B/S)上の数値とは一致しないケースが少なくありません。

資本金等の額の算定を誤ると、みなし配当の額に影響が出て、最終的に納税額も変動するリスクを伴います。
正確な計算には高度な専門知識を要するため、自己判断せず、弁護士や税理などの専門家へ相談が必要です。

みなし配当の計算例

具体例からみなし配当を計算してみましょう。

【前提】

・所有株式:100株(取得価格:1株5万円/計500万円)
・1株あたりの資本金等の額:8万円
・1株あたりの分配額:12万円

【計算の流れ】

1.交付総額:12万円×100株=1,200万円
2.資本の払戻額:8万円×100株=800万円
3.みなし配当:1,200万円ー800万円=400万円(配当所得)

このケースでは、みなし配当400万円とは別で、譲渡所得の計算も発生します。
譲渡所得:資本の払戻し額800万円ー取得価格500万円=300万円

受け取った金銭は、配当と元本の払い戻し(譲渡)で構成され、税務処理がそれぞれ異なる点に注意が必要です。

会社清算時にみなし配当が発生するしくみ

みなし配当が発生するか否かは、株主が受け取る分配額と、税務上の1株あたりの資本金等の額の関係で決まります。
みなし配当が発生するのは、分配額が資本金等の額を上回るケースです。
前述の例でいうと、12万円の分配に対し、資本金等の額が8万円であれば、超過分の4万円が利益の分配とみなされます。
反対に発生しないのは、分配金が資本金等の額を下回るケースで、倒産や経営悪化による清算時です。
株主は出資した元本の一部を回収したにすぎず、実質的な儲けは生じていないためみなし配当は0円となります。

残余財産の分配がみなし配当となったときの税率と源泉徴収

みなし配当は、税務上、配当所得として扱われます。
通常の配当と同様、源泉徴収されますが、税率や課税のしくみは、対象が上場会社か非上場会社かによって大きく異なります。
非上場会社の場合、上場企業に比べて税率は高いです。
次項では、上場・非上場それぞれの具体的な税率やルールを詳しく解説します。

上場会社の場合

上場企業のみなし配当は、支払時に以下の税率で源泉徴収されます。

  • 所得税(復興特別所得税含む):15.315%
  • 住民税:5%
  • 合計:20.315%

原則として20.315%が差し引かれた後の金額が、株主に支払われます。
ただし、発行済株式の3%以上を保有する大口株主に該当する場合は、非上場会社と同じ税率(20.42%)が適用される点に注意しましょう。
源泉徴収のみで課税を完結させる申告不要制度の選択も可能です。

非上場会社の場合

非上場企業のみなし配当は、上場企業と異なり、以下の税率で源泉徴収されます。

  • 所得税(復興特別所得税含む):20.42%
  • 住民税:なし(源泉徴収義務なし)

最大の特徴は、住民税5%が源泉徴収されない点です。
支払時に所得税分のみが差し引かれ、原則として確定申告が必要です。
所得に応じて別途、住民税を納付する必要があります。
上場企業のように、申告不要で源泉徴収のみで完結する選択は、原則できません。

残余財産の分配がみなし配当となったときの税金処理

みなし配当は配当所得に該当し、源泉徴収が行われていても原則として確定申告が必要です。
特に非上場企業の場合や、上場企業であっても総合課税を選択して配当控除を受ける場合、他の譲渡損と損益通算する場合には申告は必須です。
上場・非上場それぞれの確定申告の要否や、課税方式の判断基準について詳しく解説します。

上場会社の場合:総合課税と申告分離課税の選択

上場会社のみなし配当を受け取った場合、自身の所得の状況に合わせて以下の2つの課税方式から選択し、確定申告を行います[注5][注6]。

1.申告分離課税(他の所得と切り離して納税)

・税率:一律20.315%(所得税15.315%+住民税5%)
・特徴:給与などの所得金額に関わらず税率は固定。源泉徴収のみで完結も可能。配当控除は利用不可。
・メリット:他の上場株式等の売却損(譲渡損)がある場合、損益通算が可能。損益通算には確定申告が必須。

2.総合課税(他の所得と合算して納税)

・税率:累進課税(所得税5~45%+住民税10%)
・特徴:給与などの所得合算して計算。所得が一定以下であれば、分離課税より税率が抑えられる可能性がある。
・メリット:所得税額から一定額を控除できる配当控除が適用されるため、節税効果が期待できるケースもある。

所得金額や損失の有無によって最適な選択は異なります。
特徴を正しく理解し、よく検討しましょう。

非上場会社の場合:総合課税

非上場会社の場合、上場会社のように課税方式を選択できません
原則として総合課税となり、給与所得や事業所得など、他の所得と合算して確定申告を行う必要があります[注5]。
支払時には所得税20.42%が源泉徴収されますが、住民税10%は徴収されていないため、原則として申告義務が発生します。
総合課税のため、税額を軽減できる配当控除を適用できる点がメリットです。
ただし、給与所得者でみなし配当を含む給与以外の所得が年間20万円以下の場合、所得税の確定申告が不要となるケースもあります[注7]。
自分自身の所得状況を把握し、適切な申告を行いましょう。

みなし配当以外の部分の税務処理(譲渡所得)

みなし配当以外の部分は資本の払戻しとして扱われ、税務上は株式を売却した場合と同様の譲渡所得の計算が必要です[注6][注7]。
受け取った資本の払戻し額と、株主が株を購入した際の株式の取得価額を比較して損益を判断します[注8]。

ケース1:資本の払戻し額>株式の取得価額

差額は譲渡所得(キャピタルゲイン)となり、課税対象です。
例えば、資本の払戻し額が800万円、取得価額が500万円であれば、差額の300万円に対して譲渡所得税が発生します。

ケース2:資本の払戻し額<株式の取得価額

差額は譲渡損失(キャピタルロス)になります。

実際の取得価額との差次第では、譲渡所得として追加の税負担が発生する可能性があるため、必ず取得時の価格を確認し、正しく申告しましょう。

まとめ

会社清算時の分配額が税務上の資本金等の額を超えると、みなし配当が発生します。
資本金等の額は税務上の複雑な概念であり、会計上の数値とは異なるため、専門家による正確な算出が不可欠です。
また、みなし配当以外の資本の払戻し分についても注意が必要です。
株取得時の取得価額を上回れば譲渡所得として課税対象となります。
税務処理は課税方式の選択ができる上場会社か、総合課税のみの非上場会社かによって大きく異なります。
会社の清算、特に資本金等の額の計算や、譲渡所得の判定は非常に複雑です。
申告漏れを防ぐためにも、必ず弁護士や税理士にご相談ください。
[注1]法人税法/e-Gov
法人税法第24条第1項(配当等の額とみなす金額)

[注2]所得税法/e-Gov
所得税法第25条第1項(配当等とみなす金額)

[注3]法人税法/e-Gov
法人税法第2条第16号

[注4]法人税法施行規則/e-Gov
法人税法施行規則第8条の2の3

[注5]No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)

[注6]租税特別措置法/e-Gov
租税特別措置法

[注7]所得税法/e-Gov
所得税法

[注8]上場株式等の取得価額の確認方法

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