

東京弁護士会所属。
弁護士は敷居が高く感じられるかもしれませんが、話しやすい弁護士でありたいです。
お客様とのコミュニケーションを大切にし、難しい法律用語も分かりやすくご説明したいと思います。
お客様と弁護士とが密にコミュニケーションをとり協働することにより、より良い解決策を見出すことができると考えております。

「会社を休眠させれば税金も申告も不要になる」と考える方は少なくありませんが、これは誤りです。
休眠中でも法人住民税の均等割は地方税法第24条・第294条[注1]に基づき課税対象となり得るほか、法人税の確定申告義務も原則として残ります。
本記事では休眠会社に生じる税負担と申告の要否を解説します。
休眠・廃業・事業譲渡や株式譲渡のいずれが適切かは個別事情により異なるため、弁護士に相談すれば最適な選択肢を整理できます。
Contents
休眠会社にも、原則として決算申告の義務が課されます。
事業活動を停止しても法人格そのものは消滅していないため、法人税法第74条[注2]に基づく確定申告は引き続き求められるためです。
申告を怠れば、法人税法第127条[注2]により2期連続の無申告等を理由に青色申告の承認が取り消され、欠損金の繰越控除を受けられなくなる恐れもあります。
申告義務の有無や休業届の提出方法は、税理士と連携するVSG弁護士法人が一括してサポートします。
休眠会社は事業活動を行わないため、法人税や消費税は原則として課税されません。
ただし、以下の税金については、休眠中であっても納付が必要となる場合があります。
法人住民税には、所得割と均等割があり、通常の場合は2つの合計金額が課税されます。
所得割は法人の所得に応じて課税されるため、休眠中で所得がゼロの場合はかかりません。
一方で、均等割は所在する事業所に対して税金を課すため、所得が赤字または休眠会社でも課税されます。
しかし、休眠会社にする事実を自治体に届け出た場合、均等割の免除を受けられるケースがあります。
均等割の免除を受けるために、税務署や都道府県税事務所、市区町村役場に異動届出書を提出してください。
自治体によって均等割の免除・減額の有無や手続き方法は異なるため、会社が所在する都道府県や市区町村へ確認してから申請をしましょう。
休眠している会社が土地・建物といった不動産を所有している場合、毎年固定資産税を支払う必要があります。
不動産の所有者に課される固定資産税は、休眠中であっても名義が会社になっているときに課税対象となります。
休眠中に役員の任期が終了したときに役員変更登記が必要になります。
登記時には、登録免許税を支払わなければなりません。
変更登記に伴う登録免許税は、株式会社の資本金に応じて変わります。
資本金が1億円以下のときは1件あたり1万円、資本金が1億円を超えるときは1件あたり3万円です。
休眠会社にする最大のメリットは、手続きの簡便さと費用の低さです。
廃業(解散・清算)の場合、解散登記や清算人選任登記などの登記関連費用、官報公告費、司法書士や弁護士への専門家報酬が発生し、一定の負担が必要です。
一方、休眠は税務署や自治体へ異動届出書を提出するだけで足りるケースが多く、登記や公告が不要なため、費用を大幅に抑えられます。
また、法人格が残るため、事業を再開したくなった際にも新たに会社を設立する必要がなく、届出によりスムーズに事業へ復帰できる点も大きな利点です。
さらに、役員報酬の支給を停止し、年金事務所で健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届の手続きを行えば、以降の保険料を軽減できます。
もっとも、休眠と廃業のどちらが適しているかは、負債の有無や事業再開の可能性によって異なります。
VSG弁護士法人にご相談いただければ、自社に最適な選択肢を整理できます。
会社を休眠させたまま放置する最大のデメリットは、みなし解散として整理されるリスクです。
みなし解散とは、会社法第472条[注3]に基づき法務大臣(法務省)が行う休眠会社等の整理作業です。
最後の登記から12年を経過した株式会社、5年を経過した一般社団法人・一般財団法人が対象となります。
例年10月頃に法務大臣による公告が行われ、該当する会社へ通知書が発送されます。
公告から2カ月以内に「事業を廃止していない旨」の届出を行わなければ、登記官の職権により解散登記がなされます。
なお、特例有限会社は整理の対象に含まれません。
届出の要否や、休眠を継続すべきか廃業・売却へ切り替えるべきかの判断について、VSG弁護士法人が定期的にフォローいたします。
会社を休眠させる手続きは、次の流れで進めます。
手続き自体は簡便ですが、注意点があります。
休眠しても法人格は存続し、資産・負債はそのまま残ります。
借入がある場合、民法137条[注4]や契約上の期限の利益喪失条項により一括返済を求められるケースがあるでしょう。
代表者が連帯保証人となっている場合、会社の不払いが個人への請求に及ぶリスクがあります(民法446条、454条)[注4]。
未払賃金・退職金やリース契約等の整理も欠かせません。
優先順位は状況により異なるため、休眠前にVSG弁護士法人へご相談ください。
事業の停止を検討する際は、休眠や廃業のほかに会社の売却(M&A)の選択肢もあり、中小企業でも実現可能です。
方法は主に株式譲渡と事業譲渡の2つです。
株式譲渡は保有株式を譲渡して会社をまるごと引き継ぐ方法で、多くの許認可も承継されるため売却後の処理が簡便です。
一方、事業譲渡は会社法第467条[注3]に基づき特定の事業に関する資産・従業員等を個別に移転する方法です。
譲渡対象外の資産・負債は残るため、別途清算が必要となります。
どちらが適切かは会社の状況により異なるため、VSG弁護士法人が最適な手法をご提案します。
株式譲渡で最も重要なのは、売却価格の妥当性です。
非上場の中小企業では、税理士等の専門家に株式の時価を算定してもらうのが一般的ですが、算定額はあくまで参考にすぎません。
実際の価格は買い手側の評価に基づく交渉で決まるため、企業価値を高め、買い手にとって魅力ある条件を提示できるかがカギとなります。
もっとも、価格の高さだけが判断基準とは限りません。
後継者が不在で、従業員や同業他社へ事業を引き継ぐ事業承継型の譲渡では、事業の継続や雇用の維持が優先されます。
後継者が買い取りやすい価格を設定するのが適切な場合もあるでしょう。
また、株式譲渡では原則として保有株式を100%譲渡します。
相続等で株式が分散している場合は、オーナーが中心となって集約を図る必要があります。
交渉や契約書の作成は、税理士と連携するVSG弁護士法人がサポートします。
中小企業の株式譲渡では、個人株主が得た売却益(売却価額-(取得価額+譲渡費用))に課税されます。
例えば取得価額2,000万円の株式を3,000万円で売却した場合、課税対象は売却益1,000万円です。
税率は所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%の合計20.315%で、計算は次のとおりです。
非上場株式は時価の算定が重要で、通常は税理士等の専門家に依頼します。
売却価格は当事者の合意で自由に定められますが、時価と比べ著しく低い場合は注意が必要です。
買い手が法人であれば差額が受贈益として法人税の対象となり、買い手が個人であればみなし贈与として贈与税が課されます。
また、個人が時価の2分の1未満で法人へ譲渡した場合、売り手にも所得税法第59条のみなし譲渡課税が及ぶ可能性があります。
休眠・廃業・M&Aのいずれを選ぶべきかは、負債の状況や事業再開の見込みによって異なり、判断を誤ると後日のトラブルにつながりかねません。
VSG弁護士法人では、税理士等と連携し、いずれの選択肢についてもワンストップでご相談に対応しています。
ここでは、相談先の選び方と相談すべきタイミングを解説します。
相談先を選ぶ際は、企業法務・倒産法務・M&Aなどの分野で実際に取り扱った経験があるかを確認しましょう。
あわせて、初回相談時の対応も重要な判断材料です。
会社の状況を丁寧に聞き取り、選択肢ごとのメリット・デメリットやリスク、費用の見通しをわかりやすく説明してくれるかを見極めてください。
VSG弁護士法人では、休眠・廃業・M&Aのいずれにも対応してきた専門チームが、初回のご相談から丁寧にお話をうかがいます。
会社の今後を考えるうえでは、できるだけ早い段階でご相談ください。
時間に余裕があるほど、休眠・廃業・M&Aといった選択肢を比較検討できます。
資金繰りが逼迫する前であれば事業譲渡や株式譲渡による売却も現実的な選択肢として残ります。
反対に、判断が遅れるほど取り得る手段は限られ、破産を選ばざるを得なくなる恐れもあるでしょう。
まだ迷っている段階でも、VSG弁護士法人が状況を整理し、最適なタイミングと方法をご提案します。
[注1]地方税法/e-Gov
地方税法
[注2]法人税法/e-Gov
法人税法
[注3]会社法/e-Gov
会社法
[注4]民法/e-Gov
民法
[注5]所得税法/e-Gov
所得税法
会社を休眠させても法人格は存続し、法人住民税の均等割や決算申告の義務が残るほか、放置すればみなし解散のリスクも生じます。
また、借入や連帯保証、未払債務は休眠によって消えるものではありません。
事業再開の見込みがなければ、廃業や株式譲渡・事業譲渡という選択肢も検討すべきでしょう。
いずれが最適かは会社の状況次第です。
VSG弁護士法人では、税理士等と連携し、休眠中の税務リスクから負債整理まで総合的にサポートします。