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【ベンチャー支援専門の税理士が教える その税金3割ムダですよ】 第6回 秋に税務調査が多い理由

森 健太郎
この記事の執筆者 税理士 森健太郎

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。

PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

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突然の税務調査に慌てないために

税務調査に時期なんてあるの?と思うかもしれません。

基本的には一年を通して実施されていますが、税務署の都合で多い月、少ない月はあるようです。

突然、税務署から連絡が入ったとしても慌てずに済むよう、税務調査とは何か、その概要だけでも知っておいてください。

①税務調査は、過去に提出した申告書に誤りがないかどうかをチェックする目的で行われます。ですので、悪いことをしている会社にしか来ないわけではなく、どの会社にも平均3~6年に一度の割合で来ます。

②通常は、税務調査官が会社にいきなり乗り込んでくるのではなく、事前に日程調整の電話があり、合意のもとで決まった日時に会社に来ます。

③税務調査官と言えど、会社の金庫や自宅の寝室を社長の許可なしに強引にチェックすることはできません。その例外として査察という、捜査令状を持った強制調査がありますが、全国で年間約200件とかなり限られた数になっています。

以上のとおり、必要以上に税務調査を恐れる必要はありません。やましい事がなければ、むしろ堂々と落ち着いて対応してください。

税務調査への準備

税務調査が来ると分かったとき、当日までどんな準備をすべきでしょうか?

顧問税理士をつけているのであれば、まずは相談してみてください。

具体的には、調べられるであろう会計資料の整理や、契約書の再確認、社長の机回りの片付けなどが必要です。社員への周知も事前にしておきましょう。

税理士によっては、調査当日のやりとりのリハーサルをしてくれる場合もありますが、不安を取り除いてくれる良い準備になります。

一番良い準備としては、税務調査の連絡が来る前から書類をきっちり整理し、毎年の決算の際に税理士としっかり打合せをしておくことでしょう。

税務調査官が調べたくなる項目は、決算書を見ればだいたい見当がつきますので、考えられる質問に対する備えを事前にしておきましょう。

税務署の内部事情

税務署内の人事異動は毎年7月にあります。そのため、異動が一段落した8月から年末にかけて税務調査は最も盛んになります。

年始から3月頃までは、個人の確定申告の時期などもあり、税務署も税理士も忙しく、税務調査の日程がとりづらくなります。

人事異動の6月までには税務調査に区切りをつけなければなりませんから、4月以降に税務調査をたくさん抱えることは税務調査官としては避けたいでしょう。

さらに、人事異動直後の税務調査は調査官の成績に反映されやすいと聞きます。税務調査官にも営業成績のようなものがあって、たくさん税金を取ってくれば出世につながるというわけです。

税務調査官には彼らの都合があるように、経営者にも利益を出し続けなければならないという重要な仕事があります。

経営に専念し余計な作業や心配を増やさないために、最低限の知識を備え日頃から準備しておきましょう。
(東京IT新聞25年9月掲載)

参考ページ:国税庁レポート2013年度版「税務調査等の件数」

http://www.nta.go.jp/kohyo/katsudou/report/2013/03_1.htm


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