最終更新日:2026/4/9
ひとり起業を目指す女性のために!未経験から失敗しない始め方と成功のコツ

ベンチャーサポート税理士法人 大阪オフィス代表税理士。
近畿税理士会 北支部所属(登録番号:121535)
1977年生まれ、奈良県奈良市出身。
起業・会社設立に役立つYouTubeチャンネルを運営。
PROFILE:https://vs-group.jp/tax/startup/profile_writing/#p-mori
YouTube:会社設立サポートチャンネル【税理士 森健太郎】
書籍:プロが教える! 失敗しない起業・会社設立のすべて (COSMIC MOOK) ムック

- ひとりでも起業できる理由
- 女性がひとり起業を選ぶメリットと会社員・副業との違い
- 女性が始めやすい起業の種類
ひとり起業は、働き方や生き方を自分で設計しやすい選択肢として女性からも選ばれています。プライベートとの両立のしやすさ、働く時間や場所の自由度が大きな魅力です。
一方、未経験から起業を考える際、何から始めればよいのか、本当にひとりでできるのか、失敗しないために何を準備すべきかはわかりにくいものです。
勢いだけで起業すると、収益化の見通しが立たないまま時間と労力を使ってしまうこともあります。
ひとり起業を成功させるには、思いつきや理想、勢いだけではなく、起業する目的や収益モデル、そして手続きや集客などの具体的な計画が大切です。また、補助金や助成金などの支援制度を知っておくことも重要です。
この記事では、ひとり起業を目指す女性に向けて、失敗しにくい始め方と成功のコツをわかりやすく解説します。


目次
ひとり起業とは?ひとりでも起業できるのか
ひとり起業を考えるとき、まず「ひとりで事業を始める」ということを具体的に知るのがスタート地点となります。
会社員やアルバイト、パートなどの副業との違いを理解して、自分に合う起業の方法を見極めましょう。
ひとりで起業はできる
ひとり起業とは、従業員を雇わず、企画、営業、提供、管理を自分で行って事業を進めるという起業の形です。
そして、法律上もひとりで起業することはできます。
個人事業主であれば、原則として事業を始めること自体に一律の事前許可は必要ありません。事業開始後は税務署に開業届を提出し、青色申告を希望する場合は青色申告承認申請も期限内に提出します。取引内容によっては、インボイス登録の要否も確認しましょう。
会社を設立して法人化をする場合も、株式会社(非公開会社)は取締役1人で設立できるため、ひとり起業そのものは制度上可能です。
(株主総会以外の機関の設置)
第三百二十六条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。
引用:e-Gov 法令検索
つまり、個人事業主の開業でも会社設立でも、ひとりで起業することに制度上の問題はないのです。
女性がひとり起業を選ぶメリット
女性がひとり起業を選ぶメリットのひとつが、働き方の自由度です。
自分で起業すると、会社の就業規則や勤務時間に拘束されることはありません。そのため、育児や介護などのプライベートとの両立を重視する女性にとっても現実的な選択肢となり得ます。
また、女性のひとり起業には、自分の経験やスキルを仕事に転換しやすいという強みもあります。ライティング、デザイン、ハンドメイド、オンライン講師などは、自分の特技や趣味をそのまま価値に変えやすい分野といえるでしょう。
会社員・副業との違い
ひとり起業と、会社員やパート、アルバイトとの違いは決して小さくありません。
まず、会社員などは雇用契約に基づき、労働の対価として給与を受け取ります。一方、ひとり起業は、自分で商品やサービスを設計し、販売し、売上を作る必要があります。つまり、受け取るのは給与でなく報酬であり、報酬は売上にかかっています。
また、副業との違いは本業の収入を前提とするかどうかです。副業の場合は、仮に収益が安定しなくても本業の収入があるため生活への影響は限定的です。対してひとり起業では、安定した売上のための努力や顧客獲得をしなければなりません。
ひとり起業を目指す女性は「自由に働けそうだから始める」というイメージだけでなく、自分で収益を作り続けるという経営者としての視点を持つ必要があります。
ひとり起業を成功させる5ステップ
ひとり起業を成功させるポイントは、計画性です。
起業は勢いだけでするものではなく、収益を意識して計画的に進めることが大切です。ここでは、ひとり起業を現実的に進めるための5つのステップを整理します。
- 起業の目的を明確にする
- 収益モデルを決める
- 必要な手続き・準備を整理する
- 集客のしくみを作る
- 改善する
ステップ1:起業の目的を明確にする
起業で最初に行うべきことは、起業の目的の明確化です。
収入を増やしたいのか、働く時間を調整したいのか、自分の専門性を活かしたいのかなどによって選ぶべき事業の形は変わります。
女性のひとり起業では、自由度の高さに目が行きがちです。しかし、メリットだけでなくデメリット、そして自分が「何を優先したいのか」をはっきりさせることが出発点になります。起業の目的を明確にすることで、向いている事業が見えてきます。
ステップ2:収益モデルを決める
次に必要なのは、どのように売上を作るのかを考えることです。
起業では、売上が立っていても利益が残っていなければビジネスを継続できません。
理想や勢いではなく、誰に、何を、いくらで提供するのかを具体的な数字にすることが重要です。
女性のひとり起業の失敗パターンとしては、対象者が広すぎるまま商品設計を始めてしまうことがあげられます。あいまいな推測ではなく、具体的な計画を立てましょう。
ステップ3:必要な手続き・準備を整理する
商品やサービスの内容、収益化モデルなどが確定したら、必要な手続きに入ります。ここでは個人事業主か会社設立かを選択します。どちらを選ぶかによって必要な手続きは変わります。
個人事業主の開業については、こちらの記事をご参照ください。
会社設立については、こちらの記事で詳しく解説しています。
このステップで重要なのは、実務の基盤を整えることです。手続きが難しそうな場合やわからないことがある場合は専門家にも相談しましょう。
ステップ4:集客のしくみを作る
提供する商品やサービスが素晴らしい物であっても、認知されなければ売上にはつながりません。集客を運やタイミングに任せずに、しくみとして考える必要があります。
SNSやブログ、ホームページなど、どこで見込み客と接点を作るのかを整理しましょう。
ステップ5:改善する
準備をしてから起業しても、最初から完成度の高い商品や集客方法を考案するのは現実的に難しいです。
そのため、起業後に事業を見直して改善点を見つける必要があります。ひとり起業では視野が狭まりやすいため第三者の意見を大事にしましょう。感覚だけで判断せず、結果を見て改善していきます。
ひとり起業で抱えやすい不安
ひとり起業を考える女性の多くは「やってみたい」という気持ちがある反面、不安も抱えています。ここでは、収入や体力面の不安、失敗への恐怖、ひとりで全部やることへの不安について整理します。
収入が不安定にならないか
ひとり起業で最も多いのは、収入についての不安です。
起業は自由度が高い反面、会社員のように毎月決まった給与が入るわけではないため、売上の波が直接生活に影響します。特に立ち上げ初期は、顧客基盤がまだ弱く、見通しを立てにくいことがあります。
もちろん、確実にビジネスを成功させる方法はありません。だからこそ収入を安定させる工夫や集客の方法を考えることが大切です。
時間・体力・メンタルがもつか
ひとり起業をすると、営業、集客、経理、事務も自分で担うことになります。そのため、忙しさが積み重なると、体力面だけでなくメンタル面にも負担が出やすくなります。
特に真面目な女性ほど、すべてを自分でやろうとして基準が高くなり、疲弊しやすくなります。ひとり起業では、努力量だけでなくエネルギーの配分も重要です。業務に優先順位をつけ、外注できる部分は切り分けるという発想が必要です。
体調の変化やメンタルの波についても、自己管理できるよう日頃から工夫しましょう。ストレスの発散方法やいざというときに頼れる相手を作っておくことも大切です。
失敗への恐怖
ひとり起業を始める女性が抱える不安に、失敗への恐怖もあります。ビジネスには正解がありません。正解が見えない状態で判断を下し、それが正しい判断だったのかもすぐにわからないことがほとんどです。
とはいえ、起業において一度のミスですべてが終わるような失敗はほとんどありません。商品設計、価格設定、発信方法などは、たとえミスをしてもあとで調整できます。
大切なのは、失敗を完全に避けることではなく修正可能な状態を保つことです。
ひとりで全部やることへの不安
ひとり起業は自由度が高い反面、判断も責任もすべて自分に集中します。そのため、相談先がなくひとりで抱え込んでしまうケースもあります。
大切なのは、最初からすべてひとりで抱え込まないことです。税務、資金調達、制度利用などの専門性が高い領域については、専門家や支援機関を頼りましょう。
ひとり起業に向いている女性はこんな人
ひとり起業は、誰でもできる働き方ではありません。ひとり起業に向いている人には特徴があります。以下では、ひとり起業と相性がよい女性の傾向を整理します。
- 一人で黙々と作業するのが好き
- 自分の裁量と判断で働きたい
- 事業を自分で育てたい
一人で黙々と作業するのが好き
ひとり起業では特に、自分で考え、自分で進めることが基本です。
そのため、一人で黙々と作業することが苦にならない女性はひとり起業の適性があるといえます。誰かの指示がなくても手を動かせることは、起業してビジネスを継続するという意味でも大きな強みです。
自分の裁量と判断で働きたい
働き方を自分で決めたいという女性にも、ひとり起業は向いています。ひとり起業の最大のメリットは自由度の高さと裁量権です。
自分でビジネスを展開するわけなので、仕事内容、商品・サービスの価格、発信内容などはすべて自分が決めます。視野が狭まるリスクこそありますが、自分の価値観に沿ったビジネスをしたいなら適性ありです。
事業を自分で育てたい
与えられた仕事をこなすよりも、自分で事業そのものを育てたいと考える女性にもひとり起業は向いています。
自分でサービスや商品を考えて、顧客の反応を見て改善し、少しずつ形にしていく過程を楽しめる人は、ひとり起業を継続しやすいでしょう。
試行錯誤を負担ではなく成長の過程として捉えられる人は、ひとり起業に適性があるといえます。
女性がひとりで始めやすい起業の種類
ひとり起業を目指す女性にとって重要なのは、どの分野で起業するかです。初期費用、継続のしやすさ、自身の強みを考えて起業することで、無理のない事業設計がしやすくなります。
スキルを活かせる
ハンドメイド、ライティング、デザイン、動画編集、Web制作、SNS運用など、自分のスキルを活かせる仕事は、女性のひとり起業と相性が良い分野です。
多くの場合、初期費用や設備費が少ないため、小さく始めやすいという特徴があります。
在宅・オンライン型ビジネス
ライティングや動画編集、オンライン講座、ネットショップなどは、在宅でもできる起業スタイルだといえます。在宅での起業のメリットは、時間の使い方を調整しやすい点です。
資格・経験を活かせる
教育、美容、福祉、会計、法務など、資格や実務経験がある場合は、それを活かした起業も有力候補です。専門性があるため、価格競争に巻き込まれにくいというメリットがあります。
経験をそのまま差別化要素にできる点は、起業後の事業継続という面でも強い武器になります。
趣味を活かせる
アクセサリー、雑貨、イラスト制作などに代表される、趣味を活かしたひとり起業もあります。好きなことを仕事にするのは魅力的ですが、事業として続けるには、顧客視点や販売導線、価格設定を整える必要があります。
趣味の延長ではなく、販売と利益を考えることがビジネスでは重要です。
個人事業主と会社設立のどちらを選ぶのか
起業の方法には、個人事業主で始める方法と、会社(株式会社や合同会社)を設立する方法があります。
個人事業主は手続きの負担が比較的小さく、初めての起業に向いているといえます。一方、法人化では手続きやコストが増えるものの、対外的な信用や事業の拡大において有利になることがあります。
どちらが適しているかは、ケースバイケースです。最初は個人事業主として起業して、あとから会社を設立することもできます。両者の違いやメリット・デメリットについては、以下の記事でご確認ください。
ひとり起業でありがちな失敗
ひとり起業の失敗パターンには、小さな判断ミスの積み重ねで失敗してしまうケースや、勢いと理想だけで見切り発車してしまうケース、真面目すぎてストレスを抱えてしまうケースなどがあります。
以下では、女性のひとり起業でありがちな失敗を整理します。
- いきなり完璧を目指してしまう
- 情報収集だけして動かない
- ひとりで抱え込んでしまう
いきなり完璧を目指してしまう
真面目な人に多いのが「すべて完璧でなければならない」と自分を追い込んでしまうケースです。
最初から完璧な商品・サービスを作るのはほぼ不可能です。完璧を目指そうとして行動が遅れるケースもあるため、動きながら改善していくという視点が大切です。
初期段階で完璧を目指すのはかえって非効率といえます。ミスや失敗は誰にでもあるので改善を前提に動きましょう。
情報収集だけして動かない
失敗への不安や恐れから、情報収集に時間を使いすぎてしまうケースがあります。情報収集は大切ですが、知っている情報が増えても売上にはつながりません。
起業で大切なのは「動くこと」です。発信活動でも商品案の作成でも何でもいいので、まずは行動に移しましょう。
ひとりで抱え込んでしまう
ひとり起業では、何でも自分で対応しようとして疲弊することがあります。税務、法務、融資のような専門性が高い分野は、自己判断だけで進めると遠回りになりやすいです。
必要に応じて専門家などに相談したり、外部に業務を委託したりすることもできます。
女性のひとり起業で使える支援制度
ひとりで起業する女性起業家にとって、支援制度の知識は不可欠です。どのような制度があり、いつ利用できるのかを起業前からチェックしておきましょう。
利用できる融資や支援制度
起業時に利用できる融資や支援制度があります。起業資金のサポートや、ひとり起業で抱えやすい不安や悩みのサポートを受けることができます。
日本政策金融公庫の融資
日本政策金融公庫には「新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)という制度融資があります。
新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方が対象です。女性、35歳未満、55歳以上の方など一定の要件に当てはまる場合は、特別利率が適用されることがあります。
| 対象 | 女性(年齢制限なし)または35歳未満か55歳以上で、新たに事業を始める人または事業開始後おおむね7年以内の人 |
|---|---|
| 融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
| 利率 | 女性の場合、基準利率より低い特別利率(条件により変動。最新の利率は公庫の金利情報で確認)の適用あり |
| 主な申請要件 | 女性もしくは対象年齢の創業 事業開始後おおむね7年以内 創業計画書等の提出・審査 など |
参考:新規開業・スタートアップ支援資金(女性、若者/シニア起業家支援関連)|日本政策金融公庫
地方自治体の支援制度
地方自治体の制度で、女性を対象としたものが整備されていることがあります。
たとえば、東京都には女性・若者・シニア創業サポート2.0という制度があります。女性や39歳以下の若者、55歳以上のシニアが都内で創業予定もしくは創業後5年未満(女性は7年未満)の場合に、多様な支援を受けることができます。
参考:女性・若者・シニア創業サポート2.0|東京都創業サポート2.0
また、女性起業家が利用できる補助金・助成金もあります。詳細は以下の記事で解説しています。
女性のひとり起業でよくある質問
女性のひとり起業はできる!まずは準備が大切
ひとり起業は、女性にとって働き方の自由度を高めやすい選択肢です。
自由度が高い反面、会社員のような安定は保証されません。また、起業の目的や事業計画などがあいまいなままだと、思ったように収益が上がらず継続が難しくなることもあります。
ひとり起業をしてビジネスを継続するには、起業の目的や収益モデル、手続き、集客などのポイントを着実に押さえていく必要があります。特に未経験の場合は、完璧を目指すよりも顧客の反応を見ながら改善する進め方が現実的です。
また、必要に応じて融資や補助金、専門家の支援なども活用することで、何でもひとりで抱え込む事態に陥らず、安定した事業を実現しやすくなります。

















