

東京弁護士会所属。新潟県出身。
交通事故の影響で怪我や病気になってしまうと、体調の不安に加えて、経済的な不安も発生します。
慰謝料を請求するためには、法律上の知識や、過去の交通事故被害がどのような慰謝料額で解決されてきたかという判例の知識が必要です。
我々はこういった法律・判例や過去事例に詳しいため、強い説得力をもって、妥当な損害賠償金を勝ち取ることが期待できます。是非一度ご相談ください。
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目次
相手が未成年の交通事故では、初動対応の良し悪しが、その後の賠償や示談の進み方を大きく左右します。未成年という事情から、責任の所在や連絡先が曖昧になりやすいため、被害者側は「後で困らないための行動」を意識して対応することが重要です。
事故が起きたら、必ず警察へ連絡しましょう。軽い接触事故やけががないと思える場合でも、届出を行うことは法律上の義務です。警察が関与すると、事故の事実を公的に証明する「交通事故証明書」が発行されます。この書類は、後日、保険会社に賠償を求める際の基本資料となります。
相手が未成年の場合、「大事にしたくない」「親に知られたくない」といった理由で、警察への連絡を避けようとする場面も考えられます。しかし、警察への届出を行わないと、事故の存在自体を証明しにくくなり、賠償請求で不利になるおそれがあります。
けがが少しでもある場合には、人身事故として扱うことも忘れないようにしましょう。
事故現場での示談は、後のトラブルにつながりやすいため避けるべきです。特に未成年が加害者の場合、その場で交わした約束が法的に問題となることがあります。未成年本人には契約を結ぶ能力が制限されており、示談内容が無効と判断される可能性もあります。
また、事故直後は興奮や動揺があり、損害の全体像を正確に把握できません。あとから痛みが強くなったり、修理費が想定以上に高額になったりするケースもあります。現場では連絡先の確認と安全確保にとどめ、示談や金額の話し合いは後日に行う方が安心です。
相手が未成年の場合、本人だけでなく親の連絡先を確認しておくことが大切です。未成年は単独で賠償の話を進める立場にないことが多く、実際の交渉や支払いは親が関与します。そのため、事故現場では、未成年本人の氏名や住所だけでなく、親の氏名や電話番号も控えておきましょう。
任意保険も親が契約者となっているケースが多く、連絡先を把握しておくことで、後のやり取りがスムーズに進みます。連絡先の確認は、冷静かつ丁寧に行うことがポイントです。
事故後は、できるだけ早く自分が加入している保険会社にも連絡を入れましょう。相手が未成年の場合、賠償の進め方や請求先について判断に迷うことがありますが、保険会社はそのような場面で具体的な助言を行います。
自分の保険に弁護士費用特約が付帯していれば、示談交渉や各種手続きを弁護士に依頼する際の費用負担を抑えながら、専門家のサポートを受けることができます。早めに相談しておくことで、今後の手続きや注意点を整理でき、精神的な負担も軽くなります。
事故の当事者が未成年だからといって、一律に親が責任を負うわけではありません。法律では、未成年本人の責任能力や事故当時の状況を踏まえて、誰が責任を負うかを判断します。
交通事故における損害賠償の責任は、原則として事故を起こした本人が負います。未成年であっても、自分の行為の結果を理解し、適切に判断できる能力があると認められる場合には、民法上の責任を負います。このような判断能力を「責任能力」と呼びます。
責任能力があると判断されると、未成年本人に対して賠償請求が可能です。ただし、未成年者は収入や財産を十分に持たないケースが多く、実際の支払いが難しいことも少なくありません。その場合でも、責任の所在が本人にあるという点は変わらず、次に親の関与が問題となります。
未成年の責任能力については、法律で明確な年齢が定められていませんが、実務上はおおむね12歳前後(小学校を卒業する年齢)が一つの目安として考えられています。これは、この年齢になると、交通ルールや危険性をある程度理解できると考えられるためです。
一方で、12歳未満で責任能力がないと判断される場合や、12歳以上であっても事故の内容から本人だけに責任を負わせるのが適切でない場合には、親が責任を問われることがあります。親には、子どもを監督する立場としての責任があり、日常的な指導や管理が不十分だったと評価されると、賠償責任を負う可能性があります。
もっとも、年齢だけで機械的に判断されるわけではなく、事故の状況や本人の理解力などを踏まえて個別に判断されます。
未成年が交通事故の加害者となった場合でも、被害者が賠償を受ける相手は一つに限られません。加入している保険の種類や有無によって、請求先や補償範囲が変わります。
加害者である未成年が任意保険に加入している場合、被害者はまずその保険会社に賠償を請求します。任意保険とは、自賠責保険では補いきれない損害をカバーするための保険で、対人賠償や対物賠償が含まれるのが一般的です。
未成年本人が運転していても、親が契約者となり、子どもを被保険者として補償対象に含めているケースは少なくありません。この場合、治療費や慰謝料、修理費などについて、保険会社が示談交渉を行い、支払いを進めます。被害者としては、保険会社を窓口にすることで、比較的スムーズに賠償手続きが進みます。
自賠責保険は、すべての自動車に加入が義務付けられている保険です。未成年が加害者で任意保険に入っていない場合でも、自賠責保険に入っていれば最低限の補償を受けられます。
ただし、自賠責保険が対象とするのは、治療費や慰謝料などの人身損害のみで、補償額にも上限があります。物損については支払いの対象外です。そのため、自賠責保険だけでは、被害者が受けた損害の全額を賄えないケースも多く、不足分については別の相手に請求する必要が出てきます。
加害者が未成年で、任意保険にも自賠責保険にも加入していない場合、被害者にとって厳しい状況となります。この場合、保険会社からの支払いが期待できないため、未成年本人や親などに直接賠償を求めることになります。
もっとも、未成年本人には十分な支払い能力がないことが多く、実際の回収が難しい場面もあります。そのような場合には、親に責任が及ぶかどうかや、他に請求できる相手がいないかを検討することが重要です。
未成年が交通事故を起こした場合でも、常に親が賠償責任を負うわけではありません。ただし、一定の条件を満たすと、親に対して賠償請求が可能となります。
未成年の子どもは、日常生活において親が監督する立場にあります。この監督する立場にある人の責任を「監督者責任」と呼びます。未成年本人に十分な責任能力がないと判断される場合、親がこの監督者責任を負う可能性があります。
たとえば、子どもが自転車を運転中に高齢者と衝突し、大けがを負わせたようなケースでは、子ども自身に事故の結果を十分に判断できる能力があったかが問題となります。年齢や理解力の程度によっては、本人に責任を問うことが難しく、自転車の利用について十分な指導や管理を行っていたかという点が、親の責任を判断する重要な要素となります。
もっとも、親が日頃から交通ルールや自転車の危険性について指導し、必要な注意を尽くしていたと説明できる場合には、必ずしも監督者責任が認められるとは限りません。監督者責任の有無は、事故当時の状況や日常の指導内容などを踏まえて、個別に判断されます。
親が単に「親である」という理由だけで責任を負うわけではありませんが、親自身の行動が事故の原因となった場合には、別途責任を問われます。このような場合、親自身に「不法行為」が成立します。不法行為とは、故意または過失によって他人に損害を与える行為を指します。
具体例としては、明らかに危険だと分かっていながら、無免許の未成年に車を運転させた場合や、飲酒していることを知りつつ運転を許した場合などが挙げられます。このような行為が事故につながったときには、親自身の責任として、被害者は直接親に賠償を求められます。
未成年が運転していた車の所有者が親である場合には、「運行供用者責任」が問題となります。運行供用者責任とは、車を実質的に管理・使用する立場にある人が負う責任のことです。車の名義が親で、日常的な管理や維持費の負担を親が行っている場合、親が運行供用者と判断されることがあります。
この責任が認められると、未成年本人の過失とは別に、親に対しても賠償請求が可能となります。実務では、未成年が家族の車を使って事故を起こしたケースで、この運行供用者責任が争点となることが多く見られます。車の管理状況や使用実態によって結論が変わるため、個別の事情を丁寧に確認することが重要です。

自転車事故であっても、未成年本人に責任能力があると判断されれば、原則として本人が賠償責任を負います。ただし、年齢や理解力の程度によっては、事故の危険性や結果を十分に認識できないと評価されることもあります。その場合には、未成年本人ではなく、親の責任が問題となります。
親に賠償請求できるかどうかは、監督者責任が認められるかが一つのポイントです。たとえば、交通ルールや自転車の安全な乗り方について十分な指導を行っていなかった場合や、危険な運転を知りながら注意を怠っていた場合には、親の監督が不十分と判断される可能性があります。また、夜間や人通りの多い場所での自転車利用を放置していたような事情も、判断材料となります。
さらに、自治体によっては自転車保険への加入を義務付けている地域もあります。このような地域で保険に加入していなかった場合、親の管理体制が問題視されることも考えられます。
未成年が交通事故の加害者となった場合、本人に十分な収入や財産がなく、賠償金の支払いが難しいことは珍しくありません。しかし、支払い能力がないからといって、被害者が補償を受けられなくなるわけではありません。事故の状況や関係者との関係性によっては、複数の手段を検討できます。
未成年本人が任意保険の補償対象となっている場合、被害者はその保険会社に賠償を請求できます。多くの家庭では、親が契約者となり、同居の家族を補償対象に含めています。このような契約であれば、未成年が事故を起こした場合でも、保険会社が治療費や慰謝料、修理費などの支払いを行います。
任意保険が使えるかどうかは、契約内容によって異なります。そのため、事故後は早めに保険の有無や補償範囲を確認することが重要です。
自動車事故の場合、車には自賠責保険が付いています。未成年が運転していたとしても、この保険が有効であれば、人身損害について一定の補償を受けられます。自賠責保険は、治療費や入通院慰謝料などを対象とし、被害者救済を目的とした制度です。
ただし、補償額には上限があり、物損は対象外となります。そのため、自賠責保険だけでは損害の全額を補えないこともあります。
未成年本人に支払い能力がない場合、親に賠償を求めることを検討します。親に監督者責任や運行供用者責任が認められると、被害者は親に対して直接賠償請求できます。親に責任が認められない場合でも、交渉によっては子どもの起こしたことの責任を取るために、賠償に応じてくれることもあるでしょう。
親が保険契約者であるケースも多く、話し合いの窓口が親となることで、賠償手続きが進みやすくなることもあります。責任の有無は、事故の内容や家庭での管理状況などを踏まえて判断されます。
一度に高額な賠償金を支払うことが難しい場合には、分割払いによる解決を図る方法もあります。分割払いは、被害者と加害者側が合意したうえで行います。
この方法を選ぶ際には、支払い期限や金額を明確にし、書面で取り決めておくことが重要です。口約束だけで進めると、後に支払いが滞るリスクがあります。弁護士などの専門家に相談して書面を公正証書にしておくと、支払いが滞った際に裁判を経ずに強制執行を行うことも可能になります。
未成年が運転していた車の所有者が別にいる場合、その所有者に賠償を求められることがあります。車を実質的に管理し、使用を認めていた人には、運行供用者としての責任が認められる可能性があります。たとえば、親や親族の車を借りて事故を起こした場合、所有者の関与や管理状況が重要な判断材料となります。
未成年がアルバイトや配達業務など、仕事中に事故を起こした場合には、雇用主に対して賠償請求できることがあります。業務の一環として事故が起きた場合、雇用主は使用者として責任を負う可能性があります。
ただし、通勤途中の事故など、業務との関連性が弱い場合には、この責任が認められないこともあります。
加害者が無保険で、他に賠償を求められる相手がいない場合には、「政府保障事業」の利用を検討します。政府保障事業は、ひき逃げや無保険事故などで被害者が十分な補償を受けられない場合に、国が一定の補償を行う制度です。
この制度は人身事故に限られ、手続きにも時間がかかりますが、最終的な救済手段として重要な役割を果たします。適用条件や手続きは複雑なため、専門家に相談しながら進めると安心です。
相手が未成年の交通事故では、責任の所在や賠償の進め方が複雑になりやすく、被害者だけで対応すると不利な状況に陥ることもあります。弁護士に相談することで、法的な整理を踏まえた対応が可能となり、結果として適切な補償を受けやすくなります。
弁護士は、事故の内容や関係者の立場を踏まえ、どこに賠償請求できるかを多角的に検討します。未成年本人だけでなく、親の監督者責任や運行供用者責任、保険会社、雇用主など、請求の可能性がある相手を整理し、適切な順序で対応を進めます。
被害者自身では見落としがちな制度や請求先についても検討できるため、結果として受け取れる賠償額が増えるケースもあります。「誰に請求できるのか分からない」という段階からでも、具体的な道筋を示してもらえる点が大きなメリットです。
未成年が加害者の事故では、親との直接交渉が必要になる場面も多く、感情的な対立が生じやすくなります。こうした交渉を被害者自身で行うことは、大きな精神的負担となります。
弁護士が間に入ることで、連絡や交渉の窓口を一本化でき、被害者は治療や生活の立て直しに専念しやすくなります。専門家が法的な根拠に基づいて話を進めるため、相手側も冷静に対応しやすくなり、不要な対立を避けやすくなります。
話し合いによる解決が難しく、裁判に進む可能性がある場合でも、弁護士に依頼していれば安心です。裁判では、主張や証拠の出し方によって結果が大きく変わることがありますが、専門的な知識がなければ対応は困難です。
弁護士は、事故状況や過去の裁判例を踏まえ、被害者の立場に立った主張を組み立てます。裁判手続き全体を任せられるため、見通しが立たない不安を抱え続ける必要がなくなります。
自動車保険や火災保険などに弁護士費用特約が付いている場合、弁護士への相談や依頼にかかる費用を保険でまかなえることがあります。この特約を利用すれば、自己負担を気にせず専門家のサポートを受けられます。
弁護士費用が理由で相談をためらう必要がなくなり、早い段階から適切な対応を取れます。未成年が加害者の事故は初動対応が重要となるため、特約の有無を確認したうえで、早めに弁護士へ相談することが大切です。
親が賠償の支払いを拒否した場合でも、裁判で賠償を求めることは可能です。未成年本人に責任能力があると判断される場合には、本人を被告として訴えることができますし、親に監督者責任や運行供用者責任が認められる事情があれば、親を被告として請求することも考えられます。
業務の一環として事故が起きたと判断されると、雇用主が責任を負う可能性があります。一方で、親の監督が不十分だったと評価される事情があれば、親に責任が及ぶこともあります。事故状況によっても異なるので、事故と業務との関係を丁寧に確認することが重要です。
未成年本人に現在は支払い能力がなくても、将来にわたって賠償請求できる可能性はあります。たとえば、事故当時は学生で収入がなくても、成人後に会社勤めを始め、安定した収入を得るようになった時点で請求を行うといった対応も考えられます。
もっとも、賠償請求には時効がある点に注意が必要です。交通事故による損害賠償請求権は、原則として「損害および加害者を知った時から5年」、または「事故発生から20年」で時効にかかります。この期間を過ぎると、原則として請求ができなくなります。
将来の回収を見据える場合には、時効を中断するための手続きや、分割払いの合意を書面に残すことが重要です。弁護士に相談し、公正証書の作成や裁判手続きの検討を行うことで、後日の請求に備えた対応が取りやすくなります。
示談金の算定方法は、加害者が未成年かどうかで大きく変わるわけではありません。けがの程度や治療期間、後遺障害の有無など、被害の内容を基準に判断します。ただし、未成年が加害者の場合、支払い方法や回収の現実性が問題となることが多く、交渉の進め方に工夫が必要となる場合があります。
親が離婚している場合でも、原則として親権者や監督する立場にある親が請求先となります。ただし、車の所有者や保険契約者がどちらの親かによって、責任の所在が変わることもあります。家庭の事情によって判断が分かれるため、具体的な状況を踏まえて検討することが重要です。
交通事故の加害者が未成年だった場合でも、被害者が泣き寝入りを強いられるわけではありません。事故の状況や加害者側の保険加入状況、親の関与の有無によっては、未成年本人だけでなく、親や保険会社、雇用主などに対して賠償請求が可能となるケースもあります。そのため、「相手が未成年だから仕方がない」と早合点せず、冷静に状況を整理することが大切です。
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