

東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

目次
過失割合で不利に示談してしまわないためにも、まずは過失割合の原則を確認していきます。
路上駐車している車に衝突した場合、原則として接触した側に100%の過失が認められます。
これは、運転者には前方の状況を確認し、安全に走行する義務(前方注視義務)があるためです。停止している車両は基本的にその場から動かないことから、適切に注意していれば回避できた事故と評価されやすく、動いていた側の責任が重くなります。
実務上も、停止車両への衝突は追突事故と同様に扱われることが多く、特段の事情がない限りは100:0で処理されるケースが一般的です。
もっとも、すべてのケースで接触した側に100%の過失が認められるわけではありません。路上駐車の方法や状況に問題がある場合には、路駐車側にも一定の過失が認められる可能性があります。
特に、違法駐車や通行を妨げる停め方、視認性が低い状況での駐車などは、事故の発生に影響を与えたと評価されやすく、過失割合が修正される要因となります。
どのような場合に路駐車側の過失が認められるのかについては、具体的なケースごとに確認することが重要です。
過失割合は、事故類型ごとの「基本割合」に対して、事故ごとの個別事情である「修正要素」を加味して決定されるため、「どのような駐車だったか」が重要な判断ポイントとなります。
以下では、実務上とくに問題となりやすいケースを紹介します。
駐停車が禁止されている場所に車両を停めていた場合には、路駐車側にも10%程度の過失が加算される可能性があります。
駐停車が禁止されている代表的な場所としては、以下のようなものがあります。
これらの場所は見通しが悪かったり、交通の流れに大きな影響を与えたりするため、駐車自体が事故の危険を高める行為と評価されます。
通行の妨げとなる位置に駐車している場合、路駐車側に10%〜20%程度の過失が加算されるのが一般的です。状況によっては、視認性の低さなど他の要素と重なり、さらに過失が上乗せされることもあります。
具体的には、以下のような駐車が問題となりやすい典型例です。
そもそも、道路上に車両を停める際は、できるだけ左側に寄せ、他の車両の通行を妨げないようにする必要があります。
このような配慮を欠いた駐車は、後続車に無理な進路変更や急な回避行動を強いることになり、事故の発生リスクを高めるため、過失が認められやすくなります。
夜間で街灯が少ない場所や、雨・霧などにより視界が悪い状況では、駐車している車両の発見が遅れることがあります。このような環境下では、路駐車側にも10%〜20%程度の過失が加算されるケースがあります。
本来、道路上に車両を停める場合には、周囲から容易に認識できる状態にしておく必要があります。しかし、暗い場所や視界不良の状況で十分な安全措置が取られていないと、後続車が発見しづらくなり、結果として事故のリスクを高めることになります。
以下のような状況では注意が必要です。
また、二輪車は前照灯の照射範囲が限られるため、四輪車と比べて駐車車両の発見が遅れやすい傾向があります。そのため、事故の態様によっては、過失割合の修正幅が大きくなることもあります。
停車時に周囲に対する注意喚起が十分に行われていない場合、停車している車に10%〜20%程度の過失が認められる可能性があります。
具体的には、以下のようなケースが問題となりやすいといえます。
道路上に車両を停める際には、ハザードランプやスモールランプなどを用いて、自車の存在を周囲に知らせることが重要です。とくに夜間や見通しの悪い場所では、こうした灯火が事故防止の役割を果たします。
しかし、これらの措置が取られていない場合、後続車が駐車車両に気づくのが遅れ、回避が間に合わなくなるおそれがあります。その結果、「発見しやすくするための配慮が不十分だった」と評価され、過失が認められる方向で判断されることがあります。
路上駐車している車にぶつけてしまったにもかかわらず、そのまま立ち去ると、いわゆる当て逃げとして刑事責任を問われるおそれがあります。
物損事故であっても、運転者には道路交通法に基づき、事故直後に対応すべき義務が課されています。具体的には、次の2つです。
事故を起こした場合には、直ちに車を停止し、二次事故を防ぐための措置を講じる必要があります。
たとえば、車両を路肩などの安全な場所へ移動させる、道路上に散乱した物を片づける、発煙筒や三角表示板を設置して後続車に注意を促すといった対応が求められます。
これらの対応を怠ると、危険防止措置義務違反として、1年以下の拘禁刑または10万円以下の罰金が科される可能性があります。
事故後は、速やかに警察へ連絡し、事故の日時や場所、損壊した物の内容や程度などを報告しなければなりません。軽微な事故であっても自己判断で報告を省略することは認められておらず、これを怠ると報告義務違反に該当します。
報告義務に違反した場合には、3カ月以下の拘禁刑または5万円以下の罰金が科される可能性があります。
当て逃げは悪質と評価されやすく、略式起訴によって罰金刑が科されるケースも少なくありません。事故後に自首や出頭をした場合には不起訴となる可能性もありますが、いずれにしても現場から離れるリスクは大きいため、事故を起こした際は必ずその場で適切に対応することが重要です。
路上駐車している車を避けた結果、センターラインを越えて対向車と衝突した場合の過失割合は、主に「路駐車にどの程度の問題があったか」によって大きく変わります。
実務上は、大きく2つのケースに分けて考えられます。
路駐車が駐車禁止場所に停められているなど、危険な状態を生じさせていたと評価できる場合には、路駐車側にも過失が認められます。
このようなケースでは、路駐車を避けるためにやむを得ず車線変更を行った事情が考慮され、回避した側の過失が一定程度軽減される可能性があります。
過失割合の目安としては、路駐車側に10%〜20%程度、回避行動を取った車両側に80%〜90%程度が認められるケースが想定されます。この場合、回避車両および路駐車は、その割合に応じて対向車の損害を賠償することになります。
なお、対向車線を通常どおり走行していた車両については、事故に巻き込まれたにすぎないため、原則として過失は認められません。
一方で、路駐車が適法な位置に駐車されており、特段の危険性がない場合には、路駐車側に過失は認められないのが原則です。
「路駐がなければ事故は起きなかったのに」と感じる場面もありますが、それだけで法的な責任が生じるわけではありません。過失割合は、「事故の発生にどの程度関与したか」という観点から判断されます。
路上駐車が適法で、周囲から十分に認識できる状態にあった場合、その車両は「事前に発見して回避できる対象」と評価されます。この場合、運転者には前方を注視し、減速や停止によって安全に対応することが求められます。
実務上も、「停止車両を認識できたか」「無理のない方法で回避できたか」といった点が重視されます。適切に減速すれば衝突を回避できたと判断される場合には、路駐車側に過失が認められるケースは少ないといえるでしょう。
路上駐車との事故では、「本当に自分が100%悪いのか」と疑問を感じるケースも少なくありません。過失割合は保険会社が提示してきますが、その内容が常に適切とは限らず、事故状況によっては修正できる余地があります。
納得できないまま示談に進んでしまうと、不利な条件で解決してしまうおそれもあるため、根拠を整理したうえで適切に対応することが重要です。
過失割合を見直すためには、まず事故状況を客観的に示す証拠を確保することが重要です。
とくにドライブレコーダーの映像は、駐車車両の位置や見えやすさ、回避行動の内容などを具体的に示すことができるため、過失割合の判断に大きな影響を与えます。
そのほかにも、現場の写真や動画、目撃者の証言、警察の実況見分調書なども重要な資料となります。事故直後に記録を残しておくことで、後から有利な主張をしやすくなります。
次に、路駐車側に過失が認められる事情がないかを整理することも重要です。
たとえば、駐車禁止場所であったか、通行の妨げとなる位置に停めていなかったか、夜間で視認しづらい状況ではなかったか、ハザードランプなどの注意喚起が行われていたかといった点が検討対象となります。
これらの事情が認められる場合には、路駐車側にも一定の過失があると主張でき、過失割合の修正につながる可能性があります。
保険会社から提示された割合をそのまま受け入れるのではなく、事故状況を具体的に振り返りながら、自分にとって不利な評価になっていないかを確認することが重要です。
路上駐車との事故で過失割合に納得できない場合には、弁護士への相談・依頼を検討することも有効です。
特に自動車保険に付帯されている「弁護士費用特約」を利用できる場合には、自己負担なく弁護士に依頼できる可能性があるため、まずは加入状況を確認しておくとよいでしょう。
弁護士に依頼することで、過失割合の見直しや示談交渉を有利に進めやすくなるほか、手続き全体の負担を軽減することにもつながります。
弁護士に依頼することで、過失割合を有利に見直せる可能性があります。
路上駐車の事故では、「駐車場所が適切だったか」「視認性に問題がなかったか」「回避行動は相当だったか」といった複数の要素を踏まえて判断されます。しかし、これらを一般の方が整理して、適切なタイミングで主張するのは容易ではありません。
弁護士であれば、過去の裁判例や実務上の基準をもとに、どのような事情が過失割合の修正要素になるのかを的確に分析できます。そのうえで、路駐車側の過失を裏付ける事情や証拠を整理し、保険会社に対して説得力のある主張を行うことが可能です。
その結果、本来より不利な過失割合が提示されていた場合でも、適正な割合へと修正できる可能性があります。
過失割合をめぐる交渉は、専門的な知識が必要なうえ、相手方や保険会社とのやり取りが長引くことも多く、精神的な負担が大きくなりがちです。
弁護士に依頼すれば、これらの交渉を一任できるため、直接のやり取りによるストレスを大きく軽減できます。相手方の主張にその場で対応する必要もなくなり、冷静に手続きを進めやすくなります。
また、保険会社から提示された内容が妥当かどうかについても、専門家の視点で判断してもらえるため、不利な条件で合意してしまうリスクを抑えることができます。結果として、安心して解決まで進められる点が大きなメリットといえます。
弁護士に依頼することで、事故後の手続きをスムーズに進めやすくなり、結果として早期解決につながる可能性があります。
過失割合の交渉では、証拠の整理や主張の組み立て、適切なタイミングでの交渉など、対応の進め方が重要になります。これらを自己判断で進めると、やり取りが長引いたり、主張が十分に伝わらなかったりすることもあります。
弁護士であれば、必要な資料の収集や主張の整理を効率的に行い、適切な手順で交渉を進めることができます。その結果、無駄なやり取りを減らし、解決までの期間を短縮しやすくなります。
基本的に、路駐車が有人か無人かだけで過失割合が大きく変わるわけではありません。重要なのは、駐車の態様や周囲の状況です。
もっとも、運転者が車内にいてすぐに移動できる状態であったにもかかわらず、危険を回避しなかった場合などには、事情として考慮される可能性はあります。
ドアの開閉にあたっては、周囲の安全を確認する義務があるため、後続車の接近に気づかずにドアを開けた場合には、駐車車両側の過失が重く評価される傾向があります。状況によっては、駐車車両側の過失が主となるケースもあります。
過失割合は「停車か駐車か」という形式だけで判断されるのではなく、実際の状況や危険性の程度を踏まえて判断されます。
たとえば、短時間の停車であっても通行の妨げとなる位置であれば、駐車と同様に評価されることがあります。一方で、適切な位置で一時的に停車しているにすぎない場合には、過失が認められにくいケースもあります。
路上駐車との事故では、原則として接触した側に過失が認められますが、駐車の場所や態様、視認性などによっては路駐車側にも過失が認められることがあります。また、避けた結果の事故であっても、回避行動の相当性が重視されるため、必ずしも路駐車側に責任が生じるとは限りません。
過失割合は事故状況や証拠によって大きく変わるため、提示された内容に疑問がある場合は、そのまま受け入れずに検討することが重要です。弁護士に相談すれば、過失割合の妥当性を確認し、適切な主張や交渉を進めることができるため、納得できる解決につながりやすくなります。
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