東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。
突然の交通事故、緊急搬送され何が起きたかもわからないまま入院した場合、様々な問題にどう対処したらよいか不安な状態になるでしょう。
そんなとき、加害者からのお見舞いを受け入れることができるでしょうか。
落ち着いて対応できる自信がない方もおられるでしょう。
今回の記事では、加害者からのお見舞いを断る方法について説明します。
目次
お見舞いやお詫びの菓子折りを受け入れるかは自由です。
加害者に会いたくない、何も受け取りたくないのであれば、断っても問題ありません。
しかし、断ることで逆上させてしまうのではないか、今後の示談交渉に影響するのではないかと心配になる方もおられるでしょう。
ここでは、トラブルになりにくい穏便な断り方を状況別にお伝えします。
入院中であれば、「病院から安静にしなければならないと指示されている」「今は治療に専念したほうがよいと言われている」など、ご自身の意志と関係ない理由で断るのがよいでしょう。
直接ご自身で対応せず、ご家族や病院から返事をしてもらうのもよいでしょう。
加害者と会うことで事故当時を思い出してしまい、腹が立ったり取り乱したりと感情的になってしまうケースが懸念されます。
その結果、加害者と口論になり関係がこじれて、示談交渉が難航することもないとは言えません。
できる限り、人づてに対応することが無難でしょう。
退院後であれば、保険会社や弁護士にすべて任せていることを理由に断るのがよいでしょう。
そもそも交通事故では、お互いの保険会社同士でやり取りするケースが多く、当事者同士が顔を合わせないまま事故処理が完了するケースも少なくありません。
「お互いに保険会社や弁護士に任せましょう」と加害者に伝えるのも有効な手段です。
誠意を見せる手段として、お見舞いや菓子折りを準備する加害者もいる一方で、一切連絡もしてこない加害者もいます。
保険会社が加害者に指示しているケースや、加害者が刑事罰に問われ連絡ができないケースなど、加害者の意志とは無関係の理由も少なくはありません。
とはいえ、まったく連絡がないとなると「本当に反省しているのだろうか?」と不安を覚えることや、腹が立つことは当然の感情です。
加害者へ直接問い合わせたくなる気持ちも起こるかもしれませんが、不用意な一言からトラブルにつながる恐れもあります。
このような加害者への対応は、保険会社や弁護士へ一任することをおすすめします。
ここでは、交通事故の対応を弁護士に依頼するメリットとデメリットをご紹介します。
加害者に会いたくない方はもちろんのこと、加害者と連絡をとりたい方にとっても、弁護士が間に入ることで示談をスムーズに進めることができます。
また、保険会社への対応もすべて任せることができます。
保険金の請求は、面倒な手続きの連続です。
電話や書面でのやり取りも多く、治療や仕事と同時に行うのは大変な労力がかかります。
保険会社の担当者は交渉のプロですので、自分で対応すると相手方の言うままに交渉を進められる恐れもあります。
弁護士であれば依頼者の利益を最優先し、交渉に臨むため、安心して任せられるでしょう。
交通事故の慰謝料の金額を算出するための基準は3種類あり、算出する基準によって慰謝料の金額が異なります。
金額は自賠責基準、任意保険基準、弁護士基準の順に高くなっています。
弁護士基準が一番高い算定基準ですが、弁護士に依頼しない場合に相手側の保険会社が弁護士基準で算出するケースはほとんどありません。
弁護士に依頼することで、適正な慰謝料の請求が可能です。
過失割合は、慰謝料などの金額の増減にかかわる重要なポイントです。
しかし、どの程度が適正なのか一般の人にはわかりにくいのではないでしょうか。
弁護士であれば、事故を分析し、豊富な事例・経験や過去の判例をもとに、適正な過失割合を提示することができます。
事故で後遺症が残った場合、後遺障害等級が認定されると後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を請求できます。
後遺障害等級が認められるためには、検査を受け、書類を提出しなくてはなりません。
弁護士に任せれば必要な書類を過不足なく準備し、適切な後遺障害等級認定の手続きを行ってくれます。
弁護士に弁護活動を依頼するためには、報酬を支払わなければなりません。
物損事故や怪我の程度が軽い事故の場合、獲得できた損害賠償額よりも弁護士費用の方が高くなる可能性もあるため、注意が必要です。
もちろん、料金について契約前に確認することも、質問することもできるため、安心して相談してください。
「弁護士に依頼をしたいけど、選ぶ基準がわからない」
多くの方が悩むのがこの問題でしょう。
ここでは、安心して事故処理を任せることができる弁護士選びのポイントを解説します。
弁護士の所属する法律事務所が交通事故案件の実績を豊富に有していたとしても、実際に担当する弁護士がそうであるとは限りません。
面談を受け持った弁護士に、交通事故の実績を確認するとよいでしょう。
また、ホームページ上に実際の事件の解決事案を掲載している法律事務所もありますので、そちらも参考になります。
担当の弁護士が話しやすい相手であるかは、とても大切なポイントです。
依頼者の話をじっくりと聴いてくれるか、疑問に嫌な顔をせず誠実に答えてくれるかなども確認しましょう。
難しい表現が出てくることも少なくない弁護士との面談ですが、分かりやすく説明してくれるかも重要です。
忙しいことを理由に会話を手短に終わらせる、あるいは説明が不十分に感じる弁護士だった場合、今後のやり取りが不安になるかもしれません。
弁護士とは短いとは言えない期間の付き合いになるため、慎重に選びましょう。
加害者対応に保険金請求手続きなど、何からどう手を付ければよいのかと途方に暮れることが多い交通事故処理。
怪我の治療と同時にこれらを行うのは大変な労力を要します。
交通事故案件であれば、初回の相談が無料の法律事務所も数多く存在します。
まずは一度、弁護士に相談してみることをおすすめします。