

東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

目次
オービスは、車のスピードを自動計測し、運転者の顔とナンバープレートも撮影する自動速度違反取締装置です。主に高速道路や幹線道路に設置されており、一定以上の速度違反を検知すると、オービスが光る仕組みとなっています。
最近では、通勤・通学の歩行者を交通事故から守るため、幅員(道路の幅)が狭い生活道路にもオービスを設置することがあります。移動式のオービスも増えているため、「設置場所を知っているから引っかからない」といった考え方は通用しなくなっています。
固定式オービスは、基本的に支柱の上部に設定されています。設置場所の手前1〜3kmには「自動速度取締機設置区間」などの看板があり、ボックス型のオービス自体も運転手が確認できます。
レーダー式オービスとは、マイクロ波のレーダー照射で車両の速度を計測し、路肩にあるカメラで運転者の顔などを撮影するタイプです。固定式オービスではもっとも古いタイプで、フィルム式のカメラも使われていることから現在は撤去が進んでいます。
なお、機能は停止しているものの、ダミーでそのまま設置されているケースがあります。
デジタルカメラを採用しており、探知機も反応しにくいレーダー式オービスの進化版です。オービスを設置する支柱も含めると「門」のような外観になっているため、運転中に気付くケースも多いでしょう。
路面に特殊コイルを埋め込み、車の速度を測定してフィルムカメラで撮影する仕組みです。目立ちにくい固定式オービスになっており、レーダー探知機も反応しない場合があります。
設置場所が多く、Hシステムとループコイル式の特徴を併せ持つオービスです。支柱の上部に回転灯とデジタルカメラが設置されており、撮影時にはフラッシュライトが光ります。小型のCCDカメラを使い、路肩から撮影するLS型のシステムもあります。
レーザー式オービスとは、レーザースキャンで車の速度を計測する装置です。支柱の上部に設置されている場合もありますが、小型化されたタイプは持ち運びできるため位置の特定は困難です。
移動式オービスには半固定式や、1人で持ち運びできるタイプなどがあります。オービスだとは気付かないケースがあるため要注意です。
小型の可搬式オービスは三脚に乗せるタイプが多く、電源がない場所ではバッテリーで稼働させているケースもあります。パイプ椅子などに座った警察官が配置されており、手前に三脚に載せたボックス型の装置があれば、可搬式オービスの可能性が高いでしょう。
中型の半可搬式オービスは重量があり、移動させる場合はトラックなどに積み込みます。本体の色は「白」が多く、運転者側に向けて設置されるため、小型のオービスよりも気付きやすいでしょう。
半固定式のオービスは本体のみ移動できるようになっており、設置用の土台や支柱は固定されています。オービス本体は金属製のメッシュなどで囲まれていますが、計測装置やカメラの分部は穴が開けられているため、離れた場所でも確認できるケースがあります。
光電管式移動オービスとは、送受光機と反射機の間を車が通過する際、光線が遮断されたタイミングで速度を計測するタイプです。設置状況がわかりにくく、レーダー探知機には反応しないため、発見が難しいオービスです。
オービスが作動すると、カメラのフラッシュのように強く光ります。固定式オービスは赤い光を放つことが多く、夜間ははっきりと確認できます。白く光るタイプもあり、運転者に「速度超過を起こした」と知らせる意味もあるといわれています。
撮影時には車のナンバーや運転者の顔が記録され、そのデータをもとに出頭通知書が送付されます。光を見た段階で違反を自覚し、後の手続きもスムーズに進むことが多いでしょう。一方、可搬式(移動式)のオービスは光が弱く、昼間は気づかないこともあります。光らなかったからといって安心はできません。
作動速度は公表されていませんが、一般的には一般道で時速30km以上、高速道路で時速40km以上の超過で光るといわれています。歩行者の多い道路では15km程度でも光る場合があり、路面が雨で濡れているなど道路状況によって作動条件が変わることもあります。
「オービスらしき装置を見たのに光らなかった」という場合、いくつかの理由が考えられます。まず、道路上にはさまざまな監視・計測装置が設置されており、見間違いの可能性があります。たとえば「Nシステム」は車のナンバーを読み取って通行車両を確認する装置、「Tシステム」は交通量や渋滞状況を把握するための装置で、いずれも速度違反の取り締まり機能はありません。
また、ダミーのオービスであるケースもあります。旧型の機器を撤去せず残している場合、内部の計測機能が停止していることがあります。ただし、光が弱いオービスも存在するため、「光らなかった=ダミー」とは限りません。
さらに、スピードメーターの見間違いによって実際には速度超過をしていなかった可能性もあります。車種によって目盛りや表示方法が異なるため、特に買い替え直後は感覚がずれて誤認することがあるため注意が必要です。
オービスが光ったあとは、警察署への出頭などが必要です。違反点数が大きいため、罰金と免許停止は避けられないでしょう。
速度違反をオービスが検知した場合、おおむね1週間から1カ月後くらいに出頭通知書が届きます。違反者は必ず警察署に出頭しなければならないため、通知書に記載された日時と場所を確認しましょう。日程は調整できるため、都合がつかないときは早めに警察署へ連絡してください。
出頭通知書を受け取ったあとは警察署に出頭し、オービスが撮影した画像確認や事情聴取を受けます。警察は違反速度に応じて交通反則告知書(青切符)、または告知票・免許証保管証(赤切符)を交付するため、事実に間違いがなければ署名してください。
告知票・免許証保管証(赤切符)が交付された場合は、数日後に簡易裁判所から出廷通知書が届きます。出廷日時も調整できるため、当日の都合がつかないときは早めに裁判所へ連絡してください。
簡易裁判所へ出廷すると、一般的には略式裁判の同意を求められます。略式裁判は書面のみの審理で結審までの時間が早いため、そのまま裁判所内で待機します。速度違反に悪質性がなければ、罰金刑を言い渡されるでしょう。
なお、速度違反を認めない場合は略式裁判の拒否となり、刑事裁判へ移行します。刑事裁判は判決までの期間が長く手続きも複雑になるため、速度違反への反論は慎重に判断しなければなりません。
速度違反の罰金は10万円以下になっており、現金があれば裁判所で納付できます。手元に現金がない場合には、後日の振込みでも構いません。
裁判が結審すると、警察署から呼出通知書が届きます。裁判によって罰金の刑事処分は完了しますが、次は行政処分を受ける必要があります。呼出通知書の指定日に出頭できないときは、警察に連絡して日程を調整しましょう。
オービスが光る場合は基本的に30km〜40km以上の速度超過になるため、30日間の免許停止処分を受けます。ただし、有料の免許停止処分者講習を受けると、短期・中期・長期の講習に応じて免許停止期間が短くなります。職業ドライバーや車通勤している方は、免停講習を受けておくとよいでしょう。
免許停止期間が終わったら、運転免許停止処分書に記載された場所で免許証が返還されます。
オービスが光った場合、速度違反の罰金・点数は以下のようになります。
オービスが光ったときの罰金は10万円以下になっており、以下の速度違反が目安です。
速度超過が30km未満の場合は反則金になるため、以下の金額を納めます。
反則金は軽微な違反に対する行政処分となり、警察から交通反則告知書(青切符)が交付されます。
オービスが光ると、速度超過に応じて以下の違反点数が加算されます。
日常的に運転する人の中には「うっかり速度を超えてしまった」「気づかないうちにオービスの前を通過していた」というケースも少なくありません。ここでは、オービスが光るリスクを減らすためにできる実践的な対策を紹介します。
オービスの設置場所には「自動速度取締機設置区間」の看板が設置されているため、早めに看板に気づけばオービスが光らないように回避できます。都道府県警のホームページやSNSもチェックしておけば、移動式オービスの情報も事前にわかります。
レーダー探知機を車に装備すると、近くにあるオービスに反応してアラームが鳴ります。価格帯は1万5,000~5万円程度になっており、最新機種は様々な種類のオービスに対応しています。
ただし、並走車両や対向車両などがレーダーを遮ると、オービスに接近しても反応しない場合があります。オービス以外のレーダーに反応する場合もあるため、探知機を過信しないように注意してください。
カーナビによっては固定式オービスの位置が登録されており、接近すると音声案内が流れます。別売りのオービスデータを購入すると、カーナビ本体を買い替えなくてもオービスの位置がわかります。
ただし、工場出荷時のデータになるため、新たに設置されたオービスは登録されていません。
スマートフォンにオービス検知アプリをインストールすると、オービスの最新情報がわかります。ユーザーの情報提供により移動式オービスの位置情報もわかるため、速度違反を回避しやすくなります。
ただし、アプリによってはオフラインでの利用ができないものもあるため、電波状況が悪い地域ではオービスを検知しない可能性があることに注意が必要です。
オービスが作動するほどの速度超過は、交通事故の発生リスクが非常に高い状態といえます。
一般的に、オービスは30km~40km以上の速度超過を検知するよう設定されており、これは一瞬の判断ミスでも致命的な事故につながる危険なスピードです。制限速度は道路の構造や歩行者の安全を考慮して定められているため、無視すれば自分だけでなく他人の命を脅かす結果を招きます。
スピード違反で検挙されること自体も問題ですが、さらに重大なのは事故を起こした場合です。
オービス違反中に事故を起こした場合、刑事責任と民事責任の両方を負う可能性があります。
刑事面では、自動車運転死傷行為処罰法に基づき、被害者にけがを負わせた場合は「過失運転致傷罪」、死亡させた場合は「過失運転致死罪」などに問われます。速度超過の程度や悪質性が高い場合、「危険運転致死傷罪」としてより重い刑罰が科されることもあります。前科がつけば今後のライフプランに大きな影響を及ぼします。
一方で、民事責任としては、被害者や遺族に対する損害賠償義務が発生します。治療費・慰謝料・逸失利益などの金銭賠償に加え、示談交渉を行う必要もあります。特に高速度での事故は損害額が高額になりやすく、死亡事故や重い後遺障害が残った場合には総額が数千万円規模になることもあります。
重大な速度超過は、金銭面でも人生に大きな影響を及ぼす行為といえるでしょう。
オービスが光ったあとに届く通知書を軽視すると、思わぬトラブルに発展することがあります。速度超過の程度によっては、行政処分にとどまらず刑事事件として扱われる場合もあるため、状況によっては早期に弁護士へ相談することが重要です。
ここでは、特に弁護士のサポートを受けた方がよい代表的なケースを紹介します。
速度違反で赤切符を受け取ると、後日警察署への出頭を求められ、事件は簡易裁判所で審理されます。多くは略式裁判で処理され、罰金は10万円以下が一般的です。ただし、速度超過の程度が大きい、または悪質と判断された場合には拘禁刑などの刑罰を受けるおそれもあります。
弁護士に相談すれば、反省文の作成や情状証拠の提出を通じて減刑を目指すことが可能です。特に、前歴がある人や免許を業務で使う人は、早めに法的サポートを受けることが重要です。
オービスが作動するほどの速度超過で事故を起こすと、刑事事件として扱われる可能性が高くなります。加害者は、被害者への損害賠償や慰謝料の支払いに加えて、罰金刑や拘禁刑といった刑罰を受けることもあります。
こうした事態では、弁護士に依頼することで早期の解決が期待できます。弁護士は、被害者との示談交渉を代理し、感情的な対立を避けながら適正な条件での和解を目指すことが可能です。また、謝罪文や示談書の作成、保険会社との調整、示談成立後の刑事手続きへの反映なども一括して対応します。
さらに、弁護士が警察や検察との連絡窓口となり、供述内容の整理や情状証拠の提出を通じて、刑の軽減や執行猶予の獲得を目指すこともできます。事故後の不安を最小限に抑えるためには、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが大切です。
速度超過による事故の示談では、被害者と加害者の間で慰謝料を含む賠償金の金額に大きな差が生じることがあります。保険会社の提示額は弁護士基準より低く抑えられる傾向があり、金額に納得できない場合、交渉が長期化してしまうことも少なくありません。
また、被害者側が感情的になっており、謝罪や補償を求める声が強いときには、加害者本人が直接対応することでかえって関係が悪化するケースもあります。示談が成立しないまま時間が経過すると、刑事処分に不利な影響を与えるおそれもあります。
このような争いが起きた場合は、早い段階で専門家に相談することが重要です。慰謝料の算定基準や交渉の進め方を理解しておくことで、不当な条件で合意してしまうリスクを防ぐことができます。
示談交渉を弁護士に依頼する最大の利点は、法的根拠に基づいた公正な条件での解決ができることです。弁護士は、治療期間・後遺障害・過失割合などをもとに正確な慰謝料を算定し、保険会社や被害者側に対して説得力ある主張を行います。
また、弁護士が代理人として交渉を行うことで、被害者と直接やり取りする必要がなくなり、精神的な負担を大幅に軽減できます。感情的な衝突を避け、冷静かつスムーズな話し合いが可能です。
さらに、示談内容を刑事手続きに反映させることで、刑の軽減や執行猶予の獲得につながるケースもあります。早期の弁護士介入によって、金銭的・心理的・法的リスクを最小限に抑えられる点が大きなメリットです。
オービスが光ったからといって、必ず罰金や免停になるとは限りません。撮影された画像をもとに警察が車両の所有者を特定し、運転者本人であると確認された場合にのみ、出頭通知が届きます。運転者の特定ができなければ、処分が行われないこともあります。
速度超過の結果、事故が発生した場合には、弁護士が刑事手続きと被害者との示談交渉の両面でサポートします。弁護士は被害者への謝罪文や示談書を作成し、感情的な対立を避けながら適正な条件での和解を目指します。
また、警察や検察とのやり取りを代理し、供述内容の整理や情状証拠の提出などを通じて、刑の軽減や執行猶予の獲得につなげることも可能です。
原則として、オービスで撮影された写真は速度超過を示す客観的な証拠とみなされます。ただし、機器の不具合や設置環境によって誤作動の可能性がある場合には、証拠能力を争うことも可能です。
弁護士が介入すれば、オービスの設置状況・測定方式・記録データの正確性などを確認し、誤計測の疑いがある場合には証拠として不十分であることを主張できます。特に、撮影画像から運転者の特定が困難な場合は、処分が見送られるケースもあります。
オービスが光るほどの速度超過は、罰金や免停だけでなく、事故や裁判に発展する重大な違反につながるおそれがあります。特に、事故を起こしてしまった場合や被害者との示談が必要な場合には、法的知識のないまま対応すると不利な条件で解決してしまう危険もあります。
こうしたトラブルに直面したときこそ、弁護士への相談が有効です。 弁護士は、示談交渉の代理や罰金・刑事処分の軽減に向けた対応、保険会社とのやり取りまでトータルでサポートしてくれます。
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