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交通事故に精通している弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所 > 交通事故弁護士コラム > 交通事故予備知識 > 交通違反の罰則は主に3種類!起きやすい交通違反や罰金の支払い方法とは

交通違反の罰則は主に3種類!起きやすい交通違反や罰金の支払い方法とは

弁護士 石木貴治

この記事の執筆者 弁護士 石木貴治

東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/ishiki/

この記事でわかること

  • 交通違反をした場合の罰則
  • 起きやすい交通違反とその罰則
  • 罰金や反則金を支払う手続きの流れ

車を運転するようになると、交通違反をしてしまった際の罰則が気になりますよね。

実は、運転免許の違反点数が加算されるだけでなく、交通違反では罰金や懲役といった刑罰を受ける可能性もあり得ます。
その他に、事故でものを壊す、あるいは人に怪我をさせると、治療費や修理費等を払わなければならないこともあります。

故意ではなくても、うっかり赤信号を通過してしまった場合や、ライトが切れたまま走行した場合なども罰則はあるのでしょうか?

今回は、そうした起きやすい交通違反についての罰則をまとめていますので、安全運転のために参考にしてみてください。

目次

交通違反の罰則は主に3種類

交通ルールを違反すると、行政罰、刑事罰、民事罰の3種類のペナルティを受ける可能性があります。
順番に、おおまかには以下のような内容を指します。

  • 行政罰 免許証の点数や反則金等
  • 刑事罰 罰金や懲役等
  • 民事罰 被害者に対する損害賠償金の支払い等

それぞれどのようなものか、1つずつ詳しく解説しいていきます。

行政罰

交通違反における行政罰とは、主に免許証の違反点数と、反則金です。
また、反則金を督促されたにも関わらず未納のままでいると、次回車検の際には車検証の交付を受けることができません。

陸運局によるこうした対応も、広い意味では行政罰の一種です。

違反点数が累積すると、免許停止や免許取り消しになる

交通違反をすると、違反の種類によって運転免許の違反加点が課されます。

違反点数は累積され、一定の点数に達するとその際の点数によって免許停止や取消の処分が科されます。

後述の表のとおり、初回であれば累積6点で免許停止、累積15点で免許取消です。

直近の違反行為から1年間、無事故無違反で過ごすことで、累積された点数はリセットされます。
その他、2年以上無事故無違反の場合に、その後一回の交通違反が3点以下の場合には3カ月無事故無違反でリセットされる等の特例措置があります

違反点数による免許停止・取消期間

免許停止、免許取消になる点数と期間は以下のとおりです。

点数\前歴0回1回2回3回4回以上
1
2停止90日停止120日停止150日
3停止120日停止150日停止180日
4停止60日停止150日取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
5停止60日取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
6停止30日停止90日取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
7停止30日停止90日取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
8停止30日停止120日取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
9停止60日停止120日取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
10-11停止60日取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
取消2年
(4年)
取消2年
(4年)
12-14停止90日取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
取消2年
(4年)
取消2年
(4年)
15-19取消1年
(3年)
取消1年
(3年)
取消2年
(4年)
取消2年
(4年)
取消2年
(4年)
20-24取消1年
(3年)
取消2年
(4年)
取消2年
(4年)
取消3年
(5年)
取消3年
(5年)
25-29取消2年
(4年)
取消2年
(4年)
取消3年
(5年)
取消3年
(5年)
取消3年
(5年)
30-34取消2年
(4年)
取消3年
(5年)
取消3年
(5年)
取消5年取消5年
35-39取消3年
(5年)
取消4年
(5年)
取消5年
40-44取消4年
(5年)
取消5年
45以上取消5年

※前歴とは、過去3年間の免許停止または取消、免許の拒否、保留処分の回数です。
1年間無事故無違反を継続すると、免停、免許取消を決定するためのカウントとしてはリセットされます(違反歴そのものが消えるわけではありません)。
※( )内の年数は、免許取消歴等保有者が一定期間内に再び免許の拒否・取消し又は、6月を超える運転禁止処分を受けた場合の年数を表します。

特定の重い違反(特定違反行為)については、以下のとおり定められています
特定違反行為とは、運転殺人傷害等、危険運転致死傷等、酒酔い運転・麻薬等運転、妨害運転(著しい交通の危険を生じさせた場合)又は救護義務違反をいいます。

点数\前歴0回1回2回3回4回以上
35-39取消3年
(5年)
取消4年
(6年)
取消5年
(7年)
取消6年
(8年)
取消6年
(8年)
40-44取消4年
(6年)
取消5年
(7年)
取消6年
(8年)
取消7年
(9年)
取消7年
(9年)
45-49取消5年
(7年)
取消6年
(8年)
取消7年
(9年)
取消8年
(10年)
取消8年
(10年)
50-54取消6年
(8年)
取消7年
(9年)
取消8年
(10年)
取消9年
(10年)
取消9年
(10年)
55-59取消7年
(9年)
取消8年
(10年)
取消9年
(10年)
取消10年取消10年
60-64取消8年
(10年)
取消9年
(10年)
取消10年
65-69取消9年
(10年)
取消10年
70以上取消10年

反則金を支払わないと、刑事罰の手続きに移行する

特定の軽い交通違反は、すぐに刑事罰にはならず、先に交通反則通告制度による反則金(行政罰)が課されます

例えば、一時不停止や駐車違反のほか、軽微なスピード違反、通行禁止違反などがこのパターンにあたります。

反則金を払わないと、督促(販促未納通知書)が届き、それでも無視した場合は警察から出頭要請がなされ、通常の刑事手続きに変更されます。

出頭要請を無視すると逮捕されることもあり、懲役又は罰金の処分が下され、確定すれば前科がつくことになります。

反則金が課されただけでは、刑事罰でないため前科はつきません。

刑事罰

刑事罰は、懲役または罰金等というと分かりやすいでしょう。

交通違反をすると、一定の重い違反行為については道路交通法や刑法で規定される罰則が科されます。

そのほか、危険運転については「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(通称:自動車運転処罰法)」によって刑事罰が定められています。

前述のとおり、軽微な違反については反則金を支払うことで刑事罰を回避できる場合があります

民事罰

交通違反における民事罰とは、損害賠償金の支払いです(民法709条の不法行為責任)。

交通事故を起こして、ものを壊す、あるいは人に怪我をさせると、その修理費や治療費を支払わなければなりません。
基本的には加害者が被害者に対して支払うものですが、事故が起きた責任が被害者にもある場合は、その責任の割合(過失割合)に応じて減額されます。

単にスピード違反や一時停止違反を起こした場合、物損や被害を受けた者がなければ、民事罰はありません。

損害賠償は、以下のようにさまざまな事情が考慮され、合算されます。

人身に関する損害

  • 治療費
  • 入通院交通費
  • 慰謝料(入通院慰謝料、後遺障害慰謝料、死亡慰謝料)
  • 休業損害
  • 逸失利益
  • 付添、介護費用

物に関する損害

  • 修理費
  • 車の買替費用
  • 買替の諸費用
  • 休車損害
  • 代車費用
  • 評価損

上記のほか、原則として現に損害があった範囲において賠償しなければなりません。

起きやすい交通違反の例

日常的に起きやすい交通違反は、以下のようなものがあります。

  • スピード違反
  • 座席ベルト(シートベルト・チャイルドシート)装着義務違反
  • 携帯電話使用等違反
  • 一時不停止
  • 信号無視
  • 駐車違反・放置駐車違反
  • 通行禁止違反
  • 救急車両の進路妨害
  • 免許不携帯
  • 無免許運転
  • 車検切れ
  • 整備不良
  • 飲酒運転
  • ひき逃げ・当て逃げ
  • 妨害運転(煽り運転)
  • 危険運転致死傷・過失運転致死傷
  • 飲酒(酒酔い)運転・酒気帯び運転

それぞれ、原則として行政罰が課されるか刑事罰が科されますが、民事罰(損害賠償)については被害者がある場合のみです。

以下では、これらの違反内容とその罰則を、順に解説していきます。

スピード違反

スピード違反は、その名のとおり法定速度を超えるスピードで走行する違反のことです(道路交通法22条他政令の定めによる)。

速度の超過分が大きいほど罰則も大きくなり、1回のスピード違反で免許停止や免許取消になる場合もあります。

スピード違反の罰則

スピード違反の罰則は以下のとおりです。

違反点数

超過速度(km/h)一般道路高速道路
1~15未満
15~20未満
20~25未満
25~30未満
30~35未満
35~40未満
40~50未満
50~1212

反則金(円)および刑罰

一般道路高速道路
超過速度(km/h)大型車普通車二輪車原付大型車普通車二輪車原付
1~15未満12,0009,0007,0006,00012,0009,0007,0006,000
15~20未満15,00012,0009,0007,00015,00012,0009,0007,000
20~25未満20,00015,00012,00010,00020,00015,00012,00010,000
25~30未満25,00018,00015,00012,00025,00018,00015,00012,000
30~35未満6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金30,00025,00020,00015,000
35~40未満40,00035,00030,00020,000
40~50未満6カ月以下の懲役または10万円以下の罰金
50~

次に、罰金となった場合の相場は以下のとおりです。

超過速度(km/h)一般道路高速道路
30~35未満6~7万円
35~40未満7~8万円
40~50未満8~9万円
50~10万円

より大型な車の方が速度超過による危険が大きくなりやすいため、基本的に罰則も大きくなります。
高速道路よりも一般道での速度超過の方が周囲に与える危険が大きく、表の30~40km/hのとおり、違反点数と刑事罰の部分で差がでます。

80km以上のオーバーになると、罰金ではなく一発で懲役を求刑される可能性が高くなります。

座席ベルト(シートベルト・チャイルドシート)装着義務違反

座席ベルト(シートベルト)は全席に着用義務があります。
また、6歳未満の子供はチャイルドシートの装着が義務付けられています。

シートベルトは、公道のほかスーパーの駐車場等でも原則として着用が必要です。

以下のような場合の着用義務はなく、罰則もありません(道路交通法施行令第26条3の2第1項、2項)。

  • 負傷もしくは障がい、または妊娠中など療養・健康上の理由があるとき
  • 著しく座高が低いまたは高い、若しくは著しく肥満であることその他身体上の理由でベルト装着ができないとき
  • 自動車を後退(バック)させるとき
  • 消防車、警衛・警護者、選挙運動車などの用務のために運転するとき
  • 郵便物の集配等、短区間で頻繁に乗り降りする業務を行っているとき
  • (同乗者について)運転者の着用既定の除外理由に準ずる者を乗せるとき
  • (同乗者について)運転者席以外の座席の数を超える数の者を乗車させるためこれらの者のうちに座席ベルトを装着させることができない者がある場合において、当該座席ベルトを装着させることができない者を乗車させるとき

罰則

シートベルト非装着の場合の罰則は以下のとおりです。

軽微な違反とされ、いずれの場合も反則金・罰金・懲役はありません

違反者の座席\違反した場所一般道路高速道路
運転席・助手席1点1点
後部座席なし(注意を受ける)1点

シートベルト非着用は、周囲に対しての危険を発生させる可能性は小さいためため、罰則は小さいです。

しかし、着用の場合と比べて非着用者の致死率は、運転席で56.6倍、助手席で 15.2倍、後部座席では 4.8倍、平均して14.3倍であったと国土交通省の調査で発表されています(平成26年中の交通事故発生状況)。

自分や家族・友人を守るために、シートベルトは必ず着用しましょう。

携帯電話使用等違反

運転中に携帯電話(スマートフォン、ガラケー、カーナビ等)を保持して通話や画像を注視した場合は、運転者の遵守事項違反になります(道路交通法71条五の五)。

救護や公共の安全のためにやむを得ず利用する場合は、違反にはなりません
たとえば煽り運転を受けて警察に通報する場合などは、違法にはならず利用が可能です。

信号待ちや電車の通過待ちの場合なども、停止中であれば違反にはなりません
ただし、停止中だからといってスマホ等に注意が向くと、周囲の状況もわからなくなり、いつ進み出すかもわからなくなってしまいます。

これにより追突等を引き起こした際には、安全義務違反等の別な違反に該当することもあります。

安全のため、運転中にスマホ等を操作するのは避けましょう

罰則

携帯電話使用等の違反の罰則は、携帯等を使用・注視したのみの場合と、それにより交通の危険を生じさせた場合で重さが違います

違反加点および反則金、罰金

違反点数反則金(円)
大型車普通車二輪車原付
携帯等を使用・注視した25,00018,00015,00012,000
道路における交通の危険を生じさせた場合1年以下の懲役または30万円以下の罰金

公共の危険を生じさせると、6点になるため一発免停になります。

一時停止違反(一時不停止)

標識等により一時停止が指定されているにも関わらず停止しなかった場合、一時停止違反となります(道路交通法43条)。
また、踏切の不停止も違反です(道路交通法33条)。

一時停止するべき時間には、明確な規定はありません。
そのため警察から呼び止められた場合には、止まったか止まっていないかの言い争いになることがあります。

口頭での争いで運転手の主張が通ることはほとんどないため、止まったと証明するにはドライブレコーダーの映像等を提示することになるでしょう。

少なくとも、一時停止の際は左右を確認できる程度の時間をとるようにしましょう。

罰則

一時停止違反(一時不停止)の罰則は以下のとおりです。
反則金は指定場所一時不定詞等違反と、踏切不停止等違反にわかれます。

違反内容\罰則違反点数反則金(円)
大型車普通車二輪車原付
指定場所一時不停止等違反9,0007,0006,0005,000
踏切不停止等違反12,0009,0007,0006,000

反則金を支払わず刑罰になる場合は、3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金に処せられます。

信号無視

信号無視を守る義務は道路交通法7条に定められており、守らなかった場合は交通違反になります。

信号を認識しながら故意で赤信号を突っ切るパターンや、点滅信号で停止しない等の違反があります。

黄色信号は、意味を誤解している人も多いため要注意です。

道路交通法施行令では、車両についての黄信号の意味は以下のように定められています

引用:道路交通法施行令2条(黄色の灯火 信号の意味 2号)
「車両及び路面電車(以下この表において「車両等」という。)は、停止位置を越えて進行してはならないこと。ただし、黄色の灯火の信号が表示された時において当該停止位置に近接しているため安全に停止することができない場合を除く。
黄信号でも原則として停止位置を超えて進行してはいけません
安全に停止することができない場合に、進行が認められる扱いです。
黄色手前で加速した場合等は「安全に止まれるはずだった」として違反を取られる可能性が高くなります。

もちろん、黄色から赤に切り替わる際にも、赤になったあとに交差点に進入していれば信号無視にあたります。

罰則

点滅信号無視、赤信号無視の行政罰は以下のとおりです。

違反内容\罰則違反点数反則金(円)
大型車普通車二輪車原付
点滅信号無視9,0007,0006,0005,000
赤信号無視12,0009,0007,0006,000

刑罰は反則金を支払わない場合に科され、信号無視が過失(うっかり)の場合は10万円以下の罰金、故意の場合は3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金になります。

駐停車違反・放置駐車違反

駐停車違反とは駐車または停車してはいけない場所に駐停車する交通違反です(道路交通法51条)。

違反となる場所は『駐車禁止』の場所と『停車及び駐車の両方が禁止』の場所があります。
たとえば消防署前の道路等は停車も禁止されるなど、空けておく必要性が高い場所の違反は、より罰則が重くなります。

また、違反の種類には『駐停車違反』『放置駐車違反』の2種類があります。

車内または車のすぐ外などに運転手がおり、すぐに車を動かせる場合は駐停車違反です。
車から離れるなどしてすぐに動かせない場合は、より重い放置駐車違反に該当します。

駐停車禁止の場所は標識等で示される他、以下の場所は標識等がなくても駐停車してはいけないことになっています。

  • 交差点、横断歩道、自転車横断帯内と端から5m以内
  • 踏切内、および端から前後10m以内
  • 勾配の急な坂、トンネル内
  • バス・路面電車の停留所から10m以内

罰則

駐停車違反、放置駐車違反の罰則は以下の通りです。

違反\行政罰違反場所違反点数反則金(円)
大型車普通車二輪車原付
駐停車違反駐車禁止場所等12,00010,0006,0006,000
駐停車禁止場所等15,00012,0007,0007,000
放置駐車違反駐車禁止場所等21,00015,0009,0009,000
駐停車禁止場所等25,00018,00010,00010,000

反則金を支払わない場合等は刑罰となり、3カ月以下の懲役または20万円以下の罰金に処されます。

通行禁止違反

通行禁止違反とは、その名の通り通行を禁止された場所を通行する違反のことです。

通行禁止の場所は、歩道や車両通行止めの道路のほか、時間帯により通行禁止の通学路など、標識等によっても示されます。

火事や自然災害による道路損壊等がある場合には警察官が交通整備をしている場合があります。
その際に警察官の指示に従わず通行禁止を侵すと、警察官通行禁止制限違反に該当し、より重い罰則が科されます。

罰則

通行禁止違反、警察官通行禁止制限違反の罰則は以下のとおりです。

違反\行政罰違反点数反則金(円)
大型車普通車二輪車原付
通行禁止違反9,0007,0006,0005,000
警察官通行禁止制限違反3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金

警察官通行禁止制限違反は、反則金の規定はなく一発で刑事罰となります。

免許不携帯

免許不携帯とは、免許証を家に忘れたなど、免許を携帯せずに運転する交通違反です。

免許不携帯は、運転免許を取得しており有効である前提で、免許証を携帯せずに運転した場合が該当します。

警察が、運転について以下のような交通ルール違反が認められる(または可能性がある)と判断する際は、免許証の提示を求められた場合に提示する義務があります(道路交通法95条、67条他)。

  • 無免許運転と認められるとき
  • 飲酒運転と認められるとき
  • 過労運転と認められるとき
  • 運転可能な年齢に達していないと認められるとき
  • 運転が危険なとき(貨物が落ちそうなど)
  • その他の交通違反によって交通事故を起こし損害が発生した場合で、運転者に引き続き運転させることができるかどうか確認する必要があるとき

罰則

免許不携帯は、軽微な違反に該当し、免許の違反点数はありません
反則金は一律3,000円になります。

ただし、道路交通法95条による提示義務に反して警察への免許証の提示を拒んだ場合は、5万円以下の罰金が科される可能性があります。

無免許運転

無免許運転とは、運転免許のない者(運転する資格のない者)が運転をする違反を言います。

先述した免許証不携帯という意味ではなく、免許を取得していない者、免許の停止中もしくは取消しを受けて再取得していない者が車を運転した場合をいいます。

罰則

無免許運転の行政罰は、違反点数25点及び欠格期間2年です。
欠格期間とは、免許を取得できない期間という意味です。

たとえば、免許停止中の者が運転すると無免許運転にあたり、25点の違反加点によって一発で免許が取り消しになる上、その後2年間は免許を再取得できません

反則金はなく、刑事罰は3年以下の懲役または50万円以下の罰金になります。

整備関連の違反(整備不良・不正改造・車検切れ)

車の整備がされていないまま走行すると、周囲を危険にさらす可能性があるため、交通違反となります。

整備不良とは、車の整備を放置して車検に通らないような状態で走行する違反のことです。
違反は尾灯(ライト)等の軽微な整備不良と、制御装置(ブレーキ等)の整備不良に分かれます。

よくあるパターンは、ライトが切れていて気付かなかった場合や、タイヤがすり減っていると知りながら整備せずにバーストした場合などです。
また、整備が行き届いていても車検が切れている車で公道を走行すると、違反になります。

これらは放置すると周囲の交通にも危険が発生するおそれがあるため、うっかり忘れた場合でもそれぞれ罰則が定められています。

車を改造して保安基準に適合しない状態にして走行することは、不正改造として違反になります。

罰則

整備関連の違反についての罰則は以下のとおりです。

違反\行政罰違反点数反則金(円)
大型車普通車二輪車原付
整備不良(尾灯等)9,0007,0006,0005,000
整備不良(制御装置等)12,0009,0007,0006,000
不正改造6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金
車検切れ6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金

不正改造や車検切れは、6カ月以下の懲役または30万円以下の罰金となり、違反加点も6点のため一発で免許停止以上の処分になります。

ひき逃げ・当て逃げ(報告義務違反、危険防止措置義務違反、救護義務違反)

ひき逃げ、当て逃げは交通違反であり、犯罪行為です。
道路交通法72条には、報告義務、危険防止措置義務、救護義務が定められています。

また、ひき逃げを行うと刑法の危険運転致死傷、過失運転致死傷にも該当する可能性があります。

道路交通法72条に定められる義務は、大まかに以下のとおりです。

  • 報告義務:事故を警察に報告する義務
  • 危険防止措置義務:次の事故が引き起こされないように危険防止の措置をとる義務
  • 救護義務:負傷者を確認し救護する義務

罰則

救護義務・、危険防止措置義務、救護義務の罰則についてまとめると、以下のとおりです。

違反\行政罰違反の対象違反点数罰則の内容
(大型車、普通車、二輪車、原付を問わず共通)
報告義務違反3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
危険防止措置義務違反物損事故3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金
救護義務違反、危険防止措置義務違反人身事故の加害運転者3510年以下の懲役または100万円以下の罰金
上記以外の事故車両の運転者355年以下の懲役又は50万円以下の罰金

その他の違反(スピード違反等)が同時にあった場合、違反点数は累積されます。

報告義務違反は、運転者本人が報告できない事情がある場合には乗務員も対象です。
乗務員や同乗者は運転者の救護義務を妨げてはならないと規定されており、妨げた場合は同等の罰則が科せられます。

その他、怪我人や物損がある場合には、民事罰として治療費や休業損害、修理費用等の損害賠償金を被害者に支払うことになります(任意保険契約があれば利用できます。)

危険運転致死傷・過失運転致死傷

危険運転致死傷罪とは、著しい危険な運転を行って相手を死傷させる罪のことです。

自動車運転処罰法2条に規定があり、以下のような運転が危険運転に該当します。

  • アルコールによる酒酔い
  • 薬物を使用した状態での運転
  • 著しいスピード違反
  • 運転の技能が無い者による運転
  • 妨害目的(煽り運転)
  • 殊更信号無視(特に危険な信号無視)
  • 通行禁止道路での進行

業務上過失運転致死等罪は、過失による事故で被害者を死傷させる罪です(刑法211条)。

罰則

危険運転致死傷、過失運転致死等の刑事罰は以下のとおりです。

違反内容罰則
危険運転致死傷被害者が負傷15年以下の懲役
被害者が死亡1年以上の有期懲役(20年以下)
業務上過失運転致死等5年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金

危険運転致死傷の違反点数は35点~62点で、詳細は以下のとおりです。

違反内容違反点数欠格期間
運転殺人等628年
運転傷害等(治療期間3月以上または後遺傷害あり)557年
運転傷害等(治療期間30日以上)516年
運転傷害等(治療期間15日以上)485年
運転傷害等(治療期間15日未満または建造物損壊あり)455年
危険運転致死等628年
危険運転致傷等(治療期間3月以上または後遺障害あり)557年
危険運転致傷等(治療期間30日以上)516年
危険運転致傷等(治療期間15日以上)485年
危険運転致傷等(治療期間15日未満)455年
酒酔い運転353~7年
麻薬等運転353~7年
妨害運転(著しい交通の危険を発生させた場合)353年~10年

その他、被害者に怪我があったまたは死亡させた場合は、治療費や死亡慰謝料等の賠償金を被害者へ支払うことになります。

妨害運転(煽り運転)

妨害運転(煽り運転)は当然に交通違反です。

悪質な煽り運転で死亡事故が発生したことなどから議論が大きくなり、2020年6月30日から厳罰化されました。

煽り運転の対象として、以下のような運転があてはまります。

  • 急ブレーキによる妨害
  • 車間距離を詰めすぎる
  • 車線変更禁止区間での車線変更、通行区分の違反
  • 無理な追い越し
  • ライトの点滅、クラクションによる煽り
  • 高速道路での低速走行や駐停車
  • その他安全運転義務の違反

正式な罪名は『妨害運転罪』であり、違反すると以下の罰則が科されます。

罰則

妨害運転罪の罰則は以下のとおりです。

違反点数欠格期間刑罰
妨害目的の煽り運転252年3年以下の懲役または50万円以下の罰金
煽り運転により著しい交通の危険を生じさせた場合353年
(前歴により最大10年)
5年以下の懲役または100万円以下の罰金

被害者に怪我をさせた場合や死亡させた場合には、治療費や慰謝料等の損害賠償を支払うことになります。
被害者に外傷がなくても、恐怖を与えたことに対する慰謝料が発生することもあります。

緊急車両の進路妨害

緊急車両とは、パトカー、救急車、消防車等を指します。

緊急車両がその業務のためにサイレンを鳴らして近づいて来た際には、他の車は道を開ける義務があります。

このとき、青信号でも停止するなどして道を譲らなければなりません(道路交通法40条)。

これに違反し、救急車両を妨害した際には交通違反で罰せられます。

進路妨害は、意図的で悪質な場合には対象となります。気づかなくて少し緊急車両の前を走行してしまった程度であれば、違反を取られる可能性は低いでしょう。

罰則

緊急車両の進路妨害は軽微な違反にあたり、罰則は以下の通りです。

違反\行政罰違反点数反則金(円)
大型車普通車二輪車原付
緊急車両の進路妨害7,0006,0006,0005,000

刑事罰に移行した場合は、5万円以下の罰金が科されます。

ただし、悪質な進路妨害を行って怪我人が発生した場合には、妨害運転や危険運転致死傷罪などの別な罪が成立する可能性もあります。

飲酒運転(酒酔い運転・酒気帯び運転)

お酒を飲んでの運転は、酒酔い運転と酒気帯び運転の2種類に分けられます。

酒酔い運転はアルコールの検出量には関係なく、お酒に酔って酩酊状態で運転することです。
お酒に弱い人は、少量のお酒によってアルコールの検出量が少なくても、酒酔い運転に該当する可能性があります。

対して、酒気帯び運転は一定のアルコール検出量があった時点で犯罪になります。
お酒に強い人が、飲酒後に意識が相当はっきりしていても、一定量のアルコールが検出されれば、酒気帯び運転に該当します。

飲酒を知りつつ運転者に車を貸した人や、酒類を提供した人、飲酒を知りつつ同乗した者にも罰則が科される可能性があります。

罰則

飲酒(酒酔い)運転、酒気帯び運転の刑事罰は以下のとおりです。

運転者が行った飲酒運転の種別車両等を運転した者車両等を提供した者酒類を提供した者、または同乗者
酒気帯び運転3年以下の懲役または50万円以下の罰金2年以下の懲役または30万円以下の罰金
酒酔い運転5年以下の懲役または100万円以下の罰金3年以下の懲役または50万円以下の罰金

飲酒(酒酔い)運転および酒気帯び運転の行政罰

違反点数欠格期間
酒気帯び運転
アルコール検出量
呼気1リットルあたり
0.15mg~0.25mg未満
13なし
酒気帯び運転
アルコール検出量
呼気1リットルあたり
0.25mg~
252年
酒酔い運転353年~8年

交通違反の罰則の支払い方法

ここからは、交通違反をした際の反則金または罰金の支払い方法について解説していきます。

反則金の支払い方法

交通違反によって警察に止められると、その場で聴取が行われ、反則金の処分が決定したあとに警察から交通反則告知書を交付されます
これを通称青キップといいます。

青キップは、交通違反があってから1週間~1カ月ほどで届くのが一般的です。大きな事故など、決定に時間がかかる場合は数カ月~かかる場合もあります。

青キップが届いたら、、その後8日以内に銀行または郵便局の窓口で反則金を納付すれば完了です。

銀行または郵便局へは営業日に行く必要があるため、土日の納付は不可です。

分割払いはできません。

2024年6月1日現在、以下に解説する放置違反金を除き、コンビニ払いやその他のキャッシュレス決済は対応していません。

スピード違反がオービスで撮影された場合

オービス(自動速度取締装置)によってスピード違反を取られた場合、反則金の青キップではなく警察署への出頭通知書が届きます。

青キップでない理由は2つあります。

  • 車の所有者と運転者(違反した者)が違う可能性があるため
  • 現状の運営として、オービスで検挙されるのは一発免停以上(一般道30km/h、高速40km/h以上オーバー)となる場合が多く、反則金ではなく刑事罰の扱いになるため

出頭通知書が届くと、出頭先の管轄警察署や持ち物が記載されています。

警察署へ出頭すると違反についての聴取が行われ、さらに後日、簡易裁判所へ出廷し罰金等が確定します。

異議がある場合は証拠を用意し、適切なタイミングで異議申し立てを行う必要があります。

放置違反金の支払い方法

放置駐車違反における放置違反金は支払い方法が拡大しており、以下の納付方法が可能です。

  • 銀行、信用金庫、信用組合、農業協同組合および郵便局の窓口
  • Pay-easy(ペイジー)
  • 各種コンビニエンスストア
  • スマートフォン決済アプリ(J-coinPay、d払い、PayB、PayPay、モバイルレジ、LINE Pay、楽天銀行アプリ、楽天ペイ

ただし、車検が近い場合は金融機関の窓口またはコンビニエンスストアで納付し、領収書を受け取っておく必要があります。

違反金の支払いが確認できないと、新しい車検証が交付されないためです。

受け取った領収書は保管し、車検の際に窓口担当者に提出しましょう。

納付期限過ぎてしまった場合

青キップを渡されたにも関わらず、仮納付の期限を過ぎてしまった場合、手続きの流れは以下のとおりです。

  • 交通反則通告センターで通告を受ける
  • 通告書と納付書を受けとる。
  • その日から11日以内に銀行または郵便局の窓口で反則金を納付する。

本人が通告書・納付書を受け取りにいくことができない場合は、代理人もしくは郵送で住所宛に通告書と納付書を郵送してもらうことにより手続きが可能です。
さらに納付を放置すると、逮捕されて刑罰に処せられる可能性があります。

罰金の支払い方法

罰金は、反則金と違って刑事罰のひとつです。

罰金の支払いは、検察庁が指定する方法で検察庁の指定口座に振り込むか、検察庁へ直接納めます。

分割は認められず、一括かつ現金で支払う必要があります。

支払うタイミングは、裁判(略式裁判も含む)によって判決が確定した後、30日以内です。

30日を過ぎても罰金を納付しない場合、刑務所や拘置所内の労役場に留置される場合があります。

労役場では、罰金の支払いに代えて軽作業を行います。

損害賠償金の支払い方法

被害者への損害賠償は、任意保険会社との契約があれば、基本的に示談交渉のあとに保険会社がすべて支払います。
万が一、任意保険会社との契約がなければ、被害者が指定する方法で直接支払うことになります。

ただし、損害賠償は民事罰であるため、示談の内容次第で支払い方法はさまざまです。

一括支払いが厳しい場合、給料から天引きする形の分割払いで合意に至る可能性もあります。

被害者の中には、交通事故についての罪を忘れて欲しくないという理由で、あえて分割で支払わせたいと考える方もいます。

まとめ

今回は、起きやすい交通違反とその罰則について解説しました。

交通違反をしてしまうと、刑事、行政、民事それぞれでペナルティがあります。
違反した内容によっては、これらすべての罰則を受けることもあります。

普段から安全運転を心掛け、交通違反を起こさないようにしましょう。

もしも警察からの処分や行政処分に納得がいかない場合は、証拠を提示して不服を申し立てる等の手続きが可能です。

ご自身、ご家族、ご友人の方で交通違反についてお悩みの方がいれば、どんなことでも弁護士に相談してみるといいでしょう。

保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。 保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。

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