東京弁護士会所属。
メーカー2社で法務部員を務めた後、ロースクールに通って弁護士資格を取得しました。
前職の経験を生かし、実情にあった対応を心がけてまいります。 お気軽に相談いただければ幸いです。
車をガードレールにぶつけると、事故の衝撃から、パニックになってしまうことがあります。
逃げるつもりはなくても、慌ててその場から離れてしまうこともあるでしょう。
しかし、ガードレールや標識にぶつかると、誰も見ていないと思っても後からバレてしまうものです。
この記事では、ガードレールにぶつけてしまった場合にバレる原因や対処法を詳しく解説します。
ガードレールや標識等に車をぶつけた場合、必ずバレると思った方がよいでしょう。
バレる理由は以下のとおりです。
破損した車体が、警察に直接見つかることがあります。
車のバンパーがとれかけている場合や、ライトが破損したまま自走すると、整備不良として道路交通法違反になります。
その状態の車が走っていたら、警察は当然止めることになります。
近年では目撃者の立場になると、事故を目撃した場合はとっさに車のナンバーをメモし、あるいは写真を撮る人も多いです。
また、防犯カメラや目撃者のドライブレコーダーにも映像が残ります。
現場では誰も見ていないと思っても、車に破損がある状態で走行すると、色々な場所の防犯カメラ等に映ることになります。
車を修理するために保険を利用しようとする際は、基本的に事故証明書が必要になります。
事故証明書は、現場に駆けつけた警察官が作成する調書から作られます。
そのため、保険を利用する際には必ず警察に通報していなくてはなりません。
こうして自分がガードレールに車をぶつけたことが発覚します。
ガードレールにぶつけた際にそのまま逃げてしまうと、次のような罰則があります。
ガードレールを破損した場合、修理または交換等の費用を払う必要があります。
また、それが原因で怪我人が出た場合には、その治療費等も支払わなければなりません。
これらの物損・人身についての賠償は、任意保険への加入があれば、任意保険会社が支払うことになります。
ガードレールへの当て逃げをすると、以下のいずれかに該当する可能性があります。
交通事故は警察への報告義務があり、これを怠った場合には報告義務違反が問われます。
また、ガードレールが変形するなどして2次被害が予想される場合、これを放置すると、危険防止措置義務違反が問われます。
ただ、いずれも警察への報告を行えば適用とはなりません。
当て逃げによる運転免許の違反加点は、次のものに該当する可能性があります。
この他、ガードレールに当たっただけと思っても、実際には人を撥ねていたような場合には、救護義務違反として35点の違反になる可能性があります。
ガードレールに車をぶつけた場合、またはぶつけたと思って現場から離れてしまった場合の対処法は、以下のとおりです。
まずは周囲の安全を確認しつつ、2次被害が起きないよう車を安全な場所に移動しましょう。
自走できない場合は、発煙筒や三角緊急ハザードブロック・三角警告灯などを設置します。
安全が確保できたら、初めに警察に連絡しましょう。
前述したように、交通事故に関する警察への報告義務が道路交通法に定められています。
次に、ガードレール所有者・管理者に連絡します。
所有者は、国交省・都道府県・市町村等である場合がほとんどです。
分からない場合は、現場がある自治体に連絡しましょう。
後ほど、修理費用等の連絡が来ることになります。
保険会社にも連絡しましょう。
先に連絡しておくと、保険を適用する際にスムーズです。
なお、結果的に保険を利用しなければ等級が下がることはありません。
また、レッカーのみ利用した場合も、保険の等級は下がりません。
軽くこすった程度であれば、ガードレールの修理費を請求されないこともありますし、保険を使わず自費で支払うこともできる可能性があります。
後で揉めないよう、車やガードレールの破損状況を証拠として残しておくことも大切です。
万が一、帰りがけに別な事故に遭った場合や、同じガードレールに後続車がぶつかった場合などに、責任の範囲がわからなくなることがあります。
必要に応じて、車を修理しましょう。
事故直後に自走できない場合は、任意保険会社の指定による業者か、近隣の業者、JAF等に連絡してレッカー移動してもらいましょう。
ある程度の衝撃を感じたら、怪我がないと思っても病院で診察を受けましょう。
検査で骨折や内出血等が見つかることがあり、治療が必要な場合があります。
次に、ガードレールに当て逃げしたときにかかる費用を解説します。
あくまでも目安ですが、ガードレールの弁償費用は、1mにつき2万円~4万円ほどが相場です。
工賃も合わせると、20万円~30万円ほどになる可能性があります。
また、ガードレールに変形等がなく、安全性に問題がないと管理者が判断すれば、弁償費用を請求されない場合があります。
前述したとおり、ガードレールに当て逃げすると、以下のいずれかに該当する可能性があります。
最低でも5万円の罰金が科されることを想定しておくとよいでしょう。
必要に応じて、修理費・治療費がかかります。
費用は、車の破損状況や怪我の重篤さによって大きく変わります。
当て逃げの後、警察の対応や修理費に納得できないような場合には、弁護士に解決を依頼するとスムーズです。
費用は依頼内容によりますが、任意保険会社による弁護士費用特約があれば、300万円を上限として保険会社が負担してくれます。
一般的な事故であれば、この上限額を超えることはありません。
ガードレールに車をぶつけたら、必ずバレると思っておきましょう。
警察への報告義務を怠ると、本来は不要だった罰金等が必要になることもあります。
しかし、時間が経ってしまうとなかなか言い出しにくくなってしまうものです。
そうした場合は、ひとまず現在の状況を整理することが大切です。
困ったら、弁護士にご相談されることをおすすめします。