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交通事故に精通している弁護士法人ベンチャーサポート法律事務所 > 交通事故弁護士コラム > 過失割合 > 左方優先とは?優先道路の見分け方や交通事故時の過失割合をわかりやすく解説

左方優先とは?優先道路の見分け方や交通事故時の過失割合をわかりやすく解説

弁護士 福西信文

この記事の執筆者 弁護士 福西信文

東京弁護士会所属。
交通事故の程度によっては、入院が必要になったり、定期的な通院、精神的にも疾患を負ったり、PTSDとして現れることもあります。
こうした状況の中で、交渉ごとを被害者本人でまとめようとすることは非常に大変です。
弁護士に示談交渉を依頼することで、直接示談交渉をしたり、資料を準備したりする精神的負担が軽減できます。
つらい事故から一日でもはやく立ち直るためにも、示談交渉は弁護士に任せて、治療に専念してください。

PROFILE:https://vs-group.jp/lawyer/profile/fukunishi/

この記事でわかること

  • 左方優先の考え方
  • 左方優先になる理由
  • 優先道路の見分け方
  • 優先道路で交通事故を起こした場合の過失割合

信号機のない交差点や道路の分岐点では、どちらの車が優先するのかわからないことがあります。

優先道路は、交通事故を防止して円滑な通行を維持するために大きな役割を果たすものです。

しかし優先順位が定まっていないと、どちらの車が先に行ってよいのか分からず、交通に混乱を生じることになりかねません。

また、優先道路でない場合でも、優先関係が決められている道路もあるため注意が必要です。

そこで本記事では、左方優先や優先道路の見分け方、万が一優先道路で交通事故を起こした場合の過失割合について、交通事故に詳しい弁護士が解説します。

左方優先とは

左方優先とは、「信号機のない交差点や優先関係のない十字路交差点では、左側からくる車が優先する」という優先関係を示す道路交通法上のルールをいいます(道路交通法36条1項1号)。

日本では、車は左側通行することが定められています(道路交通法17条4項)。

このため、信号機のない交差点や優先関係のない十字路交差点で衝突事故が起きた場合、左側から走行してきた車の過失が小さくなるのが原則です。

ただし、左方優先はすべての交差点で適用されるわけではないため、注意が必要です。

左方優先は、信号や優先関係のない交通整理が行われていない交差点であり、かつそれぞれの道路の幅員が同程度である場合においてのみ適用されるルールです。

したがって、信号がある交差点や優先関係が定められている優先道路では、左方優先は適用されません。

では、優先道路とはどのようなものでしょうか?

優先道路を見分ける方法

ここでは、左方優先が適用されない優先道路についてみていきます。

優先道路とは?

優先道路とは、信号機のない交差点で走行順位の高い道路のことをいいます。

道路交通法36条2項においては、優先道路について「道路標識等によって優先道路と指定されている道路」「道路標識等で中央線又は車両通行帯が設けられている道路」と定義されています。

優先道路でない場合は、交差点では一時停止または徐行して、優先道路を通行する車の進行を妨害しないようにしなければなりません。

しかし、優先道路であっても、交差点では前後左右の車や道路を横断する歩行者に注意して、安全な速度で通行しなければなりませんので、注意が必要です(道路交通法36条4項)。

では、優先道路はどのように見分けることができるのでしょうか?

優先道路を見分けるには?

優先道路は、以下の4つの方法により見分けることができます。

それぞれについてみていきましょう。

優先道路の標識

優先道路の標識

上記の優先道路標識があれば優先道路です。

縦の太い道路が走行中の優先道路であり、横の細い道路が非優先道路を示しています。

前方優先道路の補助標識

前方優先道路の標識

上記の前方優先道路の標識があれば優先道路です。

この他にも、交差点で一時停止や徐行の標識に「前方優先道路」の標識があれば、優先道路です。

交差点のセンターライン

交差点のセンターライン

優先道路では、交差点内でもセンターラインがありますが、非優先道路ではセンターラインがあっても交差点内ではラインが途切れています。

交差している道路の道幅

交差道路の道幅が全く異なる場合には、原則として道幅の広いほうが優先道路になります。

広い道路は狭い道幅に優先するため、狭い道路は広い道路の通行を妨害できません。

優先道路かわからないときは左方優先

上記の標識などもなく、優先道路なのかわからない場合には、左方優先の原則が適用されます。

左側から来た車の通行が優先されるため、一時停止や徐行などして優先車両を先に行かせてください。

左方優先道路で交通事故があったときの過失割合

左方優先道路で交通事故があったときの過失割合は、左側にいる車の過失が減算されるのが原則です。

ただし、交差点の道幅が違う場合、どちらかが優先道路である場合、一時停止線のある交差点では、過失割合が異なるため注意が必要です。

以下では、具体的な状況に応じた過失割合をみていきましょう。

信号機がない優先道路の交差点で起きた事故

以下の図は信号機がなく、幅員が明らかに広い優先道路と狭路の交差点において、直進する車同士が衝突した事故です。

信号機がない優先道路の交差点で起きた事故

幅員が異なる道路は広い方が優先になるため、左方優先のルールに従い、A車とB車の過失割合は以下のようになります。

  • A車の過失割合:30%
  • B車の過失割合:70%

優先道路を走行する車にも安全確認義務があり、信号機のない交差点では徐行が必要になるケースもあるので、A車も30%の過失割合になるでしょう。

交差点の進入時にどちらかの車が減速していたときは、減速しなかった車に10%の過失割合が加算されます。

優先道路へ一時停止せずに侵入した事故

交差する道路の幅員に大きな差がなく、信号機もない場合、一時停止規制の有無によって優先道路かどうか判断するケースがあります。

以下の図は直進する車同士の衝突事故ですが、一時停止の規制がない道路が優先されます。

優先道路へ一時停止せずに侵入した事故

B車が一時停止をしなかったときは、以下の過失割合になります。

  • A車の過失割合:20%
  • B車の過失割合:80%

B車はA車の進行を妨げており、一時停止を怠ったことで80%の過失になりますが、A車も安全確認が十分だったとはいえないため、20%の過失になるでしょう。

なお、B車が一時停止を守り、交差点への進入時に減速していれば、過失割合が低くなるケースもあります。

センターラインありの優先道路で起きた事故

信号機がない交差点で車同士が衝突した場合、センターラインが途切れずに表示されている道路が優先されます。

以下の図はB車がセンターラインや左方の確認を怠り、優先道路側のA車と衝突した事故です。

センターラインありの優先道路で起きた事故

このケースでは、交差点の見通しが悪くてもA車に徐行義務がないため、過失割合は以下のようになります。

  • A車の過失割合:10%
  • B車の過失割合:90%

優先道路側のバイクと4輪車の事故

以下の図はバイクと4輪車の衝突事故ですが、信号機がなくてもセンターラインや一時停止の表示で優先道路が明らかな場合、4輪車の過失割合が高くなります。

優先道路側のバイクと4輪車の事故

4輪車は左方確認を怠っており、バイクは弱者として扱われるため、過失割合は以下のようになります。

  • バイク:10%
  • 4輪車:90%

優先道路を走行している4輪車にバイクが衝突した場合でも、弱者側になるバイクの立場が考慮されるため、4輪車30%、バイク70%の過失割合になるでしょう。

優先道路側の自転車と4輪車の事故

自転車と4輪車が交差点で衝突した場合、自転車側が優先道路であれば、4輪車の過失割合が高くなります。

優先道路側の自転車と4輪車の事故

自転車も交通弱者として扱われるので、以下の過失割合になるケースが一般的です。

  • 自転車:10%
  • 4輪車:90%

自転車はバイクよりもさらに弱い立場になるため、4輪車が優先道路を走行していた場合でも、過失割合は自転車50%、4輪車50%に算定されるでしょう。

まとめ

車を運転する上で、左方優先や優先道路の見分け方を熟知しておくことは、交通事故を起こさないためにも非常に重要です。

特に、交差点は事故が非常に起きやすい場所でもあるため、交差点を通行する場合は優先道路の基本ルールを理解した上で、安全運転を心がけてください。

万が一交通事故を起こしてしまった場合には、過失割合の認定など専門家の知識を要するため、早急に弁護士に相談することをおすすめします。

保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。 保険会社とのやり取りを私たちが代行し、最後まで妥協することなく示談交渉していきます。事故直後にできる対策もありますのでお早めにお電話ください。

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