東京弁護士会所属。
交通事故の程度によっては、入院が必要になったり、定期的な通院、精神的にも疾患を負ったり、PTSDとして現れることもあります。
こうした状況の中で、交渉ごとを被害者本人でまとめようとすることは非常に大変です。
弁護士に示談交渉を依頼することで、直接示談交渉をしたり、資料を準備したりする精神的負担が軽減できます。
つらい事故から一日でもはやく立ち直るためにも、示談交渉は弁護士に任せて、治療に専念してください。
目次
過失割合とは、交通事故の当事者それぞれにどの程度の過失があるかを割合として示したものです。
過失とは端的には不注意のことですが、過失割合における過失は責任とほぼ同じ意味です。そのため、過失割合はそれぞれの当事者にどの程度の責任があるかを示したものといえます。
過失割合の例としては、スピードを出しすぎてカーブで減速できずに対向車に接触してしまった甲の過失割合が7割、脇見運転をしていて甲の車を避けきれなかった乙の過失割合が3割などです。
注意点として、過失割合は民事訴訟の損害賠償の金額を判断するための責任の割合を定めるために用いられる概念です。
罰金刑などが科される刑事処分や、免許停止などが科される行政処分については、過失割合に関係なくそれぞれ別個に責任の度合いが判断されることになります。
損害賠償の総額に大きく関わってくるのが「過失割合」です。
被害者側にも落ち度がある場合、加害者に損害賠償のすべてを負担させるのでなく、過失の割合に応じた額を損害賠償額と相殺するという考え方に基づいています。
たとえば被害者が受けた損害総額が800万円だったとしましょう。過失割合が加害者80、被害者20と判断された場合、被害者が加害者に請求できるのは「800万円 × 80%=640万円」となり、被害総額から160万円が減額されることになります。これを「過失相殺」といいます。
過失割合は損害額全体に影響するため、たとえば、治療費の全額を加害者側の保険会社が払ってくれたとしても、最終的に慰謝料が支払われるときに、それまでの支払い分が差し引かれて、思っていたよりも少ない額になるということもあり得ます。
交通事故のパターンごとの基本過失割合をまとめています。
※実際の事故状況により過失割合は協議決定していくため、基本過失割合と異なる結果となる場合があります。
歩行者と四輪車が接触する事故の場合の過失割合をそれぞれのパターンごとに解説しています。
四輪車同士のが接触する事故の場合の過失割合をそれぞれのパターンごとに解説しています。
四輪車と二輪車(バイク)が接触する事故の場合の過失割合をそれぞれのパターンごとに解説しています。
四輪車と自転車が道路上で接触する事故の場合の過失割合をそれぞれのパターンごとに解説しています。
高速道路での事故の場合の過失割合をそれぞれのパターンごとに解説しています。
歩行者と自転車が道路上で接触する事故の場合の過失割合をそれぞれのパターンごとに解説しています。
交通事故の過失割合についてよくある質問をまとめました。
交通事故に遭った場合に相手方の保険会社が提示してくる過失割合は,判例タイムスの事例に基づく場合が多くなっています。
その主張を覆すのは難しいと思うかもしれませんが、保険会社が提示してくる過失割合が必ずしも客観的な事実に即したものだとは限りません。
加害者の主張のみを割合決定の基準にしたり、自分に有利な状況のみを取り入れて割合を決めたりしている場合があるからです。
自分が遭った事故に似たケースにおける基本的な過失割合や、それを修正する要素としてどのような事実があるかなどを、自分で判例タイムスを参照して検討する方法もあります。
保険会社が提示する過失割合について争いたい場合には、事故当時の状況において自分が有利になる事実があることを立証することが重要です。
また、逆に加害者が不利になるような事情がないか、加害者を有利にする事情が本当に存在するか、などを検討することも有効です。
過失割合を争う場合は、自分に有利な事実を証明するための客観的な証拠を集めることが重要になります。証拠能力が高い客観的な証拠としては、ドライブレコーダーや事故状況の写真や動画などがあります。
そのほか、事故の通報を受けた警察が作成する実況見分調書や目撃者の証言なども証拠になります。警察官にはできるだけ詳細な調書を作成してもらう、目撃者は証言の録音や連絡先の確保などが重要になります。
「交通事故直後の警察による実況見分対応で絶対に忘れてはいけないこととは?」こちらの記事も参照ください。
過失割合について、被害者は次の2点に気をつけてください。
① 保険会社がなるべく早く事故を処理しようとして、過失割合を決めて示談を迫ってくる
② 保険会社が被害者にとって納得のできない過失割合を提示してくる
示談金は過失割合に基づいて算定されるものなので、①のケースの場合、勢いに飲まれて了承してしまわないようにしなければなりません。みすみす損をすることになりかねないからです。被害者自身の過失割合がどの程度なのか判断がつかない場合は、自分の保険会社や弁護士に相談するようにしましょう。
②についてですが、保険会社からすれば賠償金の支払いをなるべく少なくしたいので、加害者に有利になるような過失割合を示してくることがあります。
先方の保険会社から提示された過失割合に納得がいかないのであれば、交渉しましょう。交渉は被害者自身が行うこともできますし、自分が加入している保険会社に頼むこともできます。
ただし、自分で行うには証拠集めが困難ですし、保険会社にしてみれば言葉は悪いですが「なるべく早く交渉を終えたいのに厄介なことを頼まれた」ということになる可能性もあります。
したがって、交通事故の案件を扱ったことのある弁護士に頼むのが現実的かもしれません。